窓の断熱はどこから手を付ける?原因の見分け方と費用の目安を解説

窓猿は、ガラス修理・交換サービスとしてSLS株式会社が運営するサービスです。 窓やドア、家具などのガラス割れやヒビ、交換に関するご相談に幅広く対応しており、現地調査からお見積もり、施工まで一貫して承っています。 これまでの施工経験や取扱いガラスの知識をもとに、設置場所や用途、ご希望に合わせたガラスをご提案しています。 また、一般的な板ガラスだけでなく、ペアガラスや防犯ガラス、防火ガラスなどの機能性ガラスにも対応し、暮らしの快適性や安全性を高めるためのご案内も行っています。 お客様に安心してご利用いただけるサービスを目指し、分かりやすい情報発信を心がけています。
窓ぎわが寒いとき、断熱シートやカーテンで済ませたいのか、内窓やガラス交換まで考えるのか。どちらから手を付けるかは、寒さの原因で決まります。
原因は大きく2つです。ガラスが1枚しかなくて熱が逃げているか、隙間から冷たい空気が入っているか。どちらかで、効く対策がまったく変わります。
たとえば隙間風が原因の窓に断熱シートを貼っても、寒さはほとんど変わりません。シートはガラスの面に貼るもので、隙間を塞ぐものではないからです。逆に、ガラスが1枚のまま隙間だけを塞いでも、窓から逃げる熱は残ります。
先に順番だけ示します。まず隙間風が入っていないかを確かめます。入っていれば、そこを塞ぐのが先です。隙間が無いのに窓ぎわだけが寒いなら、原因はガラスの側にある可能性が高くなります。
窓から離れた場所でも寒い、という場合は、窓以外に原因があることもあります。壁や床の断熱、給気口からの外気など、窓の工事では変わらないものです。この記事で扱うのは、窓ぎわが寒いときの話です。
この記事では、道具を使わない見分け方から、自分で対応できる範囲、業者に頼むときの費用までをまとめました。
- ✓自分の窓の寒さがどちらの原因か、道具なしで見分ける方法
- ✓断熱シートが有効でないのはどういうときか
- ✓自分で対応できるケースと、業者に頼んだほうがよいケースの境目
- ✓当社が断熱・複層ガラスの作業で実際にかかった費用
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窓ぎわが寒い原因と対処法はガラスと隙間風のどちらかに分かれる
窓ぎわが寒いという相談で、当社が現場で多く見ているのは次の2つです。ガラスが1枚のままであることと、パッキンやゴムが劣化して隙間風が入っていることです。
どちらに当たるかで、効く対策と、やっても変わらない対策が分かれます。
| 原因 | 出ている症状 | 効く対策 | やっても変わらない対策 |
|---|---|---|---|
| ガラスが1枚 | 窓の近くだけが冷える。ガラスに触ると冷たい | 内窓の設置/断熱ガラスへの交換 | 隙間を塞ぐ(塞ぐ隙間が無いため) |
| 隙間風 | 空気の流れを感じる。カーテンの裾が揺れる | パッキン・ゴムの交換/すきまテープ | 断熱シート(ガラス面に貼るもので、隙間は塞がらない) |
確かめる順番は、隙間風が先です。隙間を塞ぐほうが費用も手間も小さく、隙間があるままガラスを替えても寒さが残るためです。
両方が当てはまることもあります。その場合も、順番は同じで構いません。
ガラスが原因の場合
ガラスが1枚しかない窓は、ガラスそのものが冷えます。窓の近くに立つと冷たさを感じるのに、空気の流れは感じない、という状態です。
ガラスが1枚か2枚かを見分ける
道具は要りません。窓の端に顔を寄せて、ガラスを横から見てください。ガラスの厚みが1枚分だけなら単板ガラス、2枚のガラスと、その間の空気の層が見えれば複層ガラス(ペアガラス)です。
複層ガラスであれば、2枚のガラスの間に、細い金属の枠が入っているのが見えます。ガラスの縁に沿って走っている、幅数ミリの銀色や黒の帯です。これはスペーサーと呼ばれる部品で、2枚のガラスの間隔を保っています。この帯が見えたら複層ガラスです。
ガラスそのものに刻印が入っていることもあります。窓メーカーのYKK APは、同社製の複層ガラスについて「室内側(内観)右下または左上にYKK APのロゴマークがレーザーマーキングによって白っぽく打刻されています」と案内しています(YKK AP よくあるお問い合せ)。ガラスの隅を明るいほうへ向けて見ると、白っぽい文字が浮かびます。
サッシの框(かまち)に貼られたシールに、ガラスの構成が書かれていることもあります。数字が2つと、その間に空気層を表す記号が並んでいれば複層ガラスです。表記の書き方はメーカーによって違うため、数字が1つだけかどうかを目安にしてください。
家の中でも、窓によって構成が違うことがあります。リビングだけ複層ガラスで、寝室や北側の小さい窓は1枚のまま、という建物は珍しくありません。寒いと感じる部屋の窓を、1か所ずつ見てください。
複層ガラスなのに寒いという場合は、ガラスの中が曇っていないかも見てください。中が曇っているなら、断熱の問題ではなくガラスそのものの寿命です。ペアガラスなのに結露するのはなぜ?で扱っています。
効くのは内窓かガラス交換
ガラスが1枚だと分かったら、効くのは内窓の設置か、断熱ガラスへの交換です。どちらも、いま1枚しかないところに層を増やす工事です。
窓メーカーのYKK APは、複層ガラスについて「複層ガラスの断熱効果は単板ガラスの約2倍」と説明しています(YKK AP 窓の教科書)。
内窓は、いまある窓の内側にもう1つ窓を付ける方法です。既存の窓を触らずに済みますが、窓が2重になるため開け閉めの手間が増えます。ガラス交換は、いまのサッシはそのままで、中のガラスだけを複層のものに入れ替える方法です。見た目と使い勝手は変わりません。
どちらが向いているかは、窓枠の奥行きや、サッシがガラスの厚みに対応できるかで決まります。
内窓は、いまある窓の内側に取り付ける場所が要ります。窓枠の内側に奥行きが足りない場合は、枠を足す工事が加わります。窓の前に家具を置いている、カーテンレールが近い、といった事情も、取り付けられるかどうかに関わります。
ガラス交換は、いまのサッシに複層ガラスの厚みが収まるかどうかで決まります。古いサッシは1枚ガラス用に作られていることが多く、そのままでは厚いガラスが入りません。この場合は、既存のサッシに部材を足して厚みを受けられるようにするか、サッシごと交換するかの判断になります。
当社はどちらの工事も行っています。現地で窓を見て、その窓に入る方法を選びます。
内窓のほうを詳しく知りたい場合は、マンションの二重窓は本当に効果ある?で費用と選び方をまとめています。断熱ガラスの種類については断熱ガラスとは?をご覧ください。
サッシの材質でも変わる
ガラスを複層にしても、寒さが思ったほど変わらないことがあります。枠が熱を通しているためです。
同じYKK AP 窓の教科書の中で、樹脂とアルミの熱の伝えにくさについて「樹脂はアルミの1/1,400熱を伝えにくい」とされています。アルミのサッシは熱を通しやすく、冬は枠そのものが冷えます。
見分け方は簡単です。窓を閉めた状態で、ガラスではなく枠の部分に手を当ててください。枠がガラスと同じくらい冷たければ、アルミのサッシである可能性が高くなります。手ざわりだけでは決まらないため、枠に貼られたシールや刻印もあわせて見てください。
この場合、ガラスだけを替えても枠からの冷えは残ります。内窓を付けると、枠ごと内側に層を作ることになるため、こちらのほうが変化を感じやすくなります。
枠の冷えは、結露としても現れます。冬の朝、ガラスではなく枠の下側に水がたまっている、という状態です。ガラスを複層にしても枠に水が付き続けるなら、枠が冷えていると考えられます。
建物の年数だけで決めつけず、手を当てて確かめてください。
隙間風が原因の場合
空気の流れを感じる、カーテンの裾が揺れる、という状態なら、隙間から空気が入っています。ガラスの性能とは別の問題です。
隙間風が入っている場所を見分ける
ティッシュを1枚用意してください。手順は3つです。
- 暖房を止めて、部屋の空気が動いていない状態にする
- 窓を閉めた状態で、ティッシュの端を持って窓の周りをゆっくりなぞる
- ティッシュが揺れたところを覚えておく
空気が入っているところで、ティッシュが揺れます。
なぞる場所は3か所です。上枠と窓の間、窓が2枚重なる中央の合わせ目、下枠のレール沿い。
このうち下枠には水を抜くための穴があり、ここは塞いではいけません。水抜き穴の近くでティッシュが揺れるのは正常です。 ここを基準にせず、上枠と中央の合わせ目で判断してください。
隙間風そのものの対処は、窓の隙間風はどう防ぐ?で手順まで説明しています。
効くのはパッキン・ゴムの交換
窓と枠の間には、気密材と呼ばれるゴムやモヘアが入っています。これが硬くなったり、すり減ったりすると、閉めても隙間が残ります。
効くのは、この部品の交換です。硬くなったゴムを新しくすれば、閉めたときに窓が枠に密着します。
見た目でも分かります。ゴムを指で押してみて、弾力がなく硬い、表面がひび割れている、端が縮んで隙間ができている、といった状態なら交換の時期です。窓が2枚重なる中央の合わせ目には、細い毛が並んだモヘアという部品が入っていることがあります。これが抜けたり、寝てしまったりしていると、閉めても空気が通ります。
すきまテープを貼る方法もあります。ただしテープは部品の劣化を直すものではないため、応急の手当てとして考えてください。テープの厚みで窓が閉まりにくくなることもあります。
窓の建て付けがずれていて、閉めても枠に届いていない、という場合もあります。この場合は気密材を替えても隙間が残るため、建て付けの調整が先になります。鍵(クレセント)を掛けるときに窓を持ち上げないと掛からない、という症状があれば、この可能性があります。
ガラスを交換しても直らない
隙間風が原因のとき、ガラスを複層に替えても寒さは残ります。冷たい空気は隙間から入ってきているので、ガラスの性能を上げても通り道が変わらないためです。
これは費用の面で大きな違いになります。気密材の交換とガラス交換では、金額の桁が変わります。原因を取り違えると、高いほうの工事をして効かない、ということが起こります。
だから、ティッシュで確かめる手順を先に置いています。
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断熱シートが有効でないのはどういうときか
断熱シートは、ガラスの面に貼って空気の層を作るものです。ガラスから逃げる熱を減らす方向に働きます。
つまり、ガラス以外のところに原因があるときは、貼っても変わりません。有効でないのは次の2つのケースです。
隙間風が原因のとき
シートはガラスの面に貼るもので、窓と枠の隙間を塞ぐものではありません。隙間風が入っている窓に貼っても、冷たい空気の通り道はそのまま残ります。
貼る前に、前の章のティッシュの手順で隙間を確かめてください。ティッシュが揺れるなら、先に塞ぐほうが順番です。
シートを貼ったのに変わらなかった、という場合も同じです。貼り方が悪かったのではなく、原因がガラスの側になかった、という可能性があります。剥がす前に、もう一度ティッシュで窓の周りをなぞってみてください。
なお、隙間を塞ぐことと、窓を完全に密閉することは違います。下枠の水抜き穴のように、塞いではいけない穴があります。ここを埋めると、雨水がサッシの中にたまります。
ガラスが1枚で逃げる熱の量が大きいとき
ガラスが1枚の窓では、シートを貼っても補助にしかなりません。シートが作る空気の層は薄く、複層ガラスや内窓のように厚みのある層にはならないためです。
寒さが少し和らげばよい、という目的なら選択肢に入ります。部屋の温度を変えたい、結露を減らしたい、という目的なら、内窓かガラス交換のほうが目的に合います。
窓が大きいほど、この差は開きます。掃き出し窓のように面積の大きい窓は、逃げる熱の量もそれだけ大きくなります。小さい窓でシートの効果を感じられても、同じものを大きい窓に貼って同じだけ変わるとはかぎりません。
目的をはっきりさせてから選んでください。「窓辺に立ったときのひんやり感を減らしたい」のか、「部屋全体の暖まり方を変えたい」のかで、必要な手が変わります。
シートそのものの選び方や貼り方は、窓の断熱シートは意味ない?でまとめています。
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自分でできることと工事になることの境目
境目は「元に戻せるかどうか」と「費用の桁」です。
貼る、掛ける、挟む、といった作業は、外せば元に戻ります。数百円から数千円で試せます。窓やガラスを外す作業になると、元に戻すのに同じ手間がかかり、金額も万単位になります。
自分でやる範囲の詳しい線引きは、窓の断熱はDIYでどこまでできる?にまとめています。ここでは、どちらに当てはまるかだけを示します。
自分で対応できるケース
道具をそろえずにできて、やってみて駄目なら元に戻せる範囲です。
隙間風だけが原因のとき
ティッシュで確かめて隙間が見つかり、ガラスは複層だった、という場合です。すきまテープで塞ぐところから始められます。
厚手のカーテンを床まで届く長さにする、カーテンの上部にすき間を作らない、といった方法も、窓辺の空気の動きを抑える方向に働きます。カーテンの丈が窓の下で止まっていると、冷たい空気がその下から流れ出ます。
窓の下に置く断熱ボードも、同じ考え方の道具です。窓の下半分を板で覆い、冷たい空気が床へ下りるのを妨げます。どれも据え置くだけなので、合わなければ外せます。
これらは、すべて元に戻せる範囲です。数百円から数千円で試せて、駄目なら剥がす、外す、という判断ができます。まずここから始めて、変わらなければ原因が別にあると考える、という進め方ができます。
夏の暑さには、同じ方向の対策では届きません。冬は熱を逃がさないこと、夏は日射が入るのを遮ることが中心になります。夏の対策は窓の暑さ対策は何をすればいい?をご覧ください。
貼る対策には1つ注意があります。網入りガラスには、断熱シートを貼ると熱割れが起きることがあります。ガラスの中に金属の線が入っている窓が該当します。詳しくは網入りガラスに断熱シートは貼れる?で説明しています。
賃貸で住んでいるとき
貼る、掛けるといった、退去時に外せる方法にとどめてください。ネジで留める、枠を加工する、といった作業は原状回復の対象になります。
内窓の設置は建物に手を入れる工事です。分譲であっても管理規約で扱いが決まっていることがあり、賃貸なら貸主か管理会社への連絡が先になります。
窓そのものの不具合が原因で寒い、という場合は話が変わります。気密材が切れている、建て付けがずれている、といった状態は、住んでいる人の使い方ではなく建物側の劣化です。この場合は自分で直す前に、まず管理会社か貸主へ連絡してください。負担の扱いが契約や状況によって変わるためです。
連絡せずに自分で業者を呼ぶと、費用の負担でもめる原因になります。カーテンを替える、ボードを置く、といった範囲は連絡なしで構いませんが、部品に手を入れる話になったら一度止めてください。
業者に依頼した方が良いケース
窓やガラスを外す作業になるもの、部品を取り寄せるものは、業者の範囲です。
問い合わせの前に、次を用意しておくと、やり取りが1往復で済みます。窓の場所(リビングの掃き出し窓、寝室の腰高窓など)、窓のおおよその幅と高さ、ガラスが1枚か2枚か、ティッシュで確かめた結果、すでに試したこと。窓枠の内側の奥行きも測っておくと、内窓が入るかどうかの判断が早くなります。
ガラスが1枚のとき
ガラスが1枚だと分かった時点で、根本を変えるには内窓かガラス交換になります。シートやカーテンは補助にはなりますが、ガラスの構成そのものは変わりません。
どこまでの効果を求めるかで判断が分かれます。少し和らげばよいなら自分で試す範囲で足りますし、部屋の温度を変えたいなら工事になります。
自分で対処法を試しても変わらなかったとき
すきまテープを貼っても空気が入る、カーテンを替えても窓辺が冷える、という場合です。
気密材が硬くなって切れている、窓の建て付けがずれて閉まりきっていない、といった原因が残っています。どちらも部品の交換や調整が必要で、窓を外す作業を伴うことがあります。
窓を外す作業は、自分でやらないでください。掃き出し窓は複層ガラスが入っていると、大人が両手で抱えてやっと支えられる重さになります。外している途中でバランスを崩すと、ガラスが割れる、指を挟む、レールを傷める、といった事故につながります。
伝えるときは、試した内容をそのまま言ってください。「すきまテープを上枠に貼ったが、まだ空気が入る」という情報は、原因を絞る材料になります。
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断熱のためにガラスを交換したときにかかった費用
金額は、ガラスの大きさ、枚数、種類、そして作業する階数で決まります。
ここでは、当社が実際に請け負った金額と、国の補助制度で決まっている金額の2つを出します。補助額は工事費そのものではありません。 条件が違うので、並べて比べるためのものではありません。
当社が断熱・複層ガラスに関わる作業で実際にかかった費用
2020年6月18日から2025年12月28日までに、当社がガラス業種で受けた434件のうち、断熱・複層・ペア・内窓に関わり、金額が確定して作業を実施したのは18件です。抜き出さずに全件を数えています。
18件の内訳は、5万円以上10万円未満が12件、10万円以上が5件、3万円以上5万円未満が1件です。3万円未満はありませんでした。真ん中は83,600円、いちばん安い件が33,880円、いちばん高い件が275,000円です。いずれも税込の総額です。
18件のうち、ガラスの種類まで記録に残っていた16件は、すべてペア(複層)ガラスでした。この16件の真ん中は78,100円です。
内窓の設置は、この434件のなかに1件しかありません。当社は内窓の工事も受けていますが、実際にかかった金額として出せる件数ではないため、内窓の実額は載せていません。
18件という数は、割合や相場を出せる母数ではありません。同じ「断熱のためのガラス交換」でも、窓の大きさと枚数で金額は動きます。実際に発生した金額の散らばりを知るための材料として見てください。
金額が変わる条件
同じ工事でも、次の条件で金額が動きます。
ガラスの大きさです。掃き出し窓のような大きいガラスは、材料の面積も、運ぶ手間も増えます。
枚数です。1部屋の窓を1枚だけ替えるのか、家全体で替えるのかで合計が変わります。まとめて依頼すると、出張の費用が1回で済みます。
ガラスの種類です。同じ複層ガラスでも、片方の面に金属の膜を付けたものは、透明な複層ガラスより材料の価格が上がります。
作業する階数と搬入の経路です。2階以上でエレベーターが無い場合、大きいガラスを人の手で運ぶことになります。
一般的な工事費の相場としてよく見かける金額は、算出の条件が書かれていないものが多いため、この記事では載せていません。数字だけが独り歩きすると、実際の見積もりを見たときに判断を誤ります。
補助金が使える場合がある
窓の断熱改修には国の補助制度があります。2026年度は「住宅省エネ2026キャンペーン」の中の「先進的窓リノベ2026事業」が対象で、ガラス交換も補助の対象工事に入っています。
ガラス交換の補助額は、窓の性能区分とガラスの大きさで決まります。戸建住宅の場合は次のとおりです。
| 性能区分 | 特大(2.0㎡以上) | 大(1.4〜2.0㎡) | 中(0.8〜1.4㎡) | 小(0.1〜0.8㎡) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS) | 78,000円 | 52,000円 | 32,000円 | 11,000円 |
| S | 53,000円 | 35,000円 | 23,000円 | 7,000円 |
| A | 41,000円 | 27,000円 | 18,000円 | 5,000円 |
性能区分は窓全体の熱の伝わりにくさ(Uw値)で決まり、P(SS)はUw 1.1以下、SはUw 1.5以下、AはUw 1.9以下です。数字が小さいほど熱が逃げにくく、補助額も大きくなります。集合住宅の場合はこれより高く設定されています。
性能は、メーカーが発行する性能証明書に書かれた値で判定されます。工事の前に、使うガラスがどの区分に当たるかを事業者に確認してください。
なお、当社はこの事業の登録事業者ではありません。補助金を使う場合は、登録された事業者へ依頼してください。事業者は、住宅省エネ2026キャンペーンの窓リノベ事業者の検索から、地域を指定して探せます。この記事では制度の内容だけをお伝えしています。
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窓の断熱についてよくある質問
断熱シートと内窓ではどちらが効きますか
原因によります。ガラスが1枚であることが原因なら、層を厚くする内窓のほうが変化は大きくなります。隙間風が原因なら、どちらでもなく、気密材の交換が先です。
シートは薄い空気の層を作るもので、内窓のように窓を1つ増やすものではありません。少し和らげばよいのか、部屋の温度を変えたいのかで選び分けてください。
賃貸でも内窓は付けられますか
貸主か管理会社の許可が要ります。内窓は窓枠にネジで留める工事で、退去時に外しても跡が残ります。
許可を取らずに設置すると、原状回復の費用でもめる原因になります。貼る、掛けるといった、外せば元に戻る方法にとどめるのが確実です。
窓の断熱をすると結露も減りますか
室内側のガラスが冷えにくくなるため、ガラスの表面に付く結露は減ることがあります。
ただし、ガラスの中が曇る内部結露は別の問題です。こちらは複層ガラスの内部に水分が入った状態で、断熱の対策では戻りません。ペアガラスなのに結露するのはなぜ?で扱っています。
夏の暑さにも効きますか
方向は同じですが、中心になる対策が変わります。冬は室内の熱を逃がさないこと、夏は日射が入るのを遮ることが中心です。
複層ガラスや内窓は、どちらの季節にも働きます。一方で、夏だけを考えるなら、外側で日射を遮るほうが先に効きます。窓の暑さ対策は何をすればいい?をご覧ください。
まとめ
窓ぎわが寒いときは、原因がガラスにあるのか、隙間風にあるのかを先に分けてください。当社が現場で多く見ているのは、ガラスが1枚のままであることと、パッキンやゴムが劣化していることの2つです。
見分け方に道具は要りません。ガラスを横から見て厚みが1枚分か2枚分かを見ること、ティッシュを窓の周りに当てて揺れるかどうかを見ること。この2つで、どちらの原因かが絞れます。
断熱シートは、ガラスの面に貼って空気の層を作るものです。隙間風が原因のときには通り道が変わらないため、寒さはほとんど変わりません。ガラスが1枚のときも、補助にはなりますが根本は変わりません。
自分で対応できるのは、貼る、掛ける、挟むといった、外せば元に戻る範囲です。窓やガラスを外す作業になると、業者の範囲になります。賃貸では、貸主か管理会社への連絡が先です。
費用は、当社が断熱・複層ガラスに関わる作業を行った18件で、真ん中が83,600円、範囲は33,880円から275,000円でした。内窓は記録に1件しかないため、実額は出していません。国の補助制度を使う場合は、登録された事業者への依頼が必要です。

