スズメバチの天敵13種|食べる生き物一覧と家の蜂が減らない理由
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庭やベランダでスズメバチが何かに襲われているのを見た方や、天敵を使って蜂を減らせないか調べている方が多いと思います。
先に結論を書きます。スズメバチを襲う生き物は、襲い方で3つに分かれます。 飛んでいる蜂を捕らえるもの、巣ごと壊すもの、巣や蜂の体の中で育つものです。
この3つは、名前を覚えるための分け方ではありません。目の前で起きたことが、家のまわりの蜂の数に関係するのかどうかが、ここで決まります。飛んでいる蜂が1匹捕らえられても巣はそのままですが、巣そのものを壊されれば蜂の数は減ります。
この記事では13種類を扱います。内訳は、スズメバチを食べるものが9種類と、寄生したり巣を乗っ取ったりする4種類です。ただし、どれも家のまわりの蜂を減らしてはくれません。理由は記事の後半で説明します。
なお、13種類のうち公的な資料で裏づけが取れたものと、取れなかったものがあります。どちらなのかを、種類ごとに書き分けます。
なお、1匹だけ見かけて刺激してしまったときの話はスズメバチを一匹殺すとどうなる?にまとめています。
- 襲い方による3つの分かれ方
- 飛んでいる蜂を捕らえる5種類
- 巣ごと壊す2種類
- 巣や蜂の体の中で育つ3種類
- 天敵に頼っても蜂が減らない理由
目次
スズメバチを襲う生き物は襲い方で3つに分かれる
天敵の名前を並べただけでは、目の前で起きたことと結びつきません。「オニヤンマが天敵」と読んでも、庭で見たものがそれだったのか、それが自分の家の蜂に関係するのかは分からないままです。
見るのは「どこを狙っていたか」です。飛んでいる蜂そのものを狙っていたのか、巣を壊していたのか、巣のまわりに小さい虫がいただけなのか。この3つで分かれます。
同じ「天敵」でも、この3つでは意味がまるで違います。飛んでいる蜂を1匹捕らえても巣はそのままですが、巣を壊されれば蜂の数そのものが減ります。
以下では、この3つの順に説明していきます。自分が見たものがどれにあたるかを、先に決めてから読み進めてください。
飛んでいる蜂を捕らえるもの
飛んでいる働きバチを、1匹ずつ捕らえて食べるものです。
オニヤンマ、シオヤアブ、オオカマキリ、クモ、モズの5種類がこれにあたります。
狙われるのは巣から出て餌を探している働きバチで、巣そのものには手を出しません。庭で1匹が捕らえられていても、巣の中には残りの働きバチがいます。女王バチは巣の中にいるので、この形で狙われることはありません。
見かける場所は、花のまわり、庭木の葉の上、水辺、電線の上などです。どれも働きバチが飛び回っている場所と重なります。餌を探している蜂と、その蜂を狙う生き物が、同じ場所に集まる形になります。
時間帯も昼のあいだが中心です。蜂が動かない朝夕や雨の日には、この場面そのものが起きません。
巣ごと壊して幼虫やさなぎを食べるもの
巣そのものを壊し、中の幼虫やさなぎを食べるものです。
ハチクマとクマの2種類がこれにあたります。狙いは飛んでいる成虫ではなく、巣の中で育っている幼虫やさなぎです。動かないうえに、まとまった数がひとところにあります。
こちらは巣の数を減らします。飛んでいる蜂を1匹捕らえるのとは、意味が違います。巣が壊されれば、そこで育っていた蜂は出てきません。
ただし、どちらも山林で起きることです。ハチクマは山林で繁殖する鳥で、クマが掘り返せるのは土の中に作られた巣だけです。住宅地の庭で、この場面を見ることはありません。
巣や蜂の体の中で育つもの
外からは見えないところで育つものです。
ギンモンシマメイガ、スズメバチネジレバネ、スズメバチタマセンチュウの3種類がこれにあたります。
巣の中に入り込んで巣を食べるものと、蜂の体の中に入って育つものに分かれます。どちらも人が見て気づくことはほとんどありません。
効き方もゆっくりです。1日や1週間で巣が無くなるのではなく、蜂の働きが鈍る、新しい巣が作られなくなる、という形で少しずつ数に影響します。
そのため、いま目の前にある巣をどうするかという話とは、切り離して考える必要があります。
飛んでいる蜂を捕らえる生き物は5種類いる
まず、飛んでいる蜂を捕らえるものです。
この5種類には共通することがあります。どれも蜂を探しに行くのではなく、自分の餌を探している途中でスズメバチに出会っている、ということです。スズメバチだけを選んで狙う生き物ではありません。
そして5種類とも、狙うのは飛んでいる働きバチ1匹です。巣には近づきません。

蜂そのものの見分け方は蜂の種類の見分け方にまとめています。ここでは蜂を襲う側を扱います。
オニヤンマは飛びながら蜂をつかむ
日本でいちばん大きなトンボです。
飛びながら他の虫をつかまえる習性があります。体の大きさと飛ぶ速さが、スズメバチと同じくらいか、それ以上になるためです。
ただし、オニヤンマがスズメバチを捕らえたことを示す公的な資料は、確認できませんでした。天敵として名前がよく挙がる一方で、根拠を示している資料は見つかっていません。
見かけるのは、山際の細い流れや、木陰のある水辺です。庭に飛んでくることもありますが、住宅地の真ん中で数多く見られる虫ではありません。水のある場所から離れると、姿を見る機会は減ります。
黄色と黒の縞模様なので、スズメバチと見間違えられることがあります。見分けるのは目の大きさです。トンボの目は顔の大部分を占めていて、蜂とは印象がはっきり違います。羽の形も違い、トンボは4枚の細長い羽を広げたまま止まります。
この習性が知られていることから、トンボの形をした虫よけが売られています。その効果については記事の後半で書きます。
シオヤアブは背中から刺して体液を吸う
アブの仲間で、飛んでいる虫を背中から襲います。
捕らえた相手に口を突き刺し、体液を吸います。背中から近づくため、相手の針が届きにくい位置を取る形になります。
こちらも、シオヤアブがスズメバチを襲ったことを示す公的な資料は確認できませんでした。
体は黒っぽく、おしりの先に白い毛の束があります。日なたの葉の上や、木の柵の上、庭石の上に止まっています。じっとしていて、近くを虫が飛ぶと急に飛び立ちます。
見かける時期は夏です。庭仕事をしているときに、目の前の葉の上で急に飛び立つ黒い虫がいたら、この虫のことがあります。
なお、人の血を吸うアカウシアブとは別の虫です。アカウシアブは黄色と黒の体でスズメバチに似ていますが、こちらは他の虫を襲いません。見た目が似ていても、していることは違います。
オオカマキリは葉の上で待ち伏せる
葉や花の上でじっとしていて、近づいた虫を前脚の鎌で捕らえます。
福岡県の資料には、オオカマキリの食性についてこう書かれています。「食性は肉食で、バッタやチョウ、ハチなどの昆虫を主に食べますが、カエルやカナヘビ、小型の鳥を捕食した記録があるほど獰猛です」(福岡県 身近な生きもの図鑑:オオカマキリ)
同じ資料には「成虫は7-11月に見られ」ともあります。スズメバチの活動が盛んになる時期と重なります。生息する場所についても「林縁やその付近の田畑、河川敷、緑の多い公園や庭などに生息しています」と書かれており、庭で見かける虫です。
待ち伏せる虫なので、自分から蜂を探しに行くわけではありません。花のまわりや庭木の葉の上で、たまたま近づいた蜂が捕らえられる形になります。
クモは網にかかった蜂を食べる
クモは昆虫ではありませんが、蜂を食べる生き物としてよく名前が挙がります。
自分から追いかけるのではなく、張った網にかかった虫を食べます。大きな網を張るクモでは、スズメバチがかかることもあります。
軒下や庭木のあいだに大きな網があると、そこで蜂が捕らえられていることがあります。網に黄色と黒の虫が引っかかっていたら、それがスズメバチのことがあります。
かかった蜂が生きていて暴れていることもあります。網に近づいて確かめようとすると、その蜂に刺される恐れがあります。離れたところから見てください。
ただし、網にかかるのは飛び回っている働きバチのうちのごく一部です。網があるからその場所の蜂が減る、という関係にはなりません。
モズは飛んでいる蜂をつかまえる
スズメより少し大きい鳥で、住宅地の庭でも見かけます。
捕らえた虫を枝やとげに刺しておく「はやにえ」という習性が知られています。刺されたものの中に蜂が混ざることがあります。
秋に高い場所で鋭く鳴くので、姿を見る前に声で気づくことがあります。庭木の先やアンテナなど、見晴らしのよい場所に止まります。
庭木のとげや有刺鉄線に虫が刺さっていたら、この鳥がいる場所です。刺さっているものを見れば、その庭でどんな虫が捕らえられているかも分かります。
ただし、モズが食べるのはバッタやカエルなどが中心で、蜂だけを選んで捕らえる鳥ではありません。
巣ごと壊す生き物は2種類いる
次に、巣そのものを壊すものです。
この2種類は、飛んでいる蜂を捕らえる5種類とは狙う相手が違います。狙うのは巣の中の幼虫やさなぎで、飛び回っている働きバチではありません。
蜂の数を本当に減らすのは、この形だけです。ただし、どちらも住宅地では起きません。理由も含めて順に書きます。
巣の種類そのものについては蜂の巣の種類と見分け方にまとめています。
ハチクマは巣を掘り出して幼虫を食べる
蜂の巣を狙うタカの仲間です。
日本鳥学会の鳥学雑誌に、繁殖中のハチクマが巣に何を運んだかをカメラで記録した報告があります。そこにはこう書かれています。
「育雛期のハチクマの主要な搬入餌動物はハチ類とカエル類であることがわかった.育雛期に主に搬入するハチ類について,雄はスズメバチ属が多かったが,雌はクロスズメバチ属が多かった」(日本鳥学会 鳥学雑誌 63巻2号「愛知県西三河地域で繁殖したハチクマが巣に搬入した餌動物」)
蜂を巣に運んでいたことが、記録として残っているということです。雄と雌で運ぶものが違っていたことも分かります。

ハチクマは夏に日本へ来て、秋に南へ渡っていく鳥です。見かけるのは山林で、住宅地の庭に現れるものではありません。
ただし、狙うのは山林にある巣です。庭の軒下にある巣を、この鳥が片づけてくれることはありません。
クマは土の中の巣を掘り返す
土の中に作られた巣を、前脚で掘り返して幼虫やさなぎを食べます。
掘り返された跡には、壊れた巣の破片が散らばります。
土の中に巣を作るのはオオスズメバチとクロスズメバチです。オオスズメバチの営巣場所について、千葉市は「地中(舗装してある市街地には住めない)」としています(千葉市:スズメバチの種類と生態)。
つまり、クマが巣を掘り返すのは、土のある山林や山際でのことです。舗装された住宅地には、掘り返される巣そのものがありません。
なお、山際で地面が掘り返された跡を見つけても、近づかないでください。掘り返されて散った巣の近くには、残った蜂がいることがあります。
巣や蜂の体の中で育つ虫は3種類いる
外からは見えないところで育つものです。
この3種類は、蜂を捕らえも壊しもしません。巣の中や蜂の体の中に入り込み、そこで育ちます。人の目に触れることは、ほとんどありません。
「蛾が天敵」と聞くと意外に思われるかもしれませんが、蛾の幼虫が巣の中に入り込むことがあります。名前だけを見ても意味が分からないのは、襲い方がこの形だからです。

ギンモンシマメイガの幼虫は巣を食べる
蛾の仲間です。成虫が蜂の巣に卵を産み、かえった幼虫が巣そのものを食べます。
食べられるのは、蜂が木の皮を噛んで作った巣の材料の部分と、中に残った幼虫やさなぎです。巣の外側の殻が崩れ、内側の部屋がむき出しになることがあります。
蛾そのものが蜂を襲うわけではありません。襲うのは幼虫で、しかも狙うのは蜂ではなく巣です。ここが「蛾が天敵」という言い方の分かりにくいところです。
いま蜂がいる巣が、これで無くなるわけではありません。
冬に巣が崩れているのを見つけたときは、この幼虫が入っていたことがあります。ただし、崩れている巣に蜂が残っていることもあるので、確かめようとして触らないでください。
ネジレバネは働き蜂の体で育つ
スズメバチネジレバネという、蜂の体に寄生する虫です。
幼虫が働き蜂の体に入り込み、その中で育ちます。寄生された蜂がそのあとどうなるかについては、公的な資料で確かめられませんでした。
体の外から見ても、寄生されているかどうかは分かりません。捕まえて拡大して見ないと気づけないものです。
巣ごと無くなるわけではなく、その巣で働く蜂が何匹か減る、という形の影響になります。巣の大きさが変わるほどのことは、外からは分かりません。
そして、確かめるために蜂を捕まえるのはやめてください。捕まえようとすれば刺されます。
タマセンチュウは女王蜂の体で育つ
スズメバチタマセンチュウという、線虫の仲間です。
女王蜂の体に入り込み、その中で育ちます。寄生された女王蜂がそのあとどうなるかについては、公的な資料で確かめられませんでした。
冬を越した女王蜂が春に新しい巣を作るため、影響が出るとすれば次の年になります。
いずれにしても、いま目の前にある巣に効くものではありません。人が見て分かるものでもありません。
スズメバチ同士とミツバチも天敵になる

蜂を襲うのは、別の生き物だけではありません。同じ蜂の仲間が、スズメバチにとっての天敵になることがあります。
しかもこの2つは、住宅の庭でも起きうる話です。ここまでの10種類が山林や水辺の話だったのに対し、ここだけは身近で起きます。
オオスズメバチとチャイロスズメバチは同じ仲間を襲う
千葉市は、オオスズメバチの餌について「セミ、カマキリなどの大型昆虫の他、他種のスズメバチやミツバチも襲う」としています(千葉市:スズメバチの種類と生態)。

庭でミツバチやアシナガバチの巣が急に静かになったときは、この蜂が来ていることがあります。
チャイロスズメバチは、ほかのスズメバチの巣を乗っ取る習性があります。自分で一から巣を作らず、キイロスズメバチなどの巣に入り込みます。乗っ取られた巣は、そのまま使われ続けます。

つまり、庭の巣にいる蜂が途中で入れ替わることがあるということです。巣の形が変わらないので、外から見ても気づけません。
スズメバチの種類ごとの見分け方はスズメバチの種類は6つにまとめています。
ニホンミツバチは熱で包んで撃退する
ニホンミツバチには、オオスズメバチに集団で対抗する行動が知られています。
多数の働きバチが相手を包み込み、羽を震わせて熱を出します。この方法は「熱殺蜂球」と呼ばれています。

これは巣を守るための行動で、ミツバチが蜂を探しに行くわけではありません。起きるのは、オオスズメバチがミツバチの巣を襲いに来たときです。
そして、守れるのはミツバチの巣であって、庭にあるスズメバチの巣ではありません。この行動が起きても、スズメバチの巣はそのまま残ります。
養蜂をしていない住宅の庭で、この光景を見ることはまずありません。
トンボの模型で蜂よけできるのか
オニヤンマが飛んでいる虫を捕らえることが知られていることから、トンボの形をした虫よけが売られています。庭やベランダに吊るしたり、帽子に付けたりして使うものです。

まず、もとになっている話そのものを確かめます。オニヤンマが飛んでいる虫をつかまえるのは、そのとおりです。ただし、それはオニヤンマ自身が飛んで追いかけたときの話です。
模型は飛びません。動かない模型を見た蜂が、生きているオニヤンマと同じように避けるかどうかは、別の話になります。虫が相手を見分けるとき、形だけを見ているのか、動きや音も見ているのかによって、結果は変わります。
この効果を確かめた公的な資料は見つかりませんでした。 効かないという資料も、効くという資料も見あたりません。分かっていない、というのが現時点の答えです。
ですから、吊るしたから安全になった、とは考えないでください。とくに、すでに巣がある場所で模型を吊るしても、巣は無くなりません。巣にいる蜂は、そこで育って出入りしているので、模型があってもその場所を使い続けます。
模型を使うこと自体を止める理由もありません。ただし、それで巣に近づいてよいことにはなりません。模型を吊るすために脚立に乗って軒下に近づく、というのは順番が逆です。
吊るす前に、その場所に巣が無いことを離れた場所から確かめてください。軒下、ベランダの天井、庭木の内側は、どれも巣ができやすい場所です。
蜂を寄せ付けない方法は蜂を寄せ付けない方法10選にまとめています。
天敵に頼って家のまわりの蜂を減らすことはできない
ここまで13種類を見てきましたが、家のまわりの蜂を減らす手段にはなりません。
理由は2つあります。天敵の側の事情と、人の側の事情です。順に見ていきます。
天敵の側の事情は、狙う相手と場所が、家の巣と噛み合っていないことです。飛んでいる蜂を捕らえる5種類は巣に手を出さず、巣ごと壊す2種類は山林にしかいません。
人の側の事情は、天敵を連れてきて置くことができないことです。決まりの上でもできませんし、置けたとしても思ったとおりには動きません。
そのうえで、天敵を見かけたときに何をすればよいかを最後に書きます。庭で天敵を見たこと自体は、危ないことではありません。

自然の天敵は巣だけを選んで襲うわけではない
飛んでいる蜂を捕らえる5種類は、働きバチを1匹ずつ捕らえます。巣には手を出しません。
働きバチが1匹減っても、巣の中には残りがいて、女王バチは産卵を続けます。1匹ずつ捕らえられることと、巣が無くなることは別のことです。
巣ごと壊す2種類は巣を減らしますが、どちらも山林の話です。ハチクマは山林で繁殖する鳥で、クマが掘り返せるのは土の中の巣だけです。舗装された住宅地には、その巣そのものがありません。
巣や体の中で育つ3種類は、外から見えないところで少しずつ影響します。いまある巣が今週のうちに無くなる、という働き方はしません。
つまり、13種類のどれをとっても、いま軒下にある巣を片づける役には立たないということです。
捕まえて利用することもできない
天敵を連れてきて庭に置く、という使い方もできません。
オニヤンマもハチクマも、捕まえて飼うことはできません。野生の生き物を捕まえたり飼ったりすることには決まりがあり、種類によっては許可が要ります。鳥はとくに厳しく決められています。
仮に置けたとしても、その生き物が都合よく巣だけを襲ってくれるわけではありません。庭に来る虫のうち、どれを狙うかを選ぶのはその生き物です。
そして、天敵を探して庭を歩き回ること自体が危険です。巣に近づけば、そこにいる蜂が反応します。
天敵を見かけただけなら、そのまま様子を見てかまいません。飛んでいる蜂を1匹だけ見たときは、近くに巣がある可能性があるので、飛んでいく方向を離れた場所から見てください。詳しくはスズメバチを一匹殺すとどうなる?にまとめています。
巣が見えているときは、近づかずに形と場所を確かめてください。巣の形から種類の見当がつきます。判断のしかたは蜂の巣の種類と見分け方にまとめています。

どの場合も、自分で巣を取らないでください。種類を確かめようとして近づくほうが危険です。
スズメバチの天敵に関するよくある質問
天敵について調べているときに、あわせて検索されることの多い問いをまとめました。裏づけが取れなかったものは、取れなかったと書いています。

スズメバチに一番強い天敵は何ですか
巣ごと壊すという意味では、ハチクマとクマです。日本鳥学会の報告では、繁殖中のハチクマが巣に運んだ餌の中にスズメバチ属が含まれていたことが記録されています。
ただし、どちらも山林で起きることです。住宅のまわりで「いちばん強い天敵」にあたるものはいません。
順位を付けた資料も見あたりませんでした。この記事でも順位は付けていません。
オニヤンマはスズメバチを本当に食べますか
オニヤンマが飛んでいる虫をつかまえるのはそのとおりです。ただし、スズメバチを捕らえたことを示す公的な資料は確認できませんでした。
天敵として名前がよく挙がる一方で、根拠を示している資料は見つかっていません。仮に捕らえることがあったとしても、狙われるのは飛んでいる働きバチ1匹で、巣には影響しません。
また、オニヤンマは水辺で育つトンボなので、水のある場所から離れた住宅地で数多く見られるものではありません。
スズメバチが嫌がることは何ですか
天敵の側から答えられることは多くありません。公的な資料で「これを嫌がる」と示されたものは見あたりませんでした。
分かっているのは、巣に近づかれること、巣を揺らされること、大きな音や振動に反応することです。逆に言えば、近づかないことがいちばん確かな方法になります。
嫌がるものを置いて追い払うより、巣のある場所に人が近づかないほうが確実です。
スズメバチは何に弱いですか
天敵の話でいえば、巣の中の幼虫やさなぎです。ハチクマやクマが狙うのもそこで、飛んでいる成虫ではありません。
ただし、これは人が使える弱点ではありません。巣に手を出せば、そこにいる働きバチが反応します。
「弱点があるなら自分で何とかできる」とは考えないでください。狙われる場所が分かることと、人がそこに手を出せることは、別の話です。
カラスはスズメバチの巣を襲いますか
カラスが昆虫を食べることは、福岡県の資料に書かれています。ハシブトガラスについて「食性は雑食で、昆虫や果実、動物の死骸などあらゆるものを食べ」と説明されています(福岡県 身近な生きもの図鑑:ハシブトガラス)。
ただし、スズメバチの巣を襲うという記述は、公的な資料には見あたりませんでした。そのため、この記事では天敵として数えていません。
庭でカラスが庭木をつついていても、それが蜂の巣を狙っているとは限りません。
スズメはスズメバチを食べますか
公的な資料に記述が見あたりませんでした。
名前が似ているため一緒に検索されることがありますが、スズメとスズメバチは別の生き物です。
蜂を捕らえる身近な鳥として、この記事ではモズを挙げています。
アナグマはスズメバチの巣を掘り返しますか
土の中の巣を掘り返す動物として名前が挙がることがありますが、確かめられる公的な資料は見つかりませんでした。
そのため、土の中の巣を掘り返す動物として、この記事ではクマだけを扱っています。
いずれにしても、土の中の巣は舗装された住宅地には作られません。
まとめ|食べる生き物はいるが家の蜂は別の話になる
スズメバチを襲う生き物は、襲い方で3つに分かれます。飛んでいる蜂を捕らえるもの、巣ごと壊すもの、巣や蜂の体の中で育つものです。13種類の内訳は、食べるものが9種類、寄生したり巣を乗っ取ったりするものが4種類です。
飛んでいる蜂を捕らえるのは、オニヤンマ、シオヤアブ、オオカマキリ、クモ、モズの5種類です。巣ごと壊すのは、ハチクマとクマの2種類です。巣や蜂の体の中で育つのは、ギンモンシマメイガ、ネジレバネ、タマセンチュウの3種類です。これにオオスズメバチ、チャイロスズメバチ、ニホンミツバチを加えた13種類を扱いました。
カラス、スズメ、アナグマは名前が挙がることがありますが、公的な資料で裏づけが取れなかったため、この記事では天敵として数えていません。
トンボの形をした虫よけについては、効果を確かめた公的な資料が見つかりませんでした。吊るしたから安全になったとは考えないでください。
そして、どの天敵も家のまわりの蜂を減らしてはくれません。飛んでいる蜂を1匹捕らえても巣は残り、巣ごと壊すものは山林にしかいないためです。天敵を見かけたこと自体は危ないことではないので、巣が見えていなければそのまま様子を見てかまいません。
巣が見つかったときや、蜂を何度も同じ場所で見かけるときは、無理に近づかないでください。場所と大きさを電話で伝えていただければ、その場でお答えします。




