割れない窓ガラスはある?5分の基準と窓を守る4つの対策

窓猿は、ガラス修理・交換サービスとしてSLS株式会社が運営するサービスです。 窓やドア、家具などのガラス割れやヒビ、交換に関するご相談に幅広く対応しており、現地調査からお見積もり、施工まで一貫して承っています。 これまでの施工経験や取扱いガラスの知識をもとに、設置場所や用途、ご希望に合わせたガラスをご提案しています。 また、一般的な板ガラスだけでなく、ペアガラスや防犯ガラス、防火ガラスなどの機能性ガラスにも対応し、暮らしの快適性や安全性を高めるためのご案内も行っています。 お客様に安心してご利用いただけるサービスを目指し、分かりやすい情報発信を心がけています。

「割れない窓ガラス」を調べていると、防犯ガラスの商品ページと、千円台の防犯フィルムの通販が同じ画面に並びます。どちらも「割れにくい」と書いてありますが、どこまで耐えるのかは書かれていません。
先にお伝えします。割れない窓ガラスはありません。ハンマーやバールのような工具で叩かれても割れない、というガラスも同じです。
防犯の世界で使われている基準も、「割れないこと」ではありません。「5分耐えること」です。窓ガラスを含む建物部品には、この5分を満たしたものにだけ付く標章があります。
この記事では、その5分がどこから来た数字なのかを先に説明します。そのうえで、ガラスの種類ごとにどこまで耐えるのか、ガラスを替える以外に何ができるのか、実際にいくらかかったのかをお伝えします。
- 割れない窓ガラスが無いと言い切れる理由
- 防犯性能の基準が「5分」である理由
- 窓を割れにくくする4つの方法と、ガラスの種類ごとの耐え方
- 防犯ガラスに替えたあとに残る不便
- 窓猿が実際に受けた防犯ガラスの工事とその金額
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割れない窓ガラスは無い
はじめに、いちばん知りたいところから答えます。
住まいの窓に使えるガラスで、割れないものはありません。厚くしたガラスも、間に膜をはさんだガラスも、時間をかけて叩けば割れます。
売られているガラスの説明を読むと、「割れない」ではなく「割れにくい」「割れても穴が開きにくい」と書かれています。この言い換えは、売る側が控えめにしているのではありません。ガラスを作っているメーカーも、防犯の基準を決めた側も、同じ言い方をしています。
順に見ていきます。
メーカーも「割れない」とは書いていない
窓のメーカーが自社の防犯ガラスを説明するとき、「割れない」という言葉は出てきません。
YKK APは防犯性の高いガラスを紹介するページで、「ヒビは入るが割れにくい」という書き方をしています(2026年9月10日に確認)。2枚のガラスに樹脂の中間膜をはさんでいるため破壊されにくく、こじ破りに有効だという説明です。
ガラスを作っている側が「割れない」と書かないのは、割れるからです。中間膜は、割れたあとにガラスが崩れ落ちて穴が開くのを防ぐためのもので、割れること自体を止める部品ではありません。
言い方を変えると、防犯ガラスに期待されているのは「ヒビが入った状態のまま、そこに留まってくれること」です。ガラスの面はひび割れますが、膜が破片をつなぎ止めるため、手が入る大きさの穴になるまでに何度も叩く必要が出てきます。この「何度も叩く」が、そのまま時間になります。
窓のカタログや商品説明でよく使われるのは、「破壊されにくい」「貫通しにくい」「飛散しにくい」といった言い方です。
探しているものが「絶対に割れないガラス」であれば、住まいの窓用としては売られていません。ハンマーやバールのような工具で叩かれても割れないガラスも、同じです。探すべきなのは、割られるまでに時間がかかるガラスです。
この違いは、言葉遊びではありません。「割れないガラスにした」と思っていると、割れたときに「不良品だったのではないか」と感じます。「時間を稼ぐガラスにした」と分かっていれば、鍵や面格子を足して稼げる時間を増やす、という次の一手につながります。ここを取り違えたまま工事をすると、替えたあとの満足度が下がります。
基準は「割れないこと」ではなく「5分耐えること」
防犯性能の高い建物部品には、CPマークという共通の標章があります。窓ガラスにも、この標章が付いた製品があります。
この仕組みは、警察庁、経済産業省、国土交通省と、建物部品関連の民間団体で構成される「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が、平成16年4月から進めているものです。ここで侵入までに5分以上の時間を要するなど一定の防犯性能があると評価された部品が、「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載されます(警察庁「令和7年版 警察白書」・2026年9月10日に確認)。
評価されているのは、侵入までにかかる時間です。「割れない」という言葉はどこにも出てきません。
ここを読み飛ばすと、CPマークの付いたガラスに替えれば安心だと思ってしまいます。実際には、時間を稼ぐための部品です。5分という目安を超えて手をかけられた場合のことまでは、この評価には含まれていません。
同じ白書によると、目録には令和7年3月末の時点で17種類3,504品目が掲載されています。ガラスは、その17種類のうちの1つです。窓まわりでは、ほかにサッシ、フィルム、雨戸、面格子、窓シャッターが対象になっています。
なお、このマークは製品に貼られたシールとして出されています。すでにお住まいの窓に貼られている場合もあるので、まずはご自宅の窓のサッシまわりやガラスの隅を見てみてください。貼られていれば、その窓は評価を通った製品が入っている窓です。
ただし、工事のあとにシールが残っていないことも多くあります。見当たらない場合は、購入時の書類や工事の伝票に品名が残っていないかを探してみてください。
防犯ガラスが入っていた窓の交換依頼が施工事例にある
窓猿の施工事例にも、同じことを示す記録があります。
防犯ガラスの交換を承った事例のうち3件は、もともと防犯ガラス・防災ガラスが入っていた窓でした。埼玉県川越市、千葉県浦安市、大阪府門真市の住宅です。3件とも、侵入被害でガラスを割られたというご相談から始まっています。
防犯ガラスが入っていても、割られることはあります。ご依頼の内容として記録に残っているのはそこまでで、どのように割られたのか、どれだけ時間がかかったのかまでは確認していません。
それでも、「防犯ガラスにすれば割られない」とは言えないことは分かります。防犯ガラスは、割られるまでの時間を延ばす部品です。
もう1つ、この3件から言えることがあります。防犯ガラスが割られたあとも、ガラス屋の仕事は同じように発生します。割れたガラスを外し、開口の寸法とガラスの厚みを現地で測り直し、その窓に合わせて作ったガラスを入れる作業です。3件とも、交換後にも防犯ガラス・防災ガラスを選ばれています。
ここまでで、この記事の答えは出ています。割れない窓ガラスはありません。そのうえで、どれくらい時間を稼げるのかを、次の章から順に見ていきます。
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侵入をあきらめさせているのは強さではなく時間
では、なぜ5分なのでしょうか。
この数字は、ガラスの強さから決めたものではありません。侵入されるまでにかかる時間から決まっています。
図の順に説明します。
5分という数字の出どころ
評価の枠組みは、警察庁、経済産業省、国土交通省と、建物部品関連の民間団体で構成される官民合同会議が、平成16年4月から進めているものです。そこで置かれた目安が「侵入までに5分以上の時間を要する」ことでした。
読み替えると、こうなります。5分を超えて手をかけられた場合は、目安の外です。評価されているのは、そこまで耐えられるかどうかであって、それ以上のことは含まれていません。
言い方を変えると、この制度は「割らせないための基準」ではなく、「始めた人に、途中でやめてもらうための基準」です。
窓の防犯を考えるときは、ここが出発点になります。目指すのは、割られないことではありません。割るのに手間がかかる窓にして、始める前にやめてもらうことです。
この考え方は、ガラスを選ぶときの物差しにもなります。「もう少し安いガラスでもよいのではないか」と迷ったとき、見るのは値段の差ではなく、その差で稼げる時間が変わるかどうかです。逆に、ガラスを最上位のものにしても、隣に何も手を入れていない窓があれば、家全体で稼げる時間は増えません。
評価は、無制限に耐えることを確かめるものではありません。決められた条件のなかで、侵入までに5分以上かかるかどうかを見るものです。「時間をかければ侵入できる」ということが、目安の中に最初から書き込まれています。
CPマークが付く製品と付かない製品
CPマークが付くのは、ガラスだけではありません。
目録に載っている17種類には、窓に関するものだけでも、サッシ、ガラス、ウィンドウフィルム、雨戸、面格子、窓シャッターが含まれます。このほかにドア、引戸、錠・電気錠・シリンダー・サムターン、シャッター類が対象です(2026年9月10日に確認)。
ここで見ていただきたいのは、ウィンドウフィルムも対象に入っていることです。フィルムは「ガラスより手軽な代わりの手段」と思われがちですが、評価を通った製品には、防犯ガラスと同じ標章が付きます。
逆に、標章が付いていない製品は、この評価を通っていないというだけのことです。性能が無いという意味ではありませんが、侵入までに5分以上かかることが確かめられていない状態になります。
窓ガラスを選ぶときは、商品名の強そうな響きではなく、CPマークが付いているかどうかを見てください。標章が付いた製品は、公益財団法人全国防犯協会連合会が運用している目録で調べられます。
もう1つ、注意していただきたいことがあります。同じシリーズでも、仕様によってCPマークの対象になるものとならないものがあります。中間膜の厚みが違えば別の製品として扱われるためです。「このシリーズなら大丈夫」ではなく、「この仕様がCP部品に入っているか」で見ることになります。
見積書を受け取ったら、ガラスの品名と厚みの構成が書かれているかを確かめてください。たとえば「FL2+ポリカ1.2+F3A」のように、何ミリのガラスと何ミリの中間層を組み合わせるかが書かれていれば、その仕様で調べられます。品名だけで厚みが書かれていない場合は、どの仕様になるかをお尋ねください。
ガラスだけを強くしても窓は守り切れない
もう1つ、5分という考え方から出てくることがあります。
窓は、ガラスだけでできていません。サッシがあり、クレセント錠があり、その周りに枠があります。ガラスだけを強くしても、ほかのところが早く開いてしまえば、5分は稼げません。
CPマークの対象が17種類あり、そのうち窓まわりだけでも6種類あるのは、このためです。ガラス、サッシ、フィルム、雨戸、面格子、窓シャッター。制度の側も、窓を1つの部品では守れないという前提で作られています。
窓猿がお受けした事例でも、防犯ガラスへの交換と一緒に、防犯クレセント錠へ交換したものがあります。ガラスと鍵の両方を替えたご依頼です。
ガラスを替えるかどうかを考える前に、その窓のどこがいちばん弱いのかを見ておくと、無駄が減ります。ガラスが弱い窓もあれば、鍵が古い窓もあり、そもそも人が近づける場所にあるかどうかでも変わります。
窓の弱いところは、ガラス破りの手口の名前としても知られています。呼び方はいくつかありますが、どれも鍵のまわりのガラスに穴を開けて、手を入れて開けるという点は共通です。この記事では、やり方には触れません。
狙われやすいのは、クレセント錠の周りです。ガラスの真ん中を大きく割るより、鍵の近くに小さな穴を開けるほうが早いためです。
ただし、鍵の周りだけを守れば済むわけではありません。ガラス全体を割って入る手口もありますし、補助錠を付けた場合はその周りも対象になります。「ここだけ強くすれば安心」と考えないでください。
もう1つ、忘れやすい点があります。そもそも施錠していない窓は、どんなガラスに替えても関係がありません。工事を考える前に、家じゅうの窓が閉まっているかを見直すほうが早い場合があります。
なお、侵入窃盗そのものは減っています。警察庁の白書によると、令和6年中の認知件数は4万3,036件で、ピークだった平成14年の33万8,294件から大きく下がりました(2026年9月10日に確認)。それでも、日々どこかで起きている件数ではあります。
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窓を割れにくくする4つの方法
窓の防犯というと、防犯ガラスへの交換が真っ先に出てきます。ただ、方法はそれだけではありません。

大きく分けると4つです。予算も、工事の規模も、手を入れる場所も違います。
1つずつ見ていきます。
ガラスを防犯ガラスに替える
いま入っているガラスを外し、防犯ガラスに入れ替える方法です。
防犯ガラスは、2枚のガラスのあいだに厚みのある特殊な中間膜やポリカーボネートの板をはさみ、加熱して圧着したガラスです。割れても穴が開きにくく、貫通しにくい構造になっています。
窓猿の防犯ガラスのページでは、同じ厚さの普通のガラスと比べて6倍以上、強化ガラスと比べても2倍以上の強度があるとご案内しています。詳しくは防犯ガラス・防災ガラスのページをご覧ください。
この方法の利点は、見た目がほとんど変わらないことです。ガラスだけを入れ替えるため、サッシも窓枠もそのまま残ります。外から見て防犯対策をしていることが分かりにくいのも、気になる窓だけを1枚から替えられるのも、この方法の特徴です。
工事の流れは、ガラスの交換と同じです。現地でガラスの寸法と厚み、サッシの溝の幅、固定の方法を確認し、その窓に合わせて製作したガラスを後日納めます。既存のガラスを外し、溝の内側を清掃・点検してから新しいガラスを入れ、押さえ材やパッキンを整えて固定します。最後に開閉と施錠を確かめて終わりです。
1か所あたりの作業そのものは長くかかりません。時間がかかるのは、採寸から製作までの期間です。防犯ガラスは在庫を持って売るものではなく、その窓の寸法で作ることになるためです。急ぎで防犯対策をしたい場合は、この点を先にご相談ください。
一方で、4つのなかでは費用がいちばん大きくなります。金額の目安は防犯ガラスの価格はどれくらい?にまとめてあります。
向いているのは、道路や隣地から近い一階の窓、人目に付きにくい側の窓、勝手口のように出入りできてしまう窓です。二階以上でも、屋根やカーポートから上がれる位置の窓は同じように考えます。
いまのガラスに防犯フィルムを貼る
いま入っているガラスの室内側にフィルムを貼る方法です。ガラスは替えません。
さきほど書いたとおり、ウィンドウフィルムにもCPマークの対象があります。試験を通った製品を窓の縁までしっかり貼れば、割ってから手を入れるまでの時間を延ばせます。
ただし、貼り方で結果が変わります。ガラスの真ん中だけに貼ると、縁のところを割られて手が入ります。厚みも製品によって差があり、飛散を防ぐことだけを目的にした薄いものは、防犯の試験を通っていません。
値段の高い安いで選ぶのではなく、CPマークの対象になっている製品か、窓の縁までしっかり貼れる貼り方かの2つで見てください。金額の目安は防犯フィルムの施工価格はいくら?にまとめてあります。
フィルムを選ぶときに見ていただきたいのは、次の3つです。
- CPマークの対象になっている製品か(ウィンドウフィルムにも試験があります)
- 窓の縁まで隙間なく貼れる納まりか(端部の固定のしかたは製品ごとに決まっています。メーカーの仕様に従って施工します)
- いま入っているガラスに貼れるか(網入りガラスや複層ガラスでは、熱割れの条件が変わります)
3つ目は見落とされやすい点です。フィルムを貼ると、ガラスが日射を溜め込みやすくなります。網入りガラスや色の付いたガラス、複層ガラスは、もともと熱割れが起きやすい条件を持っているため、フィルムを足したことで割れることがあります。
向いているのは、賃貸やマンションでガラスを替えられない窓、費用を抑えて一階の窓を一通り手当てしたい場合です。ガラスを替えるまでの間の備えとしても使えます。
内窓を足して窓を2枚にする
いまの窓の内側に、もう1つ窓を付ける方法です。二重窓や二重サッシとも呼ばれます。
ガラスと鍵が2組になるため、外から入るには2回割って2回開けることになります。時間を稼ぐという意味では、理にかなった方法です。
ただし、内窓を選ばれる方の多くは、防犯ではなく断熱や結露、防音を目的にしています。窓が2枚になることで、開け閉めの手数が増え、掃除する面も倍になります。付けたあとで気になる点は二重窓で後悔する理由は?にまとめてあります。
防犯だけが目的であれば、内窓は費用のかかる選び方になります。断熱や防音も一緒に良くしたい場合に、防犯が付いてくると考えるほうが実際に近くなります。
もう1つ、費用の面でも見ておく点があります。内窓は窓枠に取り付けるため、窓の内側に取り付けられる下地と奥行きが要ります。奥行きが足りない窓には、ふかし枠という部材を足してから取り付けることになり、その分だけ工事が増えます。
向いているのは、防犯と一緒に寒さや結露、外の音も何とかしたい窓です。逆に、防犯だけが目的で、いま入っているガラスに不満がないのであれば、ガラスの交換かフィルムのほうが近道になります。
補助錠やシャッターで窓の外側を守る
ガラスには手を入れず、窓の周りを足す方法です。
窓に補助錠を追加すると、鍵が2か所になります。ガラスを割って手を入れても、開けるまでにもう1つ手間が増えます。面格子や窓シャッターは、そもそもガラスに手が届きにくくなります。
さきほどの一覧のとおり、雨戸・面格子・窓シャッターにもCPマークの対象があります。ガラスを替えるより費用を抑えやすく、賃貸で工事ができない場合の選択肢にもなります。
台風のときの備えとしても、窓の外側をふさげるものは効きます。窓の形によって付けられるものが変わるため、出窓のように張り出した窓は出窓の台風対策は何をすべき?もあわせてご覧ください。
補助錠は、窓の上か下の枠に取り付けて、クレセント錠とは別の場所で固定するものです。ガラスを割って手を入れても、クレセント錠のところしか届かなければ、もう1か所は開けられません。さきほど書いた「狙われるのはクレセント錠の周りだけ」という点に、そのまま効く手当てです。
向いているのは、まず費用を抑えて手を打ちたい窓、トイレや浴室のように小さくて工事をしにくい窓です。ただし、面格子は室内から外へ出る妨げにもなります。避難の経路になる窓では、内側から外せるものを選ぶかどうかを含めて考えてください。
ここまでが4つの方法です。どれか1つを選ぶというより、窓ごとに違う手当てをするとお考えいただくのが実際に近くなります。一階の道路側は防犯ガラス、二階はフィルム、浴室の小窓は面格子、という組み合わせになります。
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ガラスの種類ごとにどこまで耐えるか
ここからは、いま入っているガラスがどれくらい耐えるのかを見ていきます。

住まいの窓によく使われるガラスは4種類あります。名前が似ていて、防犯に効くかどうかも取り違えられやすいところです。
先に結論を書きます。このうち防犯性能の評価を受けられるのは、合わせガラス(防犯ガラス)だけです。フロートガラス、網入りガラス、強化ガラスは、それぞれ別の目的で作られたガラスで、防犯部品として目録に載る種類ではありません。
あわせて、いま入っているガラスがどれなのかを見分ける方法もお伝えします。ご自宅の窓を見ながら読んでいただけます。
フロートガラスは手を入れていない窓に入っている
透明な1枚のガラスで、フロートガラスや透明板ガラスと呼ばれます。厚みは3ミリのものがよく使われます。
窓猿がお受けした防犯ガラスの交換でも、施工前に入っていたガラスは透明ガラスか型板ガラスでした。特別なガラスを選んでいなければ、ほぼこれだとお考えください。
このガラスは、割れることを前提に作られていません。板として必要な強さは持っていますが、繰り返し打たれることへの備えは持っていないガラスです。防犯性能の評価を受ける種類でもありません。
目安の5分と比べると、その差は大きく開きます。いま何も手を入れていない窓は、この状態にあります。割れたときには鋭い破片が出るため、防犯とは別に、安全という面でも弱いガラスです。
なお、すりガラスや型板ガラスのように表面が加工されているものも、中身は同じ1枚のガラスです。見えにくいことと、割れにくいことは別とお考えください。
見分け方は、まずガラスの中に金網が入っていないこと、向こう側がそのまま見えることです。それだけでは1枚か2枚かが分からないので、次の2つを見てください。
1つは、ガラスの隅に貼られたシールを探すことです。品種や厚みが書かれたシールが残っていることがあります。防犯ガラスであれば、CPマークのシールが貼られている場合もあります。
もう1つは、暗いところでガラスに光を当てて、映る像の数を数えることです。懐中電灯やスマートフォンのライトを斜めから当てると、ガラスの面の数だけ像が映ります。1枚のガラスなら2つ、2枚重なっていれば4つに見えます。
なお、引き違い窓では、ガラスの四方がサッシの框に入っているため、断面を直接見ることはできません。厚みや構成をはっきりさせるには、現地でサッシごと確認することになります。
網入りガラスは防火のためのガラス
ガラスのなかに金網が入っているものです。マンションの共用廊下側や、隣の建物と近い窓によく使われています。
見た目が頑丈そうなので、防犯に強いと思われがちです。この思い込みは、実際とは逆になります。
網入りガラスは、火事のときに炎が広がるのを食い止めるためのガラスです。金網は、割れた破片を落とさないために入っています。入っているのは金網であって、防犯のための膜ではありません。
ガラスそのものの厚みと硬さは、透明ガラスと変わりません。むしろ、割れても破片が金網に引っかかって落ちないため、割れたときの音が出にくいという面もあります。防犯という点では、透明ガラスと同じ扱いになります。
網入りガラスは、防犯性能の評価を受ける種類にも入っていません。「金網が入っているから安心」という見方は、目的を取り違えたものです。
見分け方は見た目のとおりで、ガラスの中に格子状か縦線状の金網が見えます。迷うことはまずありません。
網入りガラスには、防犯とは別の弱点もあります。中の金網が錆びて膨らみ、その力でガラスが割れる錆割れと、日射で温まった部分と冷えた部分の差で割れる熱割れです。防犯のために手を入れる前に、すでにヒビが入っていることがあります。
なお、網入りガラスが入っている窓は、防火のために求められている窓であることが多くなります。その場合、普通のガラスや防犯ガラスに替えられません。防火の性能を持ったガラスのなかから選ぶことになります。ここは現地で確かめる項目です。
網入りガラスそのものについては、網入りガラスとは?で種類と費用をまとめています。
強化ガラスは面には強く点には弱い
板ガラスを作る途中で急に冷やし、内部に力を持たせて強度を高めたガラスです。同じ厚さの普通のガラスと比べて、面で受ける力には数倍強くなります。
学校や店舗で安全ガラスとして使われるのは、この性質と、割れたときに粒状になって鋭い破片が出にくいためです。
ただし、先の尖ったもので1点を突かれると弱いという性質があります。表面に持たせた力が、1点の傷をきっかけに一気に解けるためです。解けると、ガラス全体が粒状に砕けます。
面には強く、点には弱い。この性質を知らずに「強化」という名前だけで選ぶと、期待が外れます。強化ガラスも、防犯性能の評価を受ける種類ではありません。強化ガラスが割れる仕組みは強化ガラスは割れる?で詳しく説明しています。
見分け方は、ガラスの隅を見ることです。強化ガラスには、製造した会社の名前や規格を示す刻印が隅に入っているのが一般的です。すりガラスのような細かい文字が焼き付けられているので、明るいところで隅を見てください。
もう1つ、強化ガラスには現場で切ったり穴を開けたりできないという性質があります。作るときに全体へ力を持たせているため、あとから加工すると全体が粒状に砕けます。サイズが合わないからといって現場で調整することはできず、寸法を測って作り直しになります。
強化ガラスが使われるのは、浴室の扉、室内の間仕切り、テーブルの天板、店舗の入口といった場所です。割れたときに鋭い破片が出にくいことを目的に選ばれます。防犯のために選ぶガラスではない、とお考えください。
合わせガラスと防犯ガラスは中間膜で決まる
2枚のガラスのあいだに樹脂の膜をはさんで圧着したものが合わせガラスです。そのなかで、膜を厚くするなどして防犯性能を高めたものが防犯ガラスと呼ばれます。
ここで大事なのは、合わせガラスなら全部が防犯用ではないということです。飛散を防ぐことを主な目的にした合わせガラスもあります。防犯として選ぶのであれば、CPマークが付いているかどうかで見分けてください。
同じ防犯ガラスでも、はさむ膜の厚みや素材で差が出ます。窓猿の記事防犯ガラスの価格はどれくらい?でもご案内していますが、中間膜には0.8ミリ、1.5ミリ、2.3ミリといった段階があり、厚くなるほど価格も上がります。
「防犯ガラスにした」だけでは、どこまで耐えるかは決まりません。どの製品にしたかで決まります。
見分け方は、さきほどの光を当てる方法が使えます。合わせガラスも複層ガラスも面が4つあるため像は4つ映りますが、複層ガラスは2枚のあいだに空気の層がある分、真ん中の2つの像が離れて見えます。合わせガラスは膜で貼り合わさっているので、その2つがほぼ重なります。
ただ、ここは見分けにくいところです。確実なのは、ガラスに貼られたシールを探すか、現地で見てもらうことです。
窓猿がお受けした事例では、セキュオSPやAGCの防犯ガラス、日本板硝子製、セントラル硝子製の製品を扱っています。どのメーカーにも防犯ガラスの製品があり、名称はそれぞれ違います。メーカーで選ぶというより、その窓に入る厚みの範囲で、CPマークの対象になっている仕様を選ぶという進め方になります。
なお、複層ガラス(ペアガラス)は防犯のガラスではありません。2枚のあいだにあるのは空気の層で、膜ではないためです。1枚ずつの厚みは普通のガラスと変わらず、防犯性能の評価を受ける種類にも入っていません。2枚あるから強い、という見方は当てはまりません。
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防犯ガラスに替えたあとに残る不便
防犯ガラスは、良いことばかりではありません。替えたあとに毎日続くことがあります。

先に知っておくと、あとで戻したくなりにくくなります。
室内から割って逃げにくくなる
外から入りにくいということは、中から出にくいということでもあります。
地震や火事で、窓を割って外へ出る、あるいは外から助けてもらう場面を考えてみてください。1枚のガラスであれば割って出られますが、防犯ガラスは中間膜が残るため、穴を広げるのに時間がかかります。
窓を防犯ガラスにするときは、逃げる経路を1か所は普通のガラスのまま残しておく、あるいは家族で避難の手順を決めておくといった備えが要ります。すべての窓を防犯ガラスにすればよい、というものではありません。
現実的な考え方としては、逃げる窓と、守る窓を分けることです。道路や隣地から近い窓、人目に付きにくい窓は守る側にして、庭やバルコニーに面していて外へ出られる窓は、そのまま残すか、別の手当てにします。
地震や火事のときは、そもそも窓を割るより先に開けるのが早い方法です。揺れを感じたらすぐに窓とドアを開けておく、というのは、建物がゆがんで開かなくなるのを防ぐための備えでもあります。防犯ガラスに替えた窓ほど、開けられるうちに開けておくことの意味が大きくなります。
なお、車の窓を割るための脱出用ハンマーを、住まいの窓に備えておく方がいらっしゃいます。あれは自動車の強化ガラスに合わせた道具で、中間膜のある防犯ガラスや合わせガラスには効きにくくなります。備えるものを取り違えないようにしてください。
窓の開け閉めが重くなる
防犯ガラスは、1枚のガラスが2枚分の厚みになります。中間膜の厚みも加わるため、その窓は重くなります。
とくに掃き出し窓のようにガラスの面積が大きい窓は、開け閉めのたびに違いを感じます。毎日出入りするベランダの窓であれば、ここは事前に確かめておきたいところです。
サッシの戸車が古くなっていると、重さが加わって動きがさらに悪くなります。ガラスを替えたあとに動きが重いと感じる場合は、ガラスではなく戸車やレールのほうを見ることになります。
対策としては、ガラスを替えるときに戸車もあわせて見ておいてください。何十年も使ったサッシであれば、部品が摩耗していることのほうが多くなります。ガラスの工事のついでであれば、戸車の交換やレールの調整はそれほど大きな作業になりません。
窓が重くなること自体は、防犯という点では悪いことではありません。軽く動く窓は、開けやすい窓でもあるためです。ただ、毎日出入りする窓であれば、そこは暮らしやすさと引き換えになります。掃き出し窓を全部替えるか、一部を残すかは、ここを見て決めることになります。
古いサッシには入らないことがある
厚みが増えるということは、いまのサッシの溝に収まらない可能性があるということです。
サッシのガラスをはめる溝には幅があります。溝が狭いサッシは、そのままでは厚い防犯ガラスを入れられません。溝の部品を交換すれば入れられる場合もありますが、サッシごと替えることになる窓もあります。
また、戸車が摩耗しているサッシに重いガラスを入れると、動きに影響が出ます。年数の経った窓では、ガラスだけの話で終わらないことがあります。
判断が分かれるのは、サッシごと替えるかどうかです。サッシの交換になると、費用も工期もガラスだけの交換とは別のものになります。そこまでかけずに防犯性を上げたい場合は、いまのガラスに防犯フィルムを貼る、補助錠を足す、といった手当てに切り替えることになります。
「防犯ガラスに替えられません」で終わりではありません。その窓で取れる手当ては、たいてい他にもあります。現地でサッシを見たうえで、選べるものを並べてご説明します。
断熱や結露は防犯ガラスでは変わらない
もう1つ、期待が外れやすいところがあります。防犯ガラスは、断熱のガラスではありません。
ガラスが2枚になるので、複層ガラス(ペアガラス)と同じように暖かくなると思われることがあります。ただ、複層ガラスは2枚のあいだに空気の層を持たせて熱を伝えにくくしたもので、防犯ガラスは2枚を膜で貼り合わせたものです。空気の層がないため、断熱の効き方は普通のガラスに近くなります。
結露も同じで、防犯ガラスに替えても減りません。むしろ、いま複層ガラスが入っている窓を防犯ガラスに替えると、断熱は下がります。空気の層が無くなるためです。
断熱と防犯の両方を求める場合は、防犯合わせ複層ガラスのように、両方の構造を持たせた製品を選ぶことになります。ガラスが3枚分の厚みになるため、サッシの溝に入るかどうかは、さらに慎重に見ることになります。
防音についても同じことが言えます。防犯ガラスは中間膜がある分だけ、1枚のガラスよりは音を伝えにくくなりますが、防音を目的に作られたガラスではありません。外の音を何とかしたいのであれば、内窓のほうが効きます。
窓を替えるときは、「何を良くしたいのか」を1つに絞ってからガラスを選ぶと、選択を間違えにくくなります。防犯・断熱・結露・防音・飛散防止は、それぞれ別の構造で対応するものだからです。
替えたあとに「思っていたのと違う」となりやすい点は、防犯ガラスで後悔する理由は?と、防犯ガラスは意味ない?にもまとめてあります。
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窓猿が実際に受けた防犯ガラスの工事
ここからは、窓猿がお受けした防犯ガラスの工事をご紹介します。

金額は、いずれも施工事例のページでご案内している作業料金(税込)です。ガラス代と作業費を含んだ工事1件の金額で、1枚あたりの単価ではありません。窓の大きさ、枚数、選ぶ製品で変わります。
一般的な相場としては、単板ガラスから防犯合わせガラスへ替える場合で1か所あたり8万円から15万円という目安が出ています。窓ガラス交換全体の相場は窓ガラス交換の費用相場はいくら?、防犯ガラスの製品ごとの目安は防犯ガラスの価格はどれくらい?をご覧ください。
1枚だけの工事から、家じゅうの窓をまとめて替えた工事まで、3件を並べます。窓の枚数と、ガラス以外に手を入れたかどうかを合わせて見てください。
CASE 01 勝手口ドアのガラス1枚 勝手口ドアのガラスをセキュオSPへ交換
- 作業料金
- 74,800円(税込)
- 施工エリア
- 東京都江戸川区
- 対応箇所
- 勝手口ドア(縦78cm×横47cm)
勝手口ドアのガラスを防犯性の高いものに替えたいというご相談でした。現地でドアの構造、いま入っているガラスの仕様、固定の方法を確認したうえでご提案しています。
採用したのはセキュオSPで、ガラスとポリカーボネートを組み合わせた多層構造の製品です。既存のガラスを外し、枠の内側を清掃・点検したあと、採寸どおりに作った防犯ガラスを納め、固定と気密、開閉を確認しました。
勝手口は人目に付きにくい側にあることが多く、ガラスの面積が大きいドアもあります。ガラス1枚だけの工事なので、気になる1か所から始められます。
CASE 02 一階の窓3枚と鍵 一階洋室の窓3枚をAGC防犯ガラスへ交換し鍵も同時に交換
- 作業料金
- 448,800円(税込)
- 施工エリア
- 東京都板橋区
- 対応箇所
- 一階洋室の窓ガラス3枚・クレセント錠
一階の洋室にある窓ガラスを防犯性能の高いものに替えたい、あわせて鍵も防犯性の高いタイプにしたいというご相談でした。現地で窓のサイズ、ガラスの仕様、サッシの状態を確認しています。
既存は一般的なフロートガラスで、AGCの防犯ガラスへ交換しました。あわせて、窓の鍵を防犯クレセント錠へ交換しています。
替えたのは一階の窓だけです。守る窓を選んで、その窓についてはガラスと鍵の両方を手当てしています。ガラスと鍵はどちらか一方だけの交換でも承っています。
CASE 03 家じゅうの窓18枚 住宅の窓ガラス18枚をまとめてセキュオSPへ交換
- 作業料金
- 716,100円(税込)
- 施工エリア
- 東京都北区
- 対応箇所
- 住宅の窓ガラス18枚
お見積りの段階から防犯性を重視されており、気になる窓をまとめて見直したいとのご希望でした。既存は透明ガラスで、交換後のガラスにはセキュオSPを採用しています。
18枚を順に確認しながら、既存ガラスの取り外しから設置まで進めました。枚数が多い工事では、1枚ごとの納まりに加えて、全体として違和感が出ないように仕上げることが大切です。
弱い窓が1か所残っていると、そこが入口になります。まとめて見直すと窓ごとの差が出にくくなり、しかも外から見て分かる変化はほとんどありません。
掲載している作業料金は施工当時のものです。窓の大きさ、枚数、選ぶ製品によって変わります。
3件の作業料金は、74,800円、448,800円、716,100円です。10倍近い開きがありますが、枚数が1枚、3枚、18枚と違います。
金額を比べるときは、まず何枚の工事なのかを確かめてください。1か所あたりの相場として出ている「8万円から15万円」という目安も、サッシ1組(ガラス2枚)を1か所として数えたときの金額です。同じ「1か所」でも、数え方が違えば比べられません。
窓猿では、お見積りの際に対象となる窓と枚数、ガラスの仕様を書き出してご提示します。他社のお見積りと比べる場合も、この3つがそろっているかを見ていただくと、同じものを比べられます。
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替える前に確かめておくこと
最後に、工事の前に確かめておく項目をまとめます。

ここを飛ばすと、見積もりのあとで話が止まったり、替えたあとに別の不具合が出たりします。
マンションは管理規約で窓を勝手に替えられない
分譲マンションの窓は、専有部分ではなく共用部分として扱われるのが一般的です。部屋の中にあっても、建物全体の外観や構造に関わるためです。
そのため、ガラスを防犯ガラスに替えたいと思っても、管理組合の承認が要ります。規約で交換そのものを認めていない場合もあります。
まず管理規約を確認し、必要であれば管理組合にご相談ください。承認が下りない場合でも、室内側で完結する防犯フィルムや、内窓であれば認められることがあります。賃貸の場合は、貸主か管理会社の許可が要ります。
規約を見るときは、窓ガラスとサッシがどう書かれているかを探してください。「共用部分のうち専用使用権のある部分」といった書き方になっていることが多く、日常の管理は住んでいる方、交換は管理組合の承認が要る、という形になっているのが一般的です。
もう1つ、マンションでは建物全体で同じガラスに統一していることがあります。1戸だけ違うガラスに替えると外観がそろわないためです。この場合、防犯ガラスにすること自体が認められないことがあります。
申請には見積書や仕様書を求められることがあります。窓猿では、管理組合に提出するための書類が必要な場合もご相談を承っています。先に規約を確認していただくと、そのあとの話が早く進みます。
いまのサッシの溝に入る厚みか
防犯ガラスは、1枚のガラスより厚くなります。いまのサッシの溝に収まるかどうかが決まらないと、工事に進めません。
溝の幅が足りない場合は、溝の部品を交換して厚いガラスを入れられることがあります。それでも入らない窓は、サッシごと交換するか、ガラスの構成を変えるかの判断になります。
年数の経ったサッシでは、戸車の状態もあわせて見ます。重いガラスを入れると、傷んだ戸車では動きが悪くなるためです。
いずれも現地でサッシを見ないと決まりません。窓の写真だけでのお見積りが難しいのは、このためです。
現地では、次のところを見ています。ガラスの縦横の寸法、いま入っているガラスの厚みと種類、溝の幅、押さえ材の形、サッシの材質と年式、戸車の状態、そして窓の周りに人が立てる場所があるかどうかです。
このうち溝の幅は、ガラスを外さないと正確に測れないことがあります。お見積りの段階で「おそらく入る」とお伝えし、工事の当日に確定する、という進め方になる窓もあります。その場合は、入らなかったときにどうするかを先に決めておきます。
窓猿では、ご相談とお見積りを無料で承っています。替えられるかどうかが分からない段階でも、まず見に伺えます。
日当たりと組み合わせによっては熱割れが起きる
ガラスは、一部分だけが熱くなると、温まった部分と冷えた部分の差で割れることがあります。これを熱割れといいます。
日当たりの強い窓、ガラスの一部が影になる窓、室内側にフィルムや厚いカーテンを付ける窓では、この差が出やすくなります。厚みのあるガラスや、色の付いたガラス、複層ガラスは、熱を溜めやすい分だけ条件が変わります。
防犯ガラスへの交換とフィルムを同時に検討されている場合は、どちらか一方にするかを含めて、現地で見たうえでご提案します。組み合わせによっては、防犯以外の理由で割れることがあるためです。
熱割れが起きやすいのは、次のような窓です。
- 日射が強く当たり、一日のうち一部だけが影になる窓
- 網入りガラスが入っている窓(中の金網が熱を伝え、錆びると力もかかります)
- ガラスの室内側に厚いカーテンやブラインド、家具が近い窓
- ガラスにフィルムを貼っている窓
防犯フィルムを検討されているのが網入りガラスの窓であれば、ここは必ずご相談ください。2つの条件が重なるためです。
熱割れは、ぶつけた覚えがないのにヒビが入る、という形で気づかれます。窓の隅から垂直に立ち上がるようなヒビが入っていたら、熱割れの可能性があります。防犯の工事の前に、いま入っているガラスの状態も見ておきます。
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割れない窓ガラスについてよくある質問
窓ガラスが割れない方法はありますか
窓ガラスを絶対に割れなくする方法はありません。防犯ガラスに替えても、防犯フィルムを貼っても、時間をかければ割られます。
防犯性能の基準も「割れないこと」ではなく「5分耐えること」です。目指すのは、割るのに手間がかかる窓にして、始める前にやめてもらうことになります。ガラスだけでなく、鍵、面格子、シャッターを組み合わせると、稼げる時間が増えます。
費用をかけずにできることもあります。窓を必ず施錠する、窓の下に足場になるものを置かない、といったことです。施錠していない窓は、どんなガラスに替えても関係がありません。工事を考える前に、ここを見直すほうが早い場合があります。
アクリル板は窓ガラスより割れにくいですか
アクリル板やポリカーボネート板は、ガラスより割れにくい素材です。ただし、住まいの窓をそのまま置き換える使い方は一般的ではありません。傷が付きやすく、日射で劣化し、燃えやすいという性質があるためです。
窓の防犯としては、ポリカーボネートを中間層に使った防犯ガラスという形で使われています。素材を丸ごと替えるのではなく、ガラスと組み合わせる使い方です。窓猿がお受けした事例でも、勝手口のドアに「FL2+ポリカ1.2+F3A」という構成の製品を使っています。ガラスとポリカーボネートを重ねた多層構造です。
なお、既存のサッシにアクリル板やポリカーボネート板をそのまま入れることは、一般的な工事ではありません。厚みや固定の方法が窓のサッシに合わないためです。「割れない素材にしたい」というご相談は、防犯ガラスのご提案としてお受けしています。
防弾ガラスは家にも使えますか
防弾ガラスは、住まいの窓に使うものではありません。厚みと重さが一般の窓のサッシに収まらず、サッシと窓枠、場合によっては周りの下地まで見直すことになるためです。
住まいで選べる範囲では、CPマークが付いた防犯ガラスが上の性能になります。CPマークの対象になっている製品のなかでも、中間膜の厚みによって段階があります。「もっと強くしたい」というご希望であれば、防弾ガラスではなく、この段階を上げる形になります。
まずは、いま入っているガラスがどれなのかを確かめるところから始めてください。フロートガラス1枚の窓であれば、防犯ガラスに替えるだけで稼げる時間が大きく変わります。
割れにくいガラスの種類を知りたいのですが
住まいの窓によく使われるのは、フロートガラス、網入りガラス、強化ガラス、合わせガラス(防犯ガラス)の4種類です。
このうち、防犯を目的に選べるのは合わせガラスのなかの防犯ガラスだけです。網入りガラスは防火のためのガラスで、防犯には向きません。強化ガラスは面には強いものの、先の尖ったもので突かれると弱い性質があります。名前ではなく、CPマークが付いているかどうかで見分けてください。
いまご自宅に入っているガラスは、次の順で見分けられます。中に金網が見えれば網入りガラス、隅に小さな刻印があれば強化ガラスです。どちらでもなければ、暗いところでガラスに斜めから光を当てて、映る像の数を数えてください。2つなら1枚のガラス、4つなら合わせガラスか複層ガラスです。ガラスの隅にシールが残っていれば、そこに品種が書かれていることもあります。
複層ガラス(ペアガラス)は断熱のためのガラスで、防犯のためのものではありません。2枚あるから強い、という見方は当てはまりません。
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まとめ
割れない窓ガラスはありません。メーカーも「ヒビは入るが割れにくい」と書いており、CPマークの制度も、侵入までにかかる時間を評価するもので、侵入を防ぎ切ることを約束するものではありません。窓猿の施工事例にも、防犯ガラスが入っていた窓の交換依頼が3件あります。
防犯性能の目安は「侵入までに5分以上の時間を要すること」です。官民合同会議がこの目安で評価した部品が目録に載り、CPマークが付きます。割られないことではなく、割るのに手間がかかる窓にすることが目的です。
そのための方法は4つあります。防犯ガラスに替える、防犯フィルムを貼る、内窓を足す、補助錠やシャッターを付ける。CPマークはガラスだけでなく、ウィンドウフィルムやサッシ、面格子、窓シャッターにも付きます。どれか1つで終わるものではありません。
住まいの窓によく使われる4種類のうち、防犯性能の評価を受けられるのは合わせガラス(防犯ガラス)だけです。フロートガラスは板としての強さしか持たず、網入りガラスは防火のため、強化ガラスは面には強く点には弱いガラスです。名前ではなく、CPマークが付いているかどうかで見分けてください。
替えたあとに残ることもあります。中から割って逃げにくくなること、窓が重くなること、古いサッシには入らないことがあること、断熱や結露は変わらないこと。すべての窓を防犯ガラスにすればよい、というものではありません。逃げる窓と、守る窓を分けて考えてください。
窓猿がお受けした3件も、考え方は同じでした。勝手口のガラス1枚で74,800円、一階の窓3枚と鍵で448,800円、家じゅうの窓18枚で716,100円。気になる1か所から始めることも、まとめて見直すこともできます。
工事の前に確かめることは3つです。マンションであれば管理規約、どの窓でもサッシの溝に入る厚みか、そして日当たりと組み合わせによる熱割れ。いずれも現地でサッシを見ないと決まらないため、写真だけでのお見積りは難しくなります。
窓猿では、ガラス1枚からのご相談を承っています。ご相談とお見積りは無料です。「うちの窓はどのガラスなのか」という段階でも構いません。現地でサッシと窓の状態を見たうえで、その窓で取れる手当てを並べてご説明します。どこから手を付けるか迷っている段階でも、お気軽にお声がけください。

