網入りガラスとは?線入りとの違いと替えてよい窓

窓猿は、ガラス修理・交換サービスとしてSLS株式会社が運営するサービスです。 窓やドア、家具などのガラス割れやヒビ、交換に関するご相談に幅広く対応しており、現地調査からお見積もり、施工まで一貫して承っています。 これまでの施工経験や取扱いガラスの知識をもとに、設置場所や用途、ご希望に合わせたガラスをご提案しています。 また、一般的な板ガラスだけでなく、ペアガラスや防犯ガラス、防火ガラスなどの機能性ガラスにも対応し、暮らしの快適性や安全性を高めるためのご案内も行っています。 お客様に安心してご利用いただけるサービスを目指し、分かりやすい情報発信を心がけています。
- 網入りガラスと線入りガラスの見分け方
- 網入りガラスを網の無いガラスに替えてよい窓と、替えられない窓の決まり
- 網入りガラスが熱割れや錆割れを起こしやすい理由
- 窓猿の料金表に載せている網入りガラスの交換の料金の目安
網入りガラスは、窓ガラスの中に金網が見えるガラスです。集合住宅のベランダの窓や、玄関まわりの窓で目にすることがあります。
「網が入っているから丈夫なのでは」「普通のガラスに替えてもいいのか」「ぶつけていないのにひびが入った」。網入りガラスの窓を前にすると、こうした疑問が出てきます。どれも、網入りガラスが何のためのガラスかを知ると答えが見えてきます。
この記事では、網入りガラスがどういうガラスかを先に短くお伝えし、そのあとで、網の無いガラスに替えてよいか、なぜ割れるのか、交換にいくらかかるのかをお伝えします。
窓猿は、割れた窓ガラスの交換に伺っているガラス屋です。網入りガラスの交換も受けてきました。建築基準法の条文と、ガラスメーカーやサッシメーカーの説明をもとに、現場で交換してきた立場からお伝えします。
この記事で分かること
- 網入りガラスと線入りガラスの見分け方
- 網入りガラスを網の無いガラスに替えてよい窓と、替えられない窓の決まり
- 網入りガラスが熱割れや錆割れを起こしやすい理由
- 窓猿の料金表に載せている網入りガラスの交換の料金の目安
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網入りガラスはどんなガラスか

網入りガラスの役割は、ひと言でいえば、割れても崩れ落ちにくくすることです。割れにくくするためのガラスではありません。ここを取り違えると、防犯や台風の備えとして期待しすぎてしまいます。
製品ごとの特徴や見た目の違いは、窓猿の網入りガラスの特徴、メリットとデメリットにまとめています。ここでは、窓の網入りガラスをどう扱うかに関わるところだけをお伝えします。
網入りガラスはガラスの中に金網を入れて火事の広がりを防ぐ
網入りガラスは、あるガラスメーカーが「金網を封入した網入板ガラス」と説明しているガラスです。ガラスの表面に網を貼っているのではなく、網はガラスの中に入っています。
あるサッシメーカーは、網入りガラスについて「火炎で割れた場合でも、ガラス中に封入されている網が破片を支え、崩れ落ちたり、穴が開いたりするのを防ぎ、開口部からの延焼・類焼を防ぐ効果があります」と説明しています。主な用途には、住宅の防火戸に使う防火ガラスと、飛散防止が必要な場所が挙げられています。
火事で窓ガラスが割れ落ちると、そこに大きな穴が開きます。その穴から炎が外へ出たり、隣の火が中へ入ったりします。網入りガラスは、割れたあとも網が破片をつなぎ止めて、この穴が開くのを遅らせます。
同じサッシメーカーは、網入りガラスが主に防火地域の窓や天窓に多く使われているとも説明しています。どの窓に使わなければならないかは、建築基準法で決まっています。詳しくは次の次の章でお伝えします。
網入りガラスは割れても金網が破片を支えて穴が開きにくい
網入りガラスが割れても、破片は網に支えられて枠の中に残りやすくなります。普通のガラスのように、割れた破片がばらばらと床に落ちることは少なくなります。
同じサッシメーカーも、網入りガラスは一般の板ガラスと比べて、割れたときの脱落や飛散を防ぐ力に優れていると説明しています。
ただし、破片が網に残っているからといって、そのまま使い続けてよいわけではありません。ひびの入った網入りガラスは、少しの力で破片が落ちたり、ひびが広がったりします。
窓猿が東京都江東区のアパートで網入りガラスを交換した工事でも、ベランダの掃き出し窓は出入りのたびに近くを通るため、ひびが広がる前に交換したいとのご依頼でした。この工事は、下の施工事例の章に載せています。
網入りガラスは金網が入っていても強いガラスではない

金網が見えるので、網入りガラスは普通のガラスより丈夫だと思われがちです。
同じサッシメーカーは、網入りのガラスについて「金網が入っているからといって必ずしも強いというわけではなく、むしろそのために、温度や雨水などの影響を受けやすい性質となっている」と説明しています。
網は、割れたあとの破片を支えるためのものです。割れる前の強さを上げるものではありません。
同じサッシメーカーは、ガラス破りに対しては合わせガラスのほうが強く、網入りガラスには合わせガラスのような防犯効果は期待できない、とも説明しています。防犯のためにガラスを選ぶときは、網入りガラスではなく合わせガラスや防犯ガラスを候補にします。
温度や雨水の影響を受けやすいという点は、網入りガラスが割れる原因に直接つながります。これは4つ目の章でお伝えします。
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網入りガラスと線入りガラスはどこで見分けるか

ガラスの中に線が見える窓には、網入りガラスと線入りガラスがあります。遠目には似ていますが、ガラスの中の線の形で見分けられます。
窓を正面から見て、ガラスの中の線をたどってみてください。線が交わって網になっているか、線どうしが交わらずに並んでいるだけかで分かれます。
菱形か格子の金網が入っていれば網入りガラスと分かる
ガラスの中の線が斜めに交わって菱形に見えるもの、縦と横に交わって格子に見えるものが、網入りガラスです。
あるガラスメーカーの商品でいうと、菱形の網のものは「ヒシワイヤ」、格子の網のものは「クロスワイヤ」という名前で売られています。どちらも同じガラスメーカーが「金網を封入した網入板ガラス」と説明している商品です。
同じガラスメーカーは、この2つを「延焼のおそれのある開口部、トップライトなどの防火」を主な目的とするガラスとしています。建設省告示1360号に規定される防火設備用ガラスとして、延焼のおそれのある部位に使用できる、とも書かれています。
網のように交わらない線だけが入っていれば線入りガラスと分かる
ガラスの中に金属の線が入っていて、線どうしが網のように交わっていないものは、線入りガラスです。
同じガラスメーカーの商品では「プロテックス」という名前で、「金属線を封入した線入板ガラス」と説明されています。
網入りガラスと線入りガラスは、同じガラスメーカーの寸法表では、どちらにも呼び厚さ6.8ミリの商品があります。違いは、ガラスの中に入っているのが「網」か「線」か、という点です。
ガラスの中の線が交わらずに並んでいるだけなのか、網のように交わっているのかは、ガラスに顔を近づけると分かります。型板のガラスで中が見えにくいときも、線は表面から透けて見えます。
線入りガラスは火事より割れたときの飛び散りを抑えるために使う
網入りガラスと線入りガラスは、見た目が似ていても、同じガラスメーカーが書いている主な目的が違います。
同じガラスメーカーは、網入りのヒシワイヤとクロスワイヤを「延焼のおそれのある開口部、トップライトなどの防火」、線入りのプロテックスを「耐熱性が必要な防煙垂れ壁などのガラス飛散抑制」を主な目的とするガラスとして、分けて説明しています。
どちらのガラスも、割れたときに破片が飛び散るのを抑える点は同じです。
網入りガラスの窓を交換するときは、線入りガラスで入れ替えず、同じ網入りガラスで入れ替えるのが基本です。同じガラスメーカーが主な目的を防火と説明しているガラスを、主な目的の違うガラスに替えることになるためです。火事の広がりを防ぐ目的で入っていた窓かどうかは、次の章でお伝えする決まりで確かめます。
どちらにも向こうが見える透明のものと見えにくい型板のものがある
網入りガラスにも線入りガラスにも、表面を磨いて向こうが見える透明のものと、表面に模様を付けて向こうが見えにくい型板のものがあります。同じガラスメーカーの品種の表では、磨き板ガラスが「磨」、型板ガラスが「霞」です。
同じガラスメーカーの寸法表では、網入りガラスと線入りガラスの呼び厚さは6.8ミリで、菱形の網の透明のものには10ミリもあります。商品には略号が付いていて、窓猿の施工事例の題名にもこの略号が出てきます。
| 種類 | 見え方 | 略号 | 呼び厚さ | 最大寸法 |
|---|---|---|---|---|
| 菱形の網(網入り) | 透明 | PHW | 6.8ミリ(10ミリはPHW10) | 3658×2438ミリ |
| 菱形の網(網入り) | 型板 | WKH | 6.8ミリ | 2438×1829ミリ |
| 格子の網(網入り) | 透明 | PCW | 6.8ミリ | 2438×1829ミリ |
| 格子の網(網入り) | 型板 | WKC | 6.8ミリ | 2438×1829ミリ |
| 交わらない線(線入り) | 透明 | PTW | 6.8ミリ | 2438×1829ミリ |
| 交わらない線(線入り) | 型板 | WKT | 6.8ミリ | 2438×1829ミリ |
最大寸法も、種類で違います。同じガラスメーカーの寸法表では、菱形の網の透明のもの(PHW)が最大3658×2438ミリで、ほかの種類は最大2438×1829ミリです。
交換を頼むときに、ガラスの中の線の形と、向こうが見えるかどうかを伝えていただくと、同じ種類のガラスを用意しやすくなります。
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網入りガラスを網の無いガラスに替えてよいか

「網が目障りなので、普通の透明ガラスに替えたい」というご相談は、窓猿にもよく届きます。
替えてよいかどうかは、好みではなく、その窓が建築基準法で防火設備を求められている窓かどうかで決まります。ここでは、条文と国の告示に書かれていることの範囲でお伝えします。
防火地域と準防火地域の建物は延焼のおそれのある部分の窓を防火設備にする
建築基準法の第61条は、防火地域または準防火地域にある建物について、外壁の開口部で「延焼のおそれのある部分」に、防火戸その他の政令で定める防火設備を設けなければならないと定めています(e-Gov法令検索「建築基準法」)。
ここで押さえておきたいことは2つです。
1つ目は、条文が求めているのは防火設備を設けることで、網入りガラスにすることではない点です。網入りガラスは、この防火設備をつくる方法の1つです。国の告示(平成12年建設省告示第1360号)は、防火設備の構造の1つとして「鉄及び網入ガラスで造られたもの」を定めています。
2つ目は、対象が、防火地域または準防火地域にある建物の、延焼のおそれのある部分にある窓に限られる点です。すべての建物の、すべての窓に求められているわけではありません。
防火地域や準防火地域の建物で、延焼のおそれのある部分にある窓、つまり防火設備が求められる窓の網入りガラスを、網の無い普通のガラスに替えることはできません。防火設備としての条件を満たさなくなるためです。
自分の家が防火地域や準防火地域に入っているかは、お住まいの市区町村が公開している都市計画の情報で確かめられます。分からないときは、建てたときの工務店や管理会社に尋ねるのが近道です。
延焼のおそれのある部分は隣地境界線などからの距離で決まる
「延焼のおそれのある部分」は、建築基準法の第2条第6号で決められています。
隣の敷地との境の線(隣地境界線)、道路の中心線、同じ敷地に建物が2つ以上あるときはその外壁どうしの間の中心線から、1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の距離にある建物の部分をいいます。同じ敷地に建物が2つ以上あるときは、建物どうしの外壁の間の中心線からも測ります。このとき、延べ面積の合計が500平方メートル以内の建物は、1つの建物とみなします。
図のとおり、道路や隣の敷地に近い側の窓ほど、延焼のおそれのある部分に入りやすくなります。2階以上は帯が5メートルと広いため、1階では外れていた窓でも、2階では入ることがあります。
ただし、防火上有効な公園、広場、川などの空き地や水面、耐火構造の壁などに面する部分は除かれます。建物の外壁と隣地境界線などとの角度に応じて、国土交通大臣が定める部分も除かれます。
実際の窓がどちらに当たるかは、敷地と建物の位置、隣の建物との関係で変わります。図だけで「うちの窓は外れている」と決めず、建てたときの図面や、建築をした会社・管理会社に確かめてください。
はめごろしの防火設備の窓には網の無い防火ガラスも使える
防火設備の窓に使えるものは、網入りガラスの窓だけではありません。建築基準法の第61条は、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもののほかに、国土交通大臣の認定を受けたものも認めています。
国が告示で定める構造方法も、平成31年に広がりました。国土交通省の技術的助言(平成31年3月29日)によると、それまで告示で定める防火設備の窓は「鉄及び網入りガラスで造られたもの」だけでした(国土交通省「防火設備の構造方法を定める件の一部を改正する件の施行について」)。
平成31年の告示改正で、網入りガラスのほかに、防火上有効に炎を遮ることが確かめられている耐熱強化ガラスや耐熱結晶化ガラスなどの防火ガラスも、告示に加えられました。断熱に配慮して、これらの防火ガラスと一定のLow-Eガラスを組み合わせた複層ガラスも使えるとされています。
ただし、同じ助言には、この改正で新たに告示に位置付けた枠やガラスを使うときは、窓の開閉のしかたを「はめごろし」にし、枠とガラスの組み合わせに応じた寸法の開口部に設置する必要がある、と書かれています。
網の無い防火ガラスに替えられる場合があっても、いまのサッシにガラスだけを入れ替えればよいわけではありません。平成31年の告示改正で、告示の構造方法に網の無い防火ガラスが加わったのは、はめごろしの窓です。開け閉めする窓を網の無いガラスの防火設備にできるかは、その窓が防火設備として国土交通大臣の認定を受けたものかどうかで変わり、ガラスの種類だけでは決まりません。
窓猿は網の無いガラスへの交換を頼まれたら防火設備の窓かを確かめてから対応する
窓猿では、網入りガラスを網の無いガラスに替えたいとご相談いただいたときは、その窓が防火設備として網入りガラスが入っている窓かどうかを確かめてから対応しています。
防火設備が求められる窓であれば、網の無い普通のガラスには替えず、網入りガラスか、防火設備として使えるガラスでの交換をご提案します。
割れたガラスを急いで入れ替えたいときも、同じです。在庫にある普通のガラスで入れてしまうと、あとで防火設備の条件を満たさない窓が残ります。
賃貸住宅やマンションの窓は、ガラスの種類を入居者が決められないことがあります。替えたい理由があるときは、先に管理会社や大家さんに伝えてください。
ご自身で当たりをつけたいときは、この章でお伝えした順に見てください。まず、お住まいが防火地域か準防火地域に入っているか。次に、その窓が道路の中心線や隣地境界線から、1階なら3メートル以下、2階以上なら5メートル以下の範囲にあるか。どちらにも当たりそうなら、網の無いガラスに替える前に、建てたときの図面や建築をした会社に確かめてください。
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網入りガラスはなぜ割れるのか

網入りガラスのひびには、物が当たって割れるものと、何もぶつけていないのに割れるものがあります。後者が、網入りガラスで気をつけたい熱割れと錆割れです。
ひびの見分け方や、割れたガラスの熱割れについては、網入りガラスの熱割れとは?と窓ガラスの熱割れの見分け方で詳しくお伝えしています。ここでは、網入りガラスがなぜ割れやすいのかをお伝えします。
網入りガラスも物が当たれば割れる
網入りガラスは、1つ目の章でお伝えしたとおり、網が入っているからといって強いガラスではありません。物が当たれば割れます。
割れた直後は、網が破片を支えていても、少しの振動で破片が落ちることがあります。割れた窓から離れ、手袋をしてから片付けてください。割れたときの連絡先や今夜しのぐ手当ては、窓ガラスが割れたらどこに連絡する?にまとめています。
網入りガラスは切り口に欠けが残るので熱割れが起きやすい
熱割れは、1枚のガラスの中に温度の差ができて、その差に耐えられなくなって割れる現象です。
あるガラスメーカーの説明によると、日が当たってガラスの温度が上がっても、サッシに隠れた周りの部分は温度が上がるのが遅れます。温まった部分は広がろうとしますが、冷えている周りの部分がそれを押さえつけるため、周りの部分に引っ張る力がかかり、ガラスの周りの弱いところから割れが始まります。
同じガラスメーカーは、ガラスの切り口に傷や欠けがあると、そこが割れの起点になり、熱割れの弱点になるとしています。そのうえで、網入りや線入りの板ガラスは「切断面に欠けが残ることが避けられず」、そのぶん熱割れのリスクが増す、と書いています。
同じガラスメーカーは、網入りガラスが熱割れしやすい理由として、切り口に欠けが残りやすいことを挙げています。
熱割れのひびは、ガラスの端から始まることが多いため、ひびの始まりの場所を見ると見当がつきます。見分け方は窓ガラスの熱割れの見分け方をご覧ください。
金網の切り口がさびて膨らむと錆割れが起きる
錆割れは、網入りガラスや線入りガラスのように、ガラスの中に鉄が入っている製品で起きる割れです。
同じガラスメーカーの説明によると、ガラスを切ると、切り口で中の鉄が空気にさらされます。一般的な住宅のアルミサッシでは、ガラスの下の切り口に雨や結露の水が入り込むことが、構造のうえで避けられません。そこで鉄がさびると、さびは元の鉄より体積が増えるため、ガラスをじわじわと押し広げ、切り口に細かいひびを入れて強さを下げます。
あるサッシメーカーも、網入りのガラスは切り口にさび止めをしているものの、年数がたってさび止めの効き目が落ちたり、ガラスの周りのパッキンが硬くなったりひび割れたりして雨水が入りやすくなると、網の切り口にさびが出ることがある、と説明しています。そのさびが中へ進むと、網がさびで膨らんでガラスにひびが入ります。同じサッシメーカーは、金属線の入った線入りガラスでも、同じ理由で錆割れが起きることがあるとしています。
網の切り口にさびが見えたら、ひびが入る前でも一度ご相談ください。
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網入りガラスの熱割れは窓まわりの何で起きやすくなるのか
熱割れは、ガラスの中の温度の差で起きます。そのため、窓の前に何を置くか、ガラスに何を貼るかで、起きやすさが変わります。
前の章でお伝えしたガラスメーカーの説明のとおり、網入りガラスは切り口に欠けが残ることが避けられず、そのぶん熱割れのリスクが増します。ここでお伝えする使い方が重なると、割れる条件がそろいやすくなります。
濃い色のフィルムや厚手のカーテンはガラスの熱を逃がしにくくする
同じガラスメーカーは、温度が上がった部分は熱を逃がして釣り合いを保とうとするが、窓ガラスの内側に厚手のカーテンが接していたり、濃い色のフィルムが貼られていたりすると、熱がうまく逃げず、ガラスの温度が上がって周りとの温度差が大きくなる、と説明しています。
同じガラスメーカーは、ガラスの一部だけに日陰ができて、その部分の温度の上がり方が遅れることでも、釣り合いが崩れることがあるとしています。
網入りガラスの窓に断熱シートや目隠しシートを貼りたいとき、どのシートなら貼ってよいかは、網入りガラスに断熱シートは貼れる?で詳しくお伝えしています。
熱割れのあとにガラスを入れ替えるときは、窓の前に置いている物や、ガラスに貼っている物も一緒に見直してください。
暖房の熱風が直接当たる窓はガラスの中の温度差が大きくなる
ガラスの温度を上げるのは、日差しだけではありません。
同じガラスメーカーは、ガラスの温度の上昇は日射の熱だけでなく、室内の暖房機によることもあるため、暖房機の熱風が直接窓ガラスに当たらないように注意が必要だ、としています。
窓の下にファンヒーターを置いていたり、エアコンの風が窓に向いていたりすると、風の当たる部分だけが温まり、サッシに隠れた部分との差が大きくなります。
冬に暖房を使う部屋の網入りガラスの窓は、暖房器具の置き場所と風の向きを一度見直してみてください。
熱割れのひびは、物をぶつけた覚えがなくても入ります。ぶつけていないのにひびが入った窓があれば、その窓の近くに暖房器具が置かれていないか、風が当たっていないかも確かめてください。
熱割れは冬の午前中に日が差す東南向きの窓で多い
同じガラスメーカーは、施工された窓ガラスでは、熱割れは厳しい冬の午前中に、東南向きの窓で多いと説明しています。
冷え込んだ朝、低い温度で冷えたガラスに直射日光が当たると、ガラスの温度が一気に上がります。一方で、サッシに隠れた周りの部分は温度が上がるのが遅れるので、1枚のガラスの中に温度の差ができます。
東南向きの網入りガラスの窓で、カーテンを閉めたまま朝日を受けている、窓の前に物を置いている、といった条件が重なっていないかを見てください。
窓の向きは変えられませんが、カーテンやフィルム、暖房の風のように、変えられるものもあります。
日当たりの良い窓の網入りガラスにひびが入ったとご相談いただき、同じ種類の透明の網入りガラスで入れ替えた工事は、下の施工事例に載せています。
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網入りガラスの交換はいくらかかるか

網入りガラスの交換にかかる金額は、窓の大きさ、ガラスの種類、運び入れや取り付けの手間で変わります。ここでは、窓猿の料金表の目安と、窓猿が交換した工事の金額をお伝えします。
網入りガラスの値段そのものや、安く抑える方法は網入りガラスの値段はいくら?で、窓ガラス全体の交換の相場は窓ガラス交換の費用相場はいくら?でお伝えしています。
窓猿の料金表では網入りガラスの交換が34,560円からになっている
窓猿が掲載している料金表では、ガラスの種類・目的から選ぶ欄で、網入りガラスの交換が34,560円(税込)からになっています。
同じ料金表に掲載している交換の料金例では、防火設備の窓に使う網入りガラス(厚さ6.8ミリ・90センチ×180センチ)で、44,660円(税込)からです。作業時間は60分から90分ほどです。
大きい窓や取り付けの条件が厳しい窓は金額が上がる
窓猿の料金表では、金額を「〜から」の目安として載せ、ガラスのサイズ・厚み・設置場所・作業条件で費用が変わるとしています。
下の施工事例では、東京都品川区の出窓で交換した横約70センチ、縦約180センチの透明の網入りガラスが89,100円(税込)、同じ品川区の腰高窓で交換した縦約94センチ、横約63センチの型板の網入りガラスが41,250円(税込)でした。ガラスの種類も違うため、大きさだけで金額が決まるわけではありません。
窓の縦と横のおおよその長さと、何階の窓かを伝えていただくと、お電話の段階で目安をお伝えしやすくなります。
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窓猿が網入りガラスを交換した工事
窓猿が網入りガラスを交換した工事から、熱割れ、日当たりの良い窓のひび、玄関横の窓の工事を選びました。何が原因でひびが入ったのかと、交換したガラスの種類を合わせて見てください。
CASE 01 熱割れによるひび 江東区のアパートで熱割れしたベランダ掃き出し窓の網入りガラスを交換
- 作業料金
- 67,540円(税込)
- 施工エリア
- 東京都江東区
- 対応箇所
- ベランダの掃き出し窓
アパートのベランダの掃き出し窓で、網入りガラスに熱割れのひびが入っているとご依頼をいただきました。出入りのたびに窓の近くを通るため、ひびが広がる前に交換したいとのご相談です。
現地でガラスの状態を確かめ、熱割れしていた網入りガラスを取り外して、新しい網入りガラス(格子の網)へ入れ替えました。
人が出入りする掃き出し窓は、ひびが広がると破片が落ちたときに危険です。熱割れのひびは、ぶつけた覚えがなくても入ります。
CASE 02 賃貸マンションの熱割れ 板橋区の賃貸マンションで掃き出し窓の網入りガラスを交換
- 作業料金
- 44,000円(税込)
- 施工エリア
- 東京都板橋区
- 対応箇所
- ベランダへ出る掃き出し窓の下のガラス
賃貸マンションにお住まいのお客様から、ベランダへ出る掃き出し窓の下のガラスにひびが入ったとご相談をいただきました。ガラスは型板の網入りガラスで、大きさは約81センチ×75センチです。
サッシの枠やパッキンの状態も確かめたうえで、ガラスだけの交換で対応できると判断し、型板の網入りガラス(WKC)を同じ大きさでつくって入れ替えました。
賃貸の窓なので、元と同じ種類のガラスで入れ替えて、原状回復にも配慮しました。費用の負担は、管理会社や大家さんと確かめてから決めてください。
CASE 03 日当たりの良い窓のひび 品川区で日当たりの良い窓に入ったひびを透明の網入りガラスへ交換
- 作業料金
- 89,100円(税込)
- 施工エリア
- 東京都品川区
- 対応箇所
- 出窓
日当たりの良い窓のガラスにひびが入っていることに気づき、このまま使い続けてよいか不安とのご相談でした。ガラスは透明の網入りガラスで、横約70センチ、縦約180センチの大きめの1枚です。
大きめのガラスだったため、運び入れと取り付けのときに周りを傷つけないよう気をつけながら、新しい透明の網入りガラス(菱形の網)へ入れ替えました。
透明の網入りガラスは、一般的な透明ガラスと見た目が似ていますが、中にワイヤーが入っています。交換のときは、網が入っているかどうかを確かめて同じ種類で入れ替えます。
CASE 04 開け閉めのときに気づいたひび 品川区で玄関横の部屋の型板網入りガラスを交換
- 作業料金
- 41,250円(税込)
- 施工エリア
- 東京都品川区
- 対応箇所
- 玄関横の部屋の腰高窓
窓を開け閉めしたときにガラスのひびに気づき、このまま使うのは不安とのことでご相談をいただきました。窓には、ワイヤーが斜めに入った、すりガラスのような見た目の網入りガラスが使われていました。大きさは縦約94センチ、横約63センチです。
ひびの入っていた網入りガラスを取り外し、新しい型板の網入りガラス(菱形の網)へ入れ替えました。
道路や玄関に面した窓は、外から見えにくい型板の網入りガラスが使われていることがあります。見え方も元と同じものを選びます。
掲載している作業料金は施工当時のものです。窓の大きさ、ガラスの種類、取り付けの高さや運び入れの条件で金額は変わります。
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網入りガラスについてよくある質問

網入りガラスに防犯の効果はありますか
網入りガラスには、防犯を目的としたガラスのような効果は期待できません。
あるサッシメーカーは、ガラス破りに対しては合わせガラスのほうが強く、網入りガラスの網は火災などでガラスが崩れ落ちたり穴が開いたりするのを防ぐためのもので、合わせガラスのような防犯効果は期待できない、と説明しています。
防犯のためにガラスを替えるときは、合わせガラスや防犯ガラスを候補にします。ただし、防火設備が求められる窓では、網入りガラスを網の無い普通の合わせガラスに替えることはできません。防火と防犯の両方を考えたいときは、交換の前にご相談ください。
網入りガラスの厚みは何ミリですか
あるガラスメーカーの寸法表では、網入りガラスの呼び厚さは6.8ミリです。菱形の網の透明のものには、10ミリの商品もあります。
線入りガラスも、同じガラスメーカーの商品では呼び厚さ6.8ミリです。
厚みは、交換のときにいまのサッシの溝に入るかどうかに関わります。交換を頼むときは、ガラスの厚みが分からなくても、窓の大きさと網の形を伝えていただければ、現地で測って確かめます。
賃貸の網入りガラスが自然に割れたら費用は誰が払いますか
費用を誰が負担するかは、割れた原因と、賃貸借契約の内容で決まります。熱割れや錆割れのように、物をぶつけていないのに割れた場合でも、ご自身で決めずに、まず管理会社や大家さんに連絡してください。
連絡の前に、ひびの入った窓全体と、ひびの始まりの場所を写真に残しておくと、状況を伝えやすくなります。管理会社の確認を受ける前に、自分で業者を呼んでガラスを入れ替えたり、割れたガラスを処分したりしないでください。
交換が決まったら、元と同じ種類のガラスで入れ替えるのが基本です。窓猿が東京都板橋区の賃貸マンションで交換した工事でも、元と同じ型板の網入りガラスで入れ替えて、原状回復にも配慮しました。
賃貸の窓ガラスが割れたときの伝え方は、賃貸の窓ガラスが割れた・ひび|熱割れの見分け方と伝え方で詳しくお伝えしています。
網入りガラスの交換に火災保険は使えますか
火災保険が使えるかどうかは、割れた原因と、ご契約の補償の内容で決まります。同じ網入りガラスの割れでも、原因によって扱いが分かれます。
保険会社に相談する前に、交換する前の窓の状態を写真に残してください。交換してしまうと、割れた状態を確かめてもらえなくなります。
物が当たった割れか、熱割れかの見当は、ひびの始まりの場所で付けられます。見分け方は窓ガラスの熱割れの見分け方でお伝えしています。
熱割れで火災保険が使えるかどうかは、窓ガラスの熱割れに火災保険は使える?で詳しくお伝えしています。
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まとめ
網入りガラスは、ガラスの中に金網を入れて、火事のときにガラスが崩れ落ちて穴が開くのを防ぐガラスです。割れにくくするためのガラスでも、防犯のためのガラスでもありません。
ガラスの中の線が菱形や格子に交わっていれば網入りガラス、線どうしが交わっていなければ線入りガラスです。あるガラスメーカーは、網入りガラスを防火、線入りガラスを割れたときの飛び散りを抑えることを主な目的として、分けて説明しています。
防火地域や準防火地域の建物で、隣地境界線や道路の中心線から1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の部分にある窓は、防火設備にしなければなりません。平成31年の告示改正で、はめごろしの窓には網の無い防火ガラスも使えるようになりましたが、ガラスだけを入れ替えればよいわけではありません。窓猿では、網の無いガラスへの交換を頼まれたら、防火設備の窓かどうかを確かめてから対応しています。
同じガラスメーカーは、網入りガラスは切り口に欠けが残りやすく、熱割れを起こしやすいと説明しています。切り口の網がさびて膨らむと錆割れも起きることは、ガラスメーカーもサッシメーカーも説明しています。同じガラスメーカーは、濃い色のフィルムや厚手のカーテン、暖房の熱風が熱割れを起こしやすくすることや、熱割れは冬の午前中に東南向きの窓で多いことも説明しています。窓の向きは変えられなくても、窓の前に置く物や暖房の風の向きは見直せます。
賃貸の窓が割れたときは、自分で入れ替えずに、まず管理会社や大家さんに連絡してください。火災保険を使えるか相談したいときは、交換する前に窓の状態を写真に残しておきます。
大きな窓や取り付けの条件が厳しい窓は、金額が上がります。網入りガラスのひびや交換でお困りのときは、窓の大きさと網の形をお伝えください。

