キッチンの排水溝のつまりはなぜ起こる?解消の仕方とは

キッチンのシンクを使っていて、「水が流れにくくなった」と感じることはないでしょうか。もしも水の流れが悪い場合、排水溝がつまっているのかもしれません。 そのまま放置しておくと、より悪化してしまう可能性があります。水が流れにくいと、洗い物も料理もなかなかスムーズにいかないため、早めに解消したいところです。 ここでは、キッチンの排水溝のつまりが起こる主な原因と、解消方法について解説します。


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キッチンの排水溝のつまりが発生する場所

キッチンのシンクで水が流れにくい場合、排水トラップか排水パイプでつまりが発生していることが多いです。

排水トラップ

排水トラップとは、排水口のすぐ下の部分のことです。排水ホースの一部が突き出ていて、その周りに常に水が溜まるような構造になっています。突き出ている部分には、「ワントラップ」という、カップを逆さにしたような物が被されているのも特徴です。

このワントラップと溜まっている水により、室内の空気と排水ホース内の空気が遮断されます。ニオイや害虫などが、上ってこないようにする仕組みです。

ワントラップの上に、網状のゴミ受けが設置されていることが多く、大きなゴミはその部分に溜まります。しかし、小さなゴミは網の目をくぐり抜けてしまうため、ワントラップの中に入り込んでつまりを起こすことも多いです。

排水パイプ

ワントラップに入り込んだ小さなゴミは、排水ホースに入り排水パイプの中まで流れ込んでしまうこともあります。

排水パイプは、排水口に比較的近い部分でS字やP字などのカーブになっているのが一般的です。排水トラップと同様に、ニオイや害虫などの侵入を防止するのが目的であるため、そのような形状に作られているのです。
S字やP字にカーブしている部分にゴミが溜まりやすく、つまりを起こしてしまうことが多いです。

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キッチンの排水溝がつまる原因とは

家庭の排水溝をつまらせる主な原因を紹介します。

油汚れ

料理をするときには油をよく使います。天ぷらなどで多量の油を使った場合は、固めて燃えるゴミなどとして捨てるのが一般的なので、排水溝に流すことは通常ありません。

しかし、肉料理や野菜炒めなどを作るときにフライパンに少し付着した油の場合、洗浄時にそのまま洗い流してしまうのが普通です。
洗い流した少量の油が、排水トラップや排水パイプ内で冷えて固まってしまいます。1回や2回ではわずかな量であるため、すぐにつまりを起こすことはありません。しかし、長年にわたって蓄積してしまうと、つまりの原因になります。

食材のカス

料理をするときに、野菜の皮やヘタなど、いらない部分を捨てます。ほとんどはワントラップの部分でせき止められますが、細かな食材カスは排水管の中に入り込んでしまう可能性があります。

食べ終えた食器にも、細かな食材カスが付着しています。洗浄する際に水や洗剤と一緒に排水溝に流れてしまうことで、つまりを引き起こします。
食材カスはできるだけ三角コーナーなどに捨てて、排水溝に流さないようにするのが、つまりを防止することにつながります。

固形物

誤ってスポンジやスプーンなどを排水溝の中に落としてしまうと、そのまま排水パイプの中に流れ込んでしまい、つまりの原因になることもあります。

通常はゴミ受けやワントラップのところでせき止められるため、排水溝がつまることはありません。しかし、掃除をするときなどはゴミ受けもワントラップも外すことがあるため、このタイミングで固形物を落とす可能性があります。

洗剤の蓄積

洗剤や石鹸などは水に溶けるため、つまりの原因としては考えにくいかもしれません。しかし、洗剤や石鹸カスは、油と同様に排水パイプの内部にこびりついて固まります。

長年にわたって少しずつ蓄積していき、水の通り道が少しずつ狭くなってしまうこともあるでしょう。そうなると、いつかつまりを起こしてしまいます。

排水管のサビ

最近は排水管にポリエチレン管やHIVP管(塩ビ管)が使われることが多いのですが、昔は鉄管や鉛管などの金属製パイプが使われていました。

もちろん金属製といってもサビにくいようになってはいますが、半永久的に使い続けられるわけではありません。

そのため、1度も排水管を交換したことがない古い家では、金属製パイプが劣化して、内部にサビが溜まったことが原因で排水溝がつまることもあります。

材質によりますが、金属製パイプの寿命は15~20年程度といわれているため、築年数15年以上の家で排水溝のつまりが起きた場合は、排水管がサビていないかをチェックしてみましょう。

といっても、排水管の内部がサビているかどうかを自分で調べることはできないので、専門業者に調査を依頼する必要があります。

「わざわざ業者に頼むのは面倒」と放置すると劣化が進み、排水管に穴が開いたり破損したりして水漏れが発生する恐れがあるので、できるだけ早めに対処することが大切です。

排水ますに原因があることも

排水溝に流した水は、敷地外の下水管まで流れますが、その下水管の手前にあるのが「排水ます」です。流した水は排水ますでゴミや油分を取り除かれたあと、下水管へと辿り着きます。この排水ますが汚れていると水の流れが悪くなるため、つまりの原因となります。

排水ますを通るのは、キッチンの排水溝から流した水だけではありません。排水ますには家の排水がすべて集められるため、お風呂場や洗面所の水も含まれます。
そのため、排水ますに問題がある場合、キッチンだけでなくお風呂場や洗面所も、つまったり流れが悪くなったりするでしょう。

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キッチンの排水溝のつまりを解消するには

キッチンの排水溝のつまりを解消するには、次のような方法が挙げられます。

ラバーカップ

ラバーカップはトイレのつまりを解消するための道具ですが、キッチンの排水溝がつまったときにも使えます。和式用と洋式用がありますが、キッチンの排水溝に使うなら和式用の方が使いやすいです。

まず、排水溝に付いているゴミ受けやワントラップを外しましょう。それから、排水溝にラバーカップを被せて、水をシンク内に溜めます。

ゴムの部分が全部水に浸かるくらいまで溜まったら、水を止めてラバーカップを押したり引いたりするのを繰り返しましょう。押すよりも引っ張る方が重要ですつまっているものが圧力で上手く動けば、水が流れていきます。

タオル

タオルとお湯を用意しましょう。お湯は40~50度くらいが適温です。あまり熱すぎると排水管を傷めてしまい、やけどの危険もあるため注意しましょう。

タオルとお湯を用意したあとは、ゴミ受けとワントラップを外し、タオルの端の部分を排水溝の中に詰めます。排水溝がタオルで蓋をされた状態になったら、シンクの中にお湯を注いで溜めましょう。

お湯がシンクの4分の1から半分程度まで溜まったら、タオルを一気に引き抜きます。軽くつまっている程度なら、これで解消できるでしょう。

液体クリーナー

ホームセンターやドラッグストアなどで売っている排水管用の液体クリーナーを使うことで、つまりが解消される場合もあります。

使い方は簡単で、排水管の中に液体クリーナーを注ぎ込んでから、指定時間が経過するのを待ち、水で流すだけです。指定時間は商品によって異なるため、あらかじめラベルを見て確認しておきます。

液体クリーナーは、排水管内部につまっていたものを溶かすことで、つまりを解消する仕組みです。皮膚に付着すると炎症を起こす危険があるため、必ずゴム手袋を着用し、注意深く作業を行いましょう。

ワイヤークリーナー

ワイヤークリーナーとは、長いワイヤーにブラシが付いているパイプ洗浄用の道具のことです。主にホームセンターなどで購入できます。

排水溝から排水管の中に差し込んで、くるくると回しながら排水管内部のゴミなどを掻き出します。差し込んだワイヤークリーナーが途中で進まなくなったら、そこがつまりの原因である可能性が高いです。削り取って開通させましょう。

真空式パイプクリーナー

真空式パイプクリーナーは、トイレやお風呂の排水溝でつまりが起きたときに活躍する道具ですが、キッチンでも使えます。

使い方は簡単で、真空式パイプクリーナーを排水口にぴったり密着させ、レバーを上下させて水を押し出したり吸い出したりするだけです。うまくつまりの原因に圧力がかかれば、つまりが解消されて水が流れるようになります。

排水口のフタやゴミ受け、ワントラップなどがあると作業の邪魔になるので、あらかじめ排水溝周りの部品は外しておきましょう。

ラバーカップと真空式パイプクリーナーの使い方は同じですが、真空式パイプクリーナーのほうがパワーが強力です。ラバーカップでは解消できないつまりも、真空式パイプクリーナーなら解消できることがあるので試してみてください。

業者へ依頼する

つまりの状態がひどい場合、ここまでに紹介した方法を試しても解消できないかもしれません。自力ではどうにもならない場合は、専門の業者に依頼しましょう。

水道屋の水猿であれば、365日年中無休で対応いたします。年末年始やゴールデンウィーク中でも安心です。見積もりは無料で行っておりますので、ぜひ水道屋の水猿にご相談ください。

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キッチンの排水溝をつまらせないようにするには?

ここまで見てきたとおり、キッチンの排水溝のつまりを解消するのは手間がかかりますし、業者に対応を依頼することになると費用もかかります。

面倒なことを避けるためにも、普段から排水溝がつまらないように対策することが大切です。下記にてキッチンの排水溝のつまりを予防する方法を紹介しますので、今日からでもさっそく始めてみてください。

排水溝に油を流さない

少量であっても毎日油が流れて行けば、それが蓄積してつまりが発生するので、排水溝に油を流さないことが重要です。

揚げ物のあとの油を直接キッチンに流す人は少ないと思いますが、もし流している場合はすぐに止めましょう。

揚げ物に使った油は市販の油凝固剤を使ったり、牛乳パックやビニール袋に新聞紙やキッチンペーパーをつめて油を吸わせたりして、ゴミ箱に捨ててください。

フライパンや食器についた油汚れを、洗う前にキッチンペーパーなどでふき取っておくのも効果的です。

また、水で洗い物をしていると、洗い物が終わるまでに排水溝に流れた油が冷えて固まる可能性があります。油汚れがついた調理道具や食器を洗うときは、夏場でもできるだけお湯を使うようにしましょう。

ずっとお湯を使うのは光熱費が気になる、夏場はお湯だと暑くてつらいという場合は、食器を洗ったあとに何度かお湯を流すだけでも、排水溝内の油が固まるのを防げます。

ゴミを捨てない

食べカスや調理の際に出た野菜くずなどのゴミを、排水溝に流さないようにすることも重要です。食べカスや野菜くずなどは直接流しに捨てずに、三角コーナーやごみ袋に捨ててください。

食器についた食べカスなどをうっかり流してしまう可能性もあるので、排水溝には必ずゴミ受けを設置しておきましょう。ゴミ受けに網目が細かいネットをつけると、より効果的です。

定期的に排水溝を掃除する

油汚れやゴミに注意していても、キッチンを使っていれば、どうしても排水管の内部に汚れが溜まっていってしまいます。汚れが蓄積してつまってしまわないように、定期的に排水溝を掃除しましょう。

こまめに掃除するのは面倒くさいという場合は市販の洗浄剤を使うのがおすすめです。排水溝に放り込んでおくだけで、勝手に排水管の内部に付着した汚れを落としてくれます。使用頻度は3日に1回が目安です。

排水溝のヌメリ取りには、重曹とお酢を使うと良いでしょう。やり方は簡単で、排水溝に重曹をふりかけて、その上から重曹の半量程度のお酢をかけるだけです。そのまま15分ほど放置して洗い流せば、ヌメリがキレイに落とせます。

ヌメリを掃除したあとは、排水溝のゴミ受けなどに丸めたアルミホイルを入れておきましょう。そうすればアルミホイルから発生する金属イオンによって、ヌメリの原因となる菌やバクテリアが殺菌されるため、ヌメリが発生しにくくなります。

なお、市販の洗浄剤などは、つまりが発生してから使用すると逆効果になる恐れがある点に注意が必要です。洗浄剤の力では表面の汚れしか剥がせず、剥がれた汚れがほかの汚れに引っかかって、よけいにつまってしまうことがあります。

すでにつまりが発生している場合は、「キッチンの排水溝のつまりを解消するには」で紹介した方法を試してみて、どうにもならない場合は早めに業者に対応をお願いしましょう。

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まとめ

キッチンの排水溝がつまりを起こした場合、食材カスや洗剤、油汚れなどが蓄積していることが主な原因です。排水トラップや排水パイプの曲がった部分などに、汚れやゴミが蓄積することで水の流れを塞いでしまいます。

軽いつまりなら、ラバーカップや液体クリーナー、ワイヤーブラシなどで解消できることが多いですが、自力で解消できない場合は専門の業者に任せるのが確実です。