冬の蜂の巣は急いで取らなくていい?空になる時期と例外になるケース
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軒下や物置で蜂の巣を見つけたものの、いまは冬で蜂の姿が見えない。取ったほうがいいのか、そのままでいいのか。そう思って調べている方が多いと思います。
結論から書きます。スズメバチとアシナガバチの巣であれば、冬の巣はすでに中が空になっています。急いで取る必要はありません。同じ巣が翌年また使われることもありません。
ただし例外があります。ミツバチの巣は冬も中に蜂がいます。高い場所にある巣は、蜂ではなく脚立のほうが危険です。そしてもうひとつ、いま蜂が飛んでいて「冬まで待てばいなくなる」と考えている場合は、話がまったく別になります。
この記事では、冬の巣がどうなっているのかを説明したうえで、蜂駆除の猿太郎が2020年4月から2024年8月に受け付け、実際に作業を行った426件が何月に集中していたのかを公開します。冬まで待つあいだに何が起きるのかを、実際の数字で見ていただくためです。
- 冬の蜂の巣が空になっている理由と、空になる時期
- 急いで取らなくてよい理由
- 冬でも注意が要る3つのケース
- 冬まで待とうと考えている場合に起きること
- 自分で取るときの条件と、春に同じ場所へ作らせない方法
目次
冬の蜂の巣は空になっている
冬に見つかる蜂の巣は、スズメバチとアシナガバチであれば、中に蜂が残っていません。巣そのものは形を保っていますが、住んでいるものがいない状態です。
蜂の巣は、春に一匹の女王バチが作り始め、夏にかけて大きくなり、秋に役目を終えます。年をまたいで使い続けるものではありません。冬の巣は、その一年が終わったあとの姿です。
ただしミツバチだけは事情が違います。順に見ていきます。
スズメバチとアシナガバチは女王だけが巣を離れる
秋が終わるころ、巣にいた蜂のうち、旧女王バチと働きバチとオスバチは死んでしまいます。生き残るのは、その年に生まれた新しい女王バチだけです。
その新女王バチも、巣に残るわけではありません。巣を離れて、石垣や朽木の隙間といった別の場所へ移り、そこで冬を越します。つまり冬の巣は、住人が全員いなくなった空き家です。
巣の形から種類の見当をつけたい場合は、蜂の巣の種類と特徴にまとめています。丸くて外側が覆われていればスズメバチ、六角形の部屋がむき出しならアシナガバチ、というのが大まかな見分けです。
なお、巣に近づいて中をのぞき込む必要はありません。離れた場所から形を見れば足ります。
ミツバチだけは冬も巣にいる
ミツバチは、ほかの蜂と違って群れのまま冬を越します。働き蜂が女王バチを中心に集まって塊をつくり、寒さをしのいでいます。
そのため、ミツバチの巣は冬でも中に蜂がいます。空になっているという前提で近づくと、危険です。
ミツバチが巣を作るのは、天井裏や床下、換気フードの中といった閉じた空間です。屋外の軒下にぶら下がっている巣とは、見つかる場所が違います。天井裏から羽音がする、壁の内側で何かが動いている音がする、という場合はミツバチの可能性があります。
巣が空になるのは11月ごろから
蜂が巣からいなくなる時期は、おおよそ11月ごろからです。11月から3月にかけてが越冬の時期で、このあいだは新女王バチ以外の蜂は死に絶え、その新女王バチも巣の外で過ごしています。
ただし、その年の気温によって前後します。暖かい年は11月に入ってもまだ蜂が残っていることがありますし、寒くなるのが早ければ10月のうちに静かになることもあります。住んでいる地域の寒さによっても変わります。
日付で決めつけず、蜂の出入りがあるかどうかで判断してください。数日続けて離れた場所から見て、一匹も出入りしていなければ、空になっていると考えて差し支えありません。
冬の巣を急いで取らなくてよい理由
冬の巣を見つけると、早く取らなければと感じるかもしれません。ですが、急ぐ理由はほとんどありません。
中に蜂がいないため、刺される心配がないこと。そして、放っておいても翌年その巣から蜂が出てくることがないこと。この2つが理由です。
使われなくなった巣が翌年また使われることはない
冬の巣について、いちばん多く見かける不安が「放っておくと来年また使われるのではないか」というものです。これは起きません。
神戸市は、スズメバチの巣について「巣は1年限りで中は空になり、残った巣が翌年に利用されることはありません」と説明しています(神戸市:スズメバチと上手につき合おう)。アシナガバチについても、同じ市の資料に同様の記載があります。
春になると新女王バチは巣作りを始めますが、それは新しく作る巣であって、古い巣に戻るのではありません。去年の巣が残っているかどうかと、今年巣を作られるかどうかは、別の話です。
そのため、「来年のために今のうちに取っておく」という理由づけは成り立ちません。取る理由があるとすれば、次に書くような別の理由です。
それでも取ったほうがよい場合
急ぐ必要はありませんが、取ったほうがいい場合もあります。
ひとつは、見た目の問題です。玄関先や人目につく場所に大きな巣が残っていると、来客に驚かれることがあります。
もうひとつは、巣が落ちてくる場合です。雨風にさらされて古くなった巣は、崩れて落ちることがあります。真下が駐車場や通路であれば、落ちる前に取っておいたほうが片づけは楽です。
そして、空になった巣に別の虫が入り込むことがあります。巣そのものが害を出すわけではありませんが、気になるようであれば取ってしまって構いません。
いずれも「危ないから急いで」ではなく、「気になるなら都合のよいときに」という性質のものです。
冬でも注意が要る3つのケース
ここまで「急がなくてよい」と書いてきましたが、当てはまらない場合が3つあります。この3つに当たるときは、冬であっても自分で手を出さないでください。
ミツバチの巣であるとき。家の中で蜂を見かけたとき。そして、巣が高い場所にあるときです。
ミツバチの巣は冬でも中に蜂がいる
前に書いたとおり、ミツバチは冬も群れで巣にいます。空だと思って触ると、中から出てきます。
見分けの目安は、巣がある場所です。天井裏、床下、換気フードの中、壁の内側といった閉じた空間から羽音がするなら、ミツバチを疑ってください。軒下にぶら下がっている巣とは形も場所も違います。
蜂そのものの見分け方は、蜂の種類の見分け方にまとめています。全身が毛で覆われていて、ずんぐりした体つきならミツバチです。
閉じた空間の巣は、取り出すのに建物側の作業が必要になることがあります。無理に開けようとせず、業者に見てもらってください。
家の中で蜂を見かけたときは越冬中の女王バチ
冬に室内で蜂を見かけて驚いた、という相談があります。これは巣が室内にあるという意味ではありません。
冬に生きて動いている蜂は、スズメバチとアシナガバチであれば新女王バチだけです。ほかの蜂はすでに死んでいます。つまり、冬に家の中で見かけた一匹は、越冬している女王バチだと考えられます。
女王バチは越冬中、動きが鈍くなっています。じっとしていることが多く、こちらから刺激しなければ襲ってくることはあまりありません。ただし蜂であることに変わりはないので、刺される可能性がなくなるわけではありません。
対処はかんたんです。まず小さなお子さんやペットがいれば、別の部屋へ移してください。そのうえで明るいほうの窓を開けて、自分から出ていくのを待ちます。慌てて手で払ったり、殺虫剤を吹きかけて追い回したりすると、かえって刺される場面をつくります。
一匹だけであれば、それで終わりです。何匹も続けて出てくる場合は、天井裏や壁の内側に巣がある可能性があるので、そのときは相談してください。
高い場所の巣は冬でも自分で取らない
冬の巣で実際に危ないのは、蜂ではなく高さです。
中が空であっても、二階の軒下や屋根のそばにある巣を取るには、脚立に乗って手を伸ばすことになります。片手で棒を持ち、上を向いて力を入れる姿勢は、脚立の上でもっとも転びやすい動きです。
蜂に刺される心配がないぶん油断しやすく、防護服も着ないまま高い場所へ上ってしまいがちです。冬だから安全、とはなりません。
手が届かない高さにある巣は、春まで置いておくか、業者に任せてください。急いで取る理由がない以上、危ない方法を選ぶ理由もありません。
冬まで待とうと考えているなら話は別
ここからは、状況が違う方に向けて書きます。いま蜂が飛んでいて、巣もある。取るのは怖いし費用もかかる。冬になれば蜂はいなくなるのだから、それまで待とう。そう考えている場合です。
気持ちは分かりますが、待つあいだに何が起きるかを知っておいてください。冬までのあいだ、巣は放置されるのではなく、育ち続けます。
しかも、いちばん大きくなる時期と、人が刺される場面がいちばん増える時期が、そのまま待つ期間に重なります。
待つあいだに巣はいちばん大きくなる
春に女王バチ一匹で始まった巣は、働きバチが増えるにつれて大きくなります。夏を越えるころには、巣も蜂の数も年間で最大に近づきます。
つまり、7月に「冬まで待とう」と決めた場合、待つのは5か月ですが、そのあいだに巣は最も大きい状態を通過します。小さいうちなら短時間で終わった作業が、大きくなってからでは足場も人手も必要になります。
蜂が何月に活発になり、何月がいちばん危ないのかは、スズメバチの活動時期と駆除依頼が集中する月にまとめています。
猿太郎への依頼は8月に集中している
実際の依頼がいつ届いているかを見てください。蜂駆除の猿太郎が2020年4月16日から2024年8月28日に受け付け、実際に作業を行った426件を、受付月ごとに数えたものです。
8月だけで426件の55%を占めています。 6月から9月までの4か月で404件、全体の95%です。
これは「蜂を見つけて困った」と連絡があった月です。蜂が活動していた月そのものではありませんし、この426件は2020年からの数値です。ですから「毎年必ずこうなる」ではなく「この期間の依頼はこうだった」という読み方をしてください。
そのうえで言えるのは、冬まで待つと決めた人が待つことになる6月から9月が、実際に人が困って連絡してくる時期と重なっているということです。
冬に駆除を頼む人はほとんどいない
同じ426件を、冬だけで見てみます。結果は、依頼がほとんど無いというものでした。
冬の依頼は426件のうち6件だった
11月から3月までの5か月間に受け付けた依頼は、11月3件、12月1件、1月1件、2月1件、3月0件で、合わせて6件でした。426件の1.4%です。
先に断っておくと、この426件は2020年からの数値です。内訳は2020年385件、2021年37件、2022年2件、2023年0件、2024年2件で、冬の6件もこの中のごく一部です。母数が小さいので、「冬はこういう傾向がある」と言えるほどの数ではありません。
言えるのは、この期間に届いた依頼のうち、冬に届いたものはほとんど無かった、という事実だけです。
頼む人が少ないのは急ぐ理由がないから
冬に依頼が来ない理由は、はっきりしています。困っていないからです。
夏に依頼が集中するのは、蜂が飛んでいて、洗濯物が干せない、子どもが庭に出せない、玄関を通るのが怖いといった実害があるからです。冬の巣にはそれがありません。蜂は出てこず、誰も刺されず、生活も止まりません。
冬は撤去に向いた季節だと言われることがありますが、実際にそうしている人はこの426件の中ではほとんどいませんでした。急ぐ理由がないものは、急いで頼まれないということだと考えています。
だからこそ、冬に巣を見つけて焦る必要はありません。取りたければ取ればいいですし、春まで置いておいても構いません。
自分で取るときにやること
冬の巣を自分で取る場合の手順です。中が空である前提なので、夏の駆除とは別物と考えてください。
前提として、ここまでに書いた3つのケース(ミツバチ・室内で蜂を見かける・高い場所)に当てはまらないことを先に確かめてください。
用意するものと取り方
用意するのは、長袖と長ズボン、手袋、ゴミ袋、巣を落とすための棒です。顔を守るために帽子とめがねがあると安心です。
取り方は、袋を巣の真下に構えて、棒で付け根を外し、そのまま袋へ落とすという流れです。位置関係を図にしました。
棒を当てるのは、巣の面ではなく軒に付いている付け根です。面を叩くと巣が崩れて散らばります。袋の口は巣の真下で構え、自分は真下から外れた位置に立ちます。落ちてきた巣が体に当たらないようにするためです。
袋は自立しないので、口を大きく開いて地面に置くか、もう一人に持ってもらってください。片手で袋を支えながら、もう片方の手で棒を扱うのは無理があります。
落ちた巣は袋の口を縛って、自治体の区分に従って捨ててください。
巣が付いている場所によっては、棒でつついても簡単に外れないことがあります。外れにくいと感じたら、そこで作業をやめてください。無理に力を入れると、体勢を崩して転びます。
作業は日中に行ってください。冬でも、暖かい日の昼間に蜂が出てくる可能性はゼロではありません。念のため、離れた場所から数分見て、出入りが無いことを確かめてから始めます。
蜂がいる状態での駆除手順は冬とは条件が違うので、自分で安全に蜂の巣を駆除する方法を参照してください。
自分でやらないほうがよい条件
次のいずれかに当てはまる場合は、自分で取らないでください。
天井裏や床下、換気フードの中など、閉じた空間に巣がある場合。この場合はミツバチの可能性があり、冬でも中に蜂がいます。
脚立が必要な高さにある場合。前に書いたとおり、危ないのは蜂ではなく転落です。
数日見ていて蜂の出入りがある場合。中が空になっていないので、冬の作業として扱えません。
そして、蜂に刺されたことがあってアレルギーの心配がある場合。可能性が低くても、自分で近づく理由はありません。
春に同じ場所へ作らせないために
古い巣が再利用されることはありませんが、同じ場所に新しい巣を作られることはあります。蜂が巣を作る場所には条件があり、その条件は年が変わっても変わらないためです。
去年ここに作られたのなら、その場所は蜂にとって都合がよかったということです。冬のあいだにできるのは、その条件を減らしておくことです。
蜂が巣を作りやすい場所
蜂が選ぶのは、雨風をしのげる場所です。軒下、戸袋、物置の中、室外機の裏、換気口のまわり、使っていない植木鉢の中などがこれに当たります。
共通しているのは、上に屋根があって、横から見えにくく、人があまり通らないことです。逆に、雨がかかる場所や人がよく通る場所には作られにくくなります。
冬のうちに、これらの場所を一度見ておいてください。物置の戸を開けたままにしない、使っていない鉢を伏せておく、といったことだけでも条件は変わります。市販の巣作り防止のスプレーを、作られやすい場所にあらかじめ吹いておく方法もあります。
見回るのは4月から6月
予防でいちばん効くのは、春に見回ることです。
新女王バチが巣を作り始めるのは4月から6月にかけてで、このころの巣はゴルフボールほどの大きさです。中にいるのも女王バチ一匹だけなので、この段階なら対処はずっと簡単になります。
見るのは、前の項で挙げた場所です。月に一度、軒下と物置と室外機の裏を見て回るだけで、大きくなる前に気づけます。
作り始めの巣を見つけたときの判断は、蜂の巣は作り始めに駆除すべき?初期の見分け方と安全な対処法を解説にまとめています。
冬の蜂の巣に関するよくある質問
冬の蜂の巣について、検索でよく調べられている質問に答えます。
冬に蜂の巣を見つけたらどうすればいいですか
急いで取る必要はありません。 スズメバチとアシナガバチの巣であれば中は空で、翌年また使われることもないためです。ただし、ミツバチの巣、家の中で蜂を見かけた場合、脚立が必要な高さにある場合の3つは別です。この3つに当たるときは自分で手を出さないでください。
蜂の巣が空っぽになるのはいつ頃ですか
おおよそ11月ごろからです。 11月から3月にかけてが越冬の時期で、このあいだ巣には蜂がいません。ただし気温によって前後するので、日付ではなく蜂の出入りがあるかどうかで判断してください。数日見て一匹も出入りしていなければ、空になっていると考えて差し支えありません。
蜂は11月に巣作りをしますか
しません。 巣作りが始まるのは春です。冬を越した新女王バチが4月から6月ごろに巣を作り始めます。11月は逆に、その年の巣が役目を終える時期です。作り始めの巣については蜂の巣は作り始めに駆除すべき?初期の見分け方と安全な対処法を解説にまとめています。
蜂は冬をどこで越えますか
スズメバチとアシナガバチは巣から離れた場所で、ミツバチは巣の中です。 スズメバチとアシナガバチについて、神戸市の資料では、11月から3月ごろの越冬期は「新女王バチだけが巣から離れた石垣や朽木の隙間で越冬します」と説明されています。巣に残って冬を越すわけではないので、冬の巣に蜂は戻ってきません。一方ミツバチは、群れのまま巣の中で冬を越します。
まとめ|冬の巣は急がなくていいが冬まで待つのは別
冬に見つけた蜂の巣は、スズメバチとアシナガバチであれば中が空です。11月ごろから蜂はいなくなり、新女王バチだけが巣を離れて別の場所で冬を越します。残った巣が翌年また使われることはありません。ですから、急いで取る必要はありません。
取るとすれば、見た目が気になる、落ちてきそう、といった理由です。危ないから急ぐ、という話ではないので、都合のよいときで構いません。
例外は3つです。ミツバチの巣は冬でも中に蜂がいます。家の中で蜂を見かけたときは越冬中の女王バチなので、明るい窓を開けて出ていくのを待ってください。そして高い場所の巣は、蜂ではなく脚立が危険です。この3つに当たるときは、自分で手を出さないでください。
一方で、いま蜂が飛んでいて「冬まで待てばいなくなる」と考えている場合は、話が別になります。待つあいだに巣は年間で最も大きくなり、その時期は人が実際に困って連絡してくる時期と重なります。猿太郎が受け付けて作業を行った426件でも、8月だけで55%、6月から9月までで95%が集中していました。同じ426件のうち、冬に届いた依頼は6件です。
冬に見つけた巣は急がなくていい。冬まで待とうとしているなら、待たないほうがいい。 この2つは矛盾しません。目の前の巣に蜂がいるかどうかで、やるべきことが変わるというだけです。
判断に迷ったら、巣の場所、高さ、大きさ、蜂の出入りがあるかどうかの4つを見てください。この4つが分かれば、電話でも相談できます。
自社データ:蜂駆除の猿太郎が2020年4月16日〜2024年8月28日に受け付け、実際に作業を行った426件を全数集計したものです。調査だけで終わった案件とキャンセルは含みません。受付月は連絡があった日付であり、蜂が活動していた月そのものではありません。また426件は2020年からの数値で、うち385件が2020年のものです。月別の分布は毎年の傾向ではなく、この期間に届いた依頼の内訳です。




