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キーボードを打っても文字が出ない。カーソルは動くのに、入力だけができない。そんな状態でこのページを開いていただいたと思います。
先にお伝えしておくと、キーボードが反応しないからといって、キーボードが壊れているとは限りません。設定が変わっているだけのこともあれば、機種によっては本物のロック機能が働いていることもあります。パソコン側が固まっていて、キーボードは正常ということもあります。
大事なのは、いきなり買い替えや修理を考えないことです。まず、反応しないのが全部のキーなのか、一部のキーなのかを決めてください。ここが決まると、次に見る場所が変わります。
当社がホームページで公開している修理事例は、2026年8月時点で141件です。そのうちキーボードに関するご相談は8件ありました。2026年2月から8月に対応したものです。
これは公開している事例の中での数で、当社が受けたご依頼の全体ではありません。この8件を、原因で分けると次のようになります。
| 原因はどこにあったか | 件数 |
|---|---|
| 水や飲み物をこぼしたことによるもの | 3 |
| キーボードではなく設定が原因だったもの | 1 |
| キーボードの誤作動が別の症状に見えていたもの | 1 |
| 物理的な故障で買い替えを選ばれたもの | 2 |
| 一部のキーが反応せず、修理と買い替えを比べたもの | 1 |
| 合計 | 8 |
8件のうち2件は、キーボードそのものが壊れていたわけではありませんでした。 設定が原因だったものと、キーボードの誤作動が別の症状に見えていたものです。世の中での発生率ではなく、当社が公開している事例の中での数です。
先に、電源に触らないでいただきたい場合をお伝えします。
水や飲み物をこぼした直後であれば、電源を入れたまま使い続けないでください。通電したままにすると、内部で電気が流れて部品が傷みます。当社の3件のうち1件は、こぼしたあとに電源が入らなくなった状態でお預かりしました。
キーボードを取り外したり、分解して中を乾かしたりする方法は、この記事では書きません。取り外しの途中でケーブルを切ってしまうと、修理の範囲が広がります。
キーボードが反応しないときにまず確かめること
反応しないのが全部のキーなのか一部のキーなのか。そして、そのキーボードが有線なのか無線なのか。この2つで、次に見る場所が変わります。
この図で自分がどこに当てはまるかが決まったら、その先の章から読んでいただけます。
全部のキーが反応しないか一部だけか
まず、いくつかのキーを順番に押してみてください。メモ帳などの文字を入力できる画面を開いてから試すと分かりやすいです。
パスワードが打てずログインできない状態なら、ログイン画面の右下にあるアクセシビリティのボタンから、画面上のキーボードを出せます。マウスで文字を打てるので、まずはログインしてから確かめてください。出し方は後の章で書きます。
全部のキーが反応しないなら、キーボードとパソコンのつながり、またはパソコン側の状態を疑います。1つのキーが壊れても、他のキーは打てるからです。全部が同時に反応しなくなるのは、つながりか、パソコン側に理由があると考えられます。
一部のキーだけが反応しない、または押したキーと違う文字が出るなら、そのキーの下にごみが入っている、水濡れの跡がある、といった可能性のほかに、設定が原因のこともあります。設定が原因の場合は、キーを交換しても直りません。
数字のキーやテンキーだけが反応しない場合は、別の見方が要ります。数字のキーは、ロック機能や設定の影響を受けやすい場所だからです。次の章で扱います。
有線か無線かで最初に見るところが変わる
無線のキーボードなら、電池と受信機を先に確かめます。パソコン側は正常に動いていて、電池が切れているだけ、ということもあります。
有線のキーボードや、ノートパソコンの本体キーボードなら、電池はありません。そのぶん、パソコン側の状態と、つないでいる口を見ていきます。
ここで、マウスが動くかどうかも見ておいてください。マウスは動くのにキーボードだけが反応しないなら、パソコンは起動しています。マウスも一緒に止まっているなら、パソコン側が固まっている可能性が出てきます。マウス側の症状についてはパソコンのマウスが反応しない原因は?でまとめています。
キーボードがロックされたと思ったときに確かめる4つのこと
「キーボードがロックされた」と感じてこのページに来られた方もいらっしゃると思います。実際、検索の候補にも「ロック解除」が出ています。
ここは4つに分けて確かめます。1つ目は機種そのものが持っているロック機能、残り3つはWindowsの設定です。Macをお使いの場合は、設定の場所も名前も違います。ここから先はWindowsを前提に書いています。
先に、これから押すキーの位置を出しておきます。
機種によっては本物のロック機能がある
一部のノートパソコンやタブレットには、キーの働きを切り替える機能が用意されています。ロックという言葉が使われていることもあります。
たとえば、東芝のdynabookでは、Fnキーを押しながらF10を押すとキーの一部が矢印キーとして働くアローモードに、Fnキーを押しながらF11を押すと数字ロックモードになります。どちらも同じ操作をもう一度行うと解除されます。
マイクロソフトのSurfaceのキーボードでは、Fnキーを押すとファンクションキーの働きが固定され、もう一度押すと戻ります。固定されている間はFnキーにランプが点くため、いまどちらの状態かが目で分かります。レノボのThinkPadにもFnロックがあり、機種によってはランプで状態が分かります。
ただし、この機能の有無も、解除の操作も、メーカーと機種によって違います。ここで挙げた3社以外については当社では確認していません。お手元の機種の取扱説明書か、メーカーのサポートページで確認してください。
見分け方としては、特定のキーだけが別の働きをしている場合です。文字のキーを押すとカーソルが動く、数字が出るはずのキーで別の動きをする、といった状態なら、ロック機能や切り替えを疑ってください。
Num Lock がオフになっている
テンキーだけ数字が打てない場合は、まずここです。
キーボードの右上あたりにあるNum Lockキーを1回押してみてください。ランプがあるキーボードなら、押すたびに点いたり消えたりします。点いている状態で数字が打てます。
ノートパソコンでテンキーが独立していない機種では、Fnキーと組み合わせて切り替えることがあります。この場合も、切り替えのキーは機種によって違います。
マウスキーが有効になっている
テンキーを押すとマウスのカーソルが動く、という状態なら、この設定が入っています。
Windowsには、テンキーでマウスの操作を行う機能があります。設定のアクセシビリティの中にあるマウスの項目から、キーボードでマウスを操作する設定を確認して、オフにしてください。Windows 10をお使いの場合、この場所は「アクセシビリティ」ではなく「簡単操作」という名前になっています。
当社でも、この設定が原因だった例がありました。ブラウザの設定を変更したあとからキーボードの動きがおかしくなったというご相談で、確認するとテンキーにマウス操作の機能が割り当てられていました。解除して元に戻っています(CASE 01)。
フィルターキーが有効になっている
キーを押してもすぐには反応しない、長押ししないと入力されない、同じキーを続けて押しても1回しか入らない。こうした状態なら、この設定を確認してください。
フィルターキーは、短い入力や連続した入力を無視する機能です。Shiftキーを長く押し続けると有効になることがあるため、意図せず入っていることがあります。設定のアクセシビリティにあるキーボードの項目から確認できます(Windows 10では「簡単操作」の中です)。
全部のキーが反応しないときの対処法
全部のキーが反応しないなら、キーボード1つ1つの故障ではなく、パソコンとのつながりか、パソコン側の状態を見ていきます。
帯電をリセットする
パソコンの内部に電気がたまると、部品が正しく動かなくなることがあります。この電気を抜く作業が放電です。特別な道具は要らず、最初に試せる作業です。
触る場所は3か所です。開いたところの電源ボタン、左の側面の差し込み口、そして裏返したところのバッテリーです。
ノートパソコンの場合は、次の順番で進めます。
- パソコンの電源を切る
- 電源ケーブルと、つないでいる機器をすべて抜く(図の②と③)
- バッテリーが取り外せる機種なら、つまみを動かして外す(図の④)
- 電源ボタンを20秒ほど押し続ける(図の①)
- 数分置いてから、バッテリーと電源ケーブルを元に戻す
- 電源を入れて、キーが打てるか確かめる
デスクトップの場合は、電源を切って電源ケーブルを抜き、その状態で電源ボタンを20秒ほど押します。数分置いてからつなぎ直してください。
バッテリーが内蔵されていて取り外せない機種では、電源ケーブルを抜いた状態で電源ボタンを長く押す方法になります。押す時間は機種で違うため、取扱説明書で確認してください。
なお、本体が熱い、焦げたようなにおいがする、底や側面がふくらんでいる。このどれかに当てはまる場合は、放電を試さずに充電をやめて、燃えないものの上に置いてご相談ください。
パソコンが固まっていないか確かめる
キーボードが反応しないのではなく、パソコンが止まっているだけ、ということがあります。
見分け方は、マウスのカーソルです。カーソルが動かせるなら、パソコンは動いています。カーソルも動かないなら、パソコン側が固まっている可能性が高くなります。
画面の時計が進んでいるかどうかも手がかりになります。時計が止まっていれば、パソコン全体が止まっています。
固まっている場合の終わらせ方は、パソコンを強制終了する方法にまとめています。強制終了は保存していないデータが消えるため、他に手がないときの手段です。
有線・無線それぞれの接続を確かめる
つながっていないだけ、ということもあります。ここは順番に見ていけば片が付きます。
無線は電池と受信機を確かめる
まず電池です。残りが少なくなると、反応が悪くなってから完全に止まる、という順で症状が出ることがあります。新しい電池に替えて試してください。充電式なら、充電しながら試します。
次に受信機です。USBに挿す小さな受信機がある機種なら、一度抜いて挿し直します。別のUSBの口に挿し替えるのも試してください。
キーボード側に電源スイッチがある機種は、スイッチが切れていないかも確認します。ペアリングのボタンがある機種では、接続のやり直しが必要になる場合もあります。
Bluetoothでつないでいる場合は、Windowsの設定からデバイスの一覧を開き、キーボードが接続済みになっているかを見てください。
有線はつなぐ口を変えてみる
USBの口そのものが働いていない、ということがあります。別の口に挿し替えて試してください。
パソコンの前面や、キーボードやモニターについている口を使っている場合は、本体の背面に直接挿してみてください。間にハブを挟んでいるなら、ハブを外して直接つなぎます。
ケーブルの根元も見てください。折れ曲がったところで断線していることがあります。
ここで別のキーボードをつないでみると、はっきりします。別のキーボードが使えるなら、元のキーボードの故障です。別のキーボードでも打てないなら、パソコン側を疑います。
一部のキーだけ正しく入力できないときの対処法
一部のキーだけが反応しない、押したキーと別の文字が出る、思っていないアプリが立ち上がる。どれも、一部のキーが正しく入力できていない状態です。
全部が反応しないときと違い、ここは設定か、そのキーの下の状態を見ていきます。
その前に、反応しないキーがどう並んでいるかを見てください。 並び方で疑うところが変わります。
1つだけなら、そのキーの下の部品か、ごみの挟まりです。隣り合ったキーがまとまって反応しないなら、キーボードの内部でつながっている配線を疑います。この場合は、1つずつ直すのではなくキーボードごとの交換になります。
ごみやほこりが挟まっていないか
特定のキーだけが反応しない、押し心地が他と違う。そんなときは、キーの下に何か入っていることがあります。
外付けのキーボードなら、パソコンの電源を切ってケーブルを抜き、裏返して軽く振ってみてください。ノートパソコンの場合は、電源を切ってから本体を閉じ、少し傾けて軽くたたく程度にとどめてください。振り回すと、落としたり画面のつなぎ目に負担がかかったりします。
それでも取れないときは、エアダスターで吹き飛ばします。
キーを無理に外さないでください。ノートパソコンのキーは、下側の部品が小さく壊れやすい作りになっています。一度外すと元に戻らないことがあります。
掃除の手順はパソコンを掃除する方法で詳しくまとめています。
押したキーと別の文字が出る
打った文字と違う文字が出る場合、まず日本語入力の状態を確認してください。かな入力とローマ字入力が切り替わっていると、打った文字と出る文字が変わります。
キーボードの種類の設定が合っていない、ということもあります。日本語のキーボードなのに英語のキーボードとして認識されていると、記号の位置がずれます。
こうした設定を確認しても直らない場合は、キーボード側の故障を疑います。当社では、水濡れのあとに複数のキーが反応せず、別の文字が入力される状態になった例がありました。パスワードの入力画面から先に進めないというご相談で、キーボードを交換して直っています(CASE 03)。
入力の内容がおかしいという症状全般については、キーボード入力がおかしい原因は?でもまとめています。
別のソフトが起動する
文字を打とうとしたら、別のアプリが立ち上がる。この症状は、パソコンやアプリの不具合に見えますが、キーボード側が原因のことがあります。
当社では、Excelを開こうとするとWordが起動する、というご相談を受けたことがあります。Office側の設定を疑って修復を行いましたが、症状は変わりませんでした。確認を進めると、特定のキーが誤って入力され続けており、それがアプリの操作に影響していることが分かりました(CASE 02)。
Windowsには、キーを組み合わせて操作を行うショートカットが数多くあります。あるキーが押されっぱなしの状態になっていると、他のキーを押すたびにショートカットが働いてしまいます。
アプリの再インストールを繰り返しても直らないときは、キーボード側を疑ってみてください。外付けのキーボードをつないで、同じことが起きるかを試すのが早い確認です。
Windowsの設定やドライバーが原因のときの対処法
ここまでを試しても直らない場合、パソコン側でキーボードを動かしている部分を見ていきます。
キーボードのドライバーを入れ直す
ドライバーは、パソコンがキーボードを扱うためのソフトです。これが正しく働いていないと、キーボードそのものが正常でも入力できません。
この作業に入る前に、外付けのキーボードを用意してください。ドライバーを削除して再起動したあと、ログインのパスワード入力で手が止まることがあります。
デバイスマネージャーは、画面左下のスタートボタンをマウスで右クリックすると出てくるメニューから開けます。キーボードが打てない状態でも、ここまではマウスだけで進められます。開いたら、キーボードの項目を確認してください。マークが付いているものがあれば、そこが正しく動いていません。
その項目を削除してからパソコンを再起動すると、ドライバーが入れ直されます。再起動しても項目が戻らないときは、デバイスマネージャーの操作メニューにある「ハードウェア変更のスキャン」を選んでください。入れ直されないこともあるため、入力する手段を確保したうえで進めてください。
更新の直後から起きていないか
Windowsの更新のあとから症状が出た場合は、更新が影響している可能性があります。
いつから反応しなくなったかを思い出してみてください。更新の直後であれば、更新を取り消して様子を見る方法があります。
ただし、更新を取り消すと、直っていた不具合が戻ることもあります。判断が難しいところなので、ご不安であればご相談ください。
いますぐ入力を終えたいときの代替手段
修理を待てない、いま出さないといけない書類がある。そういう状況もあると思います。ここでは、キーボードが直っていない状態のまま入力を終える方法を書きます。
画面上のキーボードを使う
Windowsには、画面にキーボードを表示してマウスで文字を打つ機能があります。スクリーンキーボードと呼ばれるものです。
設定のアクセシビリティから、スクリーンキーボードをオンにすると画面に出てきます。マウスでキーを押していくため、長い文章には向きませんが、パスワードの入力や短い文章なら十分に使えます。
パスワードが入力できずログインできない、という状態でも、ログイン画面にアクセシビリティのボタンがあり、そこからスクリーンキーボードを出せます。
外付けのキーボードをつなぐ
USBのキーボードを1本つなぐだけで、入力は再開できます。
これは切り分けにもなります。外付けのキーボードで問題なく打てるなら、パソコン側は正常で、本体のキーボードが原因だと分かります。外付けでも打てないなら、パソコン側を疑います。
ノートパソコンの本体キーボードが壊れていても、外付けをつないで使い続けるという選び方もあります。持ち運びをしないのであれば、修理せずにこの形で使われている方もいらっしゃいます。
故障を疑うサイン
ここまでの確認をすべて試しても変わらない場合、キーボードそのものの故障を考えます。ここでは、その見分け方を書きます。
設定を確かめても同じキーだけ反応しない
ロック機能もNum Lockもマウスキーもフィルターキーも確認した。ごみも取った。それでも同じキーだけが反応しない。この状態なら、そのキーの下の部品が壊れている可能性があります。
外付けのキーボードをつないで、同じキーが打てるかを試してください。外付けでは打てるのに本体では打てないなら、本体のキーボードの故障です。
複数のキーがまとまって反応しない場合も、故障を疑います。キーボードの内部は列や行ごとにつながっているため、1か所が傷むと、その周りのキーがまとめて反応しなくなることがあります。
キーがぐらつく・沈んだまま戻らない
押したキーが戻ってこない、指を離しても沈んだまま。この状態は、キーの下の部品が外れているか壊れています。
押し込むと引っかかる、他のキーより深く沈む、傾いている。こうした状態も同じです。
キーが押されっぱなしになっていると、他のキーを打っても正しく入力されません。文字が連続して入力される、ショートカットが勝手に働く、といった症状につながります。
無理に押し込んだり、外して直そうとしたりしないでください。ノートパソコンのキーは細かい部品で支えられているため、力を加えると壊れる範囲が広がります。
水や飲み物をこぼしたときにやってはいけないこと
こぼした直後の対応で、その後が変わります。ここは、やることよりも、やらないことのほうが大事です。
電源を入れたまま使い続けない
こぼしたあと、まだ動いているからそのまま使う。これがいちばん避けたい状態です。
水分が入ったまま電気が流れると、内部で回路がつながってはいけないところがつながります。その場では動いていても、あとから電源が入らなくなることがあります。
当社が対応した3件のうち1件は、飲み物をこぼしたあと電源が入らなくなった状態でお預かりしました。内部のバッテリーを一度取り外して電源の状態をリセットし、再度つないで起動を確認しています(CASE 05)。
こぼしたら、すぐに電源を切り、電源ケーブルを抜いてください。取り外せるバッテリーなら外します。そのうえで、キーボードを下に向けて水分を出し、乾いた布で外側を拭きます。
ドライヤーの熱を当てないでください。熱で部品が傷みます。
水没に近い状態になった場合の対応は、パソコンが水没したときの修理方法でまとめています。
乾いたから大丈夫と判断しない
外側が乾いても、内部に入った水分はすぐには抜けません。糖分が入った飲み物なら、乾いたあとにべたつきが残り、キーが戻らなくなることもあります。
当社では、ジュースをこぼしたあと起動しなくなったというご相談を受けたことがあります。訪問して確認すると本体は起動できましたが、キーボードには物理的な故障が残っていました。部分的な処置よりメーカーでの交換が適切と判断し、診断までで終えています(CASE 04)。
本体が起動したことと、キーボードが直ったことは別です。起動したあとにすべてのキーを1つずつ打って、確かめてください。
数日たってから症状が出ることもあります。こぼしたことを覚えていれば、あとで相談されるときにも伝えてください。原因が分かっていると、確認する場所が絞れます。
修理と買い替えのどちらを選ぶか
キーボードの故障だと分かったあと、直すか買い替えるかでご相談をいただくことがあります。ここは金額だけでは決まりません。
当社は修理と販売の両方を行っているので、直す場合と買い替える場合を並べて比べられます。どちらかに寄せてご案内することはしません。
修理を選んだほうがよいとき
購入から日が浅い場合は、修理のほうが向いています。他の部品はまだ傷んでいないためです。
メーカーの保証期間内であれば、まず保証を確認してください。ただし、水濡れは保証の対象外とされていることがあるため、その点は事前に確認が要ります。
キーボード以外は問題なく動いている場合も、修理が向いています。動きが遅い、電源が落ちる、といった他の症状が出ていないかを見てください。
デスクトップで外付けのキーボードを使っている場合は、キーボードを買い替えるだけで済みます。この場合は修理という話にもなりません。
ノートパソコンのキーボード修理については、ノートパソコンのキーボード修理方法3選でまとめています。
買い替えを選んだほうがよいとき
使い始めて年数がたっている場合は、買い替えを考える場面です。キーボードを直しても、次に別のところが壊れることがあります。
当社でも、一部のキーが反応しなくなったパソコンについて、修理と買い替えの両面から状態を確認し、新しいパソコンへ移行された例があります。データの移行と初期設定まで行い、古いパソコンは確認を終えたうえで回収しました。
別のご相談では、キーボードが物理的に故障しており、使用年数と全体の傷み具合を合わせて考えて、買い替えを選ばれています。こちらもデータの移行と設定まで行いました。
キーボード以外にも気になるところがある場合は、買い替えのほうが結果的に落ち着きます。修理を重ねると、その都度お預かりの時間がかかります。
くまさんが実際に対応したキーボードの事例
この記事は、公開している修理事例141件のうち、キーボードに関する8件を読んで書いています。そのうち、原因の分かれ方がはっきり出ている5件を載せます。 ご自分のパソコンで起きていることに近いものがあれば、そこを開いてご覧ください。
8件の期間は2026年2月から8月、地域は東京都・大阪府・神奈川県です。
141件のうちの8件であって、キーボードが反応しなくなった方のうち何割がこうなる、という数字ではありません。当社に相談があり、事例として公開できたものだけが載っています。
CASE 01 設定が原因だった 大阪市淀川区でブラウザ設定の変更後にキーボード操作がおかしくなったノートパソコンを修正
- 症状
- ブラウザの挙動とキーボードの操作がおかしい
- 原因
- テンキーにマウス操作の機能が割り当てられていた
- パソコン
- NEC(ノート)
- 施工エリア
- 大阪府大阪市淀川区
- 対応時期
- 2026年8月
誤ってEdgeをアンインストールしたあと、Chromeの設定を変更してからブラウザとキーボードの動きがおかしくなったというご相談でした。既定のブラウザの設定を見直したうえで、テンキーにマウス操作の機能が割り当てられていることを確認して解除しています。
キーボードは壊れていませんでした。テンキーを押すとカーソルが動く状態なら、本文のH2-2で書いたマウスキーの設定を先に見てください。
CASE 02 別の症状に見えていた 大田区でExcelを開くとWordが起動するノートパソコンを診断
- 症状
- Excelやメールの操作時に、意図しないアプリが起動する
- 原因
- 特定キーの誤入力がアプリの操作に影響していた
- パソコン
- 東芝(ノート)
- 施工エリア
- 東京都大田区
- 対応時期
- 2026年8月
OfficeやWindowsの設定不良ではないかというご相談でした。Office側の修復を行いましたが改善せず、キーボード入力の面から確認したところ、特定のキーの誤入力がアプリの操作に影響していることを確認しました。キーボード側の不具合と判断し、今回は原因の切り分けまでとしています。
アプリの不具合に見えても、原因がキーボードにあることがあります。再インストールを繰り返す前に、外付けのキーボードで同じことが起きるか試してみてください。
CASE 03 水濡れ・キーボード交換 東京都北区で水をこぼして反応しなくなったキーボードを交換
- 症状
- 複数のキーが反応せず、別の文字が入力される
- 原因
- 水濡れによるキーボードの物理故障
- パソコン
- 記載なし
- 施工エリア
- 東京都北区
- 対応時期
- 2026年8月
水濡れのあと、パスワードの入力画面から先へ進めないほど入力が不安定になったとのご依頼でした。複数のキーが反応せず、別の文字が入力される症状を確認し、キーボード自体の物理故障と判断して交換しています。交換後に各キーの入力を確認し、ログインと文字入力が行える状態に戻りました。
押した文字と違う文字が出る症状は、設定が原因のこともありますが、水濡れのあとであれば故障を疑ってください。
CASE 04 水濡れ・診断まで 大阪市北区でジュースをこぼしたパソコンのキーボード故障を診断
- 症状
- 液体をこぼしたあと起動しなくなった
- 原因
- 本体は起動したが、キーボードに物理故障が残っていた
- パソコン
- MacBook
- 施工エリア
- 大阪府大阪市北区
- 対応時期
- 2026年8月
液体をこぼしたあと起動しなくなり、内部への影響とキーボードの状態を確認してほしいとのご依頼でした。訪問時に確認したところ本体は起動できましたが、キーボードには物理的な故障が残っていました。部分的な応急処置よりメーカーでのキーボード交換が適切と判断し、今回は診断までとしています。
本体が起動したことと、キーボードが直ったことは別です。起動したあとに、すべてのキーを1つずつ打って確かめてください。
CASE 05 水濡れ・電源が入らない 練馬区で飲み物をこぼして起動しなくなったノートパソコンを復旧
- 症状
- 飲み物をこぼしたあと、電源が入らなくなった
- 原因
- こぼしたあとの通電で電源の状態が不安定になっていた
- パソコン
- Lenovo(ノート)
- 施工エリア
- 東京都練馬区
- 対応時期
- 2026年8月
誤って飲み物をこぼし、それ以降電源が入らなくなったため、内部故障の有無と復旧できるかを確認してほしいとのご相談でした。本体の状態と電源まわりを確認し、内部のバッテリーを一度取り外して電源の状態をリセット。再接続後に起動することと、基本的な操作ができることを確認しています。
こぼしたあと、動いているからと使い続けないでください。この件は電源が入らない状態でのお預かりでした。
キーボードが反応しないときのよくある質問
キーボードが突然打てなくなったらどうすればいいですか
まず、反応しないのが全部のキーか一部のキーかを確かめてください。あわせて、マウスのカーソルが動くかどうかも見ます。
全部のキーが反応せずカーソルも動かないなら、パソコン側が固まっている可能性があります。カーソルは動くなら、キーボードとのつながりか、キーボード側を見ていきます。
無線のキーボードなら電池と受信機、有線ならつないでいる口を確かめてください。それでも変わらなければ、パソコンの放電を試します。
修理と買い替えではどちらのほうが安く済みますか
金額は、機種と作業の範囲、部品の入手状況で変わるため、症状だけではお答えできません。診断して作業の範囲が決まってからのご案内になります。
考え方としては、購入から日が浅く、他に不具合が出ていないなら修理が向いています。使い始めて年数がたっていて、他にも気になるところがあるなら、買い替えも含めて比べてみてください。
デスクトップで外付けのキーボードを使っているなら、キーボードを買い替えるだけで済みます。
水をこぼしたあと乾かせば使えるようになりますか
乾かして使えるようになることもありますが、そうならないこともあります。外側が乾いても、内部に入った水分はすぐには抜けません。
大事なのは、こぼした直後にすぐ電源を切り、電源ケーブルを抜くことです。通電したまま使い続けると、その場では動いていてもあとから電源が入らなくなることがあります。
ドライヤーの熱を当てる、分解して乾かす、といった方法はおすすめしません。熱で部品が傷み、分解の途中でケーブルを切ってしまうこともあります。
一部のキーだけ交換することはできますか
機種によります。キーの表面の部品だけが外れている場合は、はめ直せることがあります。
ただし、キーの下にある支えの部品が壊れている場合や、内部の配線が傷んでいる場合は、キーボード全体の交換になります。ノートパソコンでは、この形になる場合があります。
まずは、そのキーだけの問題なのか、周りのキーも反応しなくなっているのかを確かめてください。まとまって反応しないなら、内部の配線が傷んでいる可能性があります。
まとめ
キーボードが反応しないとき、最初にすることは修理の相談ではなく、切り分けです。反応しないのが全部のキーか一部のキーか、そして有線か無線か。この2つで見る場所が変わります。
「ロックされた」と感じたときは、4つを確かめてください。機種そのものが持っているロック機能、Num Lock、マウスキー、フィルターキーです。本物のロック機能が用意されている機種もあり、その場合はFnキーとの組み合わせで切り替わります。ただし操作は機種で違うため、取扱説明書で確認してください。
当社の8件のうち2件は、キーボードそのものが壊れていたわけではありませんでした。テンキーにマウス操作の機能が割り当てられていた例と、キーの誤入力が別のアプリの起動として現れていた例です。
水や飲み物をこぼしたときは、すぐに電源を切って電源ケーブルを抜いてください。動いているからと使い続けると、あとから電源が入らなくなることがあります。
いま入力を終えたいだけであれば、画面上のキーボードか、外付けのキーボードで先に進めます。外付けをつなぐことは、本体側の故障かどうかの切り分けにもなります。
分解や、キーの取り外しはなさらないでください。修理しなければならない範囲が広がってしまいます。確かめても変わらないときは、ご相談ください。診断と見積もりだけで終える形もあります。
