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- 鳴った回数だけでは原因が決まらない理由が分かります
- メーカー3社が実際に公開している内容の違いが分かります
- 1回だけ鳴る音が正常のこともあることが分かります
- 分解せずに安全にできる確認の順番が分かります
- 頼んだ場合の費用の見当がつきます
パソコンの電源を入れたら、ピーッ、あるいはピッピッと音が鳴った。画面は出ないまま鳴り続けている。こういうとき、まず調べたくなるのが回数です。
インターネットには、回数と原因を並べた一覧表がたくさんあります。ところが、パソコンを作っている会社が公開している内容を読み比べると、様子が違います。ある会社は6回を映像の部品としていますが、別の会社は同じ6回について何も書いていません。しかもその表は、そのメーカーの一部のシリーズにしか当てはまりません。
さらに、正常に起動したときにも1回だけ音を出す機種がある、と書いている会社もあります。
この記事では、回数だけでは決まらないことを先にお伝えしたうえで、いま控えておくとよいことと、分解せずに安全にできる確認をお伝えします。
ビープ音が鳴った回数と長さをそのまま控える
いちばん先にしていただきたいのは、鳴り方をそのまま控えることです。あとから思い出そうとしても、回数はあいまいになります。
音は、電源を入れたときの自己診断の途中で鳴ります。パソコンが自分の部品を順に確かめていて、確かめられなかったものがあると音で知らせる仕組みです。ですから鳴り方は、そのときの状態をそのまま表しています。
鳴るのはWindowsが立ち上がる前です。ですので、この記事で扱う音を探すときは、Windowsのバージョンではなく、パソコンのメーカーと機種で探してください。
なお、Windowsが立ち上がったあとに鳴る通知の音や、画面に警告を出して音声を流すものは、ここで扱う音とは別です。後者は不安をあおって連絡先へ誘導するものがあります。画面に電話番号や連絡先が出ている場合は、その番号にかけないでください。
ビープ音の短い音と長い音を分けて数える
回数だけでなく、長さも一緒に数えてください。
あるメーカーの案内では、短い音が3回続いたあとに長い音が1回鳴る場合と、長い音が2回続いたあとに短い音が3回鳴る場合とで、指している部品が違います。前者は記憶をする部品、後者は映像の部品です。回数だけを数えると、この2つが同じ5回になってしまいます。
数えるのが難しければ、携帯電話で録音してください。あとで聞き直せますし、そのままお聞かせいただくこともできます。
画面の表示と本体のランプの点滅も控える
音のほかに出ているものも、原因を絞る手がかりになります。
画面に英語の文字やエラーの番号が出ていれば、そのまま写してください。あるメーカーの案内には、長い音が4回鳴る場合について、画面に特定の番号が出ると書かれています。音と番号がそろって初めて意味が決まる、ということです。
本体のランプが点滅している場合は、その回数も控えてください。別のメーカーの案内では、ランプが1秒間隔で6回赤く点滅したあとに音が6回鳴る、という形で説明されています。音とランプが対になっています。
音を鳴らしているのはBIOSと呼ばれる仕組みです。この言葉そのものについては、こちらの記事にまとめています。
この記事では、鳴り方の控え方と、そのあとにできることに絞ってお伝えします。
ビープ音の回数の意味をメーカーの情報で確かめる

控えたら、次は意味です。ここで大事なのは、どこの情報を見るかです。
メーカー3社が公開しているビープ音の情報を並べた表
パソコンを作っている3社が、2026年9月の時点で公開している内容を並べます。
| メーカー | 回数の表を公開しているか | 公開している例 | 対象 |
|---|---|---|---|
| HP | 公開している。2回・4回・5回・6回でページを分けている | 6回は映像の部品 | 仕事向けの一部のシリーズだけ |
| Lenovo | 公開している。短い音と長い音の組み合わせで示している | 短い3回のあと長い1回は記憶をする部品。長い2回のあと短い3回は映像の部品 | 一部のシリーズだけ。機種ごとにページが分かれている |
| NEC | 公開していない | — | 音が鳴る仕組みと対処の順番だけを案内している |
ビープ音が指している部品はメーカーごとに違う
表を横に見ていただくと分かります。
6回について書いているのは1社だけで、そこでは映像の部品を指しています。もう1社は6回に触れておらず、記憶をする部品を指すのは短い3回のあとに長い1回が鳴る場合だとしています。残る1社は、回数と意味の対応そのものを公開していません。
3社目の案内には、音を鳴らしている仕組みには複数の種類があり、種類によっては正常に起動したときにも音を出す場合がある、と書かれています。
つまり、回数と意味を並べた一覧表は、どのメーカーのどのシリーズの話なのかが分からないと使えません。よそで見た表を自分のパソコンに当てはめると、違う部品を疑うことになります。
ビープ音の意味を自分の機種の説明書で確かめる
確かめる先は、お使いのパソコンのメーカーです。
あるメーカーの案内には、音の詳しい対応については機種ごとの保守用の説明書を見るように、と書かれています。同じメーカーの中でも機種ごとにページが分かれているのは、そのためです。
本体の裏や側面のシールに、機種名と型番が書いてあります。それを控えてから、メーカーのサポートのページで探してください。見つからない場合や、探しても書かれていない場合は、そのままご相談ください。
ビープ音が1回だけ鳴るのは正常のこともある

回数を調べていると、1回で不安になる方が多くいらっしゃいます。ここは分けて考えてください。
正常に起動したときにビープ音が鳴る機種がある
あるメーカーの案内に、はっきり書かれています。音を鳴らしている仕組みには複数の種類があり、搭載されている種類によっては、正常に起動したときに1回だけ音を出す場合がある、というものです。
つまり1回鳴ること自体は、異常の証拠にはなりません。
パソコンの画面が出て使えるなら急がない
分かれ目は、そのあと画面が出るかどうかです。
音が1回鳴ったあと、いつもどおり画面が出て使えているなら、急いで何かをする必要はありません。前から同じ音がしていたかどうかを思い出してみてください。買ったときから鳴っていたのであれば、その機種ではそういう音が出る、というだけのことがあります。
一方、音が鳴ったあと画面が出ないままの場合や、鳴り続けて止まらない場合は、起動の途中で止まっています。鳴り続けているときは、画面がまったく出ないまま送風の音だけがしている、という見え方になることが多くあります。こちらは次の章の確認に進んでください。
パソコンを分解せずにできる確認を順に行う
ここからは、分解せずにできる確認です。上から順に試してください。
なお、パソコンを強制的に切る場合は、本体のアクセスランプが点滅していないことを確かめてから行ってください。読み書きの途中で切ると、中のものが壊れることがあります。
パソコンからディスクを取り出す
いちばん先に確かめられて、いちばん手間のかからないところです。
あるメーカーの案内に、CDやDVDなどのメディアが入ったままになっていると正常に動作しない場合がある、と書かれています。入れっぱなしになっていないか、取り出し口を確かめてください。入っていれば取り出して、もう一度電源を入れます。
パソコンにつないでいる機器を外す
次に、あとからつないだものを外します。
外付けの記録装置、プリンター、USBに挿したままの小さな記憶装置などです。直前につないだものがあれば、それを真っ先に外してください。複数ある場合は、1つずつ外して、そのつど電源を入れて確かめます。どれを外したときに変わったかが分かります。
なお、あるメーカーの案内では、この外すものの中にパソコンの内部に取り付けた部品も含めています。ただし内部の部品を外すには本体を開けることになりますので、この記事では扱いません。
パソコンの電源を抜いて放電する
上の図の順に抜いてください。
壁のコンセントから抜きます。電源タップを使っているなら、タップごと抜きます。ノートパソコンはACアダプターを本体側とコンセント側の両方から抜きます。デスクトップは背面にスイッチのある機種がありますので、そこも切ります。
抜いたあと、電源ボタンを数回押して、残っている電気を逃がします。あるメーカーの案内には、電力が完全に抜けるまで最低1分間待つ、と書かれています。時間を置いてから、元に戻して電源を入れてください。
抜くのはここまでです。本体を開けたり、中の部品を抜き差ししたりはしないでください。理由は次の章に書きます。
音が鳴っているパソコンでやってはいけないこと
ここまでの確認で直らない場合、次にやりたくなることがいくつかあります。どれもおすすめしません。
パソコンの中を開けて部品を触る
インターネットで調べると、中の部品を抜き差しする手順がよく出てきます。メーカーの案内にも書かれていることがあります。
ただし、その手順には注意書きが付いています。あるメーカーの案内には、体に帯びた静電気が基板に流れると故障の原因になる、と書かれています。同じ案内には、端子の部分は手で触れないように、とも書かれています。
つまり、直すつもりで開けて、別のところを壊す可能性があります。音が鳴っている時点で、どこかの部品が正しく確かめられていない状態です。そこに手を入れると、原因が増えます。当社では、この作業は作業員が行います。ご自宅にうかがって行う場合と、お預かりして行う場合があります。
パソコンの電源の入れ直しを繰り返す
音が鳴るたびに電源を入れ直したくなりますが、繰り返さないでください。
起動の途中で止まっている状態で通電を続けると、状態が進むことがあります。あるメーカーの案内にも、案内された対処をすべて行っても解決しない場合は部品が故障している可能性があるため、修理を検討するように、と書かれています。何度か試して変わらなければ、そこで止めてください。
ビープ音を鳴らない設定にする
音を消す方法を探す方がいらっしゃいますが、これは順番が違います。
この音は、パソコンが異常を見つけて知らせているものです。消しても、知らせている中身は変わりません。次に同じことが起きたときに気づけなくなるだけです。うるさいと感じても、まずは鳴り方を控えてください。
自分で本体を開けないときに頼む先と費用

ここまで試しても直らない場合や、画面が出ないまま鳴り続けている場合は、本体の中に原因があります。無理に続けるより、見てもらったほうが早いことがあります。
修理を頼む前に控えておくこと
伝える内容が決まっていると、そのぶん確認が早く済みます。次の5つを控えておいてください。
- 音の回数です。短い音と長い音を分けて数えてください
- 鳴る場面です。電源を入れた直後か、しばらく使ってからかで変わります
- 画面の表示です。英語の1行やエラーの番号があれば、そのまま写してください
- 本体のランプです。点滅していれば、その回数も控えてください
- パソコンの機種名と型番です。本体の裏や側面のシールに書いてあります
携帯電話で録音や撮影をしておくと、そのままお聞かせいただけます。
くまさんが実際に対応した事例
起動しないパソコンで、音が指し示すことの多い部品を実際に見た2件です。どちらも音が鳴っていたご相談ではありませんが、確かめる順番は同じです。
CASE 01本体側に原因があった電源を入れても何も起きないパソコンを本体側の点検で復旧
- 症状
- 電源ボタンを押しても何も起きずランプもつかず音もしなかった
- 原因
- 本体の中で記憶をする部品が正しく読み取られていなかった
- 対応時期
- 2026年9月
電源ボタンを押しても何も起きず、ランプもつかず、音もしないという状態でした。前日までは使えていたとのことです。コンセントやアダプターの差し替え、電源の長押しはすでに試されていました。
現地でアダプターの電圧を確かめ、別のコンセントでも試して、外側の電源に異常がないことを確認しました。周辺機器を外し、残っている電気を逃がしてから起動を試しましたが変わらなかったため、本体側に絞りました。中を点検して記憶をする部品の接点を清掃し、取り付け直したところ、ランプが点いて起動しました。内部のケーブルの緩みも点検して固定しています。約1時間で引き渡し、当社にお支払いいただいた料金は44,000円でした。
外側から順に切り分けたことで、どこを見ればよいかが決まりました。一例であり、機種や状態によって結論は変わります。
CASE 02本体ではなく配線だった画面が出ないパソコンを配線の確認で復旧
- 症状
- 電源を入れても画面が出ずプリンターも動かなかった
- 原因
- 画面側の電源と接続ケーブルが正しくつながっていなかった
- 対応時期
- 2026年8月
電源を入れても画面が出ず、プリンターも動かないため、本体と周辺機器をまとめて見てほしいというご依頼でした。
本体は動いているのに画面が出ない状態だったため、まず画面側の電源と接続ケーブルを確かめました。電源のケーブルを差し直したところ表示が戻り、プリンターはインクの交換で改善しています。あわせて宅内の配線を整理し、パソコン、インターネット、テレビ、電話がそれぞれ使えることを確認しました。
本体の故障に見えても、外側の配線だったことがあります。一例であり、機種や状態によって結論は変わります。
パソコンの修理にかかる費用の目安
一般的な費用の相場と、当社の料金を並べます。
| 内容 | 一般的な費用 |
|---|---|
| 見てもらうだけの診断 | 550円から2,200円ほど |
| 中を開けて部品を触る作業 | 3,300円ほどから。難しい分解は9,900円から16,500円ほど |
| 基板の修理 | 6,600円ほどから |
| 電源の修理 | 6,600円から9,900円ほどのあいだで、会社によって違います |
| 起動しないパソコンからのデータ取り出し | 8,800円から16,500円ほど |
いずれも部品が必要な場合の部品代は別です。
当社は、基本料金が11,000円です。3つの安心診断が含まれており、それぞれ3台までお受けします。ここに作業料金が3,300円から加わります。部品代は別です。出張料金は5,500円で、修理作業には30日の保証を付けています。
料金の内訳は、パソコン修理屋くまさんの料金ページに載せています。お伺いできる範囲は、対応エリアのご案内でご確認いただけます。
修理を頼む先の選び方や、料金がどう決まるかについては、こちらの記事にまとめています。
パソコンのビープ音についてよくある質問

パソコンから突然ビープ音が鳴ったらどうすればいいですか
まず鳴り方を控えてください。短い音と長い音を分けて数え、画面の表示や本体のランプの点滅も一緒に控えます。
そのうえで、画面が出て使えているかどうかで分けてください。使えているなら急ぎません。画面が出ないまま鳴っている場合は、ディスクを取り出す、つないでいる機器を外す、電源を抜いて放電する、の順に確かめてください。
パソコンでビープ音が6回鳴ったらどうすればいいですか
6回の意味は、メーカーによって違います。
あるメーカーは、6回鳴る場合について映像の部品を指していると案内していますが、それはそのメーカーの仕事向けの一部のシリーズについての話です。別のメーカーは6回について何も公開していません。ですので、6回という数字だけでお使いのパソコンの原因を決めることはできません。
お使いのメーカーと機種名を控えて、そのメーカーのサポートのページで確かめてください。見つからない場合はご相談ください。
パソコンのビープ音がずっと鳴っている原因は何ですか
起動のときの自己診断が、途中で止まっている状態です。確かめられなかった部品があるため、先に進めずに知らせ続けています。
この状態で電源の入れ直しを繰り返すと、状態が進むことがあります。ディスクの取り出しと、つないでいる機器を外すところまでを試して変わらなければ、電源を切ってご相談ください。
ビープ音が鳴る原因は何ですか
電源を入れたときに部品を順に確かめる仕組みがあり、確かめられなかったものがあると音で知らせます。記憶をする部品や映像の部品が見つからない場合が、メーカーの案内に出てきます。
ただし、正常に起動したときにも1回だけ音を出す機種があります。鳴ること自体が異常の証拠にはなりません。
まとめ|ビープ音の回数と長さを控えてから相談する
ビープ音は、回数だけでは原因が決まりません。3社の案内を読み比べると、同じ回数でも指している部品が違い、そもそも対応表を公開していない会社もあります。よそで見た一覧表を自分のパソコンに当てはめると、違う部品を疑うことになります。
先にしていただきたいのは、鳴り方をそのまま控えることです。短い音と長い音を分けて数え、画面の表示とランプの点滅も一緒に控えます。数えるのが難しければ録音してください。
そのうえで、画面が出て使えているなら急ぎません。画面が出ないまま鳴っている場合は、ディスクを取り出す、つないでいる機器を外す、電源を抜いて放電する、の順に確かめてください。
それでも変わらないときは、そこで止めてください。本体を開けて部品を触ることと、電源の入れ直しを繰り返すことは、どちらも状態を進めることがあります。控えた鳴り方をお持ちのうえで、ご相談ください。
