トイレのタンクに水がたまらない原因は?自分で確かめる場所と応急処置
この記事のまとめ
- トイレタンクに水がたまらない主な原因
- 自分でできる対処法
- 修理にかかる費用相場と信頼できる業者の選び方
- トラブルを放置した場合に起こるリスク
この記事は約19分で読み終わります。
トイレのレバーを回したのに、タンクに水がたまらない。流したあとに水を入れる音がしない、あるいは細い音がいつまでも止まらない。
タンクに水がたまらないときは、タンクへ水が来ていないか、タンクやそのまわりの部品が水を止めたり逃がしたりしているかのどちらかです。止水栓が閉まっていただけのように、部品に触らずに直ることもあります。
この記事で分かることは、次の4つです。
- 最初に確かめる3つのこと
- 直るまでの間にトイレを流す方法
- 原因になるタンクやそのまわりの部品と、中を確かめる順番
- 部品を自分で交換する手順と、業者に頼む目安
先にひとつ見分けてください。水が減っているのがタンクではなく便器のほうなら、この記事とは原因が違います。また、タンクが見えないトイレは作りが違い、この記事の手順は当てはまりません。化粧板を外さずに、業者に相談してください。
目次
トイレのタンクに水がたまらないときは何から確かめるか
先に確かめるのは、水が減っている場所、止水栓、家の水道の3つです。どれもタンクの部品に触らずに見られます。
タンクが見えないトイレは作りが違うため、この章から先の見方が当てはまりません。
水が減っているのがタンクか便器かを見る
タンクのふたを開ける前に、便器の中の水を見てください。便器の底のほうに水がたまっていれば、便器はふつうです。
タンクの水だけが減っているなら、この記事の話です。タンクには水があるのに便器の水が底近くまで減っているなら、原因は便器の側にあります。
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見分けがつかないときは、流したあとの音も手がかりになります。水を入れる音がしばらく続いて止まるのが、ふつうの状態です。
トイレの止水栓が開いているかを見る
止水栓は、便器の後ろか横の壁、または床から出ている給水管の途中にあります。掃除のときや業者の作業のあとに、閉じたままになっていることがあります。
マイナスの溝かハンドルを、反時計回りに少しずつ回してください。一気に開けず、タンクに水が入り始める音を確かめてから開けていきます。
止水栓が見当たらないときは、タンクにつながる給水管を下へたどってください。このあと部品を見るときに水を止める必要が出たら、家全体の元栓(水道メーターの近くにある栓)でも止められます。
固くて回らないときは、力をかけないでください。無理に回すと壊れ、トイレへの水を止められなくなります。
止水栓を開けても水が入らないときは、次に家全体に水が来ているかを確かめます。
台所や洗面所の蛇口から水が出るかを確かめる
台所や洗面所の蛇口をひねってください。そこでも水が出なければ、トイレの故障ではありません。断水や水道工事、集合住宅の貯水槽の点検で、家全体の水が止まっていることがあります。
集合住宅では、掲示板やポストに案内が入っていないかも見てください。心当たりがなければ、管理会社に確かめます。
ほかの蛇口からは水が出るのに、トイレのタンクにだけ水が入らないなら、原因は止水栓から先のタンクの側にあります。
冬の朝に水が出ないときは、給水管が凍っている場合があります。管や止水栓が傷むので、熱湯はかけないでください。
トイレのタンクに水がたまらないときはどうやって流すか
直るまでの間は、タンクを使わずにバケツの水で流せます。便器の中が詰まっていないことが条件です。
流し方は2つあります。便器へ直接バケツの水を注ぐ方法と、タンクに水を入れてレバーで流す方法です。ふたを外さずに済むので、先に試すのは便器へ注ぐほうです。
始める前に、便座とふたを上げてください。温水洗浄便座は、水がかからないよう電源プラグを抜いておきます。プラグには乾いた手で触り、差し直すのは便座のまわりが乾いてからにしてください。
バケツの水を便器のふちに沿わせて一度に流し込む
バケツに水をためたら、口を便器のふちの内側に近づけ、内側の壁に当てるように一度に注ぎます。水は壁を伝って底へ向かい、その勢いで流れます。
少しずつ注ぐと、水位が上がるだけで流れません。高い位置から落とすと、便器の中の水がはねます。
流したあとは、もう一度ゆっくり注いで、便器の底に水を残してください。この水が、下水のにおいを止めています。
タンクが直るまでは、使うたびに同じように流します。一度に流す紙を少なめにすると、バケツの水でも流れやすくなります。
便器の水位が上がってなかなか引かないときは、この方法を使わないでください。足した水があふれます。
タンクに直接水を入れるときはオーバーフロー管の口より下まで注ぐ
タンクに水を入れて、レバーで流す方法もあります。タンクのふたは陶器で重いので、両手で持ち上げ、床に布を敷いて置きます。手洗いの付いたふたは裏にホースがつながっているので、引っ張らずに少しだけ持ち上げ、つなぎ目を確かめてから外してください。
タンクの中に立っている筒の口(オーバーフロー管の口)より下まで、バケツの水を静かに注ぎます。口を越えた水は、そのまま便器へ流れていきます。
入れ終わったらふたを戻し、レバーを回します。熱湯は、陶器やタンクの中の部品を傷めるので使わないでください。
タンクのそばに温水洗浄便座の電源コードや本体があるときは、そこに水がかからないよう、注ぐ位置に気をつけてください。
トイレのタンクに水がたまらない原因はタンクのどこにあるか
止水栓も家の水道も問題がないなら、原因はタンクとそのまわりの部品にあります。水を入れる側で止まっているか、ためた水が便器へ逃げているかのどちらかです。

写真で「フロートバルブ」と書かれているのが、この記事でいうゴム栓です。部品の位置は、ふたを外して真上から見ると次のようになっています。
この章では、見て分かることと聞いて分かることだけをご紹介します。手を入れて確かめる順番は、次の章にまとめました。
タンクの浮き球が上がったまま引っかかって水が止まっている
浮き球は、水面に浮いて上下する部品です。水が減ると下がって水を出し、水がたまると上がって水を止めます。
浮き球がタンクの壁や鎖に引っかかって上がったままだと、タンクが空でも水が止まったままになります。流したあとに水を入れる音がまったくしないときは、この状態を疑います。
節水のためにタンクに入れたペットボトルや芳香剤が浮き球に当たって、動きを止めていることもあります。
タンクのボールタップの中が詰まって水が出てこない
ボールタップは、浮き球の腕がつながっている柱で、水を出したり止めたりする部品です。
浮き球が下がっているのに水が出てこない、あるいは音がしても水が細くしか出ないときは、ボールタップの中が詰まっているか、中のゴムの部品が傷んでいます。
ボールタップの中には、水を止めるための薄いゴムの部品(ダイヤフラム)が入っています。型によっては、この部品だけを替えられるものもあります。本体ごと付け替える手順は、交換の章でご紹介します。
タンクの給水口のフィルターにごみや砂がたまっている
給水管からタンクへ水が入る口には、ごみを止める網のフィルターがあります。横から給水する型では、タンクの中ではなく、タンクの外側で給水管とボールタップをつなぐナットの中にあります。型によって場所が違い、外からは見えないものもあります。
網にごみや砂がたまると、水の通り道が細くなります。水がたまるまでに時間がかかる、断水や水道工事のあとから急にたまりが遅くなった、というときに疑います。水道管のさびや、工事のときに管へ入った砂が、水と一緒に流れてきて網に引っかかるためです。
タンクの底のゴム栓が閉じずに便器へ水が抜けている
ゴム栓は、レバーを回すと鎖で持ち上がり、便器へ水を流す部品です。流し終わると閉じて、次の水をためます。
ゴム栓がずれていたり傷んでいたりすると、閉じきらずに、すき間から水が便器へ抜け続けます。入る水より抜ける水が多いと、タンクはいつまでもたまりません。便器の内側に、細く水が流れ続けていないかを見てください。便器の水面に小さな波が立ち続けている、耳を近づけると水の流れる音がする、というのも手がかりです。
タンクの中央に立っている筒(オーバーフロー管)にひびが入っていても、同じように水が便器へ抜け続けます。筒が割れているときは、自分で直さずに業者に見てもらってください。
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水を入れる音がいつまでも止まらないときは、ゴム栓のほかに、タンクの水位の調節が合っていないこともあります。
ゴム栓を新しいものにする手順は、部品の交換の章でご紹介します。
トイレのタンクの中はどういう順番で確かめるか
タンクの中は、止水栓を閉める、ふたを外す、部品を1つずつ見る、水位を確かめて元に戻す、の順で確かめます。部品に触る前に、必ず止水栓を閉めてください。
用意するものは、マイナスドライバー、モンキーレンチかスパナ、タオル、バケツ、ゴム手袋です。フィルターを洗うときは、使い古しの歯ブラシもあると便利です。
タンクが見えないトイレは、ここからの手順が当てはまりません。
止水栓を閉めてからタンクのふたを両手で外す
止水栓を時計回りに、止まるところまで回して閉めます。回した回数を覚えておくと、戻すときに同じだけ開けられます。

ふたは陶器で重く、割れやすいので、両手で水平に持ち上げてください。手洗いの付いたふたは、少しだけ持ち上げて裏のホースのつなぎ目を確かめ、ホースを外してから持ち上げます。外したふたは、床に布を敷いて置きます。
浮き球を手で上下させて水が出るかを見る

まず、浮き球を手で軽く上下させて、壁や鎖に引っかからずに動くかを見ます。
次に止水栓を少しだけ開けて、浮き球が下がった状態で水が出てくるかを見てください。水が出てくれば、ボールタップは動いています。水が出なければ、ボールタップの中の詰まりか、部品の傷みです。見終わったら、止水栓をもう一度閉めます。
丸い浮き球ではなく、筒に沿って上下する部品が付いた型もあります。上下に動くかを見るのは同じです。
タンクの底のゴム栓がずれていないかを見る
ゴム栓が排水口の真上に座っているか、鎖がからんでいないかを見てください。鎖が張りすぎていると、ゴム栓が浮いたままになります。
ゴム手袋をして、ゴム栓を指でなでてみてください。手が黒くなるほどべたつくなら、ゴムが傷んでいます。
タンクの中にペットボトルや芳香剤を入れている場合は、ここで取り出してください。浮き球やゴム栓、鎖に当たって、動きを止める原因になります。
給水口のフィルターを外して水で洗う
横から給水する型では、フィルターはタンクの外側で給水管とボールタップをつなぐナットの中にあります。止水栓を閉めたままレバーを回して、タンクの水を抜いてから始めてください。止水栓を閉めても水が止まらないときは、この作業はせずに業者に頼んでください。
つなぎ目の下にタオルを敷き、タンクの中の本体を片手で軽く押さえながら、タンク側のナットを工具で緩めます。止水栓側のナットは緩めないでください。緩めると、そこから水が漏れます。管に残っていた水が少しこぼれます。
出てきた網を、歯ブラシなどで水洗いします。元の向きで戻し、ナットは手で回せるところまで回してから、工具で軽く締めます。網が見当たらない型は、無理に分解しないでください。
止水栓を開けて水位を確かめてからタンクのふたを戻す
止水栓を、閉めたときと同じ回数だけ少しずつ開けます。
水がたまって止まる高さが、オーバーフロー管などに付いている水位の印に合っているかを見てください。印が無い型は、オーバーフロー管の口より下で止まっていれば問題ありません。このとき、フィルターのつなぎ目が濡れていないかも見てください。
水位が印からずれているときは、浮き球の腕やボールタップに付いている調節ねじで高さを変えられる型があります。少しずつ回して、水位を見ながら合わせてください。
確かめ終わったら、ふたを両手で戻します。手洗いの付いたふたは、外してあったホースをふたの裏につないでから戻してください。部品が傷んでいた場合は、次の章で交換の手順をご紹介します。
トイレのタンクの部品は自分でどうやって交換するか
ゴム栓とボールタップは、部品ごと新しいものに付け替えられます。部品を用意したら、もう一度止水栓を閉めてふたを外し、レバーを回してタンクの水を抜いてから始めます。
始める前に、次の3つを確かめてください。
- 部品はタンクの型番に合うものを使う。型番(品番)はタンクの側面や正面などに表示されている。合わない部品は、すき間から水が漏れる
- 止水栓を回しても水が止まらないときは、ナットに触らず業者に頼む。水が止まらないままナットを緩めると、水が噴き出す
- 外す前と外すとちゅうに写真を撮っておく。戻すときに迷わない
賃貸の場合は、部品を替える前に管理会社か大家へ連絡してください。設備の修理をどう手配するかは、持ち主が決めることがあります。
部品を買うときは、ゴム栓は「フロート弁」や「フロートバルブ」の名前で売られています。タンクの型番を控えて、その型番に合うと書かれたものを選んでください。
タンクの底のゴム栓は鎖を外して新しいものにはめ替える

古いゴム栓は、触ると手が黒く汚れることがあります。ゴム手袋をしてから、レバー側の鎖を外し、ゴム栓を排水口の軸から外します。
ゴム栓が座っていた受け口を布で拭き、汚れを落としてから新しいゴム栓をはめます。鎖は外す前と同じ穴に付け、少しだけたるみを残してください。張りすぎるとゴム栓が浮いて水が抜け続け、たるみすぎるとレバーで持ち上がりません。
最後に、レバーを回してゴム栓が持ち上がり、離すと元の位置に座るかを確かめます。鎖がほかの部品に引っかかっていないかも見てください。
ゴム栓には、玉の形のものと平たい形のものがあります。外した古いゴム栓を持って部品を選ぶと、形を取り違えにくくなります。
ボールタップはタンクの外側のナットを緩めて本体ごと付け替える
ボールタップを外すときに緩めるナットは2つで、どちらもタンクの外側にあります。
つなぎ目の下にタオルを敷き、バケツか洗面器を置きます。タンクの中の本体を手で押さえながら、給水管のナット、本体を固定するナットの順に緩め、本体をタンクの内側へ抜きます。止水栓側のナットは緩めないでください。温水洗浄便座へ水を分ける金具が付いている場合も、触るのはタンク側のナットだけです。

新しい本体は、パッキンを付けたままタンクの内側から穴に通し、まっすぐに置きます。パッキンは古いものを使い回さず、給水管側も新しいものにしてください。
ボールタップから細いホースが出て、オーバーフロー管に差し込まれている型があります。手洗いの有無にかかわらず付いていることがあり、付け替えたあとは、このホースをたるませずにオーバーフロー管へ差し込み、浮き球に当たらないように通してください。
ナットは斜めにかまないよう手で回せるところまで回し、工具では軽く締めます。締めすぎると、パッキンが傷んだり、タンクの陶器が割れたりします。
給水管がタンクの下から入っている型は、2つのナットがタンクの底の下にあります。緩めるとタンクの底に残った水が出てくるので、先にスポンジなどで水を吸い取っておきます。
交換したら止水栓を少しずつ開けて水位と水漏れを確かめる

止水栓は、閉めたときと同じ回数だけ少しずつ開けます。水がたまって止まる高さが水位の印に合うか、浮き球が引っかからずに上下して水が止まるかを見てください。
手洗いの付いたタンクは、ふたの裏につなぐホースから水が出るかも確かめます。ホースの出口をタンクの中へ向けておくと、水が外へ飛び出しません。確かめ終わったら、ホースをふたの裏につないでからふたを戻します。
次に、タンクの外側の2つのナットに乾いた紙を当ててしばらく置き、何回か流しても紙が濡れないかを確かめます。
にじんでいたら止水栓を閉め、ナットを少しだけ締め直してください。それでも止まらないときは、業者に見てもらいます。
トイレのタンクの修理はどんなときに業者に頼むか
部品が選べない、ナットが回らない、つなぎ目から水がにじむ。このどれかに当たったら、自分での作業をやめて業者に頼んでください。
交換する部品の型番が分からないときは業者に頼む
型番の表示が見つからない、消えて読めないときは、合う部品を選べません。合わない部品を付けると、すき間から水が漏れます。
型番が分かっても、取り替え用の部品を付けられない型もあります。部品の箱や説明に書かれた、対応するタンクの型番に自分のタンクが入っているかを確かめてください。
便座と一体になったトイレや、タンクが見えないトイレは、部品の付け方が違います。無理に分解せずに相談してください。
止水栓やナットが固くて回らないときは回さずに業者に頼む
長く触っていない止水栓やナットは、固まっていることがあります。力をかけて回すと、管がねじれたり、ナットが割れたりします。工具に管などを継ぎ足して、力を強めるのもやめてください。
金属がきしむ音がする、管がたわむ感触があるときは、そこで手を止めてください。止水栓を回しても水が止まらないときや、新しい部品と給水管の位置が合わず、管を曲げないとつながらないときも同じです。
止水栓が閉まらないまま水が漏れているときは、家全体の元栓を閉めてから業者に連絡してください。
タンクや給水管のつなぎ目から水がにじんでいたら業者に見てもらう
締め直しても水が止まらないときは、パッキンの向きや部品の傷みが原因のことがあります。タンクそのものにひびが入っている場合もあります。
フィルターを洗っても砂がすぐにたまるときは、給水管の側に原因がある場合があります。どちらも、床に水が回る前に業者に見てもらってください。
業者を待つ間は、止水栓を閉め、にじんでいる場所にタオルを巻いておくと、床が濡れるのを抑えられます。
業者に頼んだときの費用の目安は、作業の内容ごとに別の記事でご紹介しています。
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まとめ
タンクに水がたまらないときは、まず水が減っているのがタンクか便器かを見分け、止水栓と家の水道を確かめてください。部品に触らずに直ることがあります。
直るまでは、バケツの水を便器のふちに沿わせて流せます。便器の水位が上がっているときは使わないでください。
自分で確かめる部品は、浮き球、ボールタップ、給水口のフィルター、ゴム栓の4つです。止水栓を閉めてから、1つずつ確かめてください。タンクの中央に立っている筒(オーバーフロー管)にひびが入っているときは、自分で直さずに業者に見てもらってください。
ゴム栓とボールタップは、型番に合う部品なら自分で付け替えられます。型番が分からない、ナットが回らない、つなぎ目から水がにじむときは、そこで作業をやめて業者に頼んでください。
水猿は水まわりの修理業者です。タンクに水がたまらない状態が続いてお困りのときは、症状と試したことをお聞かせください。
