蛇口交換の費用相場はいくら?安くする方法や自分で交換する手順を解説!
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蛇口の調子が悪くなって交換を検討している方にとって、最も気になるのは費用面ではないでしょうか。蛇口交換の費用は設置場所や蛇口の種類、依頼する業者によって大きく異なります。
この記事では、費用相場から費用を抑える方法、自分で交換する際の手順まで詳しく解説します。
蛇口の交換費用相場はいくらぐらい?

蛇口交換の費用は、蛇口本体の価格と工事費を合わせた総額で考える必要があります。一般的に、工事費込みで約5万円程度が目安となりますが、蛇口の種類や機能によって幅があります。
実際の統計データによると、約47%の方が工事費込み2万円~3万円の商品を選択し、約24%の方が3万円~4万円の商品を選んでいます。つまり、全体の約8割の方が4万円未満で蛇口交換を完了させており、予算を抑えた交換が可能であることがわかります。
一方で、約20%の方は5万円以上のハイグレード商品を選択しており、機能性やデザイン性を重視する方も一定数存在します。
台所の蛇口の交換費用相場
| 種類 | 費用相場(工事費込み) | 特徴 |
|---|---|---|
| シンプルタイプ(シャワーなし) | 30,990円~70,078円 | 基本的な機能のみ。最も安価。 |
| シャワー付きタイプ | 33,639円~193,700円 | 便利なシャワー機能付きで価格幅が広い。 |
| 浄水器内蔵タイプ | 34,112円~130,840円 | キッチンでの利便性を重視する方に人気。 |
| タッチレス水栓 | 70,060円~194,822円 | 手が汚れていても操作可能。高価。 |
キッチンの蛇口交換は、最も費用が高くなりやすい場所です。機能によって価格差が大きく、選択する機能によって費用が大幅に変わります。
最もシンプルなシャワーなしタイプの場合、工事費込みで30,990円~70,078円程度となります。シャワー機能が付いたタイプでは33,639円~193,700円と価格幅が広がります。
浄水器内蔵タイプは34,112円~130,840円程度で、キッチンでの利便性を重視する方に人気です。最も高価なタッチレス水栓になると、70,060円~194,822円となり、手が汚れていても操作できる利便性が魅力です。
機能別に見ると、工事費込み2万円台~3万円台でシャワー付きや浄水器内蔵タイプを選択できます。タッチレス機能を求める場合は5万円台~8万円台が相場となります。
また、追加工事が必要な場合があります。取付け穴のサイズ調整や電気コンセントの移設工事などで別途費用が発生することがあるため、事前の確認が重要です。
洗面台の蛇口の交換費用相場
| 種類 | 費用相場(工事費込み) | 特徴 |
|---|---|---|
| シングルレバー混合水栓 | 30,000円~55,000円 | 最も一般的。20,000円~40,000円程度の本体価格+工事費。 |
| シャワー吐水機能付き | 相場+数千円~ | 水流切替が可能で利便性が高い。 |
| ワンホールタイプ | 同上(30,000円~55,000円程度) | 洗面台に穴が1つの仕様。一般的。 |
| ツーホールタイプ | 同上(30,000円~55,000円程度) | 穴が2つの仕様。既存と同じ形状で交換。 |
| コンビネーションタイプ | 同上(30,000円~55,000円程度) | 特殊仕様。種類による費用差は少ない。 |
洗面台の蛇口交換は、キッチンに比べて費用を抑えやすい傾向があります。統計では、50%の方が工事費込み2万円~3万円で交換を完了させています。
洗面台では主にシングルレバー混合水栓が使用されており、本体価格は20,000円~40,000円程度です。工事費と合わせると、30,000円~55,000円程度が相場となります。
機能面では、シャワー吐水機能の有無で価格が変わります。
洗面台の蛇口には「ワンホール」「ツーホール」「コンビネーション」の3種類があり、基本的に同じ種類での交換が必要です。種類による費用差はそれほど大きくありませんが、機能性を重視するかどうかで価格が決まります。
浴室の蛇口の交換費用相場
| 種類・機能 | 費用相場(工事費込み) | 特徴 |
|---|---|---|
| シャワーなし(サーモスタットなし) | 24,858円~75,736円 | 基本的な蛇口。温度調整機能なし。 |
| シャワーあり(サーモスタットなし) | 26,969円~51,725円 | シャワー付きで便利。温度調整機能なし。 |
| シャワーなし(サーモスタット付き) | 33,166円~61,876円 | 自動温度調整機能付き。手元で温度調整可能。 |
| シャワーあり(サーモスタット付き) | 37,612円~130,560円 | 利便性が高い多機能タイプ。価格幅が広い。 |
浴室の蛇口交換は、3つの場所の中で最も費用を抑えやすく、約52%の方が3万円~4万円で完了しています。
また、構造がシンプルなため比較的リーズナブルで、寿命も10年~20年程度と長期間使用可能です。
浴室の蛇口交換は、3つの場所の中で最も費用を抑えやすい傾向があります。約52%の方が工事費込み3万円~4万円で交換を完了させており、約9割の方が4万円未満で済ませています。
浴室では主にサーモスタット混合水栓が使用されており、自動で温度調整ができる機能が特徴です。機能別の費用相場は以下のようになります。
シャワーなし(サーモスタットなし)の場合、24,858円~75,736円程度です。シャワーあり(サーモスタットなし)では26,969円~51,725円となります。
サーモスタット機能付きになると、シャワーなしで33,166円~61,876円、シャワーありで37,612円~130,560円程度が相場です。
浴室の蛇口は構造がシンプルで、キッチンのような多機能タイプが少ないため、比較的リーズナブルな価格で交換できます。寿命は10年から20年程度と長く、長期間使用できる点もメリットです。
業者に蛇口交換を依頼した場合の費用内訳

蛇口の交換を検討している方にとって、最も気になるのが費用の問題でしょう。業者に依頼する場合、どのような項目でどれくらいの費用がかかるのかを事前に把握しておくことで、適正な価格での交換が可能になります。
一般的に、蛇口交換の総額は3万円から5万円程度が相場となっており、約8割の方が4万円未満で工事を完了しています。ただし、選択する蛇口の機能や設置場所、追加工事の有無によって費用は大きく変動します。
基本料金や工賃
| 項目 | 工事費相場 | 特徴・備考 |
|---|---|---|
| 単水栓 | 6,000円~10,000円 | シンプルな蛇口。工事費は比較的安価。 |
| パッキン交換のみ | 約1,000円 | 簡単な修理。技術料のみ。 |
| シングルレバー混合水栓 | 約12,000円 | 洗面台やキッチンに一般的。工事費は中程度。 |
| ツーハンドル混合水栓 | 約16,500円 | 工事費はやや高め。既存と同タイプでの交換が一般的。 |
| サーモスタット混合水栓(浴室用) | 5,000円以上 | 構造が複雑なため工事費が高くなる場合あり。 |
蛇口交換における基本料金や工賃は、業者の種類や地域によって異なりますが、一般的な相場をご紹介します。
工事費は蛇口の種類によって変動し、単水栓の場合は6,000円から10,000円程度が相場となっています。パッキン交換のみの簡単な修理であれば、技術料として1,000円程度で済む場合もあります。
一方、混合水栓の交換となると工事費は高くなり、シングルレバー混合水栓で約12,000円、ツーハンドル混合水栓では約16,500円程度が目安です。お風呂でよく使用されるサーモスタット混合水栓の場合は、その複雑な構造により5,000円以上の工事費が必要となります。
蛇口本体の費用
【キッチン】
| 種類・機能 | 価格相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| シングルレバー混合水栓(基本タイプ) | 20,000円~40,000円 | 最も一般的。人気は2~3万円台。 |
| シャワーなし | 10,000円~30,000円 | シンプルな機能。低価格帯。 |
| シャワー付き | 20,000円~30,000円 | 利便性が高い。人気機能。 |
| ホース引き出し可能タイプ | 30,000円~35,000円 | シンク掃除に便利。 |
| 浄水器内蔵タイプ | 20,000円~130,000円 | 高機能。飲料水用途に人気。 |
| タッチレスタイプ | 15,000円~60,000円 高機能品は70,000円~190,000円 |
非接触操作が可能。高価。 |
| 食洗機用分岐水栓付き | 30,000円~80,000円 | 食洗機利用に必須。 |
蛇口本体の価格は、機能性やデザインによって大きく異なります。こちらでは、併せて設置場所別の価格相場をご紹介します。
キッチンで最も一般的な基本的なシングルレバー混合水栓の価格帯は20,000円から40,000円となっており、最も人気があるのは2万円台から3万円台の商品です。
機能によって価格は大きく変わり、シャワーなしタイプなら1万円から3万円程度で購入できますが、シャワー付きタイプになると2万円から3万円、ホース引き出し可能タイプでは30,000円から35,000円程度が相場です。
より高機能になると、浄水器内蔵タイプが2万円から13万円、タッチレスタイプは1.5万円から6万円程度で、特に高機能な製品では7万円から19万円の価格帯もあります。
さらに、食洗機用分岐水栓付きのタイプは3万円から8万円程度が目安となります。
【浴室】
| 種類・機能 | 価格相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| サーモスタット混合水栓(基本) | 15,000円~40,000円以上 | 自動温度調整機能付き。人気は2~3万円台。 |
| ツーバルブタイプ(壁付き) | 6,000円~20,000円 | シンプルな蛇口。低価格帯。 |
| サーモスタットタイプ(壁付き) | 13,000円~40,000円 | 温度調整機能付き。人気機能。 |
| サーモスタットタイプ(台付き) | 15,000円~40,000円 | 台に設置するタイプ。 |
次に、浴室でよく使用されるサーモスタット混合水栓の基本価格は15,000円から40,000円以上となっており、人気の価格帯は2万円台から3万円台です。
機能によって価格差があり、シンプルなツーバルブタイプの壁付きなら6,000円から2万円程度で購入できます。なお、温度調整機能付きのサーモスタットタイプになると壁付きで1.3万円から4万円、台付きタイプでは1.5万円から4万円程度が相場となります。
【洗面台】
| 種類・機能 | 価格相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| シングルレバー混合水栓(基本タイプ) | 20,000円~40,000円 | 最も一般的。人気は2~3万円台。 |
| シャワーなし | 10,000円~50,000円 | シンプル機能。価格幅が広い。 |
| シャワー付き | 10,000円~80,000円 | 利便性が高いが価格差が大きい。 |
| エコシングル(省エネタイプ) | 29,000円~33,000円 | 省エネ機能搭載。人気上昇中。 |
最後に洗面台ですが、基本的なシングルレバー混合水栓の価格帯は20,000円から40,000円で、最も売れているのは2万円台から3万円台の商品です。
機能による価格差では、シャワーなしタイプが1万円から5万円、シャワー付きタイプになると1万円から8万円程度の幅があります。省エネ機能を持つエコシングル採用タイプでは29,000円から33,000円程度が相場となっています。
出張費用
| 条件 | 費用相場 | 特徴・備考 |
|---|---|---|
| 通常の出張費 | 3,000円~5,000円 | 地域や距離によって変動。 |
| 通常時間帯 | 無料~3,000円 | 日中や一般的な時間帯。低めの設定。 |
| 早朝・夜間 | 3,000円~5,000円 | 時間外対応。割増料金が適用されやすい。 |
| 深夜帯 | 5,000円以上 | 最も高額。大幅な割増料金となることが多い。 |
一般的な出張費は3,000円から5,000円程度が相場で、地域や距離によって変動します。時間帯による料金設定の違いもあり、通常の時間帯では無料から3,000円程度ですが、早朝や夜間になると3,000円から5,000円の割増料金が適用されることが多く、深夜帯ではさらに高額な設定となる場合もあります。
なお、最近では出張費無料をサービスとして提供する業者も増えており、大手水道修理業者では基本的に出張費無料としているところが多いですが、深夜帯については別途料金が発生する場合もあります。
また、ホームセンター系の業者では店舗によって対応が異なり、一定金額以上の購入で無料となるケースもあります。また、地域密着型の地元業者では出張費を抑えており、近距離であれば無料サービスを提供している場合が多く見られます。
注意点として、見積もり費用については無料の業者が多いですが、有料の場合はキャンセル料金が2,000円から3,000円程度に設定されている事があります。キャンセル料は前日までなら無料が一般的ですが、当日キャンセルの場合は3,000円から5,000円程度が発生することがあります。
蛇口交換の費用を安くする方法は?

一般的に蛇口交換の総費用は工事費込みで約5万円程度とされていますが、方法次第では大幅に費用を抑えることが可能です。
実際の統計データを見ると、交換できるくんの販売実績では約8割のお客様が総額4万円未満で交換を完了しており、生活堂では約47%のお客様が2万円~3万円で交換しています。このように、適切な方法を選択すれば、想像以上に安く蛇口交換を行うことができるのです。
蛇口交換の費用は主に「蛇口本体価格」と「工事費」で構成されており、それぞれを工夫することで総額を大幅に削減できます。以下では、具体的な費用削減の方法を詳しく解説していきます。
複数業者から相見積もりを取る
蛇口交換費用を安く抑える最も効果的な方法の一つが、複数の業者から相見積もりを取ることです。同じ蛇口交換でも、業者によって料金体系や価格設定が大きく異なるためです。
例えば、キッチンの混合水栓交換を比較すると以下のような違いがあります。
ホームセンター系では、作業費が9,000円~12,000円程度に蛇口本体価格が加算されます。一方、専門の水道修理業者では、基本料金制を採用しているところが多いです。
ネット通販系業者の生活堂では、工事費込みで2万円台から3万円台の商品が売れ筋となっており、メーカー希望小売価格から60%オフなどの大幅割引を実現しています。
なお、相見積もりを取る際は、同じ条件で比較することが重要です。蛇口の種類、取り付けタイプ、必要な機能を明確にした上で、各業者に見積もりを依頼します。また、追加料金の有無も必ず確認しましょう。基本料金は安くても、出張費や早朝・夜間料金、見積料金などが別途発生する場合があります。
最低3社からの見積もりを取ることで、適正価格の相場を把握できます。その際、価格だけでなく、保証内容やアフターサービスも比較対象に含めることが大切です。
蛇口本体を用意して交換のみ依頼する
蛇口交換費用の大部分を占めるのが蛇口本体の価格であるため、蛇口本体を自分で用意し、取り付け工事のみを業者に依頼することで、大幅な費用削減が可能になります。
例えば、TOTO GGシリーズのキッチン水栓TKS05301Jの場合、メーカー希望小売価格は約5万円程度ですが、ネット通販では2万円台前半で購入できることがあります。業者経由で購入する場合と比べて、1万円以上の差額が生まれる可能性があります。
蛇口を自分で購入する際は、取り付けタイプの確認が最も重要です。ワンホール、ツーホール、壁付きなど、現在使用している蛇口と同じタイプでなければ取り付けできません。特にツーホールタイプの場合は、穴の間隔も確認する必要があります。
また、互換性の確認も欠かせません。購入前に品番や仕様を業者に相談し、取り付け可能かどうかを確認しましょう。間違った商品を購入してしまうと、追加工事費用が発生したり、返品が困難になったりする場合があります。
不要な機能を省いた蛇口を選ぶ
蛇口の価格は搭載されている機能によって大きく左右されます。本当に必要な機能を見極めることで、費用を大幅に抑えることができます。
キッチン水栓を例に取ると、機能による価格差は以下のようになります。
シャワーなしタイプは最も安価で、工事費込みで30,990円~70,078円程度です。シャワーありタイプでは33,639円~193,700円、浄水器付きタイプでは34,112円~130,840円となります。
最も高額なのがタッチレス水栓で、70,060円~194,822円と、シンプルタイプの2倍以上の価格になることがあります。
まず、現在の使用状況を振り返ることが重要です。シャワー機能を頻繁に使っているか、浄水器を日常的に利用しているかなど、実際の使用頻度を検証しましょう。
代替手段の検討も効果的です。例えば、浄水器機能が欲しい場合、蛇口内蔵型ではなく据え置き型の浄水器を別途購入する方が、トータルコストを抑えられる場合があります。
エコハンドル搭載タイプは、省エネ効果がありながら価格上昇が最小限に抑えられています。LIXILのRSF-542YAなら工事費込み20,800円程度で、長期的な光熱費削減効果も期待できます。
基本的なシャワー機能付きであれば、工事費込み2万円台~3万円台で購入でき、日常的な清掃作業が格段に楽になります。清掃効率を考慮すると、この程度の機能は費用対効果が高いといえるでしょう。
浴室水栓の場合、サーモスタット機能なしのツーバルブタイプを選択すれば、工事費込み24,858円~51,725円程度で交換可能です。ただし、安全性を考慮すると、サーモスタット機能付きを選択することをおすすめします。
DIYで交換する
最も大幅な費用削減が期待できるのがDIYでの蛇口交換です。蛇口本体価格のみで済むため、工事費を完全に削減できます。
工事費が一切かからないため、大幅な費用削減が可能です。例えば、工事費が1万円~1.5万円かかる場合、これが丸々節約できます。また、作業時間を自由に設定でき、業者の都合に合わせる必要がありません。
DIYで蛇口交換を行う場合、以下の工具が必要です。
- モンキーレンチ(配管ナットの締め付け用)
- 六角レンチセット(各種ボルトの脱着用)
- マイナス・プラスドライバー
- シールテープ(水漏れ防止用)
- バケツと雑巾(作業中の水受け用)
これらの工具は、すべてホームセンターやネット通販で購入でき、総費用は5,000円~10,000円程度です。
ただし、DIYにはリスクも伴います。10年以上使用した蛇口の場合、パーツの劣化が進んでおり、ネジが固着していることがあります。無理に作業を進めると、配管を破損させてしまう可能性があります。
技術的な限界もあります。タッチレス水栓の場合は電源配線工事が必要で、DIYでは対応困難です。また、給水管との癒着が発生している場合、専門的な技術と工具が必要になります。
賃貸住宅では、DIYでの蛇口交換が許可されていない場合があるため、事前に管理会社や大家さんに確認することが必要です。
そして、失敗した場合の修理費用は、元の交換費用を大幅に上回る可能性があります。水漏れによる住宅損害や、下階への被害などを考慮すると、技術に不安がある場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
自分で蛇口の交換をする方法

蛇口交換作業を始める前に、必ず給水を完全に停止させる必要があります。これは作業中の水漏れを防ぎ、安全に作業を進めるための重要なステップです。
止水栓または元栓を閉める
まず、交換する蛇口の近くに止水栓があるか確認してください。キッチンや洗面台の場合、シンク下の配管に止水栓が設置されていることが多いです。止水栓はマイナスドライバーを使って時計回りに回すことで閉めることができます。
止水栓が見つからない場合や、古くて回らない場合は、住宅の元栓を閉めてください。元栓は通常、戸建て住宅では玄関先や駐車場の近く、集合住宅では玄関脇のメーターボックス内にあります。元栓を閉める際は、家全体の給水が停止するため、家族に事前に知らせておくことが大切です。
止水栓または元栓を閉めた後は、蛇口を開いて残留している水を完全に排水してください。この作業により、配管内の水圧がなくなり、安全に蛇口の取り外し作業を行うことができます。
古い蛇口を外す
給水を停止した後、古い蛇口の取り外し作業に入ります。蛇口の種類によって取り外し方法が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
ワンホール混合栓の場合
シンクや洗面台の下から蛇口を支えている固定ナットを緩めます。モンキーレンチやナットを回すための専用工具を使用して、反時計回りに回してナットを外してください。ナットが固くて回らない場合は、潤滑剤を使用すると作業が楽になります。
ツーホール混合栓の場合
給水管と蛇口を接続している袋ナットを両方とも外します。左右の接続部分をそれぞれモンキーレンチで固定しながら、袋ナットを反時計回りに回して取り外してください。
壁付き混合栓の場合
壁に取り付けられている固定脚部のナットを緩めて蛇口本体を取り外します。壁付きタイプは水平に取り付けられているため、蛇口を支えながら作業することが重要です。
接続部にシールテープを巻く
古い蛇口を取り外した後、新しい蛇口を取り付ける前に、接続部の準備を行います。特に重要なのがシールテープ(水道用テープ)の巻き付け作業です。
まず、配管の接続部分をきれいに清掃してください。古いシールテープや汚れが残っていると、新しいシールテープが正しく密着せず、水漏れの原因となります。ウエスやブラシを使って、ねじ部分を丁寧に清掃しましょう。
シールテープは時計回りに巻くのが基本です。ねじの谷間にテープがしっかりと入り込むように、適度な張力をかけながら5~8回程度巻き付けてください。テープを巻きすぎると、ねじが固くなって取り付けが困難になる場合があります。
シールテープの端部は、ねじの進行方向に向かって巻き終わるようにしてください。逆方向に巻くと、蛇口を取り付ける際にテープがずれてしまい、密封効果が低下する可能性があります。
壁付きタイプの蛇口の場合は、左右両方の接続部にシールテープを巻く必要があります。同様に時計回りに巻き、テープの厚さが均等になるよう注意してください。
新しい蛇口を取り付けて固定する
シールテープの巻き付けが完了したら、新しい蛇口の取り付け作業に入ります。古い蛇口を外した時と逆の手順で取り付けを行います。
ワンホール混合栓の場合
蛇口本体をシンクの穴に通し、下部から固定ナットで固定します。蛇口が正しい位置に来るよう調整しながら、モンキーレンチを使って固定ナットをしっかりと締め付けてください。ただし、締めすぎると破損の原因となるため、適度な力で締めることが重要です。
ツーホール混合栓の場合
左右の給水管に蛇口の接続部を合わせ、袋ナットで固定します。まず手で仮締めを行い、蛇口の位置や角度を調整してから、モンキーレンチを使って本締めを行ってください。
壁付き混合栓の場合
蛇口の固定脚部を壁の接続部にねじ込みます。シールテープが巻かれた部分を傷つけないよう注意しながら、蛇口が水平になるよう調整して固定してください。
取り付け時は、蛇口がぐらつかないようしっかりと固定することが重要ですが、過度に締め付けると配管や蛇口本体を破損する可能性があります。適切なトルクで締め付けを行い、蛇口が安定して固定されていることを確認してください。
止水栓または元栓を開けて水漏れが起きていないか確認する
新しい蛇口の取り付けが完了したら、最後に動作確認と水漏れチェックを行います。これは蛇口交換作業の中で最も重要な工程の一つです。
まず、閉めていた止水栓または元栓をゆっくりと開けてください。急激に開けると水圧で配管に負荷がかかる可能性があるため、徐々に開けることが大切です。
給水が開始されたら、以下の点を重点的にチェックしてください。
接続部の水漏れチェック
蛇口と配管の接続部分から水が漏れていないか確認します。わずかな水滴でも時間が経つと大きな問題となるため、接続部を手で触って湿りがないかチェックしてください。
蛇口の動作確認
レバーやハンドルを操作して、水とお湯が正常に出ることを確認します。水量や水温の調整が正しく機能するかも合わせてチェックしてください。
異音の確認
蛇口を操作した際に異常な音がしないか確認します。ガタガタ音や振動がある場合は、取り付けが不完全な可能性があります。
もし水漏れが発見された場合は、すぐに止水栓を閉めて原因を調査してください。多くの場合、シールテープの巻き方が不適切であったり、ナットの締め付けが不十分であったりすることが原因です。
問題がなければ、数時間から一日程度経過観察を行い、遅れて発生する水漏れがないことを確認してください。特に接続部分は時間が経ってから問題が現れることがあるため、定期的なチェックが重要です。
注意点とトラブル対応
DIYでの蛇口交換は費用を抑えられる反面、いくつかのリスクがあります。作業に不安がある場合や、以下のような状況では専門業者への依頼を検討してください。
- 配管が古く、取り外し時に破損する可能性が高い場合
- タッチレス水栓など電気配線を伴う交換の場合
- マンションなどで近隣への影響が心配な場合
また、万が一作業中にトラブルが発生した場合に備えて、信頼できる水道修理業者の連絡先を事前に調べておくことをおすすめします。
自分で蛇口の交換をするときの注意点

蛇口交換を検討している方は、安全で確実な作業を行うために、以下の点に十分注意して作業に臨みましょう。
必ず止水栓または元栓を閉めること
蛇口交換作業において最も重要な注意点は、作業開始前に必ず止水栓または元栓を閉めることです。この作業を怠ると、古い蛇口を取り外した際に大量の水があふれ出し、深刻な被害を引き起こす可能性があります。
シールテープの巻き方に注意
蛇口の接続部分には、水漏れを防ぐためにシールテープ(配管用テープ)を巻く必要があります。このシールテープの巻き方が不適切だと、取り付け後に水漏れが発生する原因となります。
なお、シールテープには水道用、ガス用など用途別の種類があります。蛇口交換では必ず水道用のシールテープを使用しましょう。ガス用のテープは密度が異なるため、水道配管には適していません。また、古いテープが残っている場合は完全に除去してから新しいテープを巻くことが大切です。
保証対象外になる場合がある
DIYで蛇口交換を行う場合、メーカー保証や住宅保険の対象外となる可能性があることを理解しておく必要があります。
多くの蛇口メーカーでは、製品保証の適用条件として「専門業者による適切な取り付け」を要求しています。DIYで取り付けた場合、たとえ蛇口本体に不具合が生じても保証の対象外となる可能性があります。特に高機能な蛇口や高額な製品の場合、保証が適用されないことによる経済的損失は大きくなります。
購入前に取扱説明書や保証書の内容を確認し、DIY取り付けでも保証が適用されるかどうかを必ず確認しましょう。不明な点がある場合は、購入店舗やメーカーに直接問い合わせることをおすすめします。
DIYでの蛇口交換が原因で水漏れなどの事故が発生した場合、住宅保険の適用外となる可能性があります。特に、不適切な工事が原因で近隣住宅に被害を与えた場合、個人賠償責任保険が適用されない可能性もあります。
賃貸住宅の場合は、必ず管理会社や大家さんに事前相談を行い、DIYでの蛇口交換が許可されているかを確認する必要があります。無断で工事を行うと、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。
自己責任で作業する必要がある
蛇口交換をDIYで行う場合、すべての責任は作業者本人が負うことになります。この点を十分理解した上で作業に取り組む必要があります。
蛇口交換作業では、様々なリスクが伴います。古い蛇口は10年以上使用されていることが多く、特にネジ部分は錆びついて固着している場合があるので、無理に取り外そうとすると配管を破損する可能性があります。
また、給水管の破損が発生した場合、修理には専門的な知識と技術が必要となり、結果的に業者依頼時よりも高額な費用がかかる可能性があります。また、作業中にケガをした場合の治療費や、水漏れによる被害の修復費用なども自己負担となります。
信頼できる蛇口交換業者の選び方

蛇口交換を依頼する業者選びで失敗すると、追加費用が発生したり、施工不良によるトラブルが起こったりする可能性があります。
また、蛇口交換の費用相場は、機能や業者選びによって費用は大きく変動します。信頼できる業者を選ぶことで、適正価格で質の高い施工を受けることができるでしょう。
水道局指定工事店かどうか
蛇口交換業者を選ぶ際に最も重要な基準の一つが、水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)かどうかです。水道局指定工事店とは、水道法に基づいて各自治体の水道局から認定を受けた業者のことを指します。
水道局指定工事店として認定されるためには、給水装置工事主任技術者の資格を持つ技術者が在籍していることや、適切な機器・設備を保有していることなどの厳格な基準をクリアする必要があります。これらの基準により、一定水準以上の技術力と信頼性が担保されているのです。
また、水道局指定工事店は定期的な監査や更新手続きが必要であり、継続的に技術力や信頼性の維持が求められています。万が一施工に問題があった場合でも、水道局の指導監督下にあるため、適切な対応を期待できます。
蛇口交換を依頼する前には、必ず業者のホームページや資料で水道局指定工事店の認定を受けているかを確認しましょう。認定番号や証明書の提示を求めることも重要です。
見積もり内容を詳細に説明してくれるかどうか
信頼できる業者を見極めるためには、見積もり内容の詳細な説明があるかどうかが重要なポイントです。優良な業者は、作業内容、使用する部材、工事費用の内訳を明確に説明し、顧客が納得できるまで丁寧に対応してくれます。
見積もりで確認すべき項目には、蛇口本体の価格、基本工事費、出張費、廃材処分費などがあります。一般的な蛇口交換の基本工事費は10,000円〜15,000円程度が相場ですが、業者によって料金設定が異なります。
特に注意が必要なのは、追加工事の可能性についての説明です。例えば、取付け穴のサイズ調整が必要な場合の穴径変換アダプター費用や、電気配線工事が必要なタッチレス水栓の設置費用など、現場の状況によって発生する可能性のある追加費用について事前に説明してくれる業者は信頼できます。
見積もり内容が曖昧だったり、「現場を見てから」という理由で詳細を教えてくれなかったりする業者は避けるべきです。また、極端に安い見積もりを提示する業者も、後から高額な追加費用を請求される可能性があるため注意が必要です。
口コミや評価、施工実績を確認する
業者の信頼性を判断するために、過去の顧客からの口コミや評価、施工実績の確認は欠かせません。インターネット上の口コミサイトや業者のホームページに掲載されている顧客の声を参考にしましょう。
口コミを確認する際には、単純な星の数だけでなく、具体的な内容を読むことが大切です。「作業が丁寧だった」「説明が分かりやすかった」「予定通りに来てくれた」「アフターサポートが充実していた」といった具体的な評価は参考になります。
ただし、口コミ情報には注意点もあります。実際に利用したユーザーが投稿したかどうか分からない場合があるため、実名やプロフィール、写真が掲載されている口コミの方がより信頼できる情報と言えるでしょう。
施工実績については、業者のホームページで年間の対応件数や代表的な施工事例を確認できます。長年の実績がある業者や、地域密着で営業している業者は、技術力と信頼性を維持してきた証拠と考えられます。また、大手企業や有名メーカーとの取引実績がある業者も、一定の信頼性があると判断できるでしょう。
施工保証・アフターサービスがあるか
蛇口交換後のトラブルに備えて、施工保証やアフターサービスの充実度を確認することは重要です。優良な業者は、施工後一定期間の保証を提供し、万が一不具合が発生した場合には無償で対応してくれます。
一般的な施工保証期間は1年程度ですが、業者によって期間や保証内容が異なります。保証の対象となる範囲(施工不良による水漏れ、部品の初期不良など)や、保証期間中のサポート体制についても事前に確認しておきましょう。
保証内容が明確に文書化されている業者は信頼できます。口約束だけでなく、保証書や契約書に保証内容が明記されているかを確認しましょう。一部の業者では、独自の損害賠償補償制度を設けており、最高1億円まで補償するサービスもあります。
複数業者から見積もりを取る
蛇口交換を依頼する際には、必ず複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。一般的には2〜3社から見積もりを取ることで、適正価格や各業者の特徴を把握できます。
相見積もりを取ることで、費用面での比較だけでなく、各業者の対応姿勢やサービス内容の違いも明確になります。同じ蛇口交換でも、業者によって工事費や保証内容、アフターサービスに大きな差があることが珍しくありません。
見積もりを比較する際のポイントには、総額での費用比較、工事内容の詳細度、保証期間、対応スピードなどがあります。最安値だけで決めるのではなく、費用対効果を総合的に判断することが大切です。
ホームセンター、水道修理業者、メーカー系業者など、異なるタイプの業者から見積もりを取ることで、より幅広い選択肢を検討できます。例えば、ホームセンターは商品選択肢が豊富で手続きがスムーズですが、水道修理業者は専門技術が高く緊急対応も可能という特徴があります。
電話対応の印象をチェックする
業者の信頼性を判断する重要な要素の一つが、最初の問い合わせ時の電話対応です。電話対応の質は、その業者の顧客サービスへの取り組み姿勢や組織の体制を反映しています。
優良な業者の電話対応には、以下のような特徴があります。まず、電話に出るまでの時間が適切で、呼び出し音が長時間続くことがありません。また、応対するスタッフが丁寧で親切な口調で話し、顧客の質問や相談に真摯に向き合ってくれます。
技術的な質問に対して的確に答えられるかどうかも重要なポイントです。蛇口の種類や交換方法、費用について専門的な知識を持っているスタッフが応対してくれる業者は信頼できます。逆に、基本的な質問に答えられなかったり、曖昧な回答しかできなかったりする業者は避けるべきです。
見積もりの依頼に対する対応スピードも確認しましょう。迅速に見積もり日程を調整してくれたり、概算費用を教えてくれたりする業者は、顧客対応を重視していると考えられます。また、無理な営業をせず、顧客のペースに合わせて対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
蛇口交換でお困りでしたら水猿までご相談ください!
蛇口交換は、適切な業者選びによって費用や仕上がりに大きな差が生まれる工事です。
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