アシナガバチの巣は取る?場所と時期で決まる見分け方と費用
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このコラムで分かる事
アシナガバチの巣とほかの蜂の巣の見分け方
アシナガバチの巣ができる場所と探し方
巣の大きさが4月から10月にかけてどう変わるか
巣をそのままにしてよいかの決め方
駆除を頼んだときにかかる費用
庭やベランダで、灰色っぽい巣を見つけて調べている方が多いと思います。
下から見て六角形の穴がたくさん並んでいたら、アシナガバチの巣です。
先に結論をお伝えします。巣が生活動線から離れた場所にあるなら、取らなくてかまいません。アシナガバチは庭の毛虫やイモムシを食べる蜂で、巣を刺激しなければ人を襲うことはまれです。
もうひとつ、時期で決まることがあります。10月中旬を過ぎて見つけた巣は、間もなく蜂がいなくなります。
この記事で決めるのは「取るかどうか」です。取ると決めたあとの道具と手順は蜂の巣は自分で駆除できる?にまとめています。
目次
アシナガバチの巣はほかの蜂の巣と形が違う

蜂の巣は、形を見ればどの蜂のものかが分かります。虫の姿を近くで見る必要はありません。
見るところは2つです。外側が覆われているかどうかと、穴が1つか、たくさんあるかです。
巣の材料や蜂そのものの見分け方はアシナガバチの種類は?日本に生息する11種に、蜂全体の見分け方は蜂の種類の見分け方にまとめています。
アシナガバチの巣は六角形の部屋がむき出しで下から見える
横浜市泉区は「巣は濃い灰色や茶色で、下から見ると六角形の穴がたくさんあり、ところどころ穴が白い繭で塞がっています。」と書いています(出典:横浜市泉区「アシナガバチの駆除方法」)。
京都市は形を「シャワーヘッドやハスの実、お椀をひっくり返したような形に例えられ」としています(出典:京都市「アシナガバチの特徴と巣の駆除方法について」)。
つまり、外から部屋の一つひとつが見えるのがアシナガバチの巣です。幼虫を育てる穴が外に出ているので、下から見上げると蜂の巣の断面のように見えます。
白いふたのようなものが混じっていたら、それは繭です。中でさなぎが育っています。
巣の表面には蜂が何匹もとまっています。数が増えてきたら、それだけ働き蜂が羽化しているということです。
スズメバチの巣は外側が殻に覆われていて中が見えない

京都市は「スズメバチの巣とは違い、幼虫を育てる穴が外に露出しています。」と書いています。裏返せば、スズメバチの巣は穴が外に出ていません。
スズメバチの巣は外側が殻で包まれていて、中は見えません。表面に茶色と灰色のしま模様が渦を巻いたように出ます。出入り口は1か所だけです。
外側が覆われていて、穴が1つしかない巣を見つけたら、近づかないでください。アシナガバチとは危険の度合いが違います。
作り始めの時期は、とっくりを逆さにしたような形をしていることがあります。
アシナガバチかスズメバチか迷ったときは、スズメバチだと思って近づかないでください。巣が大きくなる途中の形は見分けにくく、間違えたときの危険が違いすぎます。
ミツバチの巣は板状の層が重なって垂れ下がる

ミツバチの巣は、板のような層が何枚も垂れ下がった形です。色は白っぽいものから黄色や茶色まで幅があります。
屋根裏や壁の中、床下の換気口の中など、外から全体が見えにくい場所に作られます。屋外の開けた場所に作られることもあります。壁の同じところに蜂が出入りし続けているなら、中に巣がある可能性があります。
ミツバチの巣は、市販のスプレーでは足りないことが多く、自分で取る対象になりません。見つけたら業者にご相談ください。
アシナガバチの巣ができる場所は決まっている
アシナガバチが巣を作る場所には決まった傾向があります。やみくもに探す必要はありません。
見るのは、雨が当たらず、人の手が届かない高さで、まわりが開けているところです。
軒下や庭木など雨の当たらない開けた場所に巣はできる
神戸市は「軒下、庭木、室外機の中などに巣を作ります。」と書いています(出典:神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」)。
横浜市泉区は「巣を作る場所は主に生垣や軒下です。」としています。
家のまわりでは、軒下、ベランダの天井、庭木の枝、物置のひさし、雨どいの裏あたりが多い場所です。どこも雨が直接当たりません。
アシナガバチの巣は紙のような質感で、濡れると傷みます。だから雨をよけられる場所が選ばれます。
室外機の中や換気扇のフードの中にも巣はできる
開けた場所ばかりではありません。神戸市が挙げている「室外機の中」のほか、換気扇のフードの中、戸袋の中、シャッターの巻き取り部分の中にもできます。
こうした閉じた場所にできた巣は、自分で取る対象から外れます。中がどこまで広がっているかが外から見えず、逃げ道もふさがれるためです。
閉じた場所の巣をどう扱うかは蜂の巣は自分で駆除できる?に、条件を4つに分けて書いています。
巣が見つからないときは蜂が出入りする方向を目で追う
蜂は見えるのに巣が見つからない、ということがあります。
このときは、離れた場所から蜂が飛んでいく方向を目で追ってください。行きと帰りで同じ方向へ通っていれば、その先に巣があります。
探すのは日中です。働き蜂が出入りしている時間でなければ、方向が分かりません。
このとき、蜂が通る道筋を横切らないでください。行き帰りの直線上に立つと、こちらが気づかないうちに蜂とぶつかります。家の中から窓越しに見られる位置があれば、そこから見るのがいちばん安全です。
見つからないまま近づいて探し回るのはやめてください。気づかずに巣のそばに立つと、蜂が警戒します。
軒下や庭木を見上げても見つからないときは、室外機や換気扇のフードの中を疑ってください。外から巣が見えないのに蜂が出入りしているなら、閉じた場所に作られています。この場合は自分で取らず、業者にご相談ください。
アシナガバチの巣の大きさは4月から10月にかけて変わる

同じアシナガバチの巣でも、見つけた月によって中身がまったく違います。
神戸市は月ごとの様子を公表しています。以下はその区切りに沿ったものです。
4月から6月は女王蜂が一匹で巣を作る
神戸市によれば、4月中旬ごろに新女王蜂が越冬から覚め、6月ごろは「女王バチが1匹で巣を作り、産卵・幼虫の世話をします。」という状態です。
この時期の巣は、部屋の数が少なく、ごく小さい段階です。蜂は女王蜂1匹しかいません。
京都市も「5月頃から巣作りを開始し、10月頃まで活発に活動します。」としています。
作り始めの巣をどう扱うかは、蜂の種類を問わない考え方を作り始めの蜂の巣は取っていい?にまとめています。
7月下旬から8月中旬に巣と蜂の数がいちばん多くなる
神戸市は「7月上旬~8月上旬:働きバチが誕生し、巣作りや幼虫の世話をします。」「7月下旬~8月中旬(最盛期):巣の大きさや働きバチの数がピークとなり、活動が活発になります。」と書いています。
そのうえで「※この時期に巣を刺激して刺されることが多く注意が必要です。」と添えています。
大きさは10センチを超えることがあり、蜂の数も数十匹になります。春に見た同じ巣が、夏には手のひらほどになります。
猿太郎に駆除のご依頼が集まるのも、この時期です。
秋の終わりに巣は空になり翌年は使われない
神戸市は「巣は1年限りで中は空になり、同じ巣を使うことはありません。」と書いています。堺市も「巣は1年限りで中は空になり翌年は同じ巣を使うことはありません。」としています。
横浜市泉区はもう少し踏み込んで「10月中旬以降に発見した場合、間もなく越冬のため、巣からハチがいなくなります。」と書いています。
つまり、秋の終わりに見つけた巣は、待っていれば蜂がいなくなります。時期は地域やその年の気温によって前後します。新しい女王蜂は巣から離れた石垣や朽木のすき間で冬を越すので、翌年に同じ巣へ戻ってくることもありません。
空になった巣をそのままにしても、そこから蜂が湧くことはありません。気になるようでしたら、蜂がいないことを確かめてから外してください。ただし空になった巣でも、脚立に乗らないと届かない高さなら無理をしないでください。転落のほうが大きなけがになります。
冬に見つけた巣の扱いは冬の蜂の巣は急いで取らなくていい?にまとめています。
アシナガバチの巣をそのままにしてよいかは巣の場所と家族で決まる
取るかどうかは、巣の側と、住んでいる人の側の両方を見て決めます。
巣が大きいかどうかでは決めません。大きさは危険の目安にはなりますが、手の届かない高さで人が通らない場所なら、大きくても問題にならないことがあります。
アシナガバチは庭の毛虫やイモムシを食べる益虫でもある
神戸市は「アシナガバチは、基本的におとなしいハチであり、巣を刺激しなければ人を攻撃することはありません。自然界では、農作物や庭木に付く毛虫やイモムシを食べたり、花粉を媒介するなど、益虫として役立っています。」と書いています。

横浜市泉区も「アシナガバチも庭木のイモ虫を食べるなど、ある面では益虫です。」としています。堺市は見出しに「アシナガバチは益虫でもあります。ご理解を!」と掲げています。
駆除の現場でも、取らなくてよい巣は取らなくてかまいません。巣が1つ残っているだけで、庭木につく虫が減ります。
ただし、危ないと感じたなら取る側に寄せてください。共存できるかどうかは、次の条件で決まります。
生活動線から離れた場所にある巣は取らなくてよい
人が日常的に通らない場所にある巣は、そのままで問題になりません。
庭の奥の木、建物の裏側、二階の軒下など、近づく用事のない場所が当てはまります。
巣の真下や、蜂が出入りする正面に立ち止まらないでください。アシナガバチは巣を刺激しなければ襲ってきません。離れた場所を通るだけなら、刺激する場面そのものが起きません。
そのままにすると決めたら、その場所で草刈りや洗車、窓の掃除をしないでください。振動と音が刺激になります。雨戸や窓を頻繁に開け閉めする場所も、同じように刺激になります。
玄関や洗濯物を干す場所にある巣は取る
横浜市泉区は「通路や出入り口の付近など、生活に支障のある場所に巣ができた場合には、なるべく早いうちに駆除を行った方がよいでしょう。」と書いています。
当てはまるのは、玄関まわり、門扉、ベランダの洗濯物を干す位置、勝手口、駐輪場、子どもが遊ぶ庭先です。
毎日その下を通るなら、いつか刺激します。洗濯物を取り込むときに手が当たる、自転車を出すときに体が触れる、といった場面は避けられません。
この場合は早いうちに取ってください。巣が小さいうちのほうが、蜂の数が少なく、作業も楽になります。
蜂に刺されて具合が悪くなったことがある人がいる家では取る
過去に蜂に刺されて、じんましんが出た、気分が悪くなった、息が苦しくなったことがある人が同居しているなら、場所にかかわらず取ってください。
2回目以降は症状が重く出ることがあります。ご自身で作業するのもやめてください。
小さなお子さんや、蜂を避けられないご高齢の方がいる場合も、取る側で考えてください。
刺されたときの手当てはハチに刺されたら?症状と対処法にまとめています。
自分で取ってよいのは4つの条件を満たすときだけ
取ると決めた場合、自分でやるか頼むかを次に決めます。
自分で取ってよいのは、蜂の種類・巣の大きさ・巣の高さ・巣の場所の4つが条件を満たすときだけです。アシナガバチであることは1つ目を満たしていますが、残りの3つも見てください。
脚立やはしごに乗らないと届かない巣は、自分で取らないでください。とくに暗い時間帯や一人での作業は、落下による大けがの危険が高くなります。
条件と、当日の道具や手順は蜂の巣は自分で駆除できる?大きさと高さで決まる条件と安全な手順にまとめています。京都市も「駆除は夕方~夜間に行う。(働き蜂が巣に戻ってきている時間帯に行うため)」としており、昼間の作業はすすめられていません。これは手の届く高さの巣に限った話です。脚立が必要な巣は、夜であっても自分で取らないでください。
取ったあと同じ場所に作らせない工夫は蜂を寄せ付けない方法10選に、春先に女王蜂を捕らえる方法は罠でハチに巣を作らせない!ペットボトルトラップにまとめています。
アシナガバチの巣の駆除を頼むといくらかかるのか

頼み先は2つあります。業者と、お住まいの市役所です。かかる費用はそれぞれ違います。
アシナガバチの巣の駆除を業者に頼んだ場合の一般的な費用相場は、小さな巣なら数千円から、条件が重なると1万円から3万円ほどです。高いところの作業や、屋根裏・壁の中といった閉じた場所の作業が加わると、さらに上がることがあります。
業者に頼んだアシナガバチの巣の駆除249件では中央値が22,000円だった
猿太郎が2020年から2024年に受け付け、実際に作業を行ったアシナガバチの巣の駆除249件では、金額の中央値は22,000円でした。
この249件のうち、真ん中の半分は15,400円から31,350円に収まっています。いちばん安かった1件は4,400円、いちばん高かった1件は115,500円でした。どちらも249件のうちの1件で、多くは真ん中の半分の範囲に入ります。
この249件は2020年から2024年に受け付けたもので、いまの相場ではなく、その期間の実績です。巣の大きさ、高さ、場所によって金額は動きます。
蜂の巣の駆除の費用の全体像はその蜂の巣駆除の料金は妥当?実際に行った426件の実績から解説にまとめています。
市役所に頼めば無料になる市もある
市役所の対応は市によって分かれます。
京都市は「本市では、アシナガバチの巣の駆除は行っておりません。」と書いています。堺市も「市では原則としてハチの駆除は行っておらず、駆除の必要がある場合は巣がある場所の管理者が対処することになります。」としています。
一方で、横浜市泉区は「高いところにできた巣を駆除するときに便利な器具を無料で貸し出しています。」と書いています。駆除はしないが、道具は貸すという形です。
猿太郎が8つの市の公式ページを確認したところ、市の対応は4つのタイプに分かれました。危険な種だけ駆除するタイプ、道具を貸すタイプ、業者の紹介や助言だけのタイプ、公共の場所だけ対応するタイプです。
このうち注意が必要なのは1つ目です。市が駆除してくれる場合でも、対象がスズメバチだけということがあります。アシナガバチは対象外というケースは珍しくありません。問い合わせるときは、蜂の種類を先に伝えてください。
お住まいの市がどの形かは、調べてから決めてください。5つの市を実際に調べた結果と調べ方を蜂の巣駆除は市役所で無料?5市を調べた結果と対象外だった場合の費用にまとめています。
アシナガバチの巣についてのよくある質問
アシナガバチの巣をほっといても大丈夫ですか
生活動線から離れた場所にあり、刺されて具合が悪くなったことがある人が同居していなければ、そのままで問題になりません。アシナガバチは巣を刺激しなければ襲ってきません。秋の終わりには巣が空になり、翌年に同じ巣が使われることもありません。玄関や洗濯物を干す場所の近くにある場合は、早いうちに取ってください。
アシナガバチの巣は危険ですか
巣を刺激しなければ、人を襲ってくる蜂ではありません。京都市は「お尻に毒針を持ちますが、巣を刺激したり、直接触らない限り刺してくることはありません。」と書いています。ただし毒針は持っているので、刺されれば痛みと腫れが出ます。程度には個人差があります。危ないのは巣そのものではなく、巣に近づく場面です。巣の真下に立つ、棒でつつく、巣の近くで草刈りや高圧洗浄をする、といった行動を避けてください。
アシナガバチの巣を駆除しないとどうなりますか
その年のうちは巣が大きくなり続け、7月下旬から8月中旬に蜂の数がいちばん多くなります。人が近づかない場所なら、そのまま秋を迎えて空になります。近づく場所にある場合は、蜂の数が増えるぶん刺される場面が増えます。取ると決めているなら、巣が小さいうちのほうが作業は楽です。
まとめ|アシナガバチの巣は場所と時期で取るかどうかが決まる
下から見て六角形の穴がたくさん並んでいたら、アシナガバチの巣です。外側が殻に覆われて穴が1つしかない巣はスズメバチのもので、扱いが変わります。
- 巣ができるのは軒下や庭木など雨の当たらない場所ですが、室外機の中や換気扇のフードの中にもできます
- 閉じた場所にできた巣は、自分で取る対象から外してください
- 蜂は見えるのに巣が見つからないときは、離れた場所から飛んでいく方向を目で追ってください
- 4月から6月は女王蜂が1匹、7月下旬から8月中旬に蜂の数がいちばん多くなります
- 10月中旬以降に見つけた巣は、間もなく蜂がいなくなります
取るかどうかは、巣の大きさではなく、巣の場所と住んでいる人で決まります。生活動線から離れているなら取らなくてかまいません。玄関や洗濯物を干す場所の近くにあるなら、早いうちに取ってください。刺されて具合が悪くなったことがある人が同居している場合は、場所にかかわらず取る側で考えてください。
頼む場合、業者に依頼した猿太郎の実績249件では中央値22,000円でした。市役所が器具を貸す市もあります。どちらにするかを決める前に、お住まいの市の制度を調べてみてください。




