スズメバチの女王蜂はいつ出る?大きさで見分ける方法と春にすること
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庭やベランダで、いつもより大きなスズメバチが1匹だけ飛んでいた。そんな場面でこの記事にたどり着いた方が多いと思います。
先に結論を書きます。春に1匹で飛んでいるスズメバチは、巣を作る場所を探している女王蜂の可能性があります。秋に1匹で飛んでいる場合は意味が変わり、どこかにできた巣から来た働き蜂と考えるほうが自然です。
この記事では、女王蜂を見かける時期、働き蜂との見分け方、1匹だけ見かけたときの意味、そしてペットボトルトラップを仕掛けてよい時期をまとめます。
いま9月にトラップを仕掛けようとしている方は、「ペットボトルトラップはいつ仕掛けるのか」を先にお読みください。東大阪市や山口市などの自治体は、6月以降の設置をやめるよう呼びかけています。
- ✓女王蜂を見かける時期と、その意味
- ✓女王蜂と働き蜂を大きさで見分けられるか
- ✓1匹だけ見かけたときに巣があるかどうか
- ✓トラップを仕掛けてよい時期
目次
スズメバチの女王蜂はいつ見かけるのか
スズメバチは1年で世代が入れ替わります。時期が分かると、目の前の1匹が何をしているところなのかも見当がつきます。

写真は、猿太郎が伺った現場で撮ったものです。作りかけの小さな巣に、蜂が1匹だけいます。周りに他の蜂がいないことが、春の見え方です。
女王蜂が巣を作るのは3月から5月ごろ
冬を越した女王蜂は、春になると活動を始めます。山口市は「越冬を終えた女王蜂が巣を作るのは、3月から5月頃です。」と書いています(出典:山口市 環境衛生課「ペットボトルトラップで、スズメバチの営巣を予防しましょう」2023年3月1日更新)。東大阪市も「4月から5月にかけて、女王バチが1匹で巣作りのために庭木や植栽などに飛来します。」としています(出典:東大阪市健康部保健所 環境薬務課「スズメバチに巣を作られないために」2023年3月16日更新)。
この時期の女王蜂は、働き蜂を連れていません。1匹で場所を探し、1匹で巣を作り、卵を産みます。幼虫の世話も女王蜂がします。
そのため、春に見かける蜂は「群れていない」ことが特徴になります。何匹も飛び交っている場合は、女王蜂ではなく別の蜂を見ている可能性があります。
猿太郎が春に伺う現場では、巣を作る場所を探している蜂が、同じ場所を何度も往復していることがあります。軒下、換気口のまわり、物置の中、庭木の茂みなど、雨が当たらず風の当たりにくい場所が候補になります。ご自宅でそうした場所を蜂が繰り返し出入りしているようなら、時期とあわせて見てください。
6月以降に飛んでいるのは働き蜂
最初の幼虫が育って働き蜂になると、外に出るのは働き蜂の役目になります。女王蜂は巣の中で産卵を続けます。
夏から秋にかけて庭で見かける蜂は、どこかにできた巣から来ていると考えるほうが自然です。
この違いは、対応の仕方を大きく変えます。春であれば、巣がまだ無いか小さい段階なので、選べる手が多く残っています。夏以降は、すでにある巣をどうするかという話になります。同じ「蜂を1匹見た」でも、そこから先が別の話になるということです。
活動時期の全体像はスズメバチの活動時期と駆除依頼が集中する月にまとめています。
秋に生まれる新女王は巣を作らない
秋にも女王蜂は現れます。ただし春の女王蜂とは役目が違います。
秋になると、その年の巣で新しい女王蜂と雄蜂が育ちます。新女王は交尾を終えると越冬に入り、翌年の春に初めて巣を作ります。秋に大きな蜂を見かけても、それは新しい巣の始まりではありません。
一方、この時期の巣は1年でいちばん大きく育っています。紀の川市の資料は、キイロスズメバチについて「大きな巣では 700〜1000 頭の規模になるものもあります。」と書いています(出典:和歌山県紀の川市「ハチの種類」)。秋に蜂が増えたと感じる場合、近くの巣がその規模になっている可能性があります。
女王蜂と働き蜂を大きさで見分けられるのか
「女王蜂は大きい」とよく言われます。ここは数値で確かめます。
1つの種類の中では女王蜂のほうが大きい
紀の川市が公開している資料は、オオスズメバチの体長を「女王蜂 40〜45mm 働き蜂 27〜40mm」と記載しています(出典:同上)。同じ資料に載っている他の種類も合わせると、次のようになります。
| 種類 | 女王蜂 | 働き蜂 |
|---|---|---|
| オオスズメバチ | 40〜45mm | 27〜40mm |
| キイロスズメバチ | 25〜28mm | 17〜24mm |
| コガタスズメバチ | 25〜30mm | 22〜28mm |
| モンスズメバチ | 28〜30mm | 21〜28mm |
| チャイロスズメバチ | 約30mm | 約22mm |
同じ種類のなかで比べれば、女王蜂のほうが大きい傾向があります。
種類が違うと大きさは逆転する
ところが、種類をまたいで比べると話が変わります。
キイロスズメバチの女王蜂は25〜28mm、オオスズメバチの働き蜂は27〜40mmです。上の表のとおり、キイロスズメバチの女王蜂のほうが小さくなります。
つまり「大きいから女王蜂」とは言えません。目の前の1匹が大きく見えても、別の種類の働き蜂ということがあります。見分けるときは、大きさより先に種類を見てください。

スズメバチは1種類ではありません。色と腹の模様が種類ごとに違います。この写真は縮尺をそろえて撮ったものではないので、大きさの比較には使えません。種類ごとの特徴は蜂の種類の見分け方にまとめています。
そのうえで、時期を手がかりにすると判断しやすくなります。3月から5月に1匹で飛んでいれば女王蜂、6月以降なら働き蜂、という分け方です。大きさは見る角度や距離で印象が変わりますが、時期は変わりません。
なお、体の大きさを近くで確かめようとすると、それだけ蜂に近づくことになります。紀の川市はオオスズメバチについて「個人での駆除は絶対に行わず、専門の駆除業者に依頼してください。」と書いています(出典:同上)。見分けのために距離を詰めるのは避けてください。
どうしても種類を確かめたい場合、猿太郎がお客さまにお願いしているのは、写真を撮って後から見ていただくことです。近づかずに撮り、拡大して色と模様を見ます。ピントが合わなくても、体の色の並び方が分かれば手がかりになります。窓の内側から撮れる位置であれば、そのほうが安全です。
スズメバチが1匹だけいたら巣はあるのか
検索でもよく聞かれる問いです。答えは季節で変わります。同じ「1匹だけ」でも、春と秋では意味が逆になります。
春の1匹は巣を探している女王蜂
春に飛んでいる1匹は、これから巣を作る場所を探している段階です。まだ巣はできていないか、できていても作りかけです。飛んでいく先は、庭木や植栽のような場所になります。
このときにできる巣は、まだ小さいものです。

写真はコガタスズメバチの初期の巣です。とっくりを逆さにしたような形で、下に細い出入口が伸びています。近くに巣が無いか見るときは、軒下や換気口、物置の中など、雨が当たらない場所を離れた位置から見てください。手が届く高さにあっても、触らないでください。
作りかけの巣の見分け方は作り始めの蜂の巣は取っていい?にまとめています。
秋の1匹は巣から来た働き蜂
6月以降に外を飛ぶのは働き蜂です。働き蜂は巣から餌を探しに出てきます。
つまり秋に1匹見かけたなら、その周辺に巣がある可能性を考えたほうがよいということになります。1匹だけだから大丈夫、とは言えません。
同じ場所で何度も見かける、決まった方向へ飛んでいく、といった様子があれば、その先に巣がある可能性が上がります。飛んでいく方向を離れた場所から見ておくと、あとで相談するときの手がかりになります。追いかける必要はありません。
巣の場所や形の見分け方は蜂の巣の種類と見分け方にまとめています。
女王蜂は人を刺すのか
女王蜂も雌の蜂なので、針を持ちます。刺すかどうかは、置かれている状況で変わります。
春の女王蜂は1匹で行動している
スズメバチが危険とされるのは、巣に近づいた相手を多数の働き蜂が攻撃してくることがあるためです。春の段階では、その働き蜂がいません。
ただし、これは「刺されない」という意味ではありません。手で払ったり、作りかけの巣に触れたりすれば刺される可能性があります。女王蜂の毒が弱いという記載も、こちらが確認した資料にはありませんでした。
刺されたときにすること
刺されたら、まずその場を離れてください。豊島区は応急処置の1番目として「その場から身を低くして離れる。ハチが興奮すると攻撃する仲間が増えます。できる限りその場から離れましょう。」と示しています(出典:豊島区 生活衛生課環境衛生グループ「ハチに刺されたときの応急処置」2024年1月5日更新)。
離れたあとの手当てについて、同じ資料は「傷口を強くしぼりながら水で良く洗う。」「傷口を水で冷やす。」と続けています。手当てをしたあとは、医療機関を受診してください。
すぐに救急車を呼ぶ目安も、同じ資料に示されています。「発疹、吐き気、呼吸困難などの症状が出た場合や数十分以内に症状が出た場合」です。また「以前にハチに刺され、発疹や吐き気などの症状が出たかたが、再度刺された場合はショック症状を起こす可能性があるため緊急を要します。」とも書かれています。
症状が出たときの詳しい対応はハチに刺されたらにまとめています。
春に女王蜂を駆除すると何が変わるのか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
なお、市販の殺虫剤を自分でかけることを考えている方もいると思います。紀の川市も神奈川県ペストコントロール協会も、駆除は専門の業者に依頼するようすすめています。とくに秋は、1匹見かけて殺虫剤をかけると、近くの巣にいる働き蜂を刺激するおそれがあります。
巣が一つできずに済む
春の女王蜂について、山口市はこう書いています。
「この時期に女王蜂を駆除することは、蜂の巣を一つ除去することと同じ効果があります。」
(出典:山口市 環境衛生課「ペットボトルトラップで、スズメバチの営巣を予防しましょう」2023年3月1日更新)
春の女王蜂1匹は、そのまま放っておけば1つの巣になります。その1匹に対処すれば、夏に巣ができることそのものが起きません。
働き蜂が増えてからでは費用も危険も上がる
夏から秋にかけて、巣の中の働き蜂は増えていきます。先ほどの700〜1000頭という規模は、春の1匹とはまったく別の相手です。
紀の川市はオオスズメバチについて、威嚇性・攻撃性・毒性が非常に強いこと、巣が地中など見つけにくい場所にあることを挙げ、駆除には専門的な経験が必要だとしています。
猿太郎が実際に伺う現場でも、春の1匹と、働き蜂が数百匹いる巣とでは、作業の危険も手間も変わります。巣が大きくなるほど、防護の準備も、作業にかかる時間も増えます。高い場所や壁の中にできていれば、そこへ届く手立ても要ります。
駆除の料金の目安は蜂の巣駆除の料金にまとめています。
ただ、春に女王蜂を1匹見かけたからといって、すぐにご依頼いただく必要はありません。巣ができていないなら、様子を見る場面もあります。作りかけの巣が見つかった、人の出入りする場所にできている、といったときにご相談ください。
ペットボトルトラップはいつ仕掛けるのか
女王蜂を捕らえるトラップは、自治体も作り方を公開しています。ただし仕掛けてよい時期が決まっています。
設置する場所にも注意が要ります。東大阪市は、人が通らない場所、子どもの手が届かない場所を選ぶよう書いています。トラップは蜂をおびき寄せるものだからです。
仕掛けてよいのは3月下旬から5月下旬まで
東大阪市は、3月下旬から5月下旬ころまで、庭木など家の周囲の樹木につりさげるとしています。女王蜂をおびき寄せて捕まえることで、家の周りに巣を作らせない効果が期待できるという説明です。
つるす場所と入れ替えについて、東大阪市は「高さ2mくらいで、直射日光の当たらない場所に仕掛けましょう。」「軒下やベランダなど建物に近い場所ではあまり捕獲できません。」「週に1回くらい新しいものに交換すると効果的です。」と書いています(出典:東大阪市健康部保健所 環境薬務課「スズメバチに巣を作られないために」2023年3月16日更新)。

写真のように、庭木の枝につるします。ただし、この形で置いてよいのは5月下旬までです。6月以降は、次の見出しのとおり逆に働きます。
作り方そのものは、お住まいの自治体のページに載っていることがあります。この記事では作り方を詳しく書きません。いまは仕掛ける時期ではないためです。
6月以降に置いたままだと働き蜂を呼ぶ
この記事を読んでいる時期によっては、トラップを仕掛けてはいけません。
東大阪市は、はっきりこう書いています。
「特に6月以降は女王バチに代わり働きバチが飛んでくるようになり、かえってスズメバチをおびき寄せてしまい刺される危険があります。6月以降のトラップの設置はやめましょう。」
(出典:同上)
山口市も、6月以降にトラップを設置したままだと働き蜂を呼び寄せることになるとして、「安全のためトラップを撤去しましょう。」と書いています(出典:山口市 環境衛生課「ペットボトルトラップで、スズメバチの営巣を予防しましょう」)。
2つの自治体が、別々の資料で同じことを呼びかけています。春に仕掛けたトラップが残っている場合は、撤去してください。
設置と撤去は夜か早朝にする
東大阪市は、設置は蜂の活動していない夜または早朝に行うようすすめています。撤去するときも同じ考え方になります。日中は蜂が飛んでいるためです。
死んだ蜂でも針には毒が残ります。素手で触らないでください。
秋にこの記事を読んでいる方に、あらためて2点だけ書きます。いま新しくトラップを仕掛けないでください。春に仕掛けたものが残っているなら、夜か早朝に撤去してください。そのうえで、蜂が集まっている場所には近づかないでください。
女王蜂がいなくなった巣はどうなるのか
女王蜂を駆除すれば巣も終わる、と考えたくなります。ただ実際には、そのあとの経過が2通りに分かれます。別の蜂に使われる場合と、そのまま空になる場合です。
巣を乗っ取る種類がいる
チャイロスズメバチという種類は、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣に侵入し、その女王蜂を殺して巣を乗っ取ります。紀の川市の資料は、これを社会寄生性の蜂と説明しています。
乗っ取られた巣を外から見分けられるかどうかについては、こちらが確認した資料に記載がありませんでした。巣が残っている間は、中に蜂がいるものとして近づかないでください。
使い終わった巣は翌年に使われない
一方、秋に役目を終えた巣は、翌年に使い回されません。新女王が交尾を終えると、その巣の蜂は死んでしまいます。
山口市は、この点について「スズメバチは同じ巣を翌年に使うことはありませんので、何もしなくて大丈夫です。」と書いています(出典:同上)。冬に巣が残っていても、あわてて取る必要はありません。
とはいえ、その巣が本当に空になっているかどうかは、外から見ただけでは分かりません。確かめるために近づくのは避けてください。見た目が気になる場合や、人の通る場所にある場合は、春になる前にご相談いただければ安全に外せます。
スズメバチの女王蜂についてよくある質問
寿命はどれくらいですか
女王蜂の寿命そのものを示した公的機関の資料は、こちらでは確認できませんでした。
分かっているのは1年の流れです。秋に生まれた新女王が越冬し、春に巣を作り、その秋に次の世代へ入れ替わります。この流れから、1匹の女王蜂が生きるのはおよそ1年の周期になります。
女王蜂はどうやって決まりますか
新しい女王蜂がどのように決まるのかを説明した公的機関の資料は、こちらでは確認できませんでした。
分かっているのは、秋に雄蜂が増え、同じ時期に新女王が育つということまでです。どういう仕組みで新女王が生まれるのかについては、資料が見つかりませんでした。分かっていないことを推測で書くと、読んだ方の判断を誤らせます。確かめられた範囲だけを書いています。
まとめ|春に1匹で飛んでいるスズメバチは女王蜂の可能性がある
この記事の内容をまとめます。
- 女王蜂が巣を作るのは3月から5月ごろで、6月以降に外を飛ぶのは働き蜂です
- 同じ種類なら女王蜂のほうが大きいものの、種類が違うと大きさは逆転します
- 春の1匹はこれから巣を作る女王蜂、秋の1匹はどこかの巣から来た働き蜂と考えられます
- 春に女王蜂に対処すれば、山口市の資料では巣を一つ除去したのと同じ効果とされています
- ペットボトルトラップを仕掛けてよいのは3月下旬から5月下旬までで、6月以降の設置は自治体がやめるよう呼びかけています
春に大きな蜂を1匹だけ見かけたら、それは巣ができる前の合図かもしれません。ただ、種類が分からないまま近づくのは危険です。
作りかけの巣がある、どこに巣があるか分からない、写真を見ても種類が判断できない。そうした場合は、無理をせずご相談ください。




