鍵交換や鍵開けに火災保険は使える?利用方法や注意点を解説!

この記事でわかること
- 火災保険が補償する鍵トラブル
- 火災保険を使って鍵トラブルを解消した例
- 火災保険を使うとどれくらい安くなるのか
- 事故発生からの連絡方法
- 火災保険を利用するときの注意点
- 鍵トラブルに対応している火災保険
記事監修者

「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
「鍵をなくした!」
「玄関の鍵が開かない!」
――そんな突然の鍵トラブルで気になるのが費用負担です。
巷では鍵の紛失やイタズラによる被害に「火災保険が使える」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
この記事では、火災保険で補償される鍵トラブルとされないトラブルの違い、請求手続きの流れ、注意したいポイントをわかりやすく解説します。
防犯対策のために玄関や勝手口の鍵を交換したい、どういう鍵にすればいいのか相談したい、という方はぜひ鍵猿にご相談ください。最近は物騒な強盗事件などが続き、鍵交換のご依頼が増えています。経験豊富なスタッフがご要望にあう鍵をご提案します。

目次
そもそも火災保険とは?

火災保険は、火災や風災による住宅とその住宅内の財産の損害を補償してくれる保険で、損害保険の一種です。
多くの方は持ち家を購入する際に住宅ローンを組むと思いますが、その時に加入しなくてはならない保険でもあります。
また、賃貸住宅で生活を始める際も、賃貸借契約書に加入が必須であることが明記されていたり、不動産会社がお勧めするものに加入しなくてはならなかったりしますよね。
日本は古くから「失火者は罰しない」という、現在我々が「失火責任法」として知る法理を実践してきました。日本には木造住宅が多いため、延焼が広範囲にまで広がりやすく、拡大した損害の責を問うのは酷だ、という考えが背景にあると言われています。
出火元となってしまっても「重大な過失」がない限り刑事罰に問われることはありませんし、損害賠償も免責される、という法律ですが、延焼を受けた側は逆に出火元から損害賠償を受けることも請求することもできず、一方的に被害に遭うという形になります。
そういった(もともとは)不可抗力的に被った火災の損害を補うためにも必要なのが火災保険です。
最近では火災だけでなく落雷、爆発、風・ひょう・雪災による損害、さらに外部からの物体の落下や衝突、給排水設備事故による水濡れ、騒擾(そうじょう)、盗難、水災による損害まで対象に含める商品も多く、地震をのぞく「様々な災害による損害」に備えるための保険、と言えるでしょう。
この火災保険は保険の対象が「建物」と「家財」になっており、基本的に動産が対象です。土地のような不動産は対象に含まれません。
持ち家(専用住宅)のために加入する際、保険の対象を建物だけにするか、建物と家財を合わせるかを決められますが、「建物のみ」は可能でも「家財だけ」の保険には加入できません。
賃貸住宅の場合、建物は大家さんのものですので保険の対象ではなく、「家財」と「借家人賠償責任保険」などがセットになったものが殆どです。
火災保険で適応される鍵トラブルとは?

結論から言えば、火災保険で鍵トラブルが補償される場面はかなり限られています。特に、
- 経年劣化で鍵が回らなくなった
- うっかり子鍵を紛失した
- 鍵の機能に問題はないがノブに錆や傷がある
といった理由で鍵交換をしたり、修理をしたからといって、費用が補償されることはありません。
ただし空き巣によって玄関錠が壊された、というように盗難の際に生じた損傷であれば補償の対象になります。また、鍵の紛失が盗難によるものである場合、保険につけている特約によっては補償されることがあります。詳しく見ていきましょう。
鍵紛失による鍵交換や鍵開け

鍵の紛失や置き忘れは「通常予測できない損害」に該当しないうえ、故意でないことを証明するのが難しいということもあって、多くの保険商品で「保険金をお支払いしない場合」のひとつとなっています。唯一、紛失を補償してくれそうな携行品損害保険でも「対象外」とされていますから、紛失や置き忘れは保険という仕組みでは対応しにくい過失と言えます。
紛失による鍵交換や鍵開けの費用補償はありませんが、そのかわり殆どの火災保険には加入者へのサービスとしてライフサポートサービス、いわゆる鍵・水回りなどのトラブルにすぐに対応してくれる「駆けつけサービス」が付随しており、30分程度の作業を無料で受けられます。
賃貸物件の場合は、火災保険とは別に不動産会社の24時間サポートもあり、そちらを使用するように説明を受けている人も多いかと思いますが、火災保険の方にも無料で受けられる解錠サービスがついているかもしれません。よく確認しておきましょう。
鍵盗難による鍵交換や鍵開け

鍵が盗まれた場合は事情が大きく異なります。多くの火災保険では「盗難」による損害を家財補償の一部として扱いますし、泥棒に入られることは不測の事故と判断されます。
空き巣などによって住居の安全確保に必要な錠前を破壊されたり、鍵を使えないようにされた場合、住人は鍵交換をするしかありません。そのような理不尽な支出については、加入している火災保険で補償して貰えるのか、特約などを確認しておくと良いでしょう。
また、再発防止のために防犯性の高い鍵に交換したなど、何らかの対応をしている場合は、交換費用を補償してもらえることもあります。
盗難やイタズラによる鍵交換が補償される特約が専用住宅・賃貸ともにいくつかありますので、その一部をご紹介します。
■ドアロック交換費用保険金特約
火災保険にオプションでつけられる特約はいくつかありますが、なかでも「ドアロック交換費用保険金特約」は建物の玄関の子鍵を盗まれた場合、鍵交換に支払った費用を補償してくれます。他にも、
- ピッキングにより解錠された場合
- 接着剤を詰めるなどのいたずらによりシリンダーが破損した場合
に支払った鍵交換費用も補償する、としているところもあります。多くの保険会社では後述します「ピッキング再発防止費用特約」とワンセットになっており、ドアロック交換費用保険で鍵穴を交換し、ピッキング防止費用特約で防犯カメラなどを設置する、といった流れで利用可能です。
■ピッキング再発防止費用保険金
ピッキングやいたずらで接着剤が注入されたことにより「ドアロック交換費用保険金」が支払われるときに、防犯装置設置費用を補償してくれます。「防犯装置」は、耐ピッキング性能が高いディンプル錠、イタズラの抑止や証拠収集に設置する防犯カメラなどを指します。
■防犯対策費用特約
事故再発防止等費用特約などの名称もある特約で、建物の保険に自動的に付随することが多いようです。犯罪行為が発生した際に、
- 再発防止のために支払った建物の改造費用(補助錠の追加など)
- 再発防止のために支出した防犯機器等の設置費用(防犯カメラ、センサーアラームの設置など)
- ドアの鍵が盗難に遭った場合に要したドアの錠の交換費用(CP認定錠への交換など)
を補償してくれます。一回の事故につき上限額が決まっていることが殆どです。
▼関連ページ ▼関連ページ■修理費用保険金
賃貸向けの保険に含まれていることが多いもので、借りている物件のドアや窓ガラスを賃貸借契約に基づき、借り主が修理した際の修理費用を補償してくれるものです。これは大家さんへの賠償責任がない場合のみ、という条件がありますが、例えばイタズラで接着剤を鍵穴に詰められたので、自費で鍵交換をした、といった場合に鍵交換に支払った修理費を補償してくれます。
盗難の際も同様で、賃貸の場合、賃貸借契約の取り決めで壊された鍵の交換費用は借り主負担になることが多いですが、鍵交換のために支出した金額を補償してくれます。
火災保険を使って鍵トラブルを解決した事例
事例1:施錠できないので修理でダメならシリンダーを交換してほしい

■ご依頼内容
鍵の抜き差しができず、施錠ができない、というお客様からご依頼がありました。保険会社から修理までとのことですが、修理でなおらないなら交換をお願いします、とのことです。
「今は家に一人必ずいないと誰も外出できない状況なのでエントランスとは違う鍵でもいいです」とおっしゃっていました。
■施工内容
結局、保険適用範囲での修理を行いましたがやはり直らず、お客様は強く交換を希望されていたため、エントランスとは違う鍵を二本持ちしていただくことになりました。
確かに、明日からはお子様も学校が始まるうえ、御夫婦とも共働きとなると鍵のトラブルは解決しておかなくてはなりません。
作業内容 | 料金 |
鍵交換(2箇所) | 22,000円 |
部品代(美和ロック PR PG同一) | 31,900円 |
合計 | 53,900円 |
事例2:鍵穴にイタズラされたので上下どちらもシリンダー交換

■ご依頼内容
鍵穴にボンドのようなものを詰められたため、見に来てほしいというご依頼です。実際に見てみると上下ともに明らかに何かが詰められている状態です。
■施工内容
セメダインなら黄色っぽく固まるのに対して、無色透明なので、木工用ボンドの可能性があると説明しました。お客様は既に警察に通報し、被害届を出しているとのことでした。
ツーロックシリンダーのブラウン色で同一のものを使用されており、上下ともに交換して欲しいとのことです。保険会社からいくらか補償されるようです。こんな時の保険会社だなぁと思いました。
作業内容 | 料金 |
---|---|
鍵交換 | 11,000円 |
部品代(GOAL CT-5 CHA) | 8,800円 |
錠前交換 | 16,500円 |
部品代(GOAL V18 AD) | 22,000円 |
合計 | 58,300円 |
事例3:最後の子鍵をなくしたので玄関解錠後にシリンダー交換

■ご依頼内容
保険会社経由で玄関解錠のご依頼です。
■施工内容
ドアスコープが正面から取り外せないタイプなので、ドアスコープは破壊して後ほど交換することになりました。
解錠後に最後の一本となった玄関のスペアキーを探しましたが見つからなかったため、シリンダーの交換もさせて頂きました。
交換は保険適用外なのでお客様負担になります。
お客様には、交換もその日のうちに対応して貰えて助かったというお言葉を頂きました。
我々は鍵トラブルを迅速に解決することがモットーですので、基本的に鍵に関するすべてのサービスはその場で対応可能です。ぜひご相談ください。
作業内容 | 料金 |
玄関解錠(防犯サムターン) | 29800円(保険会社負担) |
ドアスコープ破壊・交換 | 3,300円(保険会社負担) |
シリンダー交換 | 11,000円 |
部品代(美和ロックPRシリンダー) | 19,800円 |
合計 | 63,900円(うち自己負担30,800円) |
火災保険を利用することで費用はどれくらい安くなる?
火災保険が提供している緊急の駆けつけサービスでは主に鍵開け(解錠)や、応急的な修理のみが無料になります。鍵屋の料金表を見ている限りでは、鍵開けや修理の料金はあまりコストがかからないように見えるかもしれませんが、昨今の玄関ドアの仕様を考えると実情はそうでもないのです。
鍵開け(解錠)の場合
最近ではワンドアツーロック(1つのドアに2つの錠)になっている玄関が多く、そういったドアの室内側は防犯サムターンがついていることが殆どで、解錠料金がかなり高額になっています。

弊社を例にしますと、防犯サムターン解錠は1箇所25,300円なので2箇所なら50,600円必要になります。これが無料になると、かなり大きいですよね。
作業内容 | 料金 |
通常サムターン解錠 | 19,800円 |
防犯サムターン解錠 | 25,300円 |
故障・不具合 | 16,500円 |
特殊錠 | 22,000円 |
ですので、鍵をなくしたといった理由で鍵を開けて貰う必要がある場合は、火災保険の駆けつけサービスを使うとお得ということになります。
鍵交換(自己負担)の場合
子鍵を紛失し、スペアキーもないので鍵交換が必要になると、鍵交換費用は自己負担になります。鍵交換はディンプルキーへの交換であれば、よほど高額なシリンダーを選ばない限り、相場は3万円ほどです。ただ、ここで覚えておいて頂きたいのは鍵を交換するためにはドアが開いている必要がある、ということです。
作業内容 | 料金 |
サムターン解錠 | 19,800~25,300円(保険会社負担) |
鍵交換 | 11,000円(自己負担 / 保険会社負担) |
部品代 | 9,900~33,000円(自己負担) |
鍵が開かない状態になっている場合は、まず保険会社の駆けつけサービスに鍵開けをして貰い、そのあと自己負担で鍵を交換して貰うのが無難でしょう。
東京海上日動の駆けつけサービスのように鍵開けだけでなく、鍵交換の作業料金だけ負担してくれるというところもあります。この場合はだいたい相場で8,000〜15,000円(税抜)ほどが無料になります。
鍵交換の作業料金まで負担して貰える場合は、シリンダーの部品代だけを負担すれば良いので、安価なものであれば9,000円(税抜)くらいから交換できる、ということになります。
■鍵交換(盗難・イタズラ)の場合
盗難で鍵が壊された、或いは子鍵が盗まれた、といった場合の鍵交換料金は、先述したようにだいたい3万円ほどが相場です。
鍵交換 | 11,000円 |
部品代(非登録制ディンプルキーシリンダー) | 19,800円 |
計 | 30,800円 |
2ロックの場合は単純に2倍の金額になりますが、どちらも保険会社が支払ってくれるのであれば、6万円近くが戻ってくることになります。
ただ、再発防止費用特約やドアロック交換費用特約を使おうと考えている場合は要注意です。補償上限が3万円に設定されていることが多いのです(※特に少額短期保険会社)。これは1事件の上限が3万円ですので、ツーロックの場合は半分近くしか負担して貰えないことになります。
賃貸の場合、鍵トラブルが原因の交換や修理費用は借主負担になることも多いため、修理費用補償を使ったほうが良いかもしれません。
このように、保険金が支払われる状況であれば、特に問題なく大幅なコストを肩代わりして貰えるのが火災保険の付帯サービスと補償です。
火災保険を利用して鍵トラブルを解決する手順
火災保険の駆けつけサービスや盗難補償を利用する際は、決められた手順をきちんと踏むことが重要です。焦って自己判断で作業を依頼してしまうと、保険金が支払われないこともあるため、必ず保険会社に連絡を取り、指示に従って対応しましょう。
また、空き巣に入られた、鍵穴に接着剤を入れられた、というような事件・事故が発生した際は、当然ですが保険会社に電話をする前に警察に通報し、被害届などを出しておきましょう。
ここでは、鍵トラブル発生から駆けつけサービスの手配や保険金の受け取りまで、スムーズに進めるための流れをわかりやすく解説します。
※鍵開けを要請する際は、顔と住所が確認できる身分証明書(運転免許証など)が必要になります。身分証明書を提出できない場合は、警察官の立会いが必要になります。
保険会社・専用窓口に連絡する

盗難などによる鍵やドアの損傷といったトラブルが発生したら、まずは加入している火災保険の事故専用電話番号または代理店に速やかに連絡しましょう。
鍵をなくしたなどで鍵開けが必要になったり、鍵の具合が良くない場合も保険会社の窓口(事故サポートセンターまたは取扱代理店)に連絡しますが、駆けつけサービスには駆けつけサービス専用の電話番号が設定されていたりします。事故用窓口に連絡を入れないといけない方は間違わないよう注意して下さい。
保険会社によっては、オンラインの事故受付窓口だけでなく、LINEの事故受付窓口を用意しているところもあります。
保険会社が手配した業者に作業をしてもらう

鍵開けなどを保険会社に連絡すると、提携している鍵の駆けつけサービスの業者を手配してくれます。この場合は、必ず保険会社経由で紹介された業者に作業を依頼して下さい。自己判断で別の業者に依頼すると、自己負担になってしまいます。
作業員が到着したら、トラブルの状況をあらためて説明し、現場を見て見積書を作成して貰います。
不具合が原因で修理に来て貰う場合、修理で直らなければ交換したいかどうかも伝えておくと良いでしょう。自己負担になりますが、しっかりとした鍵屋ならあまり大きなコストがかからないように部品選びをしてくれます。
一方で保険金を貰いたい場合は保険会社の担当者の指示通りにして下さい。必要書類なども送られてくるはずです。
料金が発生したら支払う

駆けつけサービスの作業が完了した時点で、保険会社の負担の範囲なら料金の支払いは発生しません。
鍵開けや修理だけでなく交換が必要になり、自己負担分が発生したら鍵屋がその分の説明をして新しい見積書を作成してくれます。基本的に鍵屋は見積書に同意がないかぎり作業を始めませんので、納得がいかない見積であれば他社と比較することも考えましょう。
鍵交換が終わったら、自己負担分のみ支払って下さい。
作業完了後に保険会社とやり取りする

単に鍵開けサービスを使用しただけなら作業完了後は、特に何もすることはありません。
盗難や汚損で損害が出た方は、保険会社から案内される手順に従い、必要書類を提出します。主に提出が求められるのは、鍵屋の作業内容を示す領収書や明細書、警察への被害届の受理番号などです。
保険会社が内容を審査し、問題がなければ契約内容に応じた金額が保険金として支払われます。審査期間は数日から数週間かかることがあるため、早めの対応を心がけましょう。
鍵トラブルに火災保険を利用するときの注意点
火災保険を使って鍵トラブルに対応できる場合でも、いくつか注意しておかなければならないポイントがあります。特に、ここでは依頼する際に知っておきたい制約や必要な準備、事前に押さえておくべきポイントを解説します。
作業の時間制限がある

保険に付帯する駆けつけサービスや緊急サポートは、作業時間に上限が設定されていることが一般的です。たとえば「30分程度の軽作業は無料」といった条件があり、これを超えた場合は超過分を自己負担することになります。
鍵の種類や損傷の程度によっては時間内に作業が完了しないこともあるため、作業前に作業員から所要時間の目安を聞き、超過料金の有無を必ず確認しておきましょう。
利用の回数制限がある

鍵トラブルに対する駆けつけサービスは、年間に利用できる回数が決まっている場合があります。たとえば「年1回まで無料」「年4回目以降は有料」といった制限が設けられていることが多く、何度も何度も呼んでいると全て自己負担になり想定外の費用がかかることになります。
そもそも鍵トラブルはそう何度も何度も発生するものではないのですが、イタズラによる鍵穴の故障などは繰り返される可能性があります。残り回数を保険会社や提携サービス窓口に必ず確認することが大切です。
作業内容によっては保険適応外になることも

駆けつけサービスは鍵開けや鍵修理などの軽作業がメインですが、保険で補償される作業内容には明確な基準があります。
まず、火災保険の補償ですので先述したように経年劣化が原因の鍵交換は補償されません。防犯強化を目的とした鍵のグレードアップは「保険の対象である建物で犯罪行為が発生した場合に」という条件があります。
要するに「再発防止費用特約」などは再び盗難に遭わないよう、対策をするための鍵交換でなくてはならず、単に予防の意味でのグレードアップは補償されません。
本人の過失による単純な鍵の破損は「破損・汚損損害等保証特約」のような特約を追加していれば補償されるかもしれませんが、紛失や置き忘れ、故意による損傷は補償されません。
補償されるか不明な場合は、申請する前にあらかじめ保険会社に確認しておきましょう。
本人確認書類が必要

保険の鍵開けサービスを利用する際には、原則として本人確認書類の提示が求められます。具体的には、運転免許証やマイナンバーカードといった顔写真付きの身分証明書が必要になることが多いです。
これは、鍵の所有者本人または正当な入居者であることを確認するための措置です。身分証明書にある住所と、鍵開けが必要な建物の住所が違ったり、身分証明書を提示できない場合は警察官の立ち会いが必要になります。
身分証明書の提示を拒否すると基本的にどんな鍵屋も解錠依頼を受けません。これは法律に背いているから、というだけでなく、犯罪に巻き込まれるのを防ぐためです。スムーズに作業を進めるためにも、トラブル発生時にはすぐ提示できるよう身分証明書を手元に用意しておきましょう。
盗難の場合は届け出が必要

盗難による損害を保険で補償してもらうには、警察に被害届を提出し、受理番号を取得する必要があります。
また、盗難やイタズラによる破損があった場合、証拠に写真が必要な場合もありますので、念の為、写真を撮っておくと良いでしょう。
盗難に気づいたら速やかに110番するか最寄りの警察署などと対応してから事故専用窓口に連絡を入れると良いでしょう。
鍵トラブルに対応している火災保険
大手火災保険会社の商品は殆どが駆けつけサービスを提供していますが、特約などには差があります。賃貸向けの商品は安さや、オンラインで完結する簡単さを売りにしていることが多いためか、駆けつけサービスがついていないところもあります。
ここではいくつかの火災保険商品をくらべてみましょう。
■専用住宅向け
専用住宅用は、価格競争に強い補償選択型も増えていますが、再発防止費用特約のような、犯罪が起こったあとの鍵交換や補助錠の設置を補償してくれる特約を用意している大手保険会社がいくつかあります。
- AIG損保
- あいおいニッセイ同和損害保険
- 三井住友海上
- 東京海上日動
- 損保ジャパン
保険会社 | 再発防止費用特約 | ドアロック交換費用特約 | 防犯対策費用特約 ※建物の保険に付随 |
AIG損保 | ◯ | ◯ | - |
あいおいニッセイ同和損害保険 | - | ✕ | ◯ |
三井住友海上 | - | ✕ | ◯ |
東京海上日動 | ◯ | ✕ | - |
損保ジャパン | ◯ | ✕ | - |
共栄火災 | ✕ | ◯ | - |
■賃貸住宅向け
賃貸向けの家財総合保険は少額短期保険会社が販売していることが多く、ネットで完結するものもたくさんあります。
賃貸向けは建物が保険の対象にならないため、鍵に関する特約などはないように見えますが、専用住宅用同様、ドアロック交換費用特約などが選択肢にあることが多いです。
ただ、殆どの賃貸向け家財保険には修理費用補償特約のような、借り主が修繕や鍵交換費用を負担した際に補償してくれる特約があります。
保険会社 | ドアロック交換費用特約 | 修理費用補償特約 |
日新火災 | ◯ | ◯ |
チューリッヒ少額短期保険 | ✕ | ◯ |
アイアル少額短期保険 | ✕ | ◯ |
東京海上ミレア少額短期保険 | ◯ | ◯ |
あそしあ少額短期保険 | ✕ | ◯ |
イオン少額短期保険 | ✕ | ◯ |
鍵開け・鍵交換は鍵猿にお任せください
今回は火災保険を鍵開けや鍵交換で使用できるのか?といった話題について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
子鍵が入った鞄ごと盗難に遭った場合や、空き巣に鍵を壊された場合は、速やかに被害届を出して鍵交換をしなくてはなりません。家にも入れない場合は鍵開けも必要になりますので、急な鍵トラブルでお困りのときはぜひ鍵猿にご相談ください。
火災保険の駆けつけサービスが無償で利用できないとき、「どの業者に依頼すればいいのか」とお悩みの際も気軽にお電話ください。鍵猿では保険会社経由のご依頼もたくさん頂いておりますので、経験豊富なスタッフが難しい鍵でも対応いたします。
また、駆けつけサービスの範囲内では対応して貰えない鍵(電子錠、カードキーなど)の解錠も承っております。急ぎの解錠も24時間対応可能ですので、まずはお電話にてご相談ください。
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