インテグラル錠とは?特徴や自分で交換する方法を画像で解説!

この記事でわかること
- インテグラル錠の特徴
- インテグラル錠と円筒錠の違い
- インテグラル錠を自分で交換する方法
- 必要な工具
- 代替品の選び方
- インテグラル錠の交換手順
- 鍵屋にインテグラル錠の取り付けなどを依頼するメリット
- 鍵屋に依頼したときの費用相場
記事監修者

「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
古い団地やアパート、戸建ての勝手口などによく見かけられるドアノブの中央に鍵穴がついているタイプの鍵をご存知ないでしょうか。
鍵の世界では「インテグラル錠」と呼ばれる錠前で、われわれのような鍵屋や商品を販売する金物屋などでは「玉座(たまざ)」と呼ばれることも多い部品です。見た目はシンプルですが、内部にしっかりとした施錠機構が備わっています。
この記事では、このインテグラル錠の特徴や構造をわかりやすく解説し、ご自身で交換したい方に向けて、交換手順を画像付きで丁寧にご紹介します。
ドアノブ交換は、条件が揃えば簡単にできますが、業者に任せた方が良い場合もあります。それぞれ詳しく説明していきますので、ぜひご一読下さい。
鍵穴を備えたドアノブということで、不具合が出ると鍵穴だけを交換する、というわけにはいかないインテグラル錠の交換を検討している方は鍵猿にご相談ください。緊急の解錠や交換が必要な場合は、できるだけ迅速に駆けつけます。

目次
インテグラル錠とは?

インテグラル錠とは、1955年に美和ロックが開発した「本締付モノロック」に端を発する錠前で、住宅の玄関ドア向けに、防犯性と操作性を両立させる目的で生まれた錠前です。
第二次世界大戦の後、物資不足に悩まされた日本国内では「円筒錠(シリンドリカル・ロック)」が普及しました。円筒錠はその名の通り、錠ケース(扉内部に収められる鍵の本体)が円筒形であるため、丸い穴を開けることができれば専門家でなくても簡単に取り付けができるということで人気でしたが、ラッチボルトしか備えておらず、施錠時にはラッチボルトを突出したまま固定するという形を取っているため、防犯性能が低いのが難点でした。
さらに高度成長期に入り、公団や集合住宅の建設ラッシュで国民が少し豊かになってきた時代においては防犯性能も重視されるようになります。そこで今までは施工や設置が面倒だと考えられてきたケースロック(箱錠)の防犯性能と、ノブ内にシリンダーを有する円筒錠の利便性を合体させたのがインテグラル錠です。
美和ロックでは「HMシリーズ」として展開され、今でもカタログでの記載は「本締付モノロック」のままです。「モノロック」は美和ロックが円筒錠につけた名称なので、「本締付モノロック」とは要するに「デッドボルトがついた円筒錠」という意味になります。
あとに続いたGOALやユーシン・ショウワ(現ミネベア・ショウワ)などでは「インテグラル錠」あるいは「インテグラルロック」、ALPHAでは「Wロック」の名称で展開しています。
インテグラル錠の特徴
インテグラル錠はよくラッチボルトだけでなくデッドボルト(本締)を備えていることが大きな特徴である、とされますが、インテグラル錠特有の要素は3つほどあります。
- シリンダーがノブの中にある「キー・イン・ノブ」で防犯性能の高いシリンダーもある
- 錠ケースはチューブ状ではなく、ケースロックのような箱型か長方形
- デッドボルトを備えているため、狭框タイプなどではラッチとデッドボルトが一体型になったものも存在する
デッドボルトは施錠したときにドアに掘り込まれた錠ケースから突出する「カンヌキ」のことで、ラッチボルトのようにバネの反動で動いたりしないことから「デッド(英語で「不動の」という意)」ボルトと呼ばれるようになりました。
受座(ストライク)に入ったデッドボルトを錠ケースに戻すには、基本的に子鍵(キー)による操作が必要ですので、ラッチの固定による施錠よりも「強固」だと考えられています。室内用のドアノブは緊急時には蹴破るなどして開けることができる、ということを考えると、玄関用の鍵がラッチのみの固定だと心もとないのがよくわかりますよね。
インテグラル錠はその外見から他の握玉ドアノブと区別がつきにくく、よく同じキー・イン・ノブタイプで「親戚」のような円筒錠と間違われます。
しかし扉内部の錠ケースに関してはハンドルとシリンダーを別々に取り付けることができるケースロックに限りなく近く、「個別に設けられたシリンダーがないケースロック」と言うこともできます。
ここでは円筒錠との比較をしながら、インテグラル錠の構造について説明していきます。
▼関連ページよく間違われる円筒錠との違い
インテグラル錠はその「親戚」とも言える円筒錠とよく間違われてしまう錠前ですが、その理由はおそらくどちらも「キーインノブ」タイプで、握り玉の真ん中に鍵穴があるからでしょう。
ただ、インテグラル錠と円筒錠の見分け方は至って簡単で、ドアの側面にデッドボルトがあるか、ないかを確認するだけで済むことが多いです。

また、先述したように錠ケースの形も違いますし、施錠方法が異なるため、円筒錠にはラッチボルトしかありませんが、インテグラル錠にはデッドボルトがあります。
若干見分けにくいのがALPHAなどで「ミリオンロック」と呼ばれているラッチとデッドが一体型になった複層タイプの錠ケースです。

こちらはラッチボルトの中にデッドボルトが入っているような構造になっており、そもそもがアルミサッシなど狭框用なので錠ケース自体もチューブラ錠のように細長い長方形をしていて紛らわしいです。
複層タイプはドア側面のフロントパネルを見ても判別がつきにくいことがあると思いますので、そのような場合はフロントパネルにかかれているメーカー名と型番を調べてみましょう。刻印が「GOAL GF」や「ALPHA TA-E」などであれば、インテグラル錠の複層タイプです。
さらに確実に確認したい場合は、扉内の錠ケースを確認します。円筒錠のラッチボルトはドアに埋め込まれた円筒状の錠ケースに連結されていますので、ドアノブを取り外せば判別は簡単です。

また、インテグラル錠はデッドボルトを操作する必要があることから、室外用ドアノブには角芯と2本の引き足、そしてスピンドルと呼ばれるデッドボルト用の半月板がついています。

対して円筒錠はノブを引き抜くとシリンダー部分と本体が露出するのみで、角芯・引足などは現れません。

また、握り玉の台座部分にもちょっとした違いがあり、インテグラル錠がノブと台座の一体型であることが多いのに対して円筒錠はノブを台座部分から外すための穴が設けられています。

台座近くに小さな穴があり、千枚通しなどを入れてロックを外すと握り玉が取り外せるようであれば円筒錠です。
インテグラル錠はよく「どうやって取り外せばいいのかわからない」と評される通り、台座をビスで止めてあるわけでもないですし、握り玉を取り外す穴があるわけでもありません。
専用の治具(スパナ)をはめ込み、回転させるための穴が設けられているタイプもありますが、あくまで治具を引っ掛けるだけの穴なので、千枚通しを入れて押し込んでもロックが外れたりはしません。

インテグラル錠用の治具(スパナ)は製品に付属してきます。インテグラル錠は室内側から取り外しますので、室内側のノブ(多くはサムターンになっている側)に治具をひっかけるところがあります。

先ほど室内側がサムターンになっている、と書きましたが、多くのインテグラル錠はサムターンがついている反面、円筒錠の場合はノブの真ん中にあるボタンを押すだけで施錠されます。

室内側が稀に室外側と同じ鍵穴になっていることもありますが、これは「両面シリンダー」という形で表現される組み合わせ方で、サムターン回し対策や、高齢者や幼児が勝手に外へ出てしまうのを防ぐために設置したりします。
インテグラル錠を自分で交換する方法
交換する前に、まず計測が必要な箇所を計測しておきましょう。

- ドア厚(DT)
- フロントプレートのサイズ(縦横)
- フロントプレートのビスピッチ(ビスの中心からビスの中心までの長さ)
- ドアの端からドアノブの中心までの距離:バックセット(BS)
- 取付ビスピッチ(だいたい42、44、50mmのいずれか)
取付ビスピッチは、ノブだけを交換する際に重要になる情報です。ノブから出ている2本の引足が入っている穴の距離のことになります。万能タイプの取替ノブは、42・44・50mm の3種類に対応していることが多いのですが、現行のドアに開いている穴は何mm のビスピッチか、知っておく必要があります。
それからフロントプレートは通常の平面タイプか、L型かも見ておきます。取替用ノブなどを使用する際に、必ず必要になる情報なのでメモっておいて下さい。
このフロントプレートがドアの小口に収まっているのか、それともドア枠の上に乗っかっているのかも確認しておいて下さい。


稀に室内側がサムターンでない場合がありますので、念の為、外側と同じ鍵穴があるタイプ(両面シリンダータイプ)かどうかも確認しておきましょう。
必要な工具を準備

「家にあるドライバーがあれば大丈夫」と言われることもありますが、インテグラル錠の交換では状況によって他の工具が必要になることもあります。特に古いドアノブの交換では、ネジが固着していたり、部品が劣化していることも多く、想定外の作業が発生することも少なくありません。
事前に準備しておくと安心な工具類は以下の通りです:
- プラス・マイナスドライバー
- ラジオペンチ(ラジペン)
- ネジ緩め剤(固着したネジの緩め用)
- ネジゆるみ止め剤(ロックタイトなど)
- 木工ボンド・爪楊枝・木工用パテ(ネジ穴の補修用)
- プライヤー
- メジャー(取付けサイズの確認用)
- 錆取り剤
古いドアノブを取り外す際、ネジが錆びついて回らない・ネジ頭がナメる(潰れる)といったトラブルがよく発生します。そうした場合、ネジ緩め剤や錆取り剤、必要に応じてネジザウルスなどの工具があると便利です。
また、ネジ穴がバカになってしまって固定できないこともあります。そんなときは、爪楊枝を詰めて木工ボンドで固める、または木工用パテで穴を埋め直し、新たにネジ穴を作るといった方法で対処できます。
事前にこうした工具をそろえておくことで、作業中に困ることなくスムーズに交換作業が進められます。また、取り外したビス類は再び取付時に使いますので、ビスを入れておく箱があると紛失せずに済みます。
交換するインテグラル錠の選び方
インテグラル錠を交換する際は、ノブだけを交換するのか、錠ケースも一緒に交換するのか、錠ケースだけを交換するのか、といった根本的なことを先ず決める必要があります。
単にドアノブの鍵穴をディンプルキータイプにしたい、という場合はノブだけの交換でも良いのですが、鍵が回しづらいなど錠ケースに不具合が起きていて、使用年数も10年以上経っているような場合は錠前一式を交換した方が鍵トラブルの解消に繋がりやすくなります。
ラッチやデッドボルトの具合が悪い場合は、錠ケースだけを交換するという手もあります。ただ、適切な錠ケースのみを探すのはなかなか骨が折れます。経年劣化などで不具合を起こしているのであれば、ノブの方もそれなりに劣化していると考えて錠前を一式交換した方が良いでしょう。
交換する商品は、現行のものと全く同じものが最も楽です。
現行のものが廃番になっていたり、メーカーやブランドがもうなくなっているような場合は、必要な箇所を計測して各社から出ている「取替用ノブ」や「取替用セット」(錠ケースとノブのセット)を購入すると良いでしょう。
また、今の鍵は刻みキーだからディンプルキーにしたい、という場合は、万能型の方が防犯性能の高いシリンダーであることが多いので、万能タイプの製品から選ぶと良いでしょう。
下記に錠前セットとノブのみの万能タイプをリストしてありますので、調査に役立てて下さい。
各社から出ている取替用の玉座(万能タイプ)
メーカー | 錠前一式(セット) | ノブのみ |
SHOWA | DAC-100 5本ピンシリンダー フロントビスピッチ7種 |
W²-DAC ウェーブキー 取付ビスピッチ:44・50mm |
DAC-II 5本ピンシリンダー 取付ビスピッチ:44・50mm |
||
NX・X-DAC-100セット ディンプルキー フロントビスピッチ7種 |
NX-DAC・X-DAC ディンプルキー 取付ビスピッチ:44・50mm |
|
ALPHA | 33S05シリーズ ピンシリンダー フロントビスピッチ7種(バックセット100のみ) |
33KN 1型(1スピンドル) 33KN 2型(2スピンドル) 33KN 1F型(ミリオンロック) ピンシリンダー 取付ビスピッチ:42・44・50mm (1F型のみ44mm) |
33M05シリーズ ピンシリンダー ケースロック/ミリオンロック フロントビスピッチ7種(ミリオンロックのみ) |
||
D36S05シリーズ ディンプルキー フロントビスピッチ7種(バックセット100のみ) |
D36KN 1型(1スピンドル) D36KN 2型(2スピンドル) ディンプルキー 取付ビスピッチ:42・44・50mm |
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D36M05シリーズ ディンプルキー ミリオンロック フロントビスピッチ7種 |
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32M65シリーズ 間仕切用樹脂レバー錠 鍵穴なし フロントビスピッチ7種 |
なし | |
大黒製作所 (AGENT) |
なし | GMD-500 GMD-500S(サムターン脱着式) GMD-500-CY(室外側のみ) ディンプルキー 取付ビスピッチ:42・44・50mm 各種スピンドル エスカッション等 |
GMD-100W/S/F(1スピンドル) GMD-200W/S/F(2スピンドル) ディンプルキー 2スピンドルは取付ビスピッチ44mmのみ |
||
1000GM(万能型) 1000AN(1スピンドル) 1000M(2スピンドル) ピンシリンダー 2スピンドルは取付ビスピッチ44mmのみ |
||
室内用レバーハンドル LF/LB/LC-1000/640 フロントビスピッチ7種 |
室内用レバーハンドル LF/LB/LC-100(1スピンドル) LF/LB/LC-200(2スピンドル) 取付ビスピッチ:44mm |
|
LS-1000/640 フロントビスピッチ7種 |
LS-100(1スピンドル) LS-200(2スピンドル) ディンプルキー 取付ビスピッチ:44mm(水平方向のみ) |
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WEST | なし | 801 ディンプルキー 取付ビスピッチ:42・44・50mm 各種スピンドル付 |
DORMAKABA | なし | 8600F(内外両方) 8600H(外側のみ) カバスタープラス 3600F(内外両方) 3600H(外側のみ) カバエース 取付ビスピッチ:44・50mm |
MUL-T-LOCK | なし | DAC-2 SHOWA ドアノブ取替用 ディンプルキー 取付ビスピッチ:44・50mm UCタイプMIWA・GOALドアノブ取替用 ディンプルキー 取付ビスピッチ:44mm |
フキ(iNAHO) | なし | ユニバーサル取替レバー錠64 ディンプルキー 取付ビスピッチ44mm(水平方向) 各種スピンドル付 |
家研(KAKEN) | なし | 万能取替握玉「葉月」 サーフラインキー 取付ビスピッチ:42・44・50mm 各種スピンドル付 脱着式丸座 |
インテグラル錠を外す手順
インテグラル錠は室内側のノブから取り外していきます。反時計回りに回すか、治具を根本の穴に入れて引っ張ります。
特にノブに問題がないものであれば簡単に取り外せるのですが、勝手口などで長いあいだ使用していると固くなってしまってなかなかノブが回せないこともあります。
そのようなときは、ウォーターポンププライヤーを使用したり、マイナスドライバーの端を丸座近くに当ててハンマーで軽く叩くなどして、衝撃を与えてみて下さい。


ノブを外したら丸座裏金がビスで止められているので、こちらをドライバーで取り外していきますが、もしビスの頭がナメてしまったら作業を中断して鍵屋に依頼するか、ネジザウルスなどを使って古いビスを取り外しましょう。
普段からネジザウルスなどの工具を持っていない、新しく工具を買うのがもったいない、と感じる方は鍵屋を呼んだ方が安心です。
古いものですとネジ穴そのものが使い物にならないこともあります。そのような場合は、既存のネジ穴に爪楊枝などを入れて木工ボンドで蓋をし、ボンドが硬化したのちに改めてネジ穴を開けます。木製品用のパテなどをお持ちの場合は、そういったもので加工しても良いです。
丸座裏金を取り外したら外側のドアノブを引き抜きます。ノブだけを交換する場合は、ここで取り外す作業は終了です。
錠前一式交換の場合は、錠ケースを取り外さなくてはなりませんのでフロントプレートのネジを外します。



フロントプレートのネジが外れると、ドアの中にある錠ケースが取り出せるようになりますので、ゆっくりと引き抜いて下さい。
インテグラル錠を取り付ける手順
基本的にどんな錠前でも取り外すときの作業を逆順にやっていけば取り付けができますが、「取替用」といった万能タイプを交換用の部品にする場合は、追加で必要な作業があります。
意外と面倒なものもありますので、詳しく見ていきましょう。
錠ケースを交換した場合は、新しい錠ケースを入れるところから始めます。

このとき、ラッチの斜面になっている部分がドアの閉まる側(外開きなら内側)を向くように錠ケースをセットしましょう。

複数のフロントビスピッチに対応している錠ケースは、プレートを外すとたくさんの穴が開いています。だいたいビスピッチ60~110mm のものに対応しています。

錠ケースを取り替えたらフロントプレートを固定しますが、ここで先に調べた通常プレートかL型かという情報が必要になります。取替用には両方のプレートがついていることが多いので、既存のものに合うプレートを使って固定しましょう。
インテグラル錠のノブだけを交換する場合は、錠ケースは取り外しませんが、その代わりにノブ側についている引足などをしっかりと確認する必要があります。
また、スピンドルの数も大事です。上記の表で「各種スピンドル付き」とあるノブには、全メーカーに対応したスピンドルがついてきます。
例えば、美和ロックのHM用ドアノブを交換する際は、スピンドルが2つ必要になります。その他のメーカー製は1スピンドルで、錠ケースにも半月形の溝が1つしかありません。

ただ、1スピンドルの場合は半月型の溝が角芯用の穴の上にくるのか、下にくるのかでスピンドルを指す位置が変わります。扉の勝手や外開きか内開きかで変わりますので、扉におさまっている錠ケースをよく見て部品を取り付けて下さい。

ノブや錠ケースを取り付けたら、実際に鍵を入れて動作確認をし、特に問題がないようであれば作業完了です。
自分でインテグラル錠の交換が不安なら鍵屋に依頼しよう
インテグラル錠は握玉部分だけであれば部品代もそんなに高額ではないのですが、他の錠前同様、防犯性能と価格は比例します。ディンプルキーのインテグラル錠は決して安い買い物ではありません。特に錠前商品は間違えて購入してしまっても返品ができないことを考えると、数千円、或いは1万円を超える失敗はなかなか大きな痛手です。
レバーハンドルへの交換が可能な部品もありますが、取付ビスピッチと方向に制限があったり、対応バックセットが限られていたりで実際に取り付けができないかもしれません。
自分で交換はしてみたいけれど、玄関や勝手口のドアノブだから確実にしなくてはならない、といった場合は、取り付けや交換のプロである鍵屋に依頼するのがお勧めです。
鍵屋に依頼するメリット
インテグラル錠(玉座)の交換に関しては鍵屋に依頼することで得られるメリットも少なくありません。なかでも大きいのが、確実で安全な施工ができることです。
DIYでは取り付けが甘くなり、鍵がスムーズに動かない、しっかり施錠できないといった不具合が起きることもありますが、専門業者に依頼すれば正しい手順で取り付けられ、そうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
さらに、使用中の扉に合った適切な部品を選定してもらえる点も安心です。ドアの厚みやバックセット、錠ケースの形状などにより、適合する部品は異なります。自分で選ぶとサイズ違いや互換性のない部品を買ってしまうこともありますが、業者なら経験に基づいて最適な部品を提案してくれます。
また、作業が短時間で済むのも大きなメリットです。DIYでは慣れない作業に時間がかかり、最悪の場合、ドアが閉まらなくなるようなトラブルにつながることもありますが、業者であれば迅速に作業を終えられるため、余計な手間や不安もありません。
加えて、弊社のように長くこの業界で活動している鍵屋には商品に対する保証と、施工に対する保証の両方がついていることが多いため、交換後に万が一不具合があった場合でも、しっかりと対応してもらえます。ただし、アフターサポートを提供している業者とそうでない業者がありますので、依頼するまえにしっかりと調べるようにして下さい。
鍵屋に依頼したときの費用相場
鍵屋の料金は、だいたい「作業料金」と「部品代」の合計なのですが、インテグラル錠の場合、ドアノブだけを交換するのかどうかや、求められるセキュリティの度合いによって価格がかなり変動します。
特に錠ケースや錠前ごとの交換となると、「シリンダーやラッチの交換」の費用ではなく、「錠前交換」の費用になります。錠前交換の作業料金は、シリンダー交換料金の倍くらいに設定されていることが多いです。下記が費用相場(税抜き)になります。
作業内容 | 作業料金の相場 |
---|---|
ラッチボルトやシリンダーのみの交換 | 8,000円~12,000円 |
錠前交換 | 15,000円~25,000円 |
部品代はインテグラル錠というノブ一体型の特性上、シリンダーやドアノブとケースロックを全部交換するよりは安価ですが、かといって防犯性の高いシリンダーが備わった万能型タイプが安いかというと、全くそうではありません。シリンダー錠でも最高ランクのディンプル錠を製造するドルマカバ社の玉座は、カバスタープラスを備えたものもありますが、片面タイプで相場が20,000円~50,000円と、大変高額になっています。
無論、玉座だけのものよりも、錠ケースとセットになったタイプの方が高額です。通常、錠ケースはそのまま使用しなくても大丈夫、と言われることが多いので、まず玉座セットのみの部品代を見ておきましょう。
シリンダーの種類 | 部品 | 相場 |
---|---|---|
ピンシリンダー | SHOWA DAC-II | 8,000円~ |
GOAL UC5 | 9,000円~ | |
ロータリーディスクシリンダー | MIWA U9 HM-1 | 15,000円~ |
ウェーブキーシリンダー | SHOWA W2-DAC | 15,000円~ |
ディンプルキーシリンダー | GOAL V-UC5Q | 25.000円~ |
SHOWA NX- X- DAC | 15,000円~ | |
カバエース取替玉座 3600H | 20,000円~ | |
カバスタープラス取替玉座 8600H | 40,000円~ |
信頼できる鍵屋の選び方
鍵の交換を業者に依頼する場合、どの鍵屋に頼むかはとても重要です。料金の安さだけで選んでしまうと、技術力や対応の質にばらつきがあり、かえってトラブルにつながることもあります。
信頼できる鍵屋を選ぶポイントとしては、まず出張費や見積もり費用の有無が明記されているかを確認しましょう。曖昧な料金体系の業者は、後から高額な費用を請求されるリスクがあります。
ぼったくりに遭わないようにするには事前に作業内容の見積りを出してくれる業者を選ぶのがベストです。弊社のように、必ず現場を見せて頂き、それから見積書を作成する業者もありますし、経験豊富な鍵屋で、相談をした時点でだいたいの見積りを伝えてくれるところもあります。
どちらのケースでも、公式サイトに必ず明記されていると思いますので、しっかりと確認してから依頼をして下さい。
また、ある程度、施工実績や対応エリア、口コミ評価などを事前にチェックしておくことも大切です。
さらに、作業後の保証があるかどうかも安心材料のひとつです。弊社のように、施工保証と商品保証の両方が用意されている業者なら、万が一の不具合にもきちんと対応してもらえるため、初めての方でも安心して依頼できるでしょう。
ベストは複数の業者から相見積もりを取ることです。鍵猿でも相見積もり専用のフォームがありますので、ぜひご活用ください。
鍵猿のインテグラル錠交換の事例をご紹介
鍵猿ではこれまでに多数のインテグラル錠交換に対応してきた実績があります。ここでは、実際にご依頼いただいたものの中から、代表的な事例をいくつかご紹介します。
どんな場面で交換が必要になるのか、作業時間や費用の目安はどれくらいかなど、業者への依頼を検討している方の参考になれば幸いです。
勝手口のU9玉座を錠前一式交換


■ご依頼内容
勝手口錠前交換のご依頼です。当初は、洋菓子店の勝手口のドアノブが取れたので直してほしい、という修理のご依頼でした。
■施工内容
美和ロックのHMという錠前がついており、確認させていただくと外側のドアノブが外れていました。どうやらドアノブの中の部品が壊れてしまっているようです。これは修理不能と判断し、ドアノブ交換のご提案をしました。また、扉の内側にある錠ケースの動作も鈍かったので、こちらの交換もご提案致しました。
お客様にはU9 HMDを新しい鍵としてお選び頂きました。
また、全部でキーが5本必要とのことなので、元々セットで付いてくる3本に追加で2本お作りしました。
最後にお客様に動作確認をして頂き作業終了です。
作業内容 | 料金 |
---|---|
錠前交換 | 22,000円 |
部品代(MIWA U9 HMD-1) | 17,600円 |
合鍵2本作成 | 2,200円 |
合計 | 41,800円 |
勝手に解錠されてしまう玉座の交換

■ご依頼内容
賃貸のトラブルサービス経由のご依頼で、玄関のノブを回すと施錠した鍵がそのまま鍵やツマミを使用せずに解錠できてしまう状態になっているため、早めに修理などの対応をお願いします、とのことでした。
■施工内容
鍵がないのに施錠した鍵が開く、という摩訶不思議な現象ですが、鍵屋だと思い当たるフシがあるかもしれません。
主な原因は錠ケースのスピンドルと連携してデッドボルドを動かす部品が破損していたりして、ノブの動きが正しい動作に繋がらないことです。経年劣化が限界まできたときによく起こる現象です。
洗浄はもちろんのこと、破損となっているため修理が効かない部分となるので交換が必要です。
賃貸物件での対応は通常、修理までなのですが、今回は入居者様が出かけられずに困っているし、鍵をかけても勝手に開いてしまったら防犯的にも意味がないと管理会社に相談し、錠ケースを交換をさせていただくことになりました。
メーカーは違いますが互換性があり、錠ケースだけですので、今ご利用になっている子鍵も使って頂けます。
作業内容 | 料金 |
---|---|
錠ケース交換 | 22,000円 |
部品代(ALPHA 33S05-TRW-32D-60/64) | 14,300円 |
合計 | 36,300円 |
インテグラル錠の交換なら鍵猿にお任せください
玄関ドアに使われているインテグラル錠は、構造が他のドアノブと違ってやや特殊なため、無理に交換しようとして部品を壊してしまったり、うまく取り付けられなかったりすることもあります。そんなときは、鍵の専門業者である鍵猿にぜひご相談ください。
鍵猿では、ドアノブ一体型のインテグラル錠も多数の対応実績があり、経験豊富なスタッフが現場の状況に応じて最適な方法をご提案いたします。出張費・お見積りは無料。さらに、作業後には施工保証と商品保証の両方が付くため、初めての方でも安心してご依頼いただけます。
「今ついているドアノブがインテグラル錠かどうかわからない」という段階でも構いません。交換をご検討の方は、ぜひ気軽に鍵猿までご相談ください。
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