ドアノブの種類や名称を解説!シチュエーション別におすすめのドアノブも紹介!

この記事でわかること
- 玄関・勝手口用のドアノブの種類と構造
- 室内用ドアノブの種類と名称
- シチュエーション別おすすめのドアノブ
記事監修者

「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
皆さんはドアノブと聞いてどの部品を思い浮かべますか?
本記事では玄関や室内用のドアノブの種類や名称、シチュエーション別におすすめのドアノブをご紹介します。
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目次
玄関・勝手口用のドアノブの種類と構造

錠の世界においてドアノブは丸い握り玉の取っ手を指すのですが、一般的には「把手」のある錠前(レバーハンドルなど)も含むようです。
鍵は玄関用と室内用とでは防犯性能や堅牢さ、頑丈さに大きな違いがありますが、玄関や勝手口に使用するものの方が作りがしっかりとしていますし、耐候性や防犯的な耐破壊性能が高い素材が使用されています。
玄関・勝手口のドアノブは5種類ほどにわけることができます。少し歴史的な要素も含めて順にご紹介します。

円筒錠

円筒錠はもともとアメリカから輸入されたもので、戦後の日本国内で人気があったドアノブです。ドアノブとシリンダーが一体になった「ドアノブ一体形」あるいは「キー・イン・ノブ」のドアノブです。室内側の玉座(丸いノブ)の真ん中にはボタンがあり、これを押し込んでドアを閉めると施錠となり、室外には子鍵を入れる鍵穴、というパターンが多いドアノブです。
ドアの側面には仮締めを担うラッチボルトしかついていませんが、室外側からは子鍵で解錠しないと開けられないということで、ある程度の防犯性能が確保されているドアノブでした。
ケースロックの方が防犯性能が高いとわかってはいたものの、戦後の物資不足と高度経済成長の時代に公団が建設されていった影響で、少ない資材で安く速くたくさん作れる円筒錠のようなドアノブが歓迎されたようです。取り付け時に四角い切り欠きを作らないといけないケースロックに比べて、円筒錠はドアにホールソーなどで円形の穴を開けるだけでよかったので、施工が楽という意味でも人気がありました。
国産第一号にこぎつけたのは錠前メーカーのGOALで、戦後まもなく建てられた戸建て住宅では円筒錠が玄関鍵として使用されていたりもしますし、円筒錠と本締錠がついている玄関もあります。
インテグラル錠

インテグラル錠は玄関用の錠前として美和ロックが開発したドアノブ一体型の錠前です。円筒錠よりも破壊やこじ開けに強く、同じような構造でありながらデッドボルト(ドア側面にあるかんぬき)もついている錠前になります。見た目は似ていますが、ドアを開けて側面にデッドボルトがあればインテグラル錠です。
ドアの中に掘り込まれる錠ケースの部分は従来のケースロックの構造とほぼ差異がなく、側面だけを見るとケースロックのように感じるドアノブです。ただし、ケースロックとは違ってシリンダーが別ではありません。円筒錠と同じ「キー・イン・ノブ」タイプで玉座の中にシリンダーがあります。また、ドアノブの中心に鍵穴があり、室内側にはサムターンが取り付けてあることが多いドアノブです。
サムラッチ錠

サムラッチ錠は別名「装飾錠」とも言い、戦後の戸建て玄関によく使用されていました。もともとは施錠機能を持たない空錠のドアノブで、ツマミ部分(「スイッチ」或いは「サムピース」)を親指(サム、英語で親指の意)で押下するとラッチが扉の中に引っ込んでドアを開けられるようになる、という構造です。
空錠タイプは室内に使用できるものも販売されていますが、玄関用には円筒錠の機構を組み合わせたり、ケースロックと連動させていることが多く、どのような組み合わせになっているかは個々の住宅によって異なります。また、室内側もサムターンやボタンつき玉座であったり、室内側にも室外側と同じサムピースつきのハンドルがあったり、と、物件によって様々な組み合わせがあるのもサムラッチ錠の特徴でしょう。
多くは西洋風の装飾が施されたおしゃれなハンドルを持ち、扉の面に取り付けられているエスカッションやシリンダー部分もハンドルに合わせた装飾になります。さらに、サムラッチ錠だけでなく本締錠と合わせてツーロックにできるタイプもあり、本締錠の方にも同じ装飾が施されていたりします。
古いものが多いため故障して交換するとなると同一商品が廃番になっていることも多い錠前で、錠前一式交換になって高額になる傾向があります。
プッシュプル錠

プッシュプル錠は1980年代にWESTが開発したドアノブで、軽い押し引きによってドアを開け閉めすることができます。上下2箇所にシリンダーがあるワンドア・ツーロックとなっており、力の弱いお子様や高齢者にも使いやすく、両手が塞がることが多い主婦にも勝手のよいドアノブです。
最近の新築物件やドアリフォームではプッシュプル錠がついた玄関ドアになることが殆どで、シリンダーもサッシメーカー用に錠前メーカー各社がOEM生産したもの(LIXILやTOSTEMなど)が使われています。
ケースロック・面付箱錠


ケースロックや面付箱錠はドアノブというより錠前の名称になりますが、シリンダーとハンドル部分が別になっているのが特徴です。特にケースロックは玉座、レバーハンドル、サムラッチ、プッシュプルなど、あらゆるタイプの把手に対応しています。この2つの錠前の相違点は取りつけ方で、ケースロックはドアに切り欠き加工をして設置する堀込型、面付箱錠はドアの室内側の面に設置する面付型になります。
ケースロックは古くから存在し、ドアノブ一体型よりも防犯性が高いと知られていました。しかし、取付時の加工が難しいこともあって、主錠として採用され始めたのはより質の高い住まいが求められ、防犯性能が重視され始めた1970年代でした。面付箱錠はドアに掘り込み加工ができないマンションなどのドアに設置されていることが多い錠前で、ケースロックと同じくシリンダーと把手が別になった錠ケースが室内側のドア面に取り付けられています。
面付箱錠はドアの面に取り付けられているため、デッドボルトが室内側のドア枠に入って枠の間から見えてしまうことがなく、こじ開けにも強いです。

室内用のドアノブの種類と構造

室内用のドアノブは室内での日常的な使用になるため、丈夫さというよりも利便性が重視される傾向にあります。玄関用ほど厳重な防犯性能を持つものでなくても良いため、簡易的なものも多いのが特徴です。また、室内では全てのドアノブに施錠機能が必要なわけではないので、一部は鍵なしというものもあります。
逆に、トイレや洗面所のように室外から勝手に解錠されたくないということで、内鍵というものになっているドアノブもあります。
以下では、室内用のドアノブの種類と構造について解説します。
空錠

(古代カタログより)
空錠はそもそも施錠機能を持たないドアノブです。仮締めのラッチボルトだけが備わっており、玉座タイプやレバーハンドルタイプがあります。最近の室内用のドアはレバーハンドルが多いでしょう。
チューブラ錠

チューブラ錠は円筒錠やインテグラル錠とは違い、ノブ内にシリンダーはありません。あくまでドアノブが動かないようにラッチボルトを固定することで施錠としているドアノブになります。チューブ状のケースに鍵の機構が入っており、ドアノブを回してラッチボルトを操作することでドアの開け閉めを行います。
ノブが握り玉である場合は、他のインテグラル錠や円筒錠と見た目がそっくりでわかりにくいですが、丸座(ドアノブを固定する台座)をビス止めしてある、といったことで判別が可能です。
円筒錠・インテグラル錠

円筒錠とインテグラル錠は浴室やトイレに使用されています。トイレや浴室は中に入った人が室外からのアクセスを拒むために施錠をするという意味で、内鍵のドアノブが必要になります。これにはノブの真ん中にあるボタンを押せば施錠できる円筒錠が便利で、戦後の建築物でたくさん使用されました。
以前のトイレや浴室の円筒錠は室外側に鍵穴を持たず、室内側のドアノブを回すことで解錠できました。しかし、鍵トラブルが原因による閉じ込め、浴室で倒れてしまった人を救助できないということで、室外側からも解錠できるように非常解錠装置というものがつくようになりました。
また、インテグラル錠は室内であっても子鍵を使わないと開けられないようにしたい場所である倉庫用の部屋や仕事用の部屋などに使用されることもあります。

少し特殊な室内用ドアノブの種類と構造

室内用のドアノブには、用途が違うものが2つほどありますので、そちらもご紹介しましょう。
表示錠(トイレ・浴室用)

トイレや浴室によくついているのが「表示錠」と呼ばれる小窓がついたドアノブです。中に人が入っているかどうかが確認できるように施錠時は小窓が赤色、解錠時は青色や緑色に表示されます。また、閉じ込めや閉め出しといったトラブルに対処するため、非常解錠装置がついた表示錠も多く、非常時にコインなどを使用して外側から解錠できるようになっています。
表示錠は円筒錠、インテグラル錠、チューブラ錠のいずれにも存在する商品なので、既存のドアノブの種類に合わせて選ぶと良いでしょう。
戸襖錠

戸襖錠は洋室と和室をつなぐドアに用いられます。和室側は襖のように見えますが引き戸ではなく開き戸になっていて、洋室側はレバーハンドルなどの西洋風のドアノブ、そして和室側は襖の引き手のようなサムターンになっています。構造的にはチューブラ錠と同じラッチボルトのみを備えており、殆どが空錠ですがスライド鍵が付いているものも存在します。

シチュエーション別におすすめのドアノブをご紹介

色々なドアノブが流通するようになった昨今ですが、どのタイプがどういった場所、或いは状況におすすめなのかが知りたい、という方も多いのではないでしょうか。
ここではシチュエーション別におすすめのドアノブをご紹介します。
部屋別のおすすめのドアノブ
ドアノブは部屋ごとに異なる機能やデザインが求められるアイテムです。 玄関や浴室、寝室、子供部屋など、それぞれの用途に応じたドアノブを選ぶことで、快適さや安全性が大きく向上します。以下では部屋別のおすすめのドアノブについて解説します。
リビング・ダイニングにおすすめのドアノブ

リビングやダイニングはドアの開け閉めがしやすく、施錠機能を持たない空錠タイプのレバーハンドル錠がおすすめです。空錠タイプをおすすめする理由としては、リビングやダイニングは使用頻度が高く、施錠したままの状態で住居人が寝てしまうと帰ってきた人が入れなくなる可能性があるからです。
また、室内のレバーハンドル錠の殆どがチューブラ錠なので、おしゃれなドアノブにしたい、こだわりのデザインにしたいなどの理由で交換することを考えると、最初からチューブラ錠にしておくのが無難です。

株式会社長沢製作所の「Riviere(リヴィエール)」は5タイプのカラーバリエーションから選べるレバーハンドル(空錠)になります。レバーハンドルに強い負荷がかかるとラッチボルトが内部に引っ込むことで、閉じ込めを防止する「フェイルセーフ機能」がついています。
コストパフォーマンスが高く、新しいレバーハンドルに交換したい方におすすめです。
浴室・トイレにおすすめのドアノブ

最近の浴室は折戸が取り付けられていることが多く、鍵交換やドアノブ交換が必要ないことも増えてきました。しかし、古い物件の浴室ではサビが原因でドアノブが回らないというトラブルが起きる可能性があるので、握り玉からレバーハンドルに交換できる取替錠がおすすめです。

株式会社アルファの「間仕切用樹脂レバー錠」は握り玉タイプのドアノブからレバーハンドルに交換したい方におすすめの取替錠です。2色展開のレバーハンドルとなっており、室内側から施錠可能で、冬でも冷たさを感じにくい樹脂製のレバーとなっております。
他社メーカーの錠前にも対応しているため、廃盤になって交換できない浴室のドアノブにオススメです。
また、トイレには非常解錠装置つきのレバーハンドルがおすすめです。

長沢製作所の「Vi-Clearレバーハンドル」は抗菌などの認証を行なっている「SIAA」認証取得済みのレバーハンドルになります。取り付けの際にネジが不要なワンタッチ機構のレバーハンドルで、抗ウイルスと抗菌の加工がされているため、簡単に交換したい方や多くの人が使用するトイレにおすすめのドアノブです。
浴室やトイレのドアノブ交換については以下の記事で詳しく紹介されています。是非ご覧ください。
▼関連ページ寝室・仕事部屋におすすめのドアノブ

寝室や仕事部屋のドアは開閉のためだけでなく、プライバシーの確保やデザイン性など、空間に合った機能が求められます。仕事部屋では集中できる環境を整えるため、お子様やペットが入らないようにある程度のセキュリティ面にも意識を向けましょう。

川口技研の「TKレバーシリンダー錠」は握り玉のドアノブからレバーハンドルに交換できる取替用のレバーハンドルです。ブラウン・シルバー・ゴールドの3色展開となっており、空錠・表示錠・シリンダー錠などさまざまなタイプから選ぶことができます。
また、ドアを開かないようにする方法については以下の記事で詳しく紹介されていますので是非ご覧ください。
▼関連ページ防犯対策が気になる人におすすめのドアノブ

防犯対策が気になる方にとってドアノブ選びは非常に重要なポイントです。 空き巣や不正な侵入から大事な家を守るために防犯性能が高いドアノブを選ぶことで、自宅の安全性を向上させましょう。

WESTの「801」は握り玉タイプ(インテグラル錠)のドアノブで、防犯性能の高いディンプルキーが3本付いてきます。対応している錠前の幅が広いため、握り玉タイプのドアノブであればほとんどの場合取り付けることができます。
使用している握り玉のドアノブが廃盤しており、新しいドアノブに交換したい方や防犯性能の高いドアノブに交換したい方ににおすすめです。
ディンプルキーについては以下の記事で詳しく紹介されていますので、是非ご覧ください。
▼関連ページ
ディンプルキーとはどんな鍵?防犯性や交換・合鍵作成・開錠にかかる費用相場を解説!
ディンプルキーは防犯性能が高い鍵と言われますが、他の鍵との違いや特徴は何なのでしょうか?本記事では、 ... 続きを読む
ペットと暮らしている人におすすめのドアノブ

ペットのなかには猫のようにレバーハンドルを操作して外へ出ていってしまう動物もいます。レバーハンドルは主に人間の操作性を考えて作られていますが、人間にとって操作が楽なものは動物にとっても都合が良いようです。
ペットが勝手に室外や屋外に出て行ってしまって困っている、という場合はレバーハンドルを握り玉のドアノブに交換するのもひとつの方法です。

GOALの「ULW-1E」は握り玉タイプのドアノブ(円筒錠)になります。施錠機能はありませんが、ノブを回してドアを開ける必要があるため、ペットと暮らしている方におすすめのドアノブです。
ドアを開かないようにしたい方は以下のコラムで詳しく紹介されています。是非ご覧ください。
▼関連ページバリアフリーにしたい人におすすめのドアノブ

高齢者や身体に障害がある方にとって使いやすいドアノブを選ぶことは日々の生活の安全性や快適さにつながります。握り玉のドアノブは握る力が必要だったり、回しにくいと感じる方もいるため、レバーハンドルがおすすめです。

マツ六株式会社の「ECLE 兼用取替バリアフリーレバー錠 鍵付間仕切錠」は室外側から施錠・解錠が可能で、室内側からはツマミで施錠・解錠を行います。また、リウマチの方でも手のひらで操作できる独自のレバー形状になっております。
握り玉のドアノブからレバーハンドルに交換したい方や簡単にドアを開けたい方におすすめです。
ドアノブ交換の費用相場については以下の記事で紹介していますので、是非ご覧ください。
▼関連ページドアノブ交換をご検討なら鍵猿にお任せください

本記事ではドアノブの種類や構造について詳しく説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。
室内用のドアノブは玄関用に比べて交換はしやすいものの、正しい部品を選ぶという部分がなかなか難しく、お悩みの方も多いかもしれません。
室内や屋外問わずドアノブの交換に不安がある、自分でできそうにない、とお困りの場合は是非鍵屋の鍵猿にご相談くださぃ。
鍵猿では経験豊富なスタッフがお伺いし、ドアや用途に合った最適なドアノブをご提案いたします。
出張費用、見積り費用は無料ですので、お気軽にお電話下さい。
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