賃貸で玄関ドアの防犯対策は何をすれば良い?原状回復を考えた対策を解説
この記事でわかること
- 賃貸物件で玄関ドアの防犯が重要な理由
- 空き巣の手口や狙われやすい物件の特徴
- 賃貸でもできる玄関ドアの防犯対策
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
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賃貸住宅に住んでいると、「勝手に鍵を替えられない」「工事ができない」などの制限があるため、防犯対策は限られていると感じるかもしれません。
しかし実際には、無料でできる工夫から、許可を得れば導入可能な本格的な対策まで、さまざまな方法があります。
本記事では、特に重要な「玄関ドアの防犯対策」について、空き巣の手口や狙われやすい物件の特徴とともに、いくつかの対策を具体的に解説します。
目次
賃貸物件で玄関ドアの防犯が重要な理由

警察庁の統計(令和6年)によると、侵入窃盗の発生場所として最も多いのは「一戸建住宅(29.0%)」ですが、「共同住宅(3階建以下)6.8%」「共同住宅(4階建以上)3.7%」を合わせると、約10%に達します。
さらに、賃貸物件に多い構造である「オートロックなし・築年数が古い建物」は狙われやすい傾向があり、防犯対策は必須と言えるでしょう。
| 1位 | 2位 | 3位 | |
|---|---|---|---|
| 共同住宅【3階建以下】 | 表出入り口 | 窓 | その他出入り口 |
| 共同住宅【4階建以上】 | 表出入り口 | 窓 | その他出入り口 |
また、マンションやアパートなどの場合、集合住宅での侵入経路で最も多いのが「表出入り口」であることも留意しなくてはなりません。玄関ドアの防犯対策をしておくことで、空き巣などの被害を大幅に防ぐことができるのです。
賃貸住宅は空き巣に狙われやすい?
賃貸住宅が狙われやすい根拠を示すデータはありませんでした。しかし以下の点から狙われやすい物件もあります。
- 防犯意識が低い入居者が多い
- 建物のセキュリティ設備が分譲と比較すると簡素
- 住人の入れ替わりが激しく、侵入に気づかれにくい
- 近所付き合いがあまりない
玄関ドアからの侵入が最も多い理由とは?
警視庁のデータによると、空き巣の侵入経路で最も多いのが「玄関(表出入り口)」です。玄関は住人が最も日常的に出入りする場所であり、鍵を閉め忘れたり、簡易な構造のドアが採用されているケースもあるため、狙われやすい傾向があります。
玄関ドアの防犯性が低ければ、それだけで空き巣に「入りやすい物件」と判断されてしまいます。特に集合住宅が多いわりに近所付き合いもあまりない賃貸物件では防犯関連の情報が回って来なかったり、コミュニティとして互いに見守りをしていないことが殆どですから、玄関の防犯対策は非常に重要なのです。
空き巣に狙われやすい賃貸物件の特徴
なぜ賃貸物件が空き巣に狙われやすいのか、そしてどのような特徴の物件が特に危険なのかを詳しく見ていきましょう。
1階や角部屋などの立地条件
空き巣にとって「逃げやすく」「人目につきにくい」物件は格好のターゲットです。たとえば以下のような条件の部屋は要注意です。
- 1階の部屋(外からのアクセスがしやすい)
- 角部屋(隣人が片側だけで気づかれにくい)
- 死角の多い建物
これらに該当する場合、防犯対策の優先度を上げましょう。
オートロックなし・築年数が古い物件
オートロックのない物件や、築年数の古い建物では、鍵の性能が旧式であるケースも多く、防犯性が低くなりがちです。
特にオートロックもなく常駐している管理人もいない物件は住人以外が出入りしていてもわかりにくく、犯罪者にとって格好の物件です。
郵便受けが満杯・照明が暗いなど生活感の薄さ
ポストに郵便物が溜まっていたり、夜になっても照明が暗いままの物件は、留守がちな印象を与え、空き巣に「不在だ」と思わせてしまいます。特に空き巣は住人の留守中を狙いますから、生活感を意識的に出すことも、防犯対策の一つです。
賃貸物件で起こる空き巣の手口
賃貸物件の玄関ドアも空き巣の侵入口になり得ますが、実際の侵入では高度な不正開錠よりも、無締りやガラス破りなど現実的な手口が多い傾向があります。賃貸では原状回復の義務もあるため、手口を知ったうえで「できる対策」を選ぶことが重要です。
無締まり

施錠していない玄関からの侵入は、最も基本的かつ多い手口です。特に「ちょっとコンビニに」「ゴミ出しだけ」といった短時間の外出時に、鍵をかけない人が多く狙われます。
特にオートロックつきの物件ですと、オートロックから先は住人しか入れないという安心感で施錠しないまま建物内を移動することも多いようです。
サムターン回し

玄関の内側についている「つまみ」を外部から工具で回して開錠する手口です。また、ドアにガラス部分がある場合、そこを割って直接手を入れてサムターンを回すこともあります。
ドアスコープやポスト口など、ドアにデフォルトでついている「隙間」から工具を入れて解錠するため、ドアの構造やサムターンの種類によっては簡単にやられてしまいます。
▼関連ページこじ破り

玄関ドアとドア枠の隙間にバールなどの工具を差し込んで、強引にドアをこじ開ける荒っぽい手口です。築年数が古い物件では、ドアや枠が劣化していて破られやすいこともあります。
合鍵

賃貸物件で特に怖いのがこの合鍵犯罪です。賃貸物件では分譲マンションや戸建てで普及しているハイセキュリティシリンダーが使用されていないことも多いため、鍵番号から簡単に合鍵が作れてしまいます。どこかで落としたり紛失した鍵が悪用される可能性もあります。
どんなに防犯性能が高い鍵でも、正統な子鍵があれば開けられてしまいます。万一のために郵便受けなどにスペアキーを入れておく、という人もいますが、絶対にやめておきましょう。
賃貸では一人暮らしの人も多いため、特に鍵の管理に注意を払う必要があります。
賃貸でもできる玄関ドアの防犯対策
ここでは、賃貸住宅にお住まいの方でも気軽に実践できる玄関ドアの防犯対策を厳選してご紹介します。今すぐ試せる防犯対策がきっと見つかるはずです。
少しの外出でも施錠する

当たり前のようでいて、意外とできていないのが「こまめな施錠」です。空き巣はたった数分でも侵入します。ゴミ出しや洗濯中などの短時間でも、玄関ドアは必ず施錠しましょう。よく鍵をかけ忘れてしまう場合は、原状回復が楽なスマートロックで自動施錠機能をつけることを検討してみても良いでしょう。
また、長期間の留守がわかってしまうと空き巣のターゲットにされてしまう可能性がありますから、長く部屋を空けるときは郵便物がポストにたまらないように届け出をしておくことも大事です。
ドアスコープカバーを取り付ける

ドアスコープから室内の様子を覗かれることを防ぐアイテムです。マグネット式のカバーを取り付けるだけで簡単に視線を遮れます。100円ショップでも手に入ります。
サムターンカバーを取り付ける

サムターン回し対策には、内側のつまみ部分にカバーを付けて回しにくくすることが有効です。粘着式で取り付けできる製品もあり、賃貸でも工事不要で設置可能です。
防犯プレートを取り付ける

ドアの隙間に工具が入らないようにする「防犯プレート」は、こじ破り対策に効果的です。これも粘着テープで固定できるタイプがあり、原状回復もしやすい仕様になっています。
補助錠を取り付ける

玄関のドアに追加で鍵を設置する「補助錠」も有効です。ビスなどの留め具が要らないタイプもありますが、取り付けられないタイプのドアもあるので注意してください。
しっかりとした補助錠は穴開け加工が必須になりますので、どうしても取り付けたい場合は大家さんや管理会社の許可を得ましょう。
見守りカメラを設置する

近年ではスマホ連動型の見守りカメラも登場しており、Wi-Fi環境があれば工事不要で防犯カメラのように利用できます。防犯カメラを室外に、というのは不可能かもしれませんが、室内に設置しておくことは可能です。空き巣は姿を見られたりすることを避ける傾向がありますので、カメラがあるとわかると犯行を諦めるかもしれません。
他にも不審者が部屋に出入りしている気配がある場合などにもこういったカメラが有効です。
不正複製されないようキーカバーをつける

住宅の鍵にはメーカーからシリンダーと一緒に送られてくる「オリジナルキー」とそれを元に作成した「コピーキー」または「合鍵」があります。オリジナルキーにはメーカーの刻印と、鍵番号という大変重要な情報が刻印されています。
防犯性能の高い登録制のディンプルキーなどであれば鍵番号が刻印されていなかったり、鍵番号だけではオリジナルキーの追加を発注できない、といったシステムがありますが、そういった管理システムで守られていない鍵は鍵番号がわかれば誰でも合鍵を作成できてしまいます。
賃貸の鍵は借主のものではありませんし、退去時に返却する必要があるものです。大事に使うという他にも、カバーなどでキーヘッドを隠し、鍵番号が人目につかないよう工夫してください。
また、刻みキーに関しては鍵足(ブレード)のギザギザの山そのものが重要な情報を持っていますので、安易に鍵の画像を公開しないことが大事です。キーカバーだけでなく、キーケースがあれば鍵足も隠れて安心できます。
鍵番号については下記の記事で詳しく解説しています。興味があるかたはぜひご一読ください。
▼関連ページ賃貸で玄関ドアの防犯対策を行う際の注意点
ここからは、賃貸物件で防犯対策をする際に押さえておくべき注意点を分かりやすく解説します。
無断で工事や鍵交換をしない
賃貸住宅では、玄関ドアや鍵は物件の設備であり、貸主の所有物であるため、無断で交換しないよう契約書に明記されていることが殆どです。どうしてもドアに穴開けの加工をしたり、鍵を取り付けたり交換したい場合はまず管理会社や大家さんに相談しましょう。
特に無断で交換すると、水漏れや火災などがあった際に合鍵で部屋に入れなかったということで責任を問われるかもしれません。必ず許可を得てから交換しましょう。
費用は基本的に自己負担
原則として、入居者都合での修繕(工事)や鍵交換は自己負担になります。しかし、鍵交換の場合、防犯性の向上を理由に相談した結果、貸主が一部負担するケースもあります。
▼関連ページ原状回復ができるかどうか確認する
賃貸物件の借主が退去する際、「原状回復義務」が発生します。防犯対策のため補助錠の取り付けやスマートロックの設置、カメラの設置などを行った場合は、元の状態に戻せるようにしておくことが重要です。跡や傷が残らない商品を選ぶ、設置前の状態を写真に残すなどの工夫をしましょう。
合鍵を作成する際も許可を貰う
鍵交換と似ていますが、合鍵作成も賃貸借契約で禁止とされていることがあります。その理由はさまざまですが、主に防犯面での懸念から禁止されていることが多いです。
特に物件の鍵が刻みキーだった場合、合鍵作成のハードルが著しく低いこともあって、合鍵が住人の知らないところで作成され、悪用されていることも有り得ます。また、切削して複製された合鍵は結果的にシリンダーを傷めます。もし紛失などでスペアキーが必要になったのであれば、管理会社に紛失を報告して指示を仰いだ方が良いでしょう。
近隣への影響もよく考える
今まで集合住宅で暮らしたことがない場合、周りへの影響をよく考えて対策を講じる必要があります。特に賃貸物件では大きな音や景観によくないもの、共用部分に範囲が及ぶものには要注意です。例えば防犯砂利というアイテムがありますが、下記のような点が賃貸物件には向きません。
- 踏むと大きな音が出る
- ベランダに設置すると避難経路に影響する
- ベランダに設置すると水捌けに影響する可能性
ベランダはそもそも占有が認められている共用部分で、火災時などの避難経路として住人には管理が求められています。また、防犯カメラのように廊下に設置しなくてはならないものや、他の住人のプライバシーを侵害する可能性があるものはやめておいた方が良いでしょう。
賃貸でも工夫次第で玄関の防犯性は高められる
「賃貸だから何もできない」と思い込む必要はありません。工事不要の対策や、管理会社に相談すれば導入可能な設備など、防犯性を高める方法は意外と多くあります。とくに玄関は空き巣に狙われやすい場所だからこそ、意識して対策を講じることが重要です。
今すぐできる小さな習慣から始めて、大切な住まいを守る第一歩を踏み出しましょう。










