車のスマートキーとは?メリット・デメリットやキーレスキーとの違い
この記事でわかること
- スマートキーの仕組み
- キーレスキーとの違い
- スマートキーのメリット・デメリット
- 電池が切れたときの対処法
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
車のスマートキーは、多くの車両に搭載されている鍵システムです。この技術によって物理的なキーを使わずに車のドアの開閉やエンジンの始動が可能となり、利便性が格段に向上しました。
しかし、便利さと同時に電池交換の手間やセキュリティ上のリスクも考慮しなければなりません。さらに、キーレスキーとは異なる点もあり、それぞれの特性を理解することが大切です。
本記事では、スマートキーについて詳しく解説したうえで、メリット・デメリットやキーレスキーとの違いなどについて紹介します。
目次
スマートキーとは?
スマートキーとは、鍵穴に鍵を挿したり鍵についたボタンを押すなどの物理的な操作は必要ありません。スマートキーをかばんやポケットに入れた状態で車に近づく・ドアハンドルに触れるだけで自動的にドアが施錠・解錠されます。
殆どのスマートキーには、キー内部に記憶されたIDと車本体のIDが一致した場合だけエンジンが始動する「イモビライザー」という盗難防止機能が搭載されています。
従来のようにイグニッション部分に鍵を挿して回してエンジンを始動させる手間はなく、キーが車内にあれば、スタートボタンを押すとエンジンがかかり発進することができます。
仮に複製した物理的な鍵でエンジンを始動しようとしても、IDが一致しなければエンジンがかかることはないので、防犯性が高く盗難防止にはとても有効です。
欧州では1990年代にイモビライザーの搭載が義務化された結果、自動車の盗難被害件数が導入前のピーク時の約半分に減少しました。ただ、自動車の価格が上がってしまう懸念もあり、現時点で日本において義務化はされていません。
▼関連ページスマートキーの仕組み
車両とスマートキーは微弱な電波を発信しています。エンジンがかかっていない状態でもお互いに微弱な電波を発信し続けており、スマートキーの所有者が車両に近づいたりドアハンドルに触れると、車両とスマートキーがお互いに電波を受信しあいドアが施錠・解錠される仕組みになっています。エンジンの始動も同様の仕組みとなっています。
スマートキーと車両の距離は、車種やメーカーによって異なりますが、1mくらいが目安となっています。
スマートキーとキーレスキーの違い
スマートキーとキーレスキーの違いについてはご存知でしょうか?以下の表で違いについて解説します。
ドアの施錠・解錠 | エンジンの始動・停止 | |
スマートキー | スマートキーを持った状態で車に近づく・ドアハンドルに触れる | 車内にキーを置いた状態でスタートボタンを押す |
キーレスキー | キーの施錠または解錠ボタンを押す | イグニッション部分にキーを挿し込んで回す |
このように見るとキーレスキーを便利にしたものがスマートキーであると言えます。ドアの施解錠、エンジンの始動・停止において、ドライバー側の物理的な操作が少なくなっています。
メーカーごとに異なるスマートキーの呼び方
スマートキーは、各自動車メーカーによって呼び方が異なります。各メーカーの呼び方は以下の表でご覧ください。
自動車メーカー | 名称 |
トヨタ | スマートキー |
ホンダ | Hondaスマートキー |
日産 | インテリジェントキー |
スズキ | 携帯リモコン |
ダイハツ | 電子カードキー |
マツダ | アドバンストキー |
スバル | アクセスキー |
三菱 | キーレスオペレーションキー |
スマートキーのメリット
ここまで、スマートキーの利便性の高さについて触れましたが、改めてスマートキーの大きなメリットを3つ紹介します。
鍵紛失のリスクを抑えられる
スマートキーを使用することで、鍵紛失のリスクを抑えることができます。
従来の鍵と違い、スマートキーは常にポケットや鞄の中に入れておくことができ、キーを出し入れする機会が減ることで紛失のリスクが減ります。
仮にスマートキーをどこにしまったか覚えていなくても、電波を受信できる範囲内であれば車両は応答するので、「周辺にスマートキーがある」という目印になるでしょう。
手が塞がっていても施解錠できる
鍵穴にキーを差し込んだりボタンの操作が必要ないため、手が塞がっている状況でも車の施錠・解錠が可能になります。
たとえば、買い物帰りに荷物がいっぱい、小さな子供を抱えて手が塞がっている状況でも、車に近づくだけでドアが自動的に解錠され、ストレスなく車内へ乗り込むことができます。
エンジン始動が簡単になる
ドアの施解錠だけでなく、エンジンを始動するときも物理的なキー操作は不要です。
従来の鍵を使った方法と違い、スマートキーを持っているだけで、ブレーキを踏みながらスタートボタンを押すことで簡単にエンジンを始動させることができます。
鍵を探す手間を省き、イグニッション部分に鍵を挿す動作も省くことができ、利便性が大きく上がりました。
ピッキング被害に遭う可能性が減る
ピッキングとは、特殊な工具を鍵穴に入れて不正に開錠して侵入する空き巣が用いる手口です。ピッキングに慣れた人間だと、僅か2,3分程度で開錠するので、車内の貴重品や現金などが盗まれる危険性があります。
ただ、最近は殆どの車にスマートキーが搭載されているため、鍵穴にキーを挿し込んで施解錠することが少なくなりました。
スマートキーの普及により、鍵穴が存在しない車やボディをスマートに見せるために鍵穴を目立たない場所に設置している車が増えた結果、ピッキング被害に遭う可能性は大きく減りました。
スマートキーのデメリット
ここまでスマートキーのメリットや利便性の高さを紹介してきましたが、少なからずデメリットもあります。以下でデメリットも確認しておきましょう。
電池切れを起こす可能性がある
スマートキーは電池式なので、当然ですが使い続けていると電池切れを起こします。電池の寿命は約1~2年と言われているので、電池切れで使用できなくなる前に定期的な電池交換が必要です。
電池の交換方法は、車を購入した際の説明書に記載されています。部品が傷つく恐れもあるため、必ず説明書を呼んで慎重に作業を行いましょう。
保管場所に気をつける
スマートキーをテレビやパソコンなどの電子機器の周辺に置いて保管すると、電磁波に反応してしまい電池の消耗が激しくなってしまいます。保管する際は、別の場所に置くかある程度の距離を空けて保管しましょう。
リレーアタックの被害に遭う可能性がある
車両の近くでスマートキーを保管していると、「リレーアタック」という手法の被害に遭う可能性があります。
リレーアタックとは、スマートキーの仕組みを悪用して車を盗む手口の一つです。特殊な機器を使ってスマートキーの電波を増幅させ、第三者が車のロックを解除し、エンジンスタートを可能にします。
リレーアタックは、主に2~3人組で犯行が行われます。まず犯行グループの一人がスマートキーの所有者またはスマートキーが保管されているであろう玄関先などに近づき電波を受信します。受信した微弱な電波を特殊な機器を経由して仲間にリレーされ、最後にターゲットの車の近くまで送信され、車はキーを持った人間が近くにいるとご認識しドアを解錠してしまいます。
リレーアタックの被害に遭わないための対策として以下の方法があります。
- 玄関以外の場所でスマートキーを保管する
- 金属缶などの電波を遮断するケースに入れる
- 節電モードに設定する(一部メーカー)
- リレーアタック防止装置を取り付ける
金属缶は本体と蓋の接触面積が大きく隙間から空気や水が漏れないような金属缶が遮断効果が大きく有効的です。
遮断できているかどうか不安な場合は、スマートキーを入れた金属缶を持ったまま車に近づき、解錠できない場合は、遮断できているということになります。
一部メーカーのスマートキーには、節電モードに設定することで電波を遮断できる機能が搭載されています。指定の操作を行うことで簡単に設定することが可能です。
車種によって設定できないものもあるため、メーカーのホームページなどで確認しましょう。
リレーアタックを防止する装置を販売・取り付けを行っている業者もあります。勿論、取り付けには費用がかかり、車種によっては適合しない場合もありますので、購入する前に費用と適合するかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
スマートキーが普及したことによって車の乗り降りが非常に便利になった一方で、リレーアタックのようなスマートキーの仕組みを利用した悪質な犯罪手口も存在します。情報収集をしっかりと行って適切な対策を講じる必要があります。
スペアキー作成費用が高い
鍵穴にキーを挿し込んでドアを施解錠するタイプの車の鍵と比較すると、イモビライザーが搭載されたスマートキーのスペアキー作成費用は高額になります。
作成費用は車種によって異なるため、お近くのディーラーに問い合わせてみると良いでしょう。
鍵屋によっては、イモビライザー搭載キーは対応していないこともあるので、事前にホームページや電話口で確認しておきましょう。
▼関連ページ水没すると使用できない可能性がある
殆どのスマートキーには簡易的な防水機能がついているので、雨に当たったり水たまりに落としてしまった程度で使用できなくなることはありません。
ただ、服のポケットに入れたまま洗濯してしまった場合は、正常に作動しなくなる可能性がありますので気をつけましょう。
もし、スマートキーを水没させてしまった場合は、スマートキーを分解して水分を取り除き乾燥させ、新しいボタン電池に交換することで、元通りに使えるようになる可能性があります。
ただ、次第に使えなくなってくる場合もあるため、水没した段階でディーラーに相談しておくのが得策です。
電池が切れたときの対処法
利便性の高いスマートキーですが、電池が切れた場合の対処法は重要です。先述したように、スマートキーの電池の寿命は使用頻度によって異なりますが、約1~2年と言われています。
電池の残量が低下すると、スマートキーの機能が正常に動作しなくなり、キーが遠くにあると誤認し勝手に施錠されてしまう可能性があります。万が一に備えて対処法を知っておきましょう。
また、スマートキーの電池残量を確認する方法は車種によって異なります。
電池残量が少なくなると、メーターパネルにアイコンやインフォメーションディスプレイにメッセージが表示されるもの、ドアの施解錠できる距離が短くなるもの、エンジンを始動する際にアラームが鳴る機能を備えているものなどがあります。
スマートキー本体についているライトの色によって電池残量が分かるものもあるので、確認してみてください。
電池を交換する
スマートキーの電池交換は簡単に行えることが殆どです。メーカーや車種によって異なりますが、基本的な電池交換の流れは以下の通りです。
- 内蔵されているメカニカルキーを引き抜く
- カバーを取り外す
- 古い電池を取り出して新しい電池を取り付ける
- カバーを取り付ける
- メカニカルキーを差し込む
電池交換に自信がない方は、ディーラー、ガソリンスタンド、カー用品店などで依頼できます。費用は、だいたい500円~1,500円ほどです。
詳細な金額は直接店舗に確認すると良いでしょう。無理に自身で交換して傷をつけてしまうよりは、プロに依頼する方が安心です。
内蔵されているメカニカルキーを使う
電池が切れる前に定期的に交換しておくのが最も安全ですが、出先で電池が切れてしまう可能性も少なからずあります。
そういった突然のトラブルに備えて、スマートキーにはメカニカルキーが内蔵されており、それを使ってドアの施解錠・エンジンを始動することが可能です。
ドアを解錠するときは、スマートキーに収まっているメカニカルキーを取り出して、鍵穴に挿してドアを解錠します。鍵穴はドアノブ付近にあることが多いです。
エンジンを始動するときは、シフトポジションが「P」にあることを確認し、ブレーキを踏みながらスマートキーのロゴの面をスタートボタンに触れさせます。ボタンの色が点灯したらブレーキを踏みながらスタートボタンを押してください。
なお、各メーカーや車種によってエンジンの始動方法が異なるので、いざという時のために説明書を読んで確認しておきましょう。
▼関連ページ車の鍵トラブルは出張専門の鍵屋「鍵猿」にお任せ
ここまでスマートキーの仕組みやメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
従来の鍵穴に鍵を挿してドアの施解錠・エンジンを始動するやり方に比べて、スマートキーはとても便利になりました。
一方で、便利になった故のデメリットも少なからず存在します。そういった点を理解したうえで、使用することが大切です。
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