鍵は回るのに鍵が閉まらない原因とは?考えられる不具合と対処法
この記事でわかること
- 鍵が回るのに閉まらない原因
- 自分でできる応急処置と避けるべきNG行動
- 修理と交換の判断基準とそれぞれにかかる費用相場
- 賃貸物件における正しい対応方法
- 信頼できる業者の選び方
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
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鍵は回るのに鍵が閉まらない、施錠できないという場合は、鍵穴だけでなく錠ケースやデッドボルト、ドアの建付けなどに原因があることがあります。無理に何度も回してしまうと症状が悪化することもあるため、まずは原因を切り分けることが大切です。
この記事では、鍵が回るのに閉まらない主な原因と、自分で確認できるポイント、修理を依頼したほうがよいケースを解説します。
目次
鍵が正常に閉まる仕組み・閉まらない状態について

鍵を回すとドア内部でデッドボルト(かんぬき)が動く仕組みを示した模型図です。
一般的なシリンダー錠の内部には、ピンやタンブラーと呼ばれる小さな部品が並んでいます。正しい鍵を差し込むとこれらのピンが整列して鍵穴(シリンダー)が回転できる状態になります。
鍵を回すとシリンダー後部のカムと呼ばれる平たい金属板が一緒に回転し、その回転によってドア内部にあるデッドボルトを横方向に動かします。デッドボルトがドア枠の受け穴(ストライク)にしっかり滑り込むことで施錠が完了し、逆方向に動けば解錠されます。つまり、鍵穴からドアロックにかけて以下の3つのステップで鍵は閉まっています。
- 鍵を回す(シリンダー内筒が回転する)
- カムが連動して回転し、回転力を錠前本体に伝える
- 錠前内部のデッドボルトが動いてドアをロックする

この一連の仕組みの中でどこか一箇所でも不具合が起こると、鍵を回してもデッドボルトに力が伝わらず、鍵だけが空回りして「鍵は回るけど閉まらない」状態になってしまうのです。
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鍵が回るのに閉まらない主な原因

鍵は正常に回っているのに施錠できない場合、考えられる原因はいくつかあります。ここでは代表的な原因を順に解説します。当てはまりそうなものがないか確認してみましょう。
鍵は回るものの、手応えがなく空回りしているような場合は、シリンダーや内部部品の不具合が考えられます。鍵の空回りについては、下記の記事で詳しく解説しています。
▼関連ページ別の鍵を使っている・正しく挿し込めていない
慌てていると、似た形状の別の鍵を誤って使ってしまうケースがあります。実際、複数の鍵を持っていると一見よく似た鍵を取り違えることは珍しくありません。違う鍵でも鍵穴に刺さってしまうことがありますが、中の構造が合っていないため回しても施錠されることはありません。
まずは深呼吸して落ち着き、今使っている鍵が正しい鍵かを確認しましょう。鍵が正しく差し込まれていないだけで回転が空回りすることもあるので、一度抜き差しし直してみるのも手です。
なお、違う鍵を差したまま無理に回そうとすると鍵やシリンダー内部を傷めてしまい、修理や交換が必要になる場合もあります。鍵を回せないと焦りますが、まずは鍵そのものに間違いがないか確認するのが基本です。
鍵自体の摩耗・変形
長年同じ鍵を使い続けていると、鍵の先端やギザギザ部分が少しずつすり減ったり、鍵全体が曲がってしまったりすることがあります。こうした鍵自体の摩耗や変形が起きると、鍵穴内部の構造とかみ合わずに空回りしてしまうことがあります。
特に、古いタイプの鍵ではこの症状が出やすい傾向があります。例えばかつて一般的だった旧式ディスクシリンダー錠では、鍵穴の後部にカムがなく鍵先端の突起がカムの役割を果たしていました。そのため鍵の先端が摩耗・欠けすると内部に回転力を伝えられなくなり、鍵が空回りしてしまうのです。
古いディスクシリンダーをお使いの場合や、鍵自体がかなりすり減っていると感じる場合は、この鍵摩耗が原因かもしれません。
▼関連ページ鍵穴の汚れ・異物詰まり
鍵穴内部にホコリやゴミが蓄積すると、鍵の動きが悪くなって正しく噛み合わず、空回りの原因になります。屋外に面した玄関扉では、風に乗って砂埃が鍵穴に入り込むこともあり、気づかないうちに汚れが溜まってしまいます。鍵を差し込んでもスカスカと空回りする場合、内部にホコリが詰まって回転が空転している可能性があります。
鍵穴の汚れが原因の場合、放置すると症状が悪化するだけでなく、無理に鍵を回そうとして鍵が折れたり内部パーツを傷める恐れもあります。鍵穴の汚れ詰まりは自分である程度対処可能なケースもありますので、後述するお手入れ方法で異物を除去して改善を試みましょう。
▼関連ページカムの故障
鍵穴の奥には「カム」と呼ばれる金属板が取り付けられており、鍵を回すとこのカムも一緒に回転します。カムは鍵の回転力を錠前本体(箱錠)に伝える重要な役割を担っています。しかし、長年の使用による摩耗や経年劣化でカムが薄く削れたり、折れたりしてしまうと、ドア側の錠前に力が伝わらなくなります。
例えるならドライバーの先端が摩耗してネジを回せなくなるようなもので、シリンダーだけが空回りしてデッドボルトが全く動かない状態に陥ります。カムの不具合はシリンダー内部深くで起きるため、外から見ても分かりにくく、自分で分解しようとすると状況を悪化させてしまう恐れがあります。カムが原因と思われる場合、後述する対処法でも改善しなければシリンダーごと交換するしか解決策がないケースが多いです。
デッドボルトの故障・不良
鍵を回すと出入りするデッドボルト自体に不具合が生じている場合もあります。デッドボルトが錠ケース内部で何かに引っかかって動かなくなっていたり、取り付け位置がずれて正常に作動していないと、鍵を回しても空回りするような状態になります。
例えば、デッドボルトを受ける側の穴であるストライクの位置が微妙にずれていると、ボルトが物理的にかみ合わず施錠できないことがあります。この場合は鍵自体やシリンダーに異常がなくてもドア枠側の問題で鍵が閉まらないわけです。特にドアの建付け不良や歪みがあると、デッドボルトとストライクの位置が合わず鍵がロックされないことがあります。長年使ったドアは蝶番の緩み等で下がり、こうしたズレが生じやすくなります。
デッドボルトの故障や位置ズレが疑われる場合、自力で直すには高度な技術が必要です。無理に分解・調整しようとするとかえって悪化するため、このケースでは専門の鍵業者に任せるのが無難でしょう。
ドア枠の歪み・ズレによるかみ合わせ不良
上記デッドボルトの話と関連しますが、ドアや枠の歪みそのものが原因で鍵が閉まらないこともあります。地震や経年による建物の歪み、あるいは蝶番のネジ緩み等で扉の位置が下がったり傾いたりすると、デッドボルトとストライクの位置がズレます。その結果、鍵穴部分や鍵自体に問題がなくても物理的にボルトが穴に入らず、鍵を回しても施錠できないのです。
この場合、ドアを一度持ち上げたり押したりしながら鍵を回すと施錠できる位置が見つかることがあります。もし「鍵は回るのに最後までボルトが入らない」というときは、ドアの歪みを疑いましょう。
根本解決には蝶番の調整やストライク位置の修正が必要ですが、自分でネジを締め直す程度で改善することもあります。蝶番のネジを締め直してドアの垂直を矯正したり、ストライクの固定ネジを緩めて位置を微調整することで対処が可能です。
ただし、こうした調整は慣れていないと難しい場合もあります。無理に行うとドアの閉まり具合が悪化する恐れもあるため、自信がない場合は業者に任せましょう。
鍵が回るけど閉まらないときの対処法

原因に心当たりがある程度つかめたら、実際にいくつか応急的な対処法を試してみましょう。ここでは、自分で比較的安全にできる鍵の直し方を紹介します。無理のない範囲で一つずつ試し、それでも改善しない場合は専門家を呼ぶようにしましょう。
鍵穴や鍵を掃除して異物を除去する
鍵穴内部に汚れが溜まっている場合は、まず掃除によってトラブルが解消できるか試します。やり方は簡単です。掃除機を用意し、ノズルの先端を鍵穴に当てて中のホコリを吸い出します。細かな砂や埃が取れるよう、密着させて数十秒程度吸い込んでみてください。
さらにエアダスターがあれば、鍵穴に「シュッ」と吹き付けて残った塵を飛ばします。エアダスターはホームセンターなどで1本数百円~千円程度で購入できます。これだけでも鍵穴のゴミが除去され、鍵の動きがスムーズになる場合があります。
また、鍵本体にも汚れが付いていることがあるため、鍵の表面や溝もブラシや布で清掃しておくとよいでしょう。鍵のギザギザに詰まった埃や手垢によるベタつきを落とすことで、鍵穴との摩擦を減らしスムーズに挿し込めるようになるかもしれません。
定期的に鍵穴と鍵を清掃して異物や汚れを溜めないことは、鍵トラブル予防にも効果的です。
鍵穴専用の潤滑スプレーを試す
鍵穴や鍵を掃除したら、仕上げに鍵穴専用の潤滑剤を使ってみましょう。鍵穴用潤滑剤は、ホームセンターやネット通販で手に入ります。シリンダー内部に油膜を作り、金属どうしの摩擦を軽減してくれるので、長年使って摩擦抵抗が増えた鍵ほど効果があります。
使い方は簡単で、鍵穴に向けて1プッシュ程度スプレーするだけです。パウダー状の潤滑剤なら中で固まる心配もなく、余分な埃を絡め取って排出してくれる商品もあります。
クレ556などの一般的な潤滑油や食用油など、鍵穴専用ではない潤滑剤を絶対に使わないでください。液状の油は鍵穴内部に留まり、ホコリを吸着して泥状に固着してしまいます。それが新たな異物となり、かえって鍵の動きを悪化させてしまうからです。
実際にクレ556を使用して内部が固着し、シリンダー交換が必要になるケースもあります。鍵穴に余計な油を入れないよう十分注意しましょう。鍵穴には必ず鍵穴専用と明記された潤滑剤だけを使用しましょう。
もし専用スプレーがすぐ用意できない場合、鉛筆の芯で代用する裏技もあります。濃いめ(B以上)の鉛筆芯をカッター等で細かい粉末状に削り、その黒鉛の粉を鍵にまぶしてから鍵穴に出し入れします。黒鉛は優れた乾燥潤滑剤となり、一時的に鍵の滑りを良くしてくれます。ただし木の削りカスなど余計なものが入らないよう注意してください。
掃除と潤滑を行った後、再度鍵をゆっくり回してみて、引っかかりなくスムーズに回るか確認しましょう。
▼関連ページスペアキーや合鍵で試してみる
現在使っている鍵が摩耗・変形している疑いがある場合、別の鍵(合鍵や元の純正キー)で試すのも有効です。鍵がすり減って山が低くなっているとピンとの噛み合いが悪くなりますが、作りたてのスペアキーや滅多に使っていない予備の鍵なら正常に動作することがあります。
特に、MIWAディスクシリンダーのように鍵先端がカムの役割を兼ねるタイプでは、鍵の摩耗による空回りが起きやすいため、合鍵で回るか確かめることで原因の切り分けができます。手元に合鍵がある場合は、まずそちらで施錠できないか試してみましょう。
もしスペアキーで正常に閉まるようなら、現在使っていた鍵は寿命が近い状態です。そのまま使い続けるといずれ完全に開かなくなるリスクがあるため、新しい鍵を作成するか鍵自体を交換することを検討してください。
ドアを押し引きしながら回す
ドアや枠のズレが原因で鍵が閉まらない場合、ドアの位置を手で調整しながら鍵を回すと施錠できることがあります。具体的には、鍵を回すタイミングでドアを少し引き寄せたり、逆に押し付けたりしてみてください。上下や左右にズレて噛み合っていない場合、ちょうど良い位置に動かすことでデッドボルトがストライク穴に入り、鍵が回ることがあります。
例えば、ドアが下がっていると感じるなら取っ手を持ち上げ気味にして回す、逆にきつくて入らない感じなら押し込んでから回す、などです。これで施錠できた場合はドアの建付け不良が原因と分かりますので、根本対策として蝶番のネジ調整やストライク位置の調整を行う必要があります。蝶番のネジを締め直してドアの垂直を矯正したり、ストライクの固定ネジを緩めて位置を微調整することで対処が可能です。
ただし、こうした調整は慣れていないと難しい場合もあります。無理に行うとドアの閉まり具合が悪化する恐れもあるため、自信がない場合は業者に任せましょう。
シリンダーを付け直してみる
少し専門的ですが、以前にシリンダーだけ交換したことがある場合や、シリンダーの固定具合が緩んでいそうな場合は、一度シリンダーを取り外して付け直すことで直るケースもあります。シリンダー錠は基本的にシリンダー部分のみネジ留めされており、ドアを開けてシリンダー固定用のビスを外せば抜き取ることができます。
過去に自分で交換していた場合、取り付けが不完全でカムが錠前にうまく噛み合っていない可能性があります。そのため、一度シリンダーを外して正しい位置に再装着し直すと空回りが解消することがあります。
ただし、シリンダー脱着作業自体に不安があれば無理は禁物です。シリンダーや錠前を傷つけてしまうと本末転倒なので、この方法はあくまでDIY経験が豊富な方向けの対処法といえます。
それでも改善しない場合は鍵業者に依頼を
上記の対処法を試しても鍵が閉まらない場合、無理に自力で直そうとするのは危険です。状態が改善しないどころか悪化すると、完全に鍵が壊れて開け閉め不能になったり、余計な修理費用がかかる事態にもなりかねません。原因が特定できない場合や緊急で対処が必要な場合は、迷わずプロの鍵屋さんに連絡しましょう。
鍵は防犯にも関わる大切な部品です。専門の技術者なら原因を的確に見極め、修理または交換で速やかに対処してくれます。「ちょっと早いかな?」と思っても、鍵がきちんと閉まらない状態は非常に危険ですので、早め早めの相談・依頼を心がけてください。
鍵が閉まらないときの応急的な施錠方法

鍵穴の不具合で玄関の鍵がかからない場合、修理完了までの間に一時的にドアを施錠する方法が気になる方もいるでしょう。完全に鍵が故障してしまった際に使える応急の対策をいくつか紹介します。
ドアチェーンや仮ロックで一時しのぎする
まず、自宅のドアに内側チェーンロック(ドアガード)が付いている場合は、外出時でも内側からチェーンを掛けてドアを少しだけ開けた状態で固定する方法があります。完全な施錠ではありませんが、ドアを大きく開けられなくすることで侵入の抑止力にはなります。
ただしチェーンは構造上強い力をかければ外れてしまうこともあるため、防犯上はあくまで一時的な応急策と考えてください。
▼関連ページ補助錠で一時しのぎする
もし補助錠(サブロック)をお持ちであれば、それを活用するのも手です。例えば内側からつっかえ棒式にドアを固定するバータイプの簡易ロック製品や、ドアノブと床の間に突っ張るタイプのストッパーなど市販されています。これらを設置すれば、外から鍵を開けられなくても内側でドアを動かないよう固定できます。
ドアの前に物を置いて外から開けられないようにする
賃貸の場合、勝手な改造はできませんが、道具を使わない範囲で家具や重い物をドアの前に置いてバリケードにするという荒技もあります。就寝中や一時的に室内に留まる場合には有効ですが、外出する際には現実的ではありません。
結局のところ、正規の鍵が使えない状態でドアを完全に安全に施錠する方法は限られており、早急に鍵の修理・交換を行うことが最善策となります。
焦りは禁物!鍵が閉まらないときのNG行動

鍵が閉まらないトラブルに直面すると焦ってしまいがちですが、対処を誤ると状況が悪化する恐れがあります。ここでは、絶対にやってはいけないNG行為を確認しておきましょう。誤った対応で鍵を壊してしまうと、後で余計な手間と費用がかかってしまいます。
鍵穴専用でない潤滑油を使わない
鍵の動きが悪いからといって、家庭にある油(潤滑油やスプレー)を安易に鍵穴へ吹き付けるのはNGです。市販のクレ556やシリコンスプレー、まして食用油などは、鍵穴内部でホコリを吸着してドロドロに固めてしまいます。
結果として、状態を改善するどころか悪化させてしまう可能性が高いのです。実際に、クレ556などの潤滑油を使って症状を悪化させてしまい、鍵穴内部の清掃やシリンダー交換に至ったケースもあるので注意しましょう。鍵穴には必ず鍵穴専用と明記された潤滑剤だけを使用しましょう。
力任せに回したり叩いたりしない
鍵が回らないからといって、無理やりこじ開けようとするのは厳禁です。鍵は金属製とはいえ精密な部品の集合体なので、力を入れすぎると鍵自体が折れたり曲がったりしかねません。
実際、鍵が刺さったまま折れてしまうと、自分では折れた破片を取り出せず事態がさらに深刻化します。ハンマーでドアや鍵周辺を叩く行為も絶対に避けてください。精密な現代の錠前に衝撃を与えると、部品が破損して元の状態より悪化するだけです。
また、何度もガチャガチャと力任せに鍵を回し続けるのもやめましょう。何度やっても引っかからないなら、優しく数回試してダメな時点で別の方法を考えるべきです。強引な力技は逆効果だと心得て、冷静に原因を見極めることが大切です。
鍵を分解・改造しようとしない
「自分で直せないか」と考えて、素人判断で鍵や錠前を分解するのは非常に危険です。確かにドライバーでネジを外せばシリンダーやノブを取り外すことはできます。しかし内部構造は複雑で、部品一点でも失くしたり組み方を間違えたりすると、元通り使えなくなるリスクが高いのです。特に小さなバネ等は分解時に飛び出して紛失しやすく、専門知識なしでは組み戻せなくなるケースも多々あります。
さらに、下手に分解して壊してしまうと本来可能だった修理が不可能になり、交換するしかなくなってしまうこともあります。余計な費用がかさむ原因にもなりますので、鍵の内部に手を出すのは避けてください。最近の鍵は防犯性能向上のため一層精巧になっています。専門の鍵屋さんでない限り、むやみに分解・改造しようとしないことが鉄則です。
針金など異物を鍵穴に突っ込まない
鍵が開かない・閉まらないとき、「もしかしたら…」と針金やピンを鍵穴に差し込んでどうにかしようとする人がいますが、これもやってはいけません。鍵穴内部はピン配列など非常に繊細な構造なので、素人が金属の異物を突っ込むと内部パーツを傷つける恐れがあります。運悪く針金が折れて中に残ってしまったりすると、鍵穴を丸ごと交換しなければならない事態にもなりかねません。
以上、焦る気持ちからついやってしまいそうなNG行動を挙げましたが、いずれも状況を悪化させ、結果的に修理費用を高額化させる原因になります。困ったときこそ落ち着いて、適切な方法で対処するようにしましょう。
鍵が閉まらない状態を放置する危険性

「今は鍵が閉まらないけどそのままでも大丈夫かな?」と放置するのは非常に危険です。鍵がきちんとかからないドアは、言うまでもなく防犯上のリスクが高まります。空き巣などの侵入者にとって鍵が壊れている扉は絶好の狙い目であり、施錠されていない家と同じ状態と言えます。特に留守中は無防備になってしまうため、保険適用外になる可能性も含めてリスクが大きいでしょう。
また、鍵の不具合を放置すると状況がさらに悪化する恐れもあります。例えばカムやデッドボルトが部分的に破損している状態で使い続けると、ある日完全に動かなくなってドアが開かなくなる事態も考えられます。実際、軽度の不調のうちに対処しておけば安価な修理で済んだのに、放置した結果壊れて交換が必要になったケースは少なくありません。
鍵が閉まらないままでは安心して外出もできず、日常生活にも支障をきたします。防犯面・安全面から見ても、鍵の不具合は早期解決が肝心です。問題を発見したら放置せず、速やかに対処するようにしましょう。
修理か交換か?費用も含めた判断ポイント

鍵の空回りトラブルに対処する際、「修理で済むのか、それとも交換すべきか」を判断することも重要です。ここでは症状ごとの対応策と、修理・交換にかかる費用の目安を解説します。
修理で直るケース・交換が必要なケース
まず、鍵が閉まらない原因が軽微な場合は修理対応で直る可能性があります。例えば「鍵穴の汚れ」や「鍵の摩耗」程度であれば、清掃や潤滑剤の使用、鍵の作り直しなど比較的簡易な処置で改善できるケースが多いでしょう。カムが外れかけていただけの場合も、部品交換なしで取り付け直し等の修理で対応できることがあります。
一方、部品の破損や老朽化が原因の場合は、シリンダーや錠ケース自体を交換する必要が出てきます。例えばカムが折れていたり、デッドボルト周辺が破損しているケースでは、もはや修理ではなく新品部品への交換が不可避です。
また、鍵そのものが耐用年数を大きく超えてガタが来ている場合も、交換してしまった方が安心です。古い鍵を無理に延命しても再発リスクが高く、防犯性能も低いままなので、この機会にディンプルキーや電子錠など最新式の鍵に替えるのも一案でしょう。
ポイントとして、「修理で対応できるのは軽症まで」と覚えておき、内部破損が疑われるときは最初から交換前提で動いた方が結果的にスムーズなケースも多いです。
修理・交換それぞれの費用相場
気になる費用面ですが、状況によって大きく異なります。一般的な目安を紹介します。
鍵業者に修理を依頼した場合
鍵業者に修理を依頼した場合は部品交換を伴わない軽い修理(例:カムの位置調整や清掃だけ)であれば、概ね1万円前後~が相場です。出張料込みでそれくらいから対応してくれる業者が多いでしょう。
ただし実際に分解してみて部品が壊れていた場合は交換になるため、費用は上振れします。シリンダーやデッドボルトの破損で交換となった場合、3万円以上かかると見ておいた方が良いでしょう。高性能なディンプルキー等に交換するなら部品代込みで5万円以上になることもあります。
鍵業者に交換を依頼した場合
鍵業者に交換を依頼した場合は交換する部品や鍵の種類によって幅がありますが、シリンダー交換のみなら1.5万~3万円程度、錠前一式交換なら3万~5万円程度が一つの目安です。ディンプルキーや電子錠など高価な製品では部品代が2~5万円、それに作業費がプラスされます。また夜間・早朝の緊急対応だと料金が割増になる業者もあります。
自分で部品交換する場合
自分で部品交換する場合、DIYでシリンダーを交換するならシリンダー代の3,000~10,000円ほどで済みます。ただし適合する型番の商品を取り寄せる必要があり、知識がないと難しいです。
錠前一式を自分で交換する場合は、室内ドア用の安価なものなら2,000円程度から、玄関用の高性能錠前だと数万円~とピンキリです。自信がない場合は無理せず業者に任せた方が、結局は安上がりになることも多い点に注意しましょう。
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賃貸住宅で鍵が閉まらないときの対応
自宅が賃貸物件の場合、鍵の不具合が起きたときは管理会社や大家さんに連絡すべきか悩むところですよね。基本的には、賃貸では鍵を含め室内設備の故障はまず管理会社に相談するのが原則です。勝手に自分で業者を手配したり鍵を交換してしまうと、後々トラブルになる可能性があります。
まずは管理会社/大家に状況を伝え、指示を仰ぎましょう。管理会社が提携している鍵業者を手配してくれる場合や、修理費用をオーナー側が負担してくれるケースもあります。特に経年劣化による故障であれば貸主負担で交換してくれることも多いです。一方、入居者の過失や紛失によるトラブルの場合は自己負担となる可能性がありますが、いずれにせよ許可なく鍵をいじるのは避けるべきです。
賃貸契約では、防犯上の理由から鍵交換は事前承諾が必要と定められていることもあります。また勝手に交換すると合鍵の管理などでもめる原因にもなります。したがって、鍵が閉まらないトラブルに直面したら、まず電話で管理会社に相談し、指示に従ってください。必要なら管理会社経由で業者を手配してもらいましょう。
緊急で深夜など管理会社に連絡が取れない場合は、やむを得ず自分で鍵業者を呼ぶこともあります。その際も、後で必ず管理会社に報告し、交換した場合は新しい鍵を渡すなどの対応を忘れないようにしましょう。
鍵業者に依頼するときの注意点・選び方

鍵が閉まらないトラブルで業者に依頼する際は、信頼できるサービスを選ぶことが大切です。以下に業者選びのポイントと注意点をまとめます。
事前に料金や作業内容の見積もりを確認する
急いでいるとつい「すぐ来てください!」と頼みがちですが、料金体系や見積もりをしっかり確認することを怠らないでください。悪質な業者の中には、電話では安く見せかけておいて実際の請求時に高額な追加料金を上乗せする例も報告されています。トラブルを防ぐため、出張費や部品代、作業料の総額を事前に確認し、納得できない場合は依頼を見送りましょう。
信頼できる鍵屋さんであれば、「作業前に必ず見積もりを提示し、作業後に追加料金は発生しない」ことを明言してくれます。24時間対応の大手業者などは比較的明朗会計ですが、中小でも評判の良いところは丁寧に説明してくれるので、少しでも不安なら依頼前に費用を質問するのが賢明です。
実績や口コミをチェックする
ネット検索すれば多くの鍵業者が出てきますが、なるべく実績豊富で評判の良い業者を選びましょう。公式サイトで施工実績やお客様の声を掲載していたり、メディアに取り上げられたなど信頼できる情報がある業者は安心です。逆に所在地や連絡先がはっきりしない業者、料金の記載が極端に少ない業者は避けた方が無難です。
また、口コミサイトやSNSで利用者の評判を調べるのも有効です。「対応が迅速で料金も適正だった」「説明が丁寧だった」という声が多い業者なら安心して任せられるでしょう。鍵は防犯とも直結するので、安さだけで飛びつかず信頼感を優先することが大切です。
緊急時でも落ち着いて複数社を比較検討する
鍵のトラブルは突然起こるため焦りますが、可能であれば複数の業者に問い合わせてみることをおすすめします。一社だけだとその提示額や対応が適正か判断しにくいですが、二社三社と聞けばだいたいの相場観もつかめます。特に深夜や早朝に高額料金を提示された場合でも、他社に連絡すればもっと良心的な価格で対応してくれるかもしれません。
とはいえ真夜中で時間がない場合もあります。その場合は、大手の鍵業者や24時間対応チェーンにまず電話してみましょう。大手は研修を受けたスタッフが多く、極端に法外な請求をされるリスクも低いです。「電話で聞いた額以上は請求しません」と明言してくれるかもチェックポイントです。緊急時こそ落ち着いて、信頼できるプロに任せるようにしてください。
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鍵のトラブルを再発させない予防策

一度鍵が閉まらないトラブルを経験したら、二度と起こしたくないものですよね。最後に、普段からできる再発防止のためのメンテナンス方法を紹介します。
鍵穴の定期清掃と適度な潤滑
鍵穴内部にホコリやゴミを溜めないように、定期的な清掃を習慣づけましょう。少なくとも半年〜1年に一度は掃除機で鍵穴の埃を吸い出したり、市販のエアダスターで内部を吹き飛ばすだけでも効果があります。また、年に1回程度、鍵穴専用スプレーで潤滑剤を補充しておくと摩耗の進行を遅らせることができます。玄関ドアが道路に面している場合など埃が入りやすい環境では、特にこまめなお手入れが肝心です。
長く使っている鍵穴は内部の油分が切れて摩擦が増えているため、そのまま放置すると部品の摩耗や破損につながります。定期的なお手入れで鍵穴を清潔に保ち、適度に潤滑しておくことが鍵寿命を延ばすコツです。
鍵を優しく扱い負担を減らす
日頃から鍵の抜き差しや回転は丁寧に行うよう心がけましょう。硬くて丈夫そうに見える鍵でも、毎日力まかせにガチャガチャと扱っていると少しずつ負担が蓄積し、摩耗や変形の原因になります。特に鍵が少し引っかかるからと乱暴にガチャガチャやるのは厳禁です。引っかかりを感じた時点で潤滑剤を差すなど早めに対処し、無理な力をかけないようにしましょう。
また、鍵を差し込む際に余計なひねりを加えたり、閉めるときに鍵を入れたままドアをバタンと勢いよく閉じたりするのも避けてください。そうした衝撃やねじれがシリンダー内部に悪影響を与える可能性があります。「鍵は繊細な精密部品」と意識し、丁寧な操作を心掛けることが大事です。
古い鍵は寿命を考え早めに交換を検討
鍵にも寿命があります。一般的な鍵の耐用年数は10~15年程度と言われます。それを過ぎると部品劣化や摩耗でトラブルが起きやすくなります。今回鍵が空回りするトラブルが起きた鍵が、もし10年以上使っているものであれば、修理で一時的に直ってもまた不調がぶり返す可能性があります。
防犯面でも古いタイプの鍵はピッキング耐性が低かったりするため、この機会に新しい鍵への交換を検討するのも良いでしょう。ディンプルキーや電子錠なら防犯性も高く、寿命も長いものが多いです。費用は掛かりますが、安心を買う意味でも前向きに検討してみてください。
また、スペアキーを長年使い回してすり減っている場合は、新しく作り直すだけでも違います。とにかく「もう古いな」と感じた鍵は早め早めの交換を検討し、常に良好なコンディションの鍵を使うようにすると安心です。
よくある質問
鍵は回るのに閉まらないのはなぜですか?
鍵は回るのに閉まらない場合は、鍵穴そのものではなく、施錠に関わる内部部品やドアまわりに不具合がある可能性があります。
たとえば、デッドボルトがうまく出ていない、錠ケース内部の部品が摩耗・破損している、ドアの建付けがずれてストライクとかみ合っていない、といった原因が考えられます。見た目には鍵が回っていても、施錠動作が正常に伝わっていなければ鍵は閉まりません。
鍵が閉まらないときは自分で直せますか?
軽いズレや一時的な引っかかりであれば、ドアを少し押し引きしながら鍵を回す、スペアキーで試す、ドア枠とのズレがないか確認することで改善する場合があります。
ただし、錠ケース内部の故障やデッドボルトの不具合が原因の場合は、自分で直すのが難しいことも少なくありません。無理に回したり分解したりすると悪化するおそれがあるため、改善しない場合は専門業者に相談するのが安心です。
デッドボルトが出ないときは故障ですか?
故障の可能性があります。
デッドボルトは、鍵をかけたときにドア側面から出てくるかんぬき部分です。ここが出ない、途中で引っかかる、動きが弱いといった場合は、錠ケース内部の不具合や部品の摩耗・破損が起きていることがあります。ドアを開けた状態でも正常に動かない場合は、内部故障の可能性が高いと考えられます。
鍵が閉まらない状態を放置するとどうなりますか?
鍵が閉まらない状態を放置すると、防犯性が大きく低下するだけでなく、症状がさらに悪化するおそれがあります。
最初は軽いズレや動作不良でも、使い続けるうちに部品の摩耗が進み、最終的にはまったく施錠できなくなったり、逆に解錠もしにくくなったりすることがあります。外出時や就寝時にしっかり鍵をかけられないのは大きなリスクになるため、早めに点検や修理を検討しましょう。
鍵が回るのに閉まらないトラブルは冷静に対処しよう!

「鍵が回るのに閉まらない」というトラブルは、内部の些細な不具合から深刻な故障まで原因は様々ですが、いずれにせよ放置は禁物です。まずは焦らず原因を推測し、自分でできる範囲の応急処置を試みてください。それでダメなら無理をせず速やかに専門の鍵業者へ依頼することが肝心です。鍵がかからない状態を放置すると防犯上も非常に危険ですし、状況が悪化して修理費用が高騰する恐れもあります。
幸い、軽度の不具合なら意外と簡単に直る場合もあります。日頃から鍵を労わり、定期的にメンテナンスすることでトラブルを未然に防ぐことも可能です。この記事が鍵トラブルでお困りの方のお役に立てば幸いです。万一どうにもならないときは無理せずプロに相談し、大切な玄関の鍵を万全な状態に戻してくださいね。
もし、鍵業者に依頼しようと検討されている方は鍵猿までご相談ください。鍵猿では見積もり・出張費無料で現場に駆け付けます。年中無休で最短15分で駆け付けますので急な鍵トラブルでお困りの場合でもお気軽にお問い合わせください。
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