鍵が曲がったら修理できる?対処方法と合鍵の作り方
この記事でわかること
・鍵が曲がる原因
・鍵が曲がったときの対処方法
・鍵屋に合鍵作成を依頼したときの費用
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
家の鍵をはじめ、車・バイク・自転車の鍵やロッカー・スーツケースの鍵、車庫や店舗などのシャッターの鍵が曲がってしまって利用できなくなったり、鍵穴に差し込んだまま抜けなくなったりしたら困りますよね。
そのような思わぬトラブルが起きたとき、どうすればいいのでしょうか。
今回の記事では、鍵が曲がる原因、曲がってしまったときの対処方法や修理方法、鍵を使い続けることのリスクについて説明していきます。
鍵に少しでも異常を感じたら、鍵屋に相談することをおすすめします。鍵屋でしたら、鍵交換や合鍵作成などさまざまな鍵トラブルに対応可能です。
目次
鍵が曲がる・歪む原因
鍵が曲がる・歪む原因を知っておくことは、トラブルを防ぐ対処法として重要です。
金属だからといって雑な扱いはせずに、長持ちさせるように丁寧な扱いを心がけることが大事です。
使い方による変形
鍵が曲がる原因はさまざまですが、最も大きな原因になりやすいのは、使い方です。
鍵穴にまっすぐ挿入しない、急いでいるからと粗雑に回して思い切り引き抜く、ポケットなどに他の鍵と一緒にジャラジャラと入れていて、うっかり落とすことが多いなど、使い方や持ち歩き方が粗いと、鍵も少しずつダメージを受けて変形していきます。
車庫や店舗などに多いシャッターの鍵も、鍵を付けたまま勢い良く開け閉めしたりすると、曲がってしまいます。
環境要因
車のキーは車窓越しに直射日光に当たったり、熱がこもった車内にキーボックスを放置したり、熱で膨張して変形することも少なくありません。
自転車の鍵やロッカーの鍵、スーツケースの鍵など小さくて比較的薄い素材の鍵は、ポケットやカバンの中に無造作に入れて持ち歩いているだけでも欠けたり曲がってしまったりしますので注意しましょう。
経年劣化
長年使用している鍵は、オリジナルキーであっても経年劣化、特に摩耗による変形は避け得ません。特にギザギザの山鍵タイプはギザギザの部分が摩耗などで丸みを帯びたり、オリジナルキーであっても鍵穴に合わなくなってしまうことがあります。
また、古いディスクシリンダーの錠前を使用している場合は、鍵の先端がカムの役割を担っている為、この先端部分が摩耗によって欠けていき、鍵が空回りすることがあります。
鍵が曲がったとき・歪んだときの対処方法
もし、鍵が曲がったとき・歪んでしまったときはどう対処したら良いのでしょうか。直すことはできるのでしょうか。
多くの方が元の状態に戻そうとします。ですが、一度曲がった鍵は完全には元に戻せません。
鍵は精密に作られていますので、わずかでも歪みが残っていると開け閉めができなくなってしまうものです。
どうにか開け閉めができるようになったとしても、そのような鍵を使い続けると鍵穴も鍵も傷めてしまいます。
鍵が曲がったときの対処方法として適切なのは、無理に戻そうとするのではなく、素直に新しい鍵を作るか、まったく別の鍵に交換することです。
新しい鍵を作る
新しい鍵を作るというのは、曲がってしまったものと同じ鍵を作ることを指しています。
お気に入りのマグカップを割ったときなどは、同じものがまだ販売されていれば買い替えることもできますが、鍵の場合はそのように誰にでも買える場所で同じ鍵を購入することはできません。
もし、同じ鍵をホームセンターなどで買えるとなれば、堂々と空き巣に入られるようになってしまいます。
そのため、曲がってしまった鍵と同じ形の合鍵を、信頼ある業者に作製を依頼することになります。
一般的な鍵屋で合鍵を作製する場合は「複製」と言いますが、ディンプル錠など、ハイセキュリティシリンダーの鍵は、鍵屋でも複製キーを作ることが難しくなっています。
シリンダーによっては、メーカーの知的財産権を侵害することになるため、単純に複製することができないものもあります。
また、町の合鍵屋などでは基本的に複製キーからの複製はできません。もしオリジナルキーがない場合は、複製キーも作れない、ということになります。
もし緊急性がないのであれば、メーカーまたはメーカーの代理店で純正のスペアキーを作るのがベストです。
注文の仕方はメーカーや商品によって若干異なりますが、メーカー公式ウェブサイトや、電話・FAX・郵送による発注、または正規代理店や修理サービス代理店で申し込みができ、届くまで1週間から10日、最大で3週間~4週間ほどかかることが多く、支払いは代引きになっているのが殆どです。
【各メーカー合鍵作製サービスについて】
すぐに鍵がないと家に入れないなど、緊急性が高い場合は、まず鍵屋に相談して下さい。
複製キーが作れるタイプのシリンダー(多くがギザギザの山鍵)であれば、複製キーでその場をしのいでから純正キーを発注すればひとまずは安心です。
ディンプル錠(丸いくぼみのある鍵)であっても、弊社であれば、いくつかのメーカーの合鍵を作製することができますし、オリジナルキーや他のスペアキーがなくても鍵穴から鍵を作製することができます。
鍵を交換する
新しい純正キーを待っている余裕がない場合や、曲がった鍵しか持っていない、ディンプル錠のように鍵穴からも複製キーの作製が難しい、といった場合は、シリンダーごと交換するのが最善です。
玄関の鍵なら、これを機により防犯性の高い鍵にするのも良いでしょう。
まだ古いタイプの錠を付けたままにしていたのであれば、ディンプル錠に交換するのがおすすめです。
ディンプル錠は耐ピッキング性能に優れており、鍵も折れにくく、裏表がないタイプ(リバーシブル)で急いでいるときもスムーズに開け閉めができる為、乱暴に鍵を回して再び変形させてしまうリスクも少ないです。
シリンダー交換をすると純正スペアキー作製の場合とは異なり、すぐに純正キーが手に入る、というのも大きな利点です。
もし、曲がってしまったのが自転車の鍵の場合は、自転車販売店か修理店を頼ってみましょう。
もし、鍵が細いワイヤータイプやチェーンタイプ或いは馬蹄錠などであれば、壊して新しいものを取り付けるというのも手です。
鍵が曲がったとき・歪んだときの修理でやってはいけないこと
曲がった鍵や歪んだ鍵を自分で修理する際に、やってはいけないのがペンチで折り曲げたり、金づちなどで叩いて伸ばすことです。
鍵の素材は真鍮や白銅といった金属で、曲がってしまう時は何らかの負荷が蓄積して金属疲労を起こしており、元通りになることはありません。
寧ろ、叩いたり引っ張ったりして余計な負荷を再び加えることで、その鍵は一見元の姿に戻ったように見えても金属としての強度が劣化してしまっているのです。
また、力まかせに鍵を元に戻そうとすると、怪我をする恐れもあります。
鍵が曲がったとき・歪んだときは鍵屋に依頼
鍵が曲がったり歪んでしまったら、放置したり、下手に自分で修復しようとしたりせずに、鍵屋に相談することをお勧めします。
ただ、鍵屋でも曲がった鍵を元に戻すご依頼はお受けできません。
しかし鍵のプロならではの判断とご提案ができますし、新しいシリンダーと交換する場合はお客様に最適なものを考慮し、作業もその日のうちに終えることができます。
鍵屋に交換・作製を依頼する場合の費用相場
それでは鍵屋に鍵の作製を依頼した場合、料金はいくらくらいかかると考えるのが妥当なのでしょうか。
鍵の作製は、どのようなタイプの鍵を作製するかで価格が変動しますが、弊社を含め合鍵作製のみのご依頼はお受けしていない鍵屋もありますので、注意して下さい。
その代わり、オリジナルキーが1本もなくても鍵穴から作製することができますので、スペアキーがないのに鍵が曲がってしまって解錠できない、といったお困りごとにも対応することができます。
このような鍵作製の場合、16,000円くらいからを想定しておきましょう。難易度が上がるディンプルキーは、16,000円から35,000円程度を想定しておいた方が無難です。
ディンプルキーの合鍵作製は本来、登録者にしか作れないものが多いので価格が高額になりがちです。
ディンプル錠によっては作製不可というものもありますので、電話で問い合わせた時にどのブランドか伝えるようにしましょう。
場合によっては、鍵交換(シリンダー交換)の方が良いこともあります。
鍵の交換は、シリンダーのみの交換であれば部品代込みで20,000~30,000円程度、少しシリンダー価格が高いディンプルキーで25,000~35,000円あたりが相場になります。
曲がった鍵・歪んだ鍵は直らない!使い続けるリスクとは
曲がってしまった鍵・歪んでしまった鍵は、そのまま使い続けてはいけません。
先述の通り、曲がった鍵を自分なりにまっすぐに戻したつもりでも、一度変形したものは完全に元には戻りません。
が曲がってしまったら早急に純正のスペアキーを発注するなどし、長いあいだ使い続けないようにしましょう。
鍵が破損する
曲がっている鍵を使うと、シリンダーがスムーズに回らず、無理矢理引っ掛かりのよい部分を探りながら使うことになります。
そうすることで鍵の先端が傷んで欠けてしまったり、鍵のギザギザ部分が欠けるなどして使えなくなってしまいます。
ただ鍵が使えなくなるだけなら良いのですが、そのような場合、シリンダー内もダメージを受けている可能性が高く、最悪は鍵が折れて鍵穴に残ってしまうこともあります。
鍵が曲がっただけであれば合鍵を発注するだけで済んだのに、無理に使い続けてシリンダーまで壊してしまうと、最終的にはシリンダー交換をするしかなくなってしまいます。
鍵が抜けなくなる
曲がった鍵を使い続けると、シリンダーがダメージを受けて鍵の形に合わなくなり、その結果として、鍵が抜けなくなるという危険性があります。
シリンダーまで損傷してしまうと、純正キーであれ、複製キーであれ、合鍵を作っても使えなくなるため、鍵をシリンダーごと新しいものに交換しなくてはなりません。
鍵が抜けなくなったときの修理方法
曲がった鍵を使っていると、思わぬ拍子に鍵が鍵穴に引っ掛かり、抜けなくなることがあります。
このままではその後の行動や生活にも支障が出ますし、スペアキーが無いのであれば合鍵を作りたくても作れません。
鍵が鍵穴から抜けなくなったとき、自分でできる鍵抜き方法やメンテナンス方法を確認しておきましょう。
まず、鍵の持ち手を軽く叩いて振動を加えてみてください。ちょっとした緩みや隙間ができて、するっと鍵が抜ける場合があります。
自転車オイルなどの潤滑油を注入して抜く方もいらっしゃいますが、これは後々トラブルの元になるので避けましょう。
鍵穴に入り込んだ油は取り去ることが難しく、中で油に埃が付着してそのまま鍵穴に詰まり、開け閉めができなくなる原因になります。
潤滑油を使用する際は、必ず鍵穴専用のものを使いましょう。鍵専用のものがない場合は、鉛筆の粉で代用することができます。
ペンチなどで引き抜く際は、そっと引っ張ってみて出て来ないようであれば鍵屋に連絡して下さい。下手に力任せに引っ張って、シリンダー内を傷つけてしまっては元も子もありません。
鍵の曲がり・歪みを防ぐための対策
鍵の曲がりや歪みを未然に防ぐ為にできることもあります。毎日のように持ち歩く鍵は特に、少し丁寧に扱うだけでだいぶ長持ちするようになる筈です。
見直すべきことやできることを重点的に見ていきましょう。
定期的に鍵のメンテナンスをしておく
鍵は錆びにくい金属でできていますが、やはり持ち歩いたり、鞄の中に入れてあったりすることで汚れが蓄積していきます。
汚れや砂埃がついたままの鍵を鍵穴にさすと、回りにくくなって力任せに回してしまいがちです。
鍵の形状によっては曲がるだけに留まらず折れてしまうこともありますし、鍵穴が破損してしまうこともあります。
定期的に柔らかい歯ブラシなどで汚れを落とし、鍵本体に大きな傷がついていないか、鍵の形がおかしくなっていないか、点検しましょう。
鍵がささりにくい、鍵穴から抜けにくいというのは、変形が疑われる症状でもあります。少しでもおかしいと感じたら別のキーを使用するなど対策しましょう。
収納している場所を見直す
鍵をお尻のポケットに入れていたり、鞄の底に入れていたりすると鍵にかかる荷重で変形してしまうこともあります。
特に、座るときに体重がかかるお尻のポケットは鍵にとって安全な場所とは言えません。
座っただけで大きく曲がってしまうことはないかもしれませんが、それが繰り返されて徐々に曲がっていくということもありえます。
鞄の底は重い荷物の下敷きになりやすいですし、紛失の原因を作りかねないのでお勧めできません。
鞄の中に入れておくのであれば、キーケースで保護するなど、鍵を衝撃や他の荷物から守る対策をしておくべきでしょう。
曲がりづらくて防犯性の高い鍵に交換しておく
ピンシリンダー錠やロータリーディスクシリンダー錠に用いるギザギザの山鍵は、場所によって細くなっていて衝撃に弱いという欠点があります。
ホームセンターなどで合鍵が作りやすいので、真鍮製のスペアキーの方を使用している方も多いかもしれませんが、真鋳は白銅よりも柔らかく変形しやすい素材です。
ディンプルキーであれば鍵の形もギザギザのない、まっすぐな形状ですから山鍵のような弱点がありません。
ディンプルキーは窪みが特徴でそこに汚れがたまりやすいという難点はあるものの、耐久性が他の簡素な鍵とは大きく違います。
ディンプルシリンダーも、ハイセキュリティシリンダーとして防犯性に優れ、登録者のみがスペアキーを作成することができる種類もありますので、万一紛失したり盗まれたりしても容易に合鍵を作られてしまう可能性が低くなります。
鍵の曲がり・歪みトラブルでよくある質問
曲がった鍵・歪んだ鍵は、叩いて直してもいいでしょうか?
曲がった鍵・歪んだ鍵は叩いても直すことができません。元の形に戻ったように見えはしますが、実際のところ金属疲労を起こしてしまっているため、使い続けると鍵穴の中で折れる危険性があります。→鍵が曲がったときの対処方法
机の鍵が曲がって開かないのですが、開錠だけ依頼してもいいですか?
はい。机の鍵の開錠も承っております。机の鍵の場合は、開錠だけ依頼される方が多いです。
曲がった鍵しかもっていないのですが、スペアキーの作成はできますか?
はい。曲がった鍵から合鍵を作成する、ということはできませんが、鍵穴からの鍵作成は可能です。→交換・作製を依頼する場合の費用相場
鍵が曲がった・歪んだらすぐに鍵屋に連絡を
些細な問題に見えますが、曲がってしまった・歪んでしまった鍵は放置すると更に面倒な問題を引き連れてきます。
もしご自宅の玄関ドアや勝手口の鍵がピンシリンダーやディスクシリンダーなどの、山鍵である場合は早急に鍵屋に交換をご依頼下さい。
鍵が使えず、スペアキーもなくて家に入れないなど、緊急性が高いときも鍵屋であれば鍵穴から合鍵を作成して解錠することができます。
また、ハイセキュリティシリンダーの純正スペアキーや鍵作製費用は決して安いものではないので、合鍵を複数発注するのと新しいシリンダーに交換するのと、どちらがお得か悩むという方もぜひ弊社にご相談下さい。
鍵屋に依頼することのメリットは、確実に問題が解決できるという点です。
しかも多くの場合、その日のうちにご依頼者様の心配事や、お困りごとが解消されます。
鍵のトラブルは些細なことと考えず、ぜひ鍵屋の「鍵猿」にご相談ください。
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