ヴェルファイア/アルファードの鍵が開かない!原因やスマートキーの電池交換など自分でできる対処法
この記事でわかること
- 兄弟車アルファード/ヴェルファイアの鍵が開かない理由
- スマートキーの仕組みとキーレスキーとの違い
- 10系にあったマスターキーとサブキー
- アルファード/ヴェルファイアのスマートキーの電池交換方法
- 鍵開けにかかる費用
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
トヨタの「ヴェルファイア」と「アルファード」は兄弟車で、ヴェルファイアがアルファードのモデルチェンジとともに生まれた「弟」になります。高級ミニバンとして大人気の車種ですが、外見が大きく異なるため全く別の車だと思っていた方も多いのではないでしょうか。
どちらにも特定のコンセプトがあり、それが外見に反映されているわけですが、車としての性能はどちらも全く同じで、使用するスマートキーも同じです。
しかし、いくら高性能とはいえ完璧ではないので、突然のトラブルでスマートキーが反応しない、ドアが開かなくなった、といった鍵にまつわる経験をした所有者も中にはいらっしゃるでしょう。そのようなときでも、原因や対処法さえ知っていれば、慌てずに行動ができます。
本記事では、トヨタ「ヴェルファイア」および「アルファード」の鍵が開かないときの対処法や原因などについて詳しく解説します。
車でのインロックはスマートーキーになってから起こりにくいように対策されていますが、バッテリー切れなどが原因でインロックされることはよくあります。鍵が開かないときは、難しい鍵でもすぐに対応できる鍵屋にご依頼ください。この記事では鍵開けの費用相場についてもご紹介します。
目次
ヴェルファイア/アルファードの鍵が反応しない理由
スマートキーの電池切れ
ヴェルファイアでは、全車種でスマートキーと呼ばれる鍵が採用されています。アルファードは2002年に登場した車なので、初代の10系と呼ばれる車種のみがキーレスキーで、ドア用のリモコンも付属していました。
スマートキーとキーレスキーの具体的な違いについては後述しますが、ここで述べていく原因は両者にほぼ共通のものだと考えてよいでしょう。
スマートキーやキーレスキーで鍵が開かない原因として最も多いのは電池切れです。
どちらも電波を飛ばして自動車に搭載しているコンピューターへ認証を実行しますが、その際にキー側のランプが光らないようであれば、電池が残っていない可能性が高いです。
半ドア
電池切れ以外にも、半ドアの影響でスマートキーが上手く動かないこともあります。
しっかりドアを閉めたつもりでも、意外と閉まっていない半ドアの状態になることがあるので注意してください。車種によってはブザーで知らせてもらえますが、ブザーが鳴らない車も少なくありません。
スマホによる電波障害
スマートフォンは強い電波を出しているため、スマートキーの近くにあるとスマートキーからの電波が妨害されたりします。
もし一緒のカバンに入れているのであれば、距離を少し離してみましょう。スマートフォンだけでなく車の近くにテレビ塔など強い電波を発生している建物があるときも、スマートキーの動作がおかしくなる恐れがあります。
バッテリー上がり
バッテリーが上がりのように電圧が低くなり過ぎたときもスマートキーやキーレスキーからの電波を受け取りにくくなります。バッテリーが上がってしまったときは、ブースターケーブルを使い、他の車から電力を分けてもらう対処法があります。
ブースターケーブルとは他の車から電力を供給してもらうためのケーブルを指します。救援してくれる車が周囲にいるのであれば、ブースターケーブルを繋いだ状態でエンジンをかけ、電力を得られます。
近くに車がいない状況でも、ジャンプスターターがあれば単独でバッテリーを復旧することが可能です。
ジャンプスターターはタイプがいろいろとありますので、自分の車種にあったものをあらかじめ用意しておきましょう。バッテリーが上がるのは日常的に起きやすいトラブルですので対策はあらかじめ用意しておくのが理想です。
スマートキーの故障
その他にも、スマートキーをぶつけたり、落としたりしたことが原因で、スマートキー自体が物理的に故障しているパターンもあります。
スマートキーは大きな衝撃に耐えられるほど頑丈にはできていないので、扱いには気をつけましょう。キーレスキーもボタン部分の破損が多いため、カバーをつけるなど工夫した方が良いでしょう。
また、スマートキー・キーレスキー内部の基板は水に弱い点も留意しておいてください。外側にできたヒビから水分が入ってしまうと故障へと繋がります。
機械部分で故障が発生している場合は自分で修理するのは諦めた方が無難です。知識がない人が無理に修理しようとすると、状態がより悪化してしまいますのでメーカーや専門業者にまかせるようにしましょう。
そもそもスマートキーってどんなものなの?
先述のとおり、ヴェルファイアは全車種スマートキー採用、アルファードも20系・30系がスマートキー採用ですが、そもそもスマートキーがどのようなものなのか、おさらいしておきましょう。
スマートキーとは
スマートキーとはポケットやカバンに入れたまま車のドアを施解錠したり、エンジンのオン・オフを制御したりできる鍵です。
スマートキーが車内にあるだけでエンジンのオン・オフができるため、とても使い勝手が良いと言えるでしょう。大きな荷物を抱えながらでもドアを開けやすいですし、従来のように鍵を差し込んで回すという動作もなく、スタートボタンを押すだけでエンジンがかかります。
スマートキーの仕組み
車とスマートキーは、双方向で電波を飛ばし合い、通信するのが基本です。
車側のアンテナは常に微弱な電波を周囲に流しています。微弱なため、車に相当近寄らなくては反応しないようになっています。
この電波でスマートキーを探索し、そのスマートキーを持っている人が近づけばスマートキー側で反応します。
スマートキーの反応を車側が受け取り、照合ができればドアノブを握ることでドアが開く仕組みです。
スマートキーとキーレスキーとの違い
スマートキーと少し似た仕組みをもつ鍵としてキーレスキーがあげられます。初代アルファード、いわゆる10系アルファードの鍵がこのキーレスキーでした。
スマートキーとキーレスキーが同じようなものと考えてしまっている人も少なくありませんので、両者の違いを明確にしておきましょう。
キーレスキーの表面には解錠・施錠するためのボタンがついており、このボタンを押すことで離れた場所からドアの開け閉めを行います。スマートキーにもボタン操作機能はついていますが、スマートキーはボタンを押さなくてもキーを持った状態でドアノブに触れるとドアが開きます。
エンジンのかけ方も違います。キーレスキーはドアの解錠・施錠をボタン操作で行いますが、エンジンの起動は鍵穴かツイストノブにキーを差し込んで回さなくてはなりません。※一部、鍵のブレード部分がない、スマートキーのような外見のキーレスキーも存在します
スマートキーは車内に鍵を置いておけば、スタートボタンを押すだけでエンジンがかかります。
要するにキーレスキーはテレビのリモコンのような性能です。そのためか、リモコンキーと呼ばれることもあります。
ドアの開け閉めはボタン操作で可能ですが、エンジンをかける際には従来のシリンダータイプと同仕様のものか、ツイストノブタイプが多いことを覚えておいてください。
マスターキーとサブキー
アルファード10系の前期・後期のキーレスキーには、どちらにもマスターキーとサブキーという設定の違う鍵がありました。
10系の鍵をお持ちで、プラスチック製のキーシェルの色が黒と灰色の2種類ある場合、灰色の方がサブキーになります。
サブキーは第三者による鍵の複製やトランクの解錠を妨げるための鍵で、リモコン操作ができなかったり、トランクボタンがなかったりします。
また、マスターキーとは違い、サブキーからは鍵の複製ができません。
要するに、マスターキーを全て紛失してしまい、サブキーしか手元にない状況で新しいキーレスキーを作成しようとすると、ディーラーでの対応は「コンピューター交換」になってしまうのです。
そしてイモビライザー対応の鍵屋でも、このサブキーから新しい合鍵を作成することができるとは限りません。
もし初代の10系アルファードをお持ちで、サブキーしかない場合は、サブキーからの合鍵作成ができる鍵屋を探して下さい。
自分でできる!ヴェルファイア/アルファードの鍵の電池交換
ヴェルファイアやアルファードの鍵の電池交換は難しくないので自分でやってみても良いでしょう。電池はなくなってしまう前に早めに交換するのがおすすめです。手順を覚えると簡単にできます。
アルファード10系前期・後期キーレスキーの電池交換
アルファード10系のスマートキーには、前期と後期の2種類があり、どちらにも金属の「鍵足」がついています。電池は黒いキーシェルの部分に入っていますので、キーシェルを外すために精密ドライバーが必要です。メガネなどを調整することができるものであれば大丈夫でしょう。
ドライバーを用意したら、まずはエンブレム側の鍵足の付け根あたりにある小さなビスを外します。ここを外してしまえば他の箇所はこじ開けるだけで中が見えてきます。カバーの中はカバーの形に沿うように基板を覆うケースが入っているので、こちらにある2つのビスを取り外し、基板とボタン電池を取り出します。
交換に使用するボタン電池は「CR1616」になります。他のスマートキーなどとは互換性がない電池ですので、間違えないようにしましょう。
ヴェルファイア・アルファード20/30系スマートキーの電池交換
画像引用:Carmate 公式オンラインストア本店
ヴェルファイアとアルファードの20系・30系スマートキーには各種3つのバリエーション(片側スライドドア対応、両側スライドドア対応、パワーバックドア/ウェルカムパワースライドドア対応)がありますが、電池の交換方法はほぼ同じです。
ただ、使用するボタン電池の種類が違い、20系はCR1632、30系はCR2023を使用します。
10系前期 | 2ボタン(Lock/Unlock のみ) | 別体型リモコン付 | CR1616 |
10系後期 | 両側スライドドア対応4ボタン | Smart Door Lock 付 | CR1616 |
20系① | 片側スライドドア対応3ボタン | タイプA | CR1632 |
20系② | 両側スライドドア対応4ボタン | タイプA | CR1632 |
20系③ | バワーバックドア対応5ボタン | タイプA | CR1632 |
30系① | 片側スライドドア対応3ボタン | タイプC | CR2023 |
30系② | 両側スライドドア対応4ボタン | タイプC | CR2023 |
30系③ | バワーバックドア対応6ボタン | タイプE | CR2023 |
電池交換のステップ
- スマートキーやキーレスキーにあるメカニカルキー(非常時用の物理キー)を抜くためのリリースボタンを押して物理キーを抜き取る
- その先端をスマートキーの筐体底面にある差し込み口にはめてひねり、ケースを開ける
- 中にある基盤を裏返してボタン電池を丁寧に外し、新しいボタン電池を入れる
ボタン電池は100円ショップでも販売しているものがありますし、コンビニでは300円程度で購入可能です。電池を入れ終わったら元通りにケースを合わせて車体の近くで動作確認します。
最初は電池の裏表を間違えるなど手間取る場合もあるかもしれませんが、慣れてくれば5分もかからない作業となります。
「開かない!」を事前に防ぐために
『鍵が開かない、スマートキー或いはキーレスキーが反応しない!』という事態にならないためにも、トラブルを未然に防ぐ対策をしましょう。
電池を定期的に交換する
スマートキーの電池の寿命はだいたい1~2年と言われています。
ただし、スマホなどによる電波干渉の影響で、想定より早く切れる可能性も考慮しておいた方が良いでしょう。
スマートキーの電池が少なくなってくるとサインが出ます。キーランプが点灯しなくなったり、作動範囲が狭くなったときは注意が必要です。
施解錠ができたり、できなかったりといった不安定な挙動に陥ることも電池不足が原因と考えられますので、こういった動作をしていないか日頃からチェックするようにしましょう。
鍵の保管場所に注意する
スマートキーは強い電磁波を放つ電気機器のそばに置いておくと電力を余分に消費しやすくなります。保管場所は電気機器が近くにない場所を選ぶのがポイントです。
パソコンや携帯電話から最低でも1メートル以上は距離を空けておきましょう。
また置き場所をコロコロと変えてしまうと紛失の原因に繋がりますので、できるだけ特定の場所に決めておくのも大切です。スマートキーは鍵複製の料金が高額になりがちですので管理は徹底してください。
プロに依頼!鍵業者に依頼するヴェルファイア・アルファードの鍵開け費用
先ほど電池交換の箇所で触れたように、スマートキーには非常時用のメカニカルキーが付属しています。
スマートキーが何らかの理由で効かなくなり、ドアを開けられないときはこのメカニカルキーを使用してドアを開けます。その際、警告音が鳴ることがありますが、これは車にセットされているセキュリティアラームの機能です。
しかし、スマートキーを紛失してしまった、インロックしてしまったなどの理由でスマートキー本体もメカニカルキーも手元にない、となると、車の鍵を開けるために素人ができることはほぼありません。鍵屋やJAFなどのロードサービスに鍵開けを依頼することになります。
では鍵業者にヴェルファイアやアルファードの鍵開けを依頼した際、費用などはどの程度かかるのでしょうか。鍵開けの相場はだいたい8,000円~1万円ですが、ヴェルファイアもアルファードも全車種イモビライザー搭載です。鍵屋によっては鍵開け以外の対応(例えばスマートキーの複製など)ができないこともあります。
▼関連ページ30系後期のスマートキーは複製が難しい?
更にトヨタは平成29年から販売されている「30系後期」と呼ばれる車両からコンピューターのデータ書き換えを困難にするという対策をしており、「イモビライザー対応可」としている鍵屋でもディーラーと同じようにコンピューター交換をするしかない仕様になっています。
無論、ディーラーに持ち込むよりもコンピューター交換ができる鍵屋で鍵の複製をして貰う方が価格は安くなりますが、今までのイモビライザー対応価格よりは高額になっている可能性があります。
このようなことから、ヴェルファイアやアルファードの鍵紛失や鍵複製などで問い合わせをする際は、必ずイモビライザー搭載車であることや、年式、型式などを伝えられるようにしておき、まずは対応可能かどうかを確認することが大切です。
ディーラーに依頼すれば確実にスペアキーの作製をしてもらえますが、全鍵紛失のためコンピューター交換となった場合は部品などがすべて取り寄せになるため、2~3週間かかることもあり、急いでいるときには不向きです。
また、鍵紛失に気づいたところから車を動かせない場合は、レッカーでディーラーまで車を移動させる必要があります。レッカー移動についてはディーラーで対応可能な場合もありますので、鍵を紛失したらまず問い合わせてみると良いでしょう。
▼関連ページJAFなどのロードサービスに鍵開けとレッカー移動を依頼するのもひとつの手段です。ただロードサービスの業務は多岐に渡り、常に忙しい状況です。
特に休日や長期期間中にロードサービスを呼んだとしてもなかなか来てもらえない状況が想定されます。できるだけ早く鍵を開けたいのであれば鍵屋に依頼するのがベストです。
鍵開けから鍵作製まで依頼することができるプロに相談を!
車を日常的に使う人からすると車のトラブルというものはできるだけ早急に解決したいものです。鍵屋は各種トラブルが起きたときにもスピーディーな対応ができます。
急いで移動中だったり、業務で車を使用中にトラブルが起こった、というときはぜひ「鍵猿」にご連絡ください。
鍵猿は23時までコールセンターでお問い合わせを受け付けており、深夜の出動も可能です(※深夜早朝料金が加算されます)。お車の年式・型式などをお伝え頂ければ、対応可能かどうかご案内しますので、気軽にお問い合わせください。
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