MIWAの鍵に交換!美和ロックのシリンダーの種類や交換方法について
この記事でわかること
- 美和ロックの鍵の種類
- 鍵を取り替えるタイミングと取り替え方
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
シリンダーは鍵を挿し込み施錠・解錠する鍵穴部分のことです。本体部分の形が円筒になっており、英語の「cylinder」から呼び名が付きました。
美和ロックは、創業から70年以上の歴史を持つセキュリティ事業の大ベテランです。国内シェアは60%以上と言われており、「MIWA」の刻印が入った鍵は多くの人が見たことがあるのではないでしょうか。
美和ロックが錠前・鍵の研究を始めたのは、日本銀行から現金輸送箱の封印錠を受注したのがきっかけで、50年代から始まった高度経済成長期に伴う公団や集合住宅など、多くの建物に美和ロックの鍵が導入され、普及していきました。
美和ロックの代名詞でもあったディスクシリンダーは大量生産が可能で、この頃に日本各地へ浸透していったと言えます。他社が美和ロックの錠前に合うシリンダーを開発・製造しているのも、この時代背景があるのでしょう。
今回の記事では、美和ロックの歴史を振り返りつつ、MIWAブランドの代表製品について解説していきます。
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目次
MIWAの鍵について
まず、MIWAブランドの有名シリンダーについて確認してみましょう。
ピッキングという不正解錠によって空き巣侵入が蔓延る以前、広く浸透したディスクシリンダーは1890年にイギリスで特許が取得された技術で、安価な製造コストで大量生産が可能な刻みシリンダーでした。
シリンダー系の鍵には内筒と外筒があり、内筒が回転するのを妨げるパーツを「タンブラー」と呼びますが、ディスクシリンダーは円盤(ディスク)を使用しているため、ピンシリンダーよりもタンブラー数を増やしやすいという特徴があります。
タンブラー数を増やせるということは、鍵違い数(鍵のパターンの数)を増やすことができる、ということで、ディスクシリンダーが幅広く普及できた背景にはこの鍵違い数の多さが大きな役割を果たしています。
しかし、ディスクシリンダーは不正解錠に弱いという欠点がありました。それを教訓として生まれたのが後継種のロータリーシリンダーです。美和ロックの代表的なシリンダーは全てこのロータリーシリンダーの技術が用いられています。
MIWAの代表的なシリンダー
では、美和ロックの代表的なシリンダーについて確認してみましょう。
U9シリンダー
U9シリンダーは、安価で堅牢かつ丈夫という、三拍子揃ったシリンダーになっており、コストパフォーマンスが非常に高いことで有名です。
気になる点としては、合鍵の作製が容易であるという点ですが、これはメリットとも考えられ、たくさんの合鍵を作る必要がある場合などにお勧めしやすいシリンダーです。
セキュリティ面では、旧型のU9にはまだ脆弱性があったものの、新型のU9は他のハイセキュリティシリンダーと遜色なく、9枚のタンブラーにロッキングバーを備え(U9の9はこのタンブラー数が由来だそうです)、耐ピッキング性能は、CP認定基準の2倍の10分以上となっています。
また、耐鍵穴壊し性能には、3つのグレードを用意しており、それぞれの用途に応じて最適なものを選ぶことができます。
PR/PR-Jシリンダー
PRシリンダーは、ロータリーシリンダー系のディンプル錠です。ディンプルシリンダーというものは通常、ピンシリンダーの派生と考えることができる構造なのですが、PRシリンダーは2WAYロータリータンブラー方式とロッキングバー方式を組み合わせたハイセキュリティシリンダーとなっており、タンブラー数は11枚に増えています。メインタンブラーとサイドタンブラーがあり、全てのタンブラーが同時に揃わないと内筒が回らないようになっています。
U9と違って合鍵は登録者のみがメーカーで作製できる仕様なので、合鍵複製に関するセキュリティが気になる人にとっては安心できる製品です。
PR-Jは鍵穴部分がすり鉢状になっており、蓄光素材で夜間にわかりやすく光を帯びるようになっています。
JN/JCシリンダー
美和ロックが提供する唯一のピンシリンダーのディンプル錠で、「カバスターネオ」などで有名なドルマカバ社のOEM商品です。JCシリンダーにはチェンジキーシステムが導入されているのも大きな特徴で、マンションの入居者などが鍵をなくしたときでもシリンダー交換をする必要がなく、紛失された鍵を使えなくするだけで済むというものです。
LB/LB-Jシリンダー
LBシリンダーは、可変タンブラーシリンダーで、鍵はダブルインラインとディンプルです。ウェーブキーのようなラインが入った面と、ディンプル(くぼみ)がある側面が特徴です。タンブラー数はPSシリンダーを超える13枚で、ロッキングバーも2つある最上級のハイセキュリティシリンダーです。
賃貸オーナー向け商品ですが、こちらにもチェンジキーシステムが導入されており、LB-JはPR-Jのようなすり鉢状になっています。
その他のMIWA製品
ここまでシリンダーを紹介してきましたが、次にシリンダー以外のよく知られているMIWA製品を紹介します。
75PM(PMK)
75PMは、昔の公団などで多く採用された面付錠前のひとつです。75PMには初期型とEC型があり、初期型はシリンダーの直径が少し大きめで(28.5mm)67ディスクシリンダーがついていました。EC型はマグネットシリンダーで、当時の鍵としては珍しくギザギザの山鍵ではない、ディンプルタイプでした。
もともとはドアノブタイプしかありませんでしたが、後にレバーハンドルタイプも作られ、75PMからはシリンダー直径が24.5mmになっています。このシリンダー直径であれば、現行の他シリンダーを付けることができるようになっています。
ちなみに75PMというのは、1975年に発売されたことにより、このような名前になっているのですが、鍵の耐用年数を遥かに超えて未だに使用されていることもあるそうです。
PSSL09-1LS
PSSL09-1LSは、万能引違い戸錠として有名です。今はなきサッシメーカーや、廃番になった引き違い戸の取替用錠前として人気があります。
古いものから変えるときは、穴(切欠き)の加工が必要なことが多いのですが、それでも少ない加工で幅広く対応できるうえ、PSシリンダーが使われています。また、鍵穴が蓄光タイプになっていて、これによって夜間でもしっかりと鍵穴を判別することができるようになっています。
鍵を交換するタイミング
鍵交換のタイミングを憶測するのは困難ですが、耐用年数が10年であること、最新のものでないと最新の犯罪への対応できなくなります。
これらを鑑みて、どういったサインがあれば交換した方が良いのかについて紹介します。
長期間使用して古くなってきた
シリンダーは常に室外側にあるため、経年劣化は勿論のこと、気候や環境の影響を受けやすい状態にあります。ですので、通常は錠ケースよりもシリンダーの方が短命で、錠前に別のメーカーのシリンダーがついている、ということが多々あります。
また、あまりにも長いあいだ使っていると、最新の防犯性能を組み込めないという事実もあります。75PMのように、長く使えることは良いことではありますが、サムターン回し対策、カム送り解錠対策など、最近の錠前がしてきたことからは「取り残されている」と言っていい状態になります。耐用年数が10年だからといって10年ごとに交換する必要はありませんが、古くなった錠前の交換になかなか踏み切れない場合は、防犯性能のことも考慮してみると良いかもしれません。
鍵の不具合
鍵の不具合も交換のタイミングです。
使えないことはないものの、施錠解錠のたびに苦労しているのでは日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。硬い、挿さりにくい、抜きにくい、といった症状が出てきたらまず異物が原因かもしれないので洗浄などで様子を見、改善しないようならシリンダー交換を視野に入れるべきかもしれません。鍵は入るが回しても解錠されない、という場合は錠ケース側に問題がある可能性があります。その際は、シリンダーだけでなく錠前一式の交換がベストです。
空き巣などに遭った
空き巣などの被害に遭ってしまった場合は、交換が「必須」です。
空き巣が玄関から入っていなくても、玄関から出て行っているなど、鍵を見られている可能性は高く、入りやすい家だと目をつけられる可能性もあるからです。
一度空き巣に入られたのに、鍵を交換しないでいるのはどうぞ入ってくださいと言っているようなものです。
鍵を紛失した
鍵を紛失した場合も交換は必須です。特に、誰かの手にわたっている可能性がある場合は、必ずシリンダー交換をしましょう。もし悪意のある人が拾っていたら、鍵を複製されたかも知れず、住まいの防犯性能は著しく低下してしまいます。
引っ越しをした
引っ越しも鍵の交換を検討するタイミングです。
賃貸の場合だと、大家や管理会社が事前に鍵を交換してくれていることが多いでしょう。
最近は合鍵を使っての犯行が脚光を浴びたこともあり、引っ越しの際の鍵交換は必須と考えて良いかもしれません。
ただ、チェンジキーシステムを利用している場合は、そもそもシリンダーの交換が必要ありませんので、大家に確認しておきましょう。賃貸住宅でなくても、以前の入居者が使っていた鍵を引き続き使い続けるというのは不用心です。交換しないのであれば、補助錠を追加するなどしましょう。
MIWAの鍵に自力で交換できる?
いざ鍵を交換する必要が出てきたとき、自分で交換することを考えたことはありませんか? シリンダーだけの交換であれば、ホームセンターなどでも鍵を購入することは可能です。DIY作業に慣れていれば特に難しい作業はありません。計測すべき箇所を計測し、適切なシリンダーを選んで交換してみましょう。
計測しておくべき箇所
まず、事前の準備が必要です。
いくつか計測しておくべき箇所があります。
- ドアの厚み
- バックセット(錠前の中心からドアの端までの距離)
- ビスピッチ(フロントプレートの上ビスの中心から下ビスの中心までの距離)
- フロントプレートの長さと幅
この4つの箇所を計測し、長さの合うものであればどんなシリンダーを使っても大丈夫です。
フロントにはメーカー名と型番が刻印されています。交換用シリンダーは基本的に、上記項目を計測して適合するものを選ぶか、この型番に対応したものを選んでおけば間違いはありません。
シリンダーの交換方法
ここではシリンダー交換の手順について紹介します。
扉が開かなくなって締め出されたり、閉じ込められたりしないよう、ドアストッパーなどでドアが開いた状態を維持して作業を開始して下さい。
まずフロントのビス2本を外して、フロントプレートを取り外します。ビスなどは紛失すると作業を続けられなくなりますので、小さな箱などを用意して取り外したものを入れておくと良いでしょう。
フロントプレートを外すと、ピンが4本デッドボルト(閂)の上部にあるのがわかると思います。
この4本ピンのうち、室外側(シリンダー側)の2本がシリンダーを固定しているピンですので、マイナスドライバーなどで慎重に引き抜いて下さい。この時、シリンダーが落下したりしないよう、シリンダーを手で固定しながらピンを抜くようにしましょう。
シリンダーが外れたら、錠前の他のパーツやドアそのものを傷つけたりしないよう、ゆっくりと引き抜いて新しいシリンダーをセットして下さい。シリンダーは、メーカーロゴが上に来るようにセットします。
後はシリンダー固定ピンを戻してシリンダーを固定し、動作確認をしてフロントプレートを戻したら終了です。
交換はDIYで十分?
鍵の交換は、錠前そのものに特に不具合がなく、各寸法が合っていれば、DIYで十分だと言えるかもしれません。
しかし、自分で交換するからには、下記のようなリスクがあることも踏まえておかなくてはなりません。
- 間違った鍵を購入してしまう
- 取り付けることはできたが施開錠ができない
- 取り付けることはできたが扉がうまく開かない
- 作業中にピンやビスを紛失してしまった
- 作業中にドアなど他の部分を傷つけてしまった
シリンダーは安全上の観点から返品ができませんので、間違ったものを購入したり、どこかで失敗して買い直したりしていると、時間と費用がかかってしまいます。
ドアを傷つけてしまった場合は、更に出費が増えてしまうかもしれません。
取り替えの作業を完遂してしまわないと施解錠ができなくなるため、トラブルが発生したときは早急に対策を講じなくてはなりません。
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結論から言いますと、鍵のことは鍵屋に任せるのが無難です。
特に今までシリンダー交換などしたことがないDIY作業が不得手な人は、無理をせずに我々のような実績豊富な鍵屋にお任せ下さい。
鍵は種類が多く意外とややこしいので、自力で交換するとなると何が適切なシリンダーか調べ回る面倒な手間がどうしても発生してしまいます。その点、鍵屋なら間違った鍵を選ぶこともありませんし、取り付けた後に不安が残るような仕事はしません。
鍵猿では、全てのスタッフが幅広い種類の鍵に対応する用意がございますので、ぜひご要望をお伝え下さい。防犯性の高い鍵、合鍵を作りやすい鍵など、お客様のご希望にあったシリンダーをご提案し、現場ですぐにお見積りを作成いたします。
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