Keiden の「カードキー」をシリンダータイプの鍵に交換するには?
この記事でわかること
- Keiden の「カードキー」の仕組み
- 取替カードシリンダーの機能
- Keiden のカードキーを交換する場合
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
「カードキー」と言うと、最近のセンサーにかざして『ピッ』と認証されるタイプの鍵を思い浮かべる人が多いと思います。
今回は少し特殊なKeidenの「カードキー」を鍵屋のプロが解説します。
鍵の交換をどうすればいいかお悩みの場合もご安心ください。鍵の出張サポートの「鍵猿」で出張費無料でご対応できます。
まずはお気軽にお電話くださいね。
目次
Keiden とは?どんな会社?
Keiden は株式会社計電産業の新社名です。
賃貸向けカード式取替錠の国内最大手メーカーです。
1978年に開発された「取替カードシリンダー」は大手不動産賃貸管理会社のマンション、アパートを中心に広く普及しています。
Keiden は1972年に創業、カードキーのメーカーとしてレオパレス21などと連携してきました。そして現在もカードキーを製作し続けており、近年では非接触型IC取替錠Fe-Lockシリーズなどがリリースされています。
今回話題にする取替カードシリンダーは、電源不要のメカニカルキーの一種です。
Keiden の「カードキー」とは?仕組みを解説
このKeidenのメカニカルキーは賃貸物件に多くみられる反面、そういった場所で暮らしたことのない方は、一度もこのタイプのカードキーを見たことがないかもしれません。
そのため、「使い方がわからない」、「施解錠ができない」、といった問題が起こりやすくなっています。
Keiden の「カードキー」の仕組みは?
「取替カードシリンダー」は、その名の示す通り、既存のシリンダー錠に「後付け」できるものです。
対応錠前であれば、特に追加の工事などなく取付けることができます。
このカードシリンダーを設置すると従来の鍵穴は見えなくなり、差込口にカード状のキーを挿し込んで回転させないと施解錠ができない仕組みになっています。
一般的に「カードキー」と呼ばれているものは、センサーにICカードなどをかざして認証されたら自動でデッドボルトが回転してくれるものが殆どでしょう。
そういった意味では、Keidenの「カードキー」は通念のものとはだいぶ違ったものになっています。
それではカードを入れて回転させる電源不要の鍵とは、どういったものなのか見ていきましょう。
取替カードシリンダーの機能
まず、挿し込む側の鍵、カード状のキーですが、クレジットカードやICカードとは違って金属製で、大きなドッグタグのような形をしています。
クレジットカードのように長方形でない理由は、この鍵が「円形のカードシリンダーに挿し込まれるものだから」です。
要するにカードの一箇所(短辺のどちらか)は円周に合う形をしていないといけないわけです。
取扱説明書をしっかりチェックしよう
取扱説明書は必ずしっかりと読むようにして下さい。
まずキーを差込口に入れて、カチッという音がしたら施錠する場合はCLOSEと書いてある方、解錠の場合はOPENと書いてある方へ回して下さい。
このカチッという音が磁力でシリンダーが動いた音です。
最後まで挿し込めなかったり、カチッという音がしない時は、ドアが半施錠状態になっているなど、別の原因があるかもしれません。
回転させたら、その位置でカードを抜いてカードシリンダーが空回りすることを確認しましょう。
カード差込口を下にしておくと、異物などが混入しにくく、トラブルの原因を回避できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nFtl1OR_5Sc
こちらの動画で鍵の使い方を見ることができます。
このカードシリンダーの鍵には磁気層が表に露出しないよう埋め込まれており、カード側の磁気とシリンダー側の磁気が反撥したりすることでシリンダーが動き、回転させることができるようになります。
また、このカードシリンダーは、カードキーの情報書き換えも容易になっていて、「Vトライセック」モデルでは専用の設定カードとツールで表面にある2つの穴にアクセスして設定変更ができます。
「ACオートチェンジ」モデルでは、別の鍵を入れた時点で以前使っていた鍵は使えなくなります。
これだともし鍵1を紛失しても、シリンダーに鍵2を入れて鍵1を無効化すればよいだけなので、セキュリティの面でも対応が非常に楽になると言えます。
シリンダー錠のように、防犯対策のためにシリンダーごと買い替え、という面倒な作業が回避できます。
取替カードシリンダーのメリットは?
防犯性が高くなる
Keidenのカードシリンダーを取り付けると、もともとあったシリンダー錠の鍵穴が隠れてしまいます.
ピッキングやカム送り解錠、バンピングといった一連の不正解錠を封じることができます。
また、カードキーは登録者しか合鍵が作れないようになっています。
安価で丈夫
カードシリンダーは対応している錠前であれば、追加工事なしで取付けられることもあって、製品代も含めた料金がハイセキュリティシリンダーほど高くありません。
また、電力も必要としない簡素な構造で「メンテナンスフリー」を達成するほど丈夫です。
特殊なカードキーとはいえ、かさばらない
IC系カードなどとは違って金属製のカードキーですが、シリンダー錠の鍵と比べてみればだいぶかさばらないタイプであるのは間違いありません。
キーホルダーを付けるための穴も開いているので、キーホルダーやカードホルダーで管理できます。
オートロックではないので締め出されることがない
カードシリンダーは施錠も自分でやらないと締まりません。
その代わり、締め出されるという困った事故とは無縁です。
管理会社はコストダウンが望める
居住者が転居したり鍵を紛失したりしても、その鍵をすぐに無効化できるため、管理会社はシリンダー交換をしなくてもよくなりました。
また、「カードスイッチ」というオプションと組み合わせることで、カードキー1枚でマンションの集合玄関のオートロックにも使えるようにするなど、利便性の向上とコストダウンが望めます。
デメリットは?
カードキーを紛失しやすい
金属製の特殊なカードキーとはいえ、物理キーであることに変わりはないので、キーホルダーをつけるなどしてしっかりと管理していないと従来の鍵同様、紛失しやすいです。
合鍵を一緒に持つことも考えた方が良いかもしれません。
磁気カードに注意
Keidenのカードキーは磁気で動くタイプなので、他の磁気カード(クレジットカードなど)と一緒に保存することは避けなくてはなりません。
財布の中といった直接接触するか、あるいは近すぎるような場所に保管すると他の磁気カードから磁力がなくなってしまう可能性があります。
合鍵が作りにくい
先述の通り、登録者しか作れませんから、3枚以上希望する人には向いていないでしょう。
操作がわかりにくい
一般的に知られているカードキーの使い方とはだいぶ違うので、入居時にしっかりと使い方を聞いていないとどうしたらいいのか戸惑ってしまうかもしれません。
手渡された説明書がある場合は、一通り目を通すようにして下さい。
特に操作の細かいところは、子供や高齢者に向いているとは言い難いところがあります。
カードを挿し込んでカチッという音がしてから回さないといけないので、通常の鍵などに比べてみたら余計な労力が必要です。
挿し込み口でカードが引っかかったり、最後まで挿し込めないというトラブルも数多くあります。
ちゃんと施錠されていないと挿し込めなかったり、回らなかったりしますので、キーを挿し込んでも正常に動作しない際はドアの確認などをするようにして下さい。
Keiden のカードキーを最新のもので交換
カードシリンダーはそれなりに防犯性もあり、利便性もある鍵なのですが、やはり高齢者などにとっては使いにくいところがあるのは事実です。
それが毎日毎日の積み重ねになるとかなりのストレスになりかねません。
では、もしKeidenのカードシリンダーを交換するとしたらどのような鍵が良いのでしょうか。
シリンダー錠
Keidenのカードシリンダーはもともとシリンダー錠だったのを取り替えているわけですからシリンダー錠と交換する、というのがスムーズかもしれません。
合鍵を容易に作れた方が良い、という方には美和ロックのU9のような、堅牢で防犯性能の高いシリンダーをおすすめします。
逆に、カードシリンダーの時と同じように合鍵は簡単に作れなくていい、という方はディンプル錠を選ばれたほうが良いでしょう。
中でも登録者にしか合鍵作成ができない美和ロックのPS/PRシリンダー、GOALのV18、日本ドルマカバのカバスターネオなどです。
Fe-Lock シリーズ
Keidenの非接触型IC取替錠「Fe-Lock」シリーズはカードシリンダー同様、既存の錠前に取り付けるだけの電子錠です。
電池も長持ちで、耐候性もあり、おサイフケータイ、Edy などのFeliCa系などを使って解錠できるので、普段よく使うものを鍵にすることができてかさばらないのが魅力です。
また、電子錠は使用者の履歴が把握できるというのも安心です。
デメリット
シリンダー錠はU9などの場合、合鍵を作られてしまう可能性があります。逆に、ディンプル錠は鍵を紛失すると鍵屋ですら解錠方法がなく破錠しかない、というものもあります。(※製品によります。合鍵作成できるものもありますので、お問い合わせ下さい)
そしてどちらのシリンダーであろうと、鍵を紛失した場合は合鍵を持っていたとしても防犯上、シリンダー交換した方がいいということになってしまいます。
下手をするとKeidenのカードシリンダーよりコストが高くなってしまいます。
Fe-Lockのようなカードキーに関しては、他のカードキーにも言えるように、コストが若干高く、不具合も出がち、というデメリットがあります。
かざしても認識しない、エラーが出る、という問題はデジタル機器にどうしてもつきまといます。
また、設置費用もランニングコストもそれなりにお金がかかる上、寿命が短いためコストパフォーマンスは良くないと言えるでしょう(電子錠の寿命は7年とされています)。
Keiden のカードキーを交換したいときは鍵猿まで
もしどうしてもKeidenの「カードシリンダー」の交換をしたい、ということになった場合は、ぜひ鍵猿にご依頼下さい。
Keidenの製品は後付けが楽なものが多いとはいえ、全く違うタイプの鍵に交換をするのであれば鍵屋に依頼した方が良いでしょう。
我々のような鍵屋であれば、取り外し作業だけでなく、新しい鍵の選定までご相談いただけます。
「鍵を変えたいけれど、具体的に次はどんな鍵がいいのかわからない」、という場合もご安心ください。
実物をご覧頂いてから選んで頂くことも可能です。まずはお気軽にお電話ください。
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