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更新日:2023/12/01

窓ガラスの焼き破りの手口とは?効果的な対策方法をとろう!

窓ガラスの焼き破りの手口とは?効果的な対策方法をとろう!

この記事でわかること

  • 焼き破りはどんな手法か
  • 焼き破りが広まった理由
  • 焼き破りを防ぐ方法

記事監修者

田口季良(たぐちのりよし)
田口季良(たぐちのりよし)SLS株式会社 マネージャー

「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。

空き巣が窓ガラスを割る手口の一つに「焼き破り」というものがあります。もしも焼き破りをされたときの対策をとっていないと、簡単に窓ガラスを割られてしまうため注意が必要です。

では、一体どのような対策をしておけばいいのでしょうか。この記事では、焼き破りとはどのような方法なのか説明するとともに、広まった原因や効果的な防止方法などについて紹介していきます。

昨今はウィズコロナで人々が多く外出できているせいか、強盗も増加傾向にあります。空き巣だけでなく、力任せに侵入を試みる強盗に狙われると命を失いかねません。強盗犯もガラスを破るなどして侵入することが多いため、必要な対策ができるよう、こちらの記事内容を見て対策をしていきましょう。無論、鍵交換や追加などは鍵屋にご相談ください。

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焼き破りとは?

焼き破り

あらかじめ対策をしておくうえでも、焼き破りがどのようなものか知っておく必要があります。そこで、焼き破りの手口や被害、さらに広まった理由について詳しく紹介していきます。

焼き破りは「熱衝撃」=温度差でガラスを割る

窓ガラスを割るというと相応の手間がかかる印象を受けるかもしれません。ところが、焼き破りの手口はいたってシンプルなものです。

手順としては、はじめに何らかの方法(バーナーなど)で窓ガラスを加熱しておきます。次に、窓ガラスの加熱した部分を冷却します。要するに温度差を激しくすることで窓ガラスのいわゆる『熱割れ現象』と呼ばれる状態を作り出すのです。

ガラスは熱伝導率が低い物質です。温度が上がる事で膨張する性質を持っていますが、この熱伝導率が著しく低い性質のせいで、一部分が熱せられても他の部分までまんべんなく波及しません。

その為、加熱した箇所の温度は上がり膨張しますが、加熱していない箇所は膨張しないため(膨張しても僅かなものなので)、熱で膨張しようとしている部分を拘束するような形になります。この応力が限界を超えると、ガラスは割れてしまいます。

熱割れはガラスの物質としての性質が原因になっているトラブルですが、熱そのものによって割れるというよりは加熱された部分とそうでない部分との「温度差」によって割れます。この急激な温度差のことは「熱衝撃」と呼ばれ、これに耐え得るものは「耐熱衝撃性がある」と言います。

この原理を利用すれば、厳冬期の快晴日に日光を受けた窓ガラスが熱割れを起こすように、寒さが厳しい冬の夜中などであれば、ガラスに熱を加えるだけでも割ることが可能かもしれません。

焼き破りを含むガラスを割る手口が多い

警察庁が公開している「住まいる防犯110番」のデータによると、一戸建て住宅の場合、侵入窃盗の侵入手口でもっとも多いのが無締りで約5割、次いで多いのが約3割のガラス破りです。

つまり、しっかり施錠して外出していても、約3割という高い割合でガラスが割られ、侵入されているということになります。

焼き破りの手口が認知されるようになったのは、2002年頃ですが、最近では『ポピュラーな侵入手口のひとつ』となっていると言われています。

先にも説明したように、焼き破りの方法は非常にシンプルです。ガラスを加熱するにはライターやガスバーナーがあればよく、これらは携帯しやすいうえ、マイナスドライバーのような工具とは違って携帯していても特に法的な問題のない器具だという点も厄介です。温度差を利用するだけで窓ガラスを割ることができるので、十分な警戒が必要です。

焼き破りが広まった理由

そもそも、焼き破りという手口を日本に持ち込んだのは外国人窃盗団だとされています。対策されやすいピッキングに比べると、焼き破りはメリットが多いことから窓からの侵入方法として広く使われるようになってきました。

ここでは、焼き破りが広まった理由についてさらに詳しく説明していきます。

誰にでもできるほどやり方が簡単

焼き破りは、窓ガラスをガスバーナーなどで加熱するだけでよいガラス破りの手法です。あらかじめ冷えた状態の窓ガラスであれば手間もかかりません。非常に単純な方法で、時間をかけずにガラスを割ることが可能です。

ピッキングやサムターン回しのように、特殊な技術や道具は一切必要ありません。つまり、特段技術を持たない者でも、焼き破りを行えば容易に窓からの侵入が可能なのです。

焼き破りを効果的に行うには、窓の内側にあるクレセントと呼ばれる鍵の付近を加熱する必要があります。場所さえ適切に狙うことができれば、あとはガラスが割れた箇所からクレセント錠を回して窓を開けてしまえばいいのです。

特別な道具が必要ない

特別な道具を必要としないのも、焼き破りが広く使われるようになった理由です。ガスバーナーは携帯用のものがありますし、入手できれば実行に移すことができます。ガスバーナーがない場合には、ターボライターでも十分な火力が出せるでしょう。

さらに、冷却用スプレーを用意できれば確実に割ることができますが、水をかけるだけでもガラスが冷えて割れる可能性は高いといえます。

火力は十分とはいえませんが、100円ライターでも時間をかければ加熱することは可能です。このように、どれ一つとっても誰もが簡単に入手できる日用品で簡単に実行できます。道具を手軽に揃えられるため、難しいことは何もありません。

大きな音がたたない

空き巣に入るとき、大きな音が出る方法を採用すると周囲に気づかれやすくなります。ところが、焼き破りは窓ガラスを加熱して割るという方法で鍵を開けるため、音を最小限に抑えることができるのです。

同じ窓ガラスを割る手口に「打ち破り」があります。打ち破りはバールなどの道具を使うため、大きな音がしますが、焼き破りはそのような騒音を出しません。

同様に、音が出にくい侵入方法としてマイナスドライバー等を窓ガラスと窓サッシの境目にねじ込み、クレセント錠付近の窓ガラスにヒビを入れ、ヒビ割れたガラスを取り除き、そこから手を入れて鍵を開ける「こじ破り(三角割り)」があります。

こじ破りも日本では大変ポピュラーなガラス破りの手法なのですが、ある程度の力が必要です。対して焼き破りは強い力は必要なく、大きな音も立てません。未だによく使われる手口である理由がよくわかります。

比較的短時間で侵入できる

侵入までにあまり時間がかからないという点も、焼き破りが広まった理由の一つです。道具を使ってダイレクトにガラスを割る打ち破りに比べれば、焼き破りは侵入方法としては時間がかかるかもしれません。技術を要するピッキングにしても、中には2~3分で解錠できる空き巣も存在します。

しかし、時間がかかるといっても、ガスバーナーを使えば一般的なフロートガラスの窓なら30秒程度でヒビを入れることが可能です。(参照・出典: 株式会社コダマガラスによる実証実験『ガスバーナーで耐熱ガラスの強度比較』)

つまり、時間がかかるとはいっても数分以内という比較的短時間で建物に侵入できるということになります。水や冷却スプレーを併用すれば急激な温度差を作ることができ、さらにスピーディーな侵入も可能でしょう。

空き巣は、侵入に費やす時間が短いほど、気づかれることなく盗みを成功させることが可能です。このような理由から、焼き破りは窃盗犯の間で広まっていったと考えることができます。

焼き破りを防ぐ効果的な対策方法は?

ここまで、焼き破りの方法や広まった理由をあげてきましたが、いかに簡単で素早く窓ガラスを割る方法であるか理解して頂けたでしょうか。実際、窓ガラスを割ること自体を防ぐのはなかなか難しいものです。

しかし、「手間がかかる」と空き巣に感じさせるだけでも防犯効果を高めることはできます。では、焼き破りの効果的な対策について紹介していきます。

防犯ガラスに交換する

防犯ガラス
ガラスだけでの対策は難しいと考えましょう

まず、対策の一つとして挙げられるのは、耐貫通性の高い防犯ガラスか、防犯にも強い耐熱強化ガラスに替える事です。

正直なところ、ガラスのみで全てのガラス破りの手法に対応することは非常に難しいです。特に焼き破りは難しく、一部の耐火ガラスを省いてガラスは基本的に「耐熱衝撃性」が低いため、殆どが焼き破りの手法で割られてしまいます。

耐火ガラスは高い耐熱性を誇っていますが、全ての耐火ガラスが高い耐熱衝撃性を有しているわけではありません。そのうえ、打ち破りのような破壊の力に耐えることは考慮されておらず、防犯ガラスとしての役割を果たすことができません。また、割れた際の破片も鋭利なままなので、防災ガラスとしても不向きです。

防犯ガラスは耐貫通性の高いフィルムを複数層有しており、工具などによる破壊に一定時間以上耐えることで、空き巣を諦めさせることを目的としています。

これは空き巣のような侵入窃盗犯は侵入までに時間がかかる住居への侵入を断念する傾向があるためです。(財)都市防犯研究センターの資料を見ていくと、5分以上の時間がかかる場合、約7割もの空き巣が侵入をあきらめるというデータも出ています。時間がかかればそれだけ周囲に見つかる危険も高まるため、空き巣にとっても大きなリスクになるということでしょう。

耐熱強化ガラスを使用した防犯にも強いガラスだと、焼き破りに時間がかかります。普通のガラスと比べて簡単に割る事ができないので、空き巣の意欲を失わせる事が可能です。

ただし、耐熱強化ガラスであっても、ガラスの耐熱衝撃温度を超える急激な温度変化が生じた際には割れてしまいますし、傷が付いているところに熱が加わると傷を起点にガラスが割れてしまいます。

防犯フィルムを窓に貼る

防犯フィルム
防犯フィルムの施工も専門家に任せましょう

ガラスだけでは様々な手口を防ぎきれませんが、ガラスが弱い部分を防犯フィルムで補うという方法もあります。特に熱に関しては、フィルムの素材がPET(ポリエステルフィルム)であれば、耐熱温度が200℃程ありますから、ある程度の焼き破り対策となりうるはずです。

このようなフィルムを窓ガラスの室内側に貼ると、ガラスの厚みによっては熱が拡散されてフィルムに熱が伝わりづらくなり、ライターやトーチなどではフィルムを溶かすのにかなりの時間がかかることになると考えられています。

また、ガラスフィルムにもCPマーク認定品があり、複雑なハードルを超えた優秀な防犯製品となっています(CPマークは、官民合同会議が公表する「防犯建物部品目録」に申請、登録された建物部品にのみ貼り付けられるマークです)。

ガラスフィルムの厚みが350μm以上のもので、防犯フィルム施工技能者が日本ウインドウ・フィルム工業会指定の接着剤を使用し、厚み5mm以上のフロートガラスまたは厚み3mm以上の複層ガラス全面に貼り付け施工したものにCPマークを貼付することができます。

また、ガラスフィルムを取り付ける窓が可動式のものの場合、クレセント錠がサブロック機能付きである事と補助錠の設置が必要になります。

なお、複層ガラスに施工できる防犯フィルムは、該当する性能評価試験に合格したものに限られています(防犯フィルム適合製品はこちら)。

CPマークが付いたガラスフィルムを窓ガラスに貼り付けているだけで、侵入に時間がかかる窓という事が分かるようになります。

シャッターや面格子を取り付ける

シャッター
シャッター・格子は外から開けられないような工夫を

窓ガラスがそのまま剥き出しになっているより、外側にシャッターや格子をつけるだけで空き巣をあきらめさせる効果が期待できます。実際に侵入被害を受けた窓の9割以上は、シャッターがない、または閉めていない状態でした。

これらが降ろされていれば、空き巣は窓ガラスの焼き破りを試みる前にまずシャッターや格子を取り除かなければなりません。取り除くときに大きな音がするかもしれませんし、格子の場合、焼き破り自体は成功したとしても、格子の破壊なしに侵入することはほぼ不可能です。

つまり、シャッターや格子があればそのぶん侵入の手間が増えるため、防犯効果が高まるといえます。

特に、防犯性の高いシャッターの場合、ガラスよりもずっと頑丈な材質で作られているのが一般的です。ガラスのように焼き破りなどはできないでしょう。ただし、シャッターや格子は、外から簡単に外せないような工夫が必要です。

補助錠の設置や鍵の交換をおこなう

補助錠
窓の補助錠はホームセンターでもよく見かけます

侵入窃盗犯が焼き破りを行うのは、多くが窓のクレセント錠の近くです。仮に焼き破りに成功しても、クレセント錠が簡単に解錠できなければ侵入はできません。

そのため、補助錠を取り付けておけば、クレセントを回すことはできても窓自体を開けられずに済みます。

または、外側から開けるのが難しいダイヤル式クレセントやシリンダー式クレセントといった鍵付きクレセント錠に交換するのも良いでしょう。この場合も、焼き破りに成功してもクレセント錠が開かないため、侵入は容易ではありません。

古い建物の場合は、クレセント錠に問題がないか、見直しをすることも重要です。古く、緩みができているクレセントだと、工具を外側から差し込むだけで開けられてしまうこともあります。気になるときは、早めに防犯性能の高い新しいクレセントに交換することも重要な防犯対策の一つです。

防犯カメラを設置する

防犯カメラ
カメラだけに頼らないのも大事です

コストはかかってしまいますが、防犯カメラの設置もおすすめです。空き巣などの侵入窃盗犯は、人の目を気にしています。侵入口となりえる窓や勝手口は、ブロック塀や植木などで死角になりやすい箇所が選ばれる傾向にあります。

万が一実際に空き巣などの被害に遭ったとしても、防犯カメラが作動していれば証拠となる映像を捉えることができているかもしれません。もし被害に遭った場合は、映像をすみやかに警察に提出しましょう。

防犯カメラがあれば、死角に隠れた空き巣にも「誰かに見られているかもしれない」という意識を持たせることができます。目撃者を減らしたい空き巣にしてみたら、ダミーカメラでも「あそこはやめておこう」と考える要因になるかもしれません。

ただ、防犯カメラはあくまで抑止効果を狙うものです。ですので、このカメラ単体で全てをカバーしようとするのではなく、必ず他の防犯対策と併用するようにしましょう。

空き巣や強盗の被害を防ぐためにも焼き破り対策をしましょう!

令和3年の警察庁のデータでは、住宅対象侵入窃盗の認知件数は17,183件で、その内、空き巣が11,118件、忍び込みが5,094件、居空きが971件でした。また、侵入窃盗の侵入手段として最も多かったのは無締り、次いで多かったのがガラス破りでした。その他の侵入手段としては、施錠開け、ドア錠破り、戸外し等があります(※警察庁発表『令和3年の刑法犯に関する統計資料』より)。

侵入手段で最も多い無締りは、日頃から防犯を意識してしっかりと施錠する事で対策できます。その為、ガラス破りの対策を早急にとる必要があります。

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