安否確認に警察の立ち会いは必要?安否確認でよくある5つの疑問を徹底解説
この記事でわかること
- 安否確認とは何を指すか
- 安否確認に警察の立ち会いが必要な理由
- 安否確認時の注意点
- 安否確認の手順
- 鍵開けに必要な費用など
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
一人暮らしの家族や友人と突然連絡がつかなくなり、心配になったことはありませんか?
持病や障害がある、高齢であるなどの理由で、家のなかで倒れている可能性を考えると、無事でいるのか居ても立っても居られなくなりますよね。
このような場合、家族や親族の一員として対象者の「安否確認」をすることがあります。ただ、安否確認といっても、どんな流れでどんなことをすればよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
例えば、我々鍵屋が安否確認に同行する際はほぼ漏れなく警察官の立ち会いがありますが、そもそも警察に立ち会いを依頼しなくてはならないのかどうかわからない、というご家族が殆どです。
警察の立ち会いは義務ではないものの、要請するのには理由があります。このように、安否確認については知られていないことも多いため、今回は5つの疑問を通じて、安否確認ではどんなことが行われるのか、必要な手続きなどはあるか、解説していきます。
なお、安否確認のために解錠が必要になった場合は鍵猿までご相談下さい。
多くは賃貸物件の管理会社様などからの依頼ですが、鍵屋の鍵猿でも安否確認のための解錠実績が何件かございます。簡単な鍵であれば、合鍵がなくても鍵作成が可能な場合もございます。もしお困りのことがございましたら、ぜひご相談下さい。
▶ お急ぎの方 ◀
鍵の開錠にかかる費用、
施工事例、対応エリアなど
について詳しく見る
目次
【疑問1】「安否確認」とは具体的に何をする?
一般的にこの「安否確認」という言葉には大きくわけて2つの意味合いがあります。
ひとつは、地震などの甚大な災害発生時に自治体・企業などが住民や社員を対象に行う確認を差し、もうひとつは先述したような、家族・親族あるいは友人・雇用主などによる個人対象の確認を差します。
この記事では、主に後者の意味合い、特に「一人暮らしの人と急に連絡がとれなくなった場合の安否確認」について解説していくわけですが、この場合、まず対象者が住んでいる家まで出向いて行き、室外から声をかけて在宅確認を行う、というのが最初のステップになります。
対象の人物が在宅していて、面会さえできれば問題解決することが殆どですが、何度訪問しても、何度手紙などを残していっても連絡がとれない場合は、玄関の鍵を開けて住居内を確認することになります。
安否確認に至る背景としては、下記のような状況があります。
- 離れて暮らす(一人暮らしの)家族と連絡がとれない
- 会社の従業員が何日も無断で欠勤しているし連絡がつかない
- 賃貸物件の入居者が家賃を滞納し電話にも応答しないし部屋は施錠されたまま
- 単身赴任の社員が出社してこないし連絡がつかない
- 独居老人が電話やインターホンに応答しない
最近では暑さによる熱中症などで一人暮らしの高齢者がエアコンを入れず、家の中で倒れているという報道も増えました。また、団塊の世代が後期高齢者と呼ばれる年齢になっており、郊外だけでなくベッドタウンの戸建てや分譲マンションでも在宅確認しないといけないことが増えていると考えられます。
また、近隣住人から「異臭がする」などといったクレームが発生した場合、管理人や管理会社などは鍵を開けて確認せざるを得ません。
プロセスとしては最後の最後に「鍵を開けて確認をとる」わけですが、「安否確認」と言うとこの最後のプロセスだけが注目されがちなのも事実です。
【疑問2】安否確認は誰が行う?
安否確認は誰か特定の人がしなくてはならないのか、疑問に思う人もおられるかもしれませんが、誰が安否確認を行うのかについて特定の決まりはありません。多くの場合、やはり安否が問われている人の家族や親族或いは友人が住まいまで訪ねて行って様子を窺います。
対象者が遠方で暮らしている場合は、対象者が暮らす地域の民生委員や警察、集合住宅であれば管理人など職務上、在宅確認ができる、あるいは見回りができる立場にある人に依頼されることが多いようです。
もし対象者が賃貸住宅で暮らしている場合は、管理会社に在宅確認を依頼できますし、事実、管理会社の担当者が確認に行くことは多々あります。
親族や家族以外では、対象者の勤務先などから安否確認の依頼がある、或いは職場から実際に誰かが安否確認に行く、ということもあります。
ただし、よほど緊急性が高くない限り、玄関を解錠し、住居に立ち入っての確認までは行われないことが殆どです。
【疑問3】安否確認に警察の立ち会いは必要?
在宅確認を何度か行ったり、警察に行方の捜査をして貰ったりしても対象者の安否がわからないときは鍵を開けて住居に入って確認しなくてはなりません。この安否確認を行うにあたり、警察の立ち会いは必須なのか疑問を持つ人もいるでしょう。
冒頭でお話したように警察官の立ち会いは多いものの、これが法律で義務化されているわけではないので、安否確認の際に必ず警察官を伴わなくてはならないというわけではありません。
しかし、我々のような鍵屋を呼んでドアを開けるといった段階になると、殆どのケースで警察官の立ち会いが要請されています。義務ではないものの、ほぼ必須と考えられているわけです。
これには、個人が勝手に鍵を開けて住居に立ち入ると、例えそれが大家や管理人であってもトラブルにつながりかねないから、という理由があります。
具体的にどのようなトラブルが発生する可能性があるのか、警察の協力を頼むほうが良い理由と、起こり得るトラブルの種類について見ていきましょう。
立ち会いがないと「第一発見者」になってしまう
警察に立ち会いを依頼したほうが良い最大の理由は、「第一発見者」になってしまうリスクです。対象者が一人暮らしや単身赴任者で周りに家族がいないときに急に連絡が取れなくなった場合、思わぬ病気や事故などによって、室内で亡くなっている可能性も考えられます。
それこそ独居老人の熱中症の疑いなどであれば、その可能性がかなり高いわけですから、第1発見者になってしまうリスクも自ずと跳ね上がります。
警察の立ち会いなしで自己判断で安否確認を行い、既に死亡している対象者の第1発見者となってしまった場合、警察での聴取などが必要になってしまいます。警察に相談して立ち会いを依頼し、最初に対象者の室内に入ってもらえば、自分が第一発見者になるリスクを回避できるのです。
立ち会いがないと居住者とのトラブルに発展する可能性がある
たとえば、安否確認として管理会社などに連絡し、部屋の契約者以外が合鍵を使って部屋に入ったとしましょう。
そのとき対象者が室内にいて鉢合わせした場合、不法侵入だと訴えられてしまう可能性があります。場合によっては、損害賠償請求などの金銭的なトラブルに発展するリスクもあります。
それ以外にも、対象者が家を留守にしていた場合、あとから「部屋の私物がなくなっている」、「家具が壊れている」など、言いがかりをつけられる可能性もあります。
警察の立ち会いがあれば、なんでも合法になるというわけではありません。
しかし、警察がいることで対象者を納得させて落ち着かせたり、室内の私物や家具などに手をつけていないという証人になってもらったりすることができます。
誤解やトラブルを防ぐためにも、警察の立ち会いは必要なのです。
▼関連ページ
【疑問4】部屋の鍵はどうやって開ける?
安否確認を実施する際、家の鍵がかかっていると部屋の中へ入ることができません。そのような場合は、どうやって鍵を開けたら良いのでしょうか。
合鍵を使用する
家族などが合鍵を所持している場合は、それを使って対象者の玄関の鍵を開けることができます。こうした万が一の事態に備えて、家族が合鍵を準備しておくことも一案です。
ただし、合鍵があるからといって、警察の立ち会いがないまま勝手に部屋に入ると、上述したような対象者とのトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
家族などが合鍵を持っておらず、対象者の家が賃貸の場合は、管理会社や大家さんなどから借りられる場合もあります。
緊急性が高い安否確認の際に合鍵がない、探しても見つからないという場合は、鍵が開いている「場所」を探してみる、という手もあります。
特に戸建ての場合は窓の鍵が開いたままになっていることが少なくありません。1階などであれば窓から部屋に入れることもあるため、鍵の状態を確認してみましょう。
鍵屋に鍵開けを依頼する
合鍵がなかったり、玄関のドアにチェーンがかかったりしている場合は、鍵屋に鍵開けを依頼するのが無難です。
ただし、鍵屋に鍵開けを依頼する場合はいくつか注意点があります。依頼時の注意点や鍵屋選びのポイントを見ていきましょう。
下記は弊社における、解錠料金の目安を鍵の種類ごとにまとめたものです。
鍵の種類 | 解錠の目安価格 |
---|---|
刻みキー(子鍵がギザギザ山鍵) ディスクシリンダー、ピンシリンダー、ロータリーシリンダーなど | ¥8,800~14,300(税込) |
ディンプルキーシリンダー | ¥16,500~(税込) |
防犯サムターン付き | ¥25,300~(税込) |
また、誰もスペアキーを持っていないという場合、鍵屋は鍵屋の技術で解錠しますが、「合鍵を作成してほしい」ということもあるでしょう。
そのようなケースでは、鍵の種類が上記「刻みキー」の中のディスクシリンダーやピンシリンダーであれば、鍵穴からの作成が可能です。
ただし、鍵穴から作成する場合、シリンダーを取り外して作成しますので、解錠してからの作成となることに注意して下さい。鍵開け+鍵作成の費用を支払うのであれば、シリンダー交換をした方が安価で済む場合もあります。
鍵穴からの鍵作成 | ¥16,500~(税込) |
鍵屋に依頼する際の注意点
鍵屋には、まず安否確認のための依頼であることを最初に断っておく必要があります。鍵屋は基本的に警察の立ち会いがない場合や、依頼者と安否確認の対象者との関係を確認できない場合は、作業を始めません。
安否確認のための鍵開けには、書類確認などの準備が必要になります。安否確認のための開錠要請であることを伝えないまま依頼すると、現場で断られてしまうことがあるため注意しましょう。
また、鍵開けの費用は依頼者の負担となります。管理会社や家族など、誰が鍵開けの費用を支払うのかあらかじめ決めておきましょう。特に緊急性が高い場合は、非破壊での解錠ではなく破綻になることもあります。
そして、破壊開錠したあとは鍵を交換する場合が殆どなので、上下に鍵が付いたプッシュプル錠などの場合は、かなり高額になることもあります。
なお、非破壊で高額になるのはディンプルキーなどのピッキング解錠ができないタイプで、MIWA(美和ロック)のスイッチサムターンやGOALの偏心サムターンといった防犯サムターンが付いている等、難易度が高い鍵の場合です。
いずれにしても高額になる可能性が高いため、より費用がかかる可能性があることを念頭に置きましょう。
鍵屋選びのポイント
鍵屋のなかには大まかな見積もりだけで作業を始め、作業後に高額請求を行う、悪質な業者もいます。大事なときにこのような業者を選ばないためにも、鍵屋を見極める必要があります。
最もわかりやすいポイントは料金体系です。依頼前に料金を明確に提示しているかどうか確認して下さい。特に、料金にどのような作業が含まれているかをチェックすることがポイントです。
たとえば、カギ修理費用6,600円には出張費や作業費などが含まれているのか、キャンセルの際に料金は発生するのかなど、事前に確認できない業者には依頼すべきではないでしょう。
更にホームページで実際の作業例を見られるかどうか、アフターフォローや補償の有無を確認しておくことがおすすめです。
▼関連ページ
▼関連ページ
【疑問5】安否確認はどのように進める?
それでは、実際の安否確認はどのような流れで行われるのでしょうか。安否確認の基本的な流れと手順について見ていきましょう。
安否確認対象者の自宅へ行って声をかける(在宅確認)
安否確認の基本的な流れとして、まず対象者の自宅へ行って声かけを行います。チャイムを鳴らす、ドアをノックするなどの行動とあわせて、安否確認をしに来た旨を伝えましょう。
対象者の住居がオートロック・マンションの場合、ドアの前まで行けないため、管理会社や管理人などに説明して協力してもらう必要があります。
なお、安否確認を行う際に、意外と「対象者が居留守を使っていた」というケースも多くみられます。自宅前で「安否確認のため鍵を開けますよ」と声をかけると、慌てて応答することもあるため、様子を見てみましょう。
警察に相談して安否確認の立ち会いを依頼する
対象者の自宅で声かけをしても反応がない場合、警察に連絡して安否確認の立ち会いを依頼します。
また、緊急性が高いと判断した場合は、初めから警察へ依頼しても問題ありません。最寄りの交番もしくは警察署などに依頼するか、警察相談専用電話「#9110」に連絡しても良いでしょう。
原則として警察は民事不介入ではありますが、人命に関わるような安否確認には立ち会ってもらえます。
ただし、警察に依頼する際は、依頼者の本人確認および安否確認対象者との関係の確認などが行われます。きちんと証明書類などを準備したうえで依頼しましょう。
鍵を開けて室内を確認する
合鍵や鍵屋への依頼など任意の方法で鍵を開けたら、万が一の事態に備えて、まず警察官に入ってもらいましょう。
対象者が住居内にいた場合はそのまま対応、留守の場合は目につくところに安否確認に入ったことを記載した張り紙や手紙などを残しておきます。
そして退出するときは施錠を忘れずにしっかりと行いましょう。もしも対象者が倒れていた場合は、警察がそのまま対応します。警察の指示に従って動くようにしましょう。
鍵開けは鍵屋に依頼しよう
家族や賃貸マンションに住む子供と連絡が取れないなどの理由で安否確認をしたい場合、まずは物件のオーナー(大家さん)や管理会社、あるいは警察などに相談するのが定石ですが、安否確認に踏み切ったものかどうか悩んでいる方もおられるかと思います。
事実、安否確認の手順でもお話した通り、最初の訪問で警察官に立ち会って貰いながら安否確認をする、というケースはあまりなく、まずはガス・電気のメーターや洗濯物の有無などを観察することが多いようです。
かといって、音信不通で何日くらい経てば警察に依頼できるのか、といった明確な基準があるわけではないので、いつ安否確認に踏み切るかは、ある意味「緊急性」を基準にした方がわかりやすいかもしれません。
例えば、昨今は新型コロナ感染症や酷暑による熱中症など、「意識を失って倒れたところを気づかれないまま放置されたら高い確率で死に至る」疾患が増加した上、人手不足などで独居老人を訪問して健康状態を確認する機会が減少している地域もあります。
もちろん、安否確認は「空振り」で終わった方が良い確認ですが、様子見を続ける理由がないのであれば、警察に事情を話してみて下さい。そしてその結果、鍵開けが必要になった時には速やかに鍵屋を呼んで下さい。
ここ10年近くで大家や管理会社が、会社の方針や個人的な見解に基づいて合鍵を持たないことが増え、緊急の鍵開けでは鍵屋を呼ぶしかないケースも多くなっています。
また、合鍵があってもドアガードやドアチェーンがかかっていて入れない、という事もあります(ドアチェーンは内鍵なので、これがかかっているという事は、室内に人がいる可能性が高くなります)。
安否確認の現場で慌てて鍵屋を探すよりも、あらかじめ何軒か鍵屋の候補を決めておくのも良いでしょう。
安否確認の方法・注意点を理解して迅速に対応しよう!
家族や入居者などと突然連絡がとれなくなったら誰しも、焦ってしまうものです。なかには迅速な安否確認が必要になるケースもありますが、落ち着いて安否確認の流れを思い出して下さい。
合鍵がない場合でも、鍵屋に依頼すれば非破壊解錠が可能ですし、万一の緊急時には破壊開錠という方法もあります。
合鍵が必要な場合は、住人の許可を得たうえで、その場で作製することも可能です(一部のディンプルキーなどは複製できない場合もあります)。
鍵屋の鍵猿でも安否確認のために現場スタッフがご協力させて頂いています。もしお困りのことがございましたら、ぜひご相談下さい。
▶ お急ぎの方 ◀
鍵の開錠にかかる費用、
施工事例、対応エリアなど
について詳しく見る