玄関にオートロックを後付けするメリット・デメリット!後付けする方法も紹介
この記事でわかること
- 後付けできるオートロック錠の種類
- 玄関をオートロック錠にするメリット・デメリット
- オートロック錠を後付けする方法
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
忘れっぽい性格で、よく鍵のかけ忘れがあるという方や、お子様が鍵をかけずに外出するこどか多いなど、施錠忘れに関するお悩みや、もっと玄関の鍵管理を楽にしたい、とお考えの方は年々増えています。
鍵のかけ忘れ防止にオートロック(自動施錠機能)が有効なのは確かです。ただ、そのメリットとデメリットを知ることも大事です。
今回は後付けできるオートロックの種類、オートロック錠のメリット・デメリット、具体的な取り付け方法を解説します。
オートロック機能がある錠前に交換したい、あるいは新規で取り付けたい、という方は即日施工可能な鍵猿にご相談ください。
目次
後付けできるオートロック錠の種類
世の中には様々なオートロック錠がありますが、家の玄関に後付けするとなると、サイズやコストなどが限られてきます。
玄関に後付けできるオートロック錠の主な種類を紹介します。
メカニカルキーレス
メカニカルキーレスの仕組みは、箱錠などの閂(デッドボルトかラッチボルト)の近くに「トリガー」というラッチに似た突起があり、これが閉扉と共に引っ込むことで閂が固定される、というものになっています。
このため、自動施錠が機能するためには「扉を閉める」という動作が必ず必要になります。
既存のドアや錠前に後付けできるメカニカルキーレスには長沢製作所の人気シリーズ「キーレックス」、そしてタイコ―の「デジタルロック・スーパースリム」などがあります。
どちらも物理的なテンキーがついた錠前で、開き戸・引き戸の双方に対応しており、暗証番号を入力して解錠したのち、扉が閉まると自動施錠される仕組みになっています。
キーレックスには複数のモデルがありますので、玄関のドアや用途に適切なタイプを選ぶことが可能です。一般住宅向けとして人気があるのはキーレックス500、800ですが、機能面から他のモデルを選んでも良いでしょう。
※キーレックスのモデルによっては自動施錠機能がないものもあります。
電力を使いませんので耐候性があり、ピッキング、サムターン回し、バールによる破壊なども対策済です。
室外から工具などを用いて、サムターンを回し不正解錠する手口のこと
電子錠
電子錠は大別して既存のシリンダーを取り除いて施工する従来の電子錠と、既存のシリンダーは残し、サムターンに本体を取り付けるスマートロックの2種類があります。
どちらも解錠方法に暗証番号、カード、リモコン、指紋認証、スマホ、NFCタグなどが選べ、電力供給源は電池です。
サイズや価格帯からも恐らく最も一般住宅向けのオートロック錠ですが、対応している錠前やシリンダー、ドア厚などをしっかりと把握しておく必要があります。
電子錠はシリンダー錠とは違い、直接錠ケースに働きかけ閂を電動で動かす仕組みです。一方、スマートロックはサムターンに被せるかたちで設置し、解錠時は本体の駆動部がサムターンを動かして解錠する仕組みです。
そのため、サムターンなどが対応していれば工事不要で取り付け可能で、本体を含め安価で済むことが特徴です。
電子錠はEPIC のFLASSA シリーズ(FLASSA 1Jを除く)、イージスゲートのイージスゲートなど、安定した動作に定評のある機器がいくつかあります。
スマートロックはユーシン・ショウワ(ミネベア・ショウワ)のSadiot Lock やキャンディ・ハウスのSESAME(セサミ)、Qrio株式会社のQrio Lock(キュリオロック)などが有名どころでしょうか。
スマートロックは遠隔での操作などにはWi-Fi接続用の拡張デバイス(Wi-Fiブリッジ、HUBなどと呼ばれる)が必要です。
一般家庭の「後付けできるオートロック」としては、最もバラエティ豊かであるぶん、正しい選択をするのが難しいと言えます。
▼関連ページ電気錠
電子錠と類似していますが錠前というよりは「錠システム」とでも言うべきなのが電気錠です。電子錠と同じく電力を必要としますが、こちらは複数の錠を管理するため、電気配線工事が必要になります。後付けというよりは新築向けです。
電気錠は電子錠のようにシリンダーを取り除いたりするようなことはなく、通常の鍵を電力で制御するようなかたちです。外見的には従来の鍵とあまり変わらないものも多く、LIXLやYKK APといったサッシメーカーに限らずシリンダーが残るため、突然の停電などアクシデントに備えて必ず金属製の子鍵は非常用として持ち歩いて下さいと説明書に明記されています。
停電時は電力供給が止まるため、機能がストップするか制限されますが、停電時には全錠前を解錠するなど、停電時・通電時の施錠状態をどうするか決めることもできます。
施工にはコスト、手間、時間がかかることもあって、家の建て替えや大幅な改築工事がない限り、電気錠が後付けのオートロック錠として選択されることは少ないと言えます。
また、電気錠に対応しているドアも限られているので、どうしても今の自宅で電気錠を導入したい場合は、ドアの交換を検討してみると良いでしょう。
ただ、この先、高齢者の介護があるため従来の鍵運用では辛い、閉め忘れや紛失を防ぎたい、インターホンを導入して鍵と連動させたい等、日常生活(QOL)を大幅に改善する目的がある場合は、電気錠という住まいすべてをカバーするシステムのほうが良いのかもしれません。
▼関連ページオートロックの後付けに必要な費用相場
オートロック錠は電子錠であったり、独自テンキーを持つメカニカルキーであったりする分、購入・修理の際の費用が従来の鍵と比較して高くなりやすい点も了承しておく必要があります。
オートロック錠を後付けする際の費用は、作業費約10,000~30,000円+部品代が相場になっています。部品代はどのような機能があるのかによって費用面で大きな差が出ますが、タイプによっては高額になってしまうこともあるでしょう。
たとえば、貼り付けタイプのオートロック錠は非常に安価になってきており、10,000円前後で購入することも可能ですが、工事が必要なオートロック錠は、種類によって10万円程度するものもあり、費用は大きく異なってきます。
ちなみに、電池交換が必要なものであれば定期的な電池の購入も必要なので維持費も頭に入れておきましょう。
後付けのオートロック錠は、取り付けが簡単で自分で設置することが可能なものもあります。専門業者に依頼せず、自分で設置できれば作業費を節約することは可能です。
ただ、正確に設置しなければうまく作動しなかったり、貼り付けタイプであれば接着が十分ではなく、剥がれ落ちたりします。
うまく作動しなかったり剥がれ落ちたりするようであれば、防犯性は下がってしまいます。そのようなことにならない為にも、専門業者である鍵屋に依頼し、確実に取り付けた方が安心できる生活を送れるでしょう。
貼り付けタイプなど自分で取り付けができるものだったとしても、1度でうまくできずに何度もやり直すことでドア自体に傷がついてしまったり、鍵に異常が出て作動しなくなったりする可能性もあります。
鍵を再度購入し、業者に依頼するとなれば費用もかえって高くついてしまうので、少しでもわからない点があったときや不安な場合は、鍵屋に相談しましょう。
※なお、鍵猿では電子錠・電気錠の修理は基本的にできません。メーカー対応あるいは電子錠・電気錠の本体交換、新規取り付けによる対応となります。
玄関をオートロックにするメリット
様々な便利機能を持つオートロック錠ですが、後付けで玄関に導入することにどんなメリットがあるか見ていきましょう。
鍵の閉め忘れの防止
通常の鍵であれば、急いでいるときなどにうっかり鍵を閉め忘れてしまうことがあります。あわてて帰宅して鍵を確認すると、しっかり施錠してあったという体験をしたことがある人も多いでしょう。
しかし、オートロックは自動で鍵が閉まるシステムなので、そのような心配は無縁です。鍵の閉め忘れが心配なときにはスマートロックなど、遠隔操作で確認可能なタイプもあるので便利です。
鍵を紛失するリスクが減る
オートロック錠は物理的な鍵がなくても解錠できるタイプが大半であり、鍵を持ち歩くことによる紛失リスクもありません。
オートロック錠でもリモコンキーやカードキーなど、鍵の代わりになるものを持ち歩く必要があります。ただ、仮に紛失してしまっても登録内容をすぐに削除してしまえば、第三者に不正に利用されることはありません。
防犯性の向上
オートロック錠の中でもシリンダーをなくすように取り付けするタイプを選択すると、ピッキング被害に遭うこともなくなるので防犯性が高まります。
ほとんどのオートロック錠は既存の鍵穴を隠すタイプですが、既存のシリンダーは残しておいて、緊急時の解錠方法として残すものもあるので、そういったタイプは鍵穴に簡単にアクセスできないようにカバーをする等の工夫が必要です。
ただし、メカニカルキーレスにせよ電子錠にせよ、破壊耐性には限度があると考えなくてはならないでしょう。電子機器は小さなダメージでも故障してしまう可能性があります。犯罪はもちろん、イタズラなどにも引き続き、警戒する必要はあります。
鍵の開け閉めが簡単
オートロックは鍵の開け閉めがしやすい点もメリットのひとつです。
たとえば、暗証番号式は暗証番号によって解錠するので、カバンからその都度、鍵を取り出す必要がありません。
ハンズフリータイプのオートロックであれば、大量の荷物を抱えているときや、子どもを抱っこしながらドアを開けなくてはならないときも、登録した人間が近づくだけで解錠できます。
玄関をオートロックにするデメリット
ここまで目立った欠点のなさそうなオートロック錠ですが、デメリットというものはあるのでしょうか。
閉め出しに遭う可能性がある
鍵を持たずに外に出てしまい、閉め出されてしまうトラブルがあります。
暗証番号・指紋認証のもののみ、閉め出しとは無縁ですが、その他「鍵」に相当するものがあるタイプは、解錠に使うものを持たずに外に出てしまうと閉め出されてしまいます。
スマートロックでも多発する問題で、現時点でオートロック錠唯一の「敵」とも言える問題です。
また、電池式のオートロック錠は電池切れになると家に入れなくなります。定期的に電池残量を確認する必要があります。殆どの機種に電池の残量を通知する機能が搭載されているので、見逃さないようにしましょう。
この閉め出し問題を解決するために、電子錠でも手動で開けた場合は自動施錠しない動作モードが用意されていたり、時間差による施錠ではなく、鍵の持ち主が特定距離の範囲内にいるかどうかを判断する方法などが生み出されてきました。
閉め出しに遭わないか不安な方は、こういった機能を備えたオートロック錠の導入を考えてみてもよいでしょう。
油断してしまう
オートロック錠は通常の鍵より防犯性が高いため、玄関の鍵に導入したことで安心しきってしまう人もいます。
確かに玄関はセキュリティ万全で侵入しにくい環境になっていることは間違いありません。ただ、空き巣の侵入口は玄関だけではなく、窓や勝手口もあります。
※戸建ての場合、侵入経路は圧倒的に「窓」です。集合住宅の場合は、玄関からの件数が増加傾向にあります。(住まいる防犯110番参照)
玄関の鍵はしっかりかけてあったとしても、窓を開けっぱなしで出かけたり、勝手口を施錠していなかったりすると簡単に侵入されてしまうでしょう。家で侵入できる可能性がある場所は施錠の確認を習慣にするのがおすすめです。
耐候性が課題なものも多い
電子錠や電気錠は、あまり耐候性がないものも多く、指紋認証タイプなどは指紋認証用のセンサーがついているぶん、定期的なメンテナンスも必要になります。
日本は台風が多いですし、寒暖差の大きい地方もありますので、地域それぞれの対策が必要です。特に外部に出ている操作盤(暗証番号入力用のテンキーや画面など)がある場合は、悪天候を凌ぐために「ヒサシを作ること」などと取説に明記していることもあるので、どんなケアが必要になるのかしっかりと確認しておく必要があります。
導入コストが高い
後付けでオートロック錠の導入を検討していると、やはり導入する際のコストの高さに悩まれるのではないかと思います。
最近は電子錠やキーレスキーの価格も下がってきましたが、必要なのは本体だけでなく、電池や取り付け作業費も考慮しなくてはなりません。
鍵屋に設置を頼むと、作業費に部品代(電子錠本体)が追加されますので、やはりそこそこの金額は支払わねばなりません。
また、導入時にコストがかかる割に電子錠の寿命は長くありません。通常のシリンダー錠が10~15年と言われているのに対して、電子錠・電気錠は約7年と言われています。コストパフォーマンス的にどうなのか、評価が分かれるところです。
玄関にオートロック錠を後付けする方法
後付けする際の取り付け方は、種類によってさまざまです。大きく3パターンの取り付け方法があるので紹介します。
玄関にオートロック錠を取り付ける際には、既存の錠前のメーカー、型番、扉の厚さなどを確認する必要があります。これはドアが既定サイズより厚みがあったり、サムターンが特殊だったりすると後付けできないケースもあるからです。
また、オートロック錠とはいえ鍵穴をそのまま使用するタイプなどは、ピッキングやバンピングなどの不正解錠が可能なので、どのような対策がされているのか、あらかじめチェックしておくのがおすすめです。
貼り付けタイプ
ドアを傷つけにくい「貼り付けタイプ」はスマートロックなど、シリンダーを取り外さないタイプに多く、強力な両面テープで本体を固定します。
シリンダー交換タイプ
しっかりとドアに固定できる「シリンダー交換タイプ」は、既存のシリンダーを外して後付けする方法です。電子錠だけでなくキーレックスなどもこれに該当するでしょう。
※キーレックスは本体の重さがモデルによって大きく異なるため、扉の種類や框の広さによっては取り付けができないモデルもあります。
新規取り付けタイプ
既存の鍵穴は利用しない、「新規取り付け」という方法で後付けすることも可能です。
これは既存の鍵穴や錠前が後付けしたいオートロック錠に対応していなかった場合などに採られる手法で、既存の鍵の上部などに全く新しい穴を開けてオートロック錠を取り付けます。
いずれにせよ、貼り付けタイプはセルフでも取り付け可能であるのに対して、なんらかの工事が必要なタイプはよほどのDIY愛好家でないと不安になるでしょう。
特に、全く新しい穴を開けるとなると、ミスをすれば扉に不要な穴が開いた状態になってしまいますから、日曜大工があまり得意でない方は、鍵屋に相談することをお勧めします。
オートロック錠の後付けは鍵屋に依頼するのがおすすめ
オートロックの鍵を自分で後付けすることもできますが、知識や技術のない一般の方が設置しようとすると、うまく作動しないことも考えられます。確実に取り付けたい場合は、鍵屋に依頼するのがおすすめです。
鍵屋の鍵猿は、玄関ドアの形状や取付環境を見極め、お客様のご希望に沿ったオートロック錠の取り付け・交換が可能です。
また、ドアやサムターンなどの形状によっては取り付けできないスマートロックもありますので、両面テープ以外の方法で取り付けたい、対応していない錠前を交換したい、といったご要望にもお応えします。
鍵猿は年中無休、出張費・見積費は無料です。見積もりのみのご依頼も承っております。
「自宅の玄関ドアをオートロックにしたい」「スマートロックの導入を検討している」など、鍵に関するお悩み事やトラブルなどはお気軽にご相談ください。
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