玄関にぴったり!システムキーなどリクシルの電気錠を徹底解説
この記事でわかること
- リクシルの電気錠の主な種類
- 電気錠のメリットや利用時の注意点について
- 配線工事を必要としない電子錠もある
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
国内最大のサッシメーカー、リクシルはトステムブランドでお洒落な玄関ドアや、シンプルで機能性の高い玄関空間デザインなどをリリースし続けており、新居だけでなくリフォームに関する商品やアイディアも提供しています。
鍵は昔からユーシン・ショウワと美和ロックからの提供が続いており、現在もWNシリンダー、DN(PS)シリンダーを備えたドアが多く見られます。
しかし、昨今のデジタル家電やスマートフォンの発展を見ていると、もうシリンダーキーは古いのではないか?と疑問に思うことはないでしょうか。もしかしたら、これからは電子錠や、スマートロックにも目を配るべきなのかもしれないーーそんなことを考えながらリフォームを計画している人も少なくはないでしょう。
そこで、今回はリクシルが現在、特定のドアタイプで展開しているシステムキーを含む「電気錠」に注目し、主な種類やメリット、利用時の注意点などについて解説します。
電気錠は配線が必要なため、費用面などから交換をためらってしまうかもしれません。電池で動作するタイプの「電子錠」なら、既存の鍵穴を利用して設置が可能なタイプもありますのでぜひご検討ください。
目次
主に4タイプ!システムキーを含む電気錠の種類
リクシルの電気錠は現在、スマホなど好きな鍵タイプを選べるスマートロック系の FamiLock(ファミロック)とその他エントリーシステム、というカテゴリ分けがなされており、これからは住居の利用者が各自、使う鍵を選ぶことができるFamiLock のみの提供に移行していくことが予想されます。
まずは従来の3種のエントリーシステム
を見ていきましょう。
リモコンやカードでラクに鍵の開け閉めができる、リクシルの電気錠のことです。
古くは「らくらくキーシステム」といった名称でした。
カザス、カザス・プラス
リクシルのカードタイプの電気錠はトステムの時代から「カザス」というものがありました。現在ではカザスはカードとタグキーが使用可能、そしてカザス・プラスはカード、タグキー、そしておサイフケータイが利用できる端末(要するに、iOS機以外のもの)を鍵として使用できる電気錠となっています。
施開錠の際はドアハンドルにあるボタンを押してリーダーを起動し、カードなど登録済みの鍵をかざします。
カードの最大登録数は20枚で、楽天Edyカードや別売のタグキー、そしておサイフケータイ機能搭載の端末も鍵として登録することができますが、端末に関しては楽天Edy アプリのダウンロードも必要となっており、Edy決済を使用しない人には少々手間であることが欠点です。
他のカードキーと同じように、カードを紛失しても紛失した分を無効化するといった作業が楽にできるため、あまり気負うことなく電気錠を使い始められるスターター的な存在と言えます。
システムキー
リクシルの電気錠には、定番と考えられがちなテンキータイプがありません。
以上の3種類がメインです。
このシステムキーはリモコンキーを使用しますが、タッチタイプとノータッチタイプを選ぶことができるため、買い物袋や小さなお子様で両手がふさがっていることが多い主婦層から絶大な支持を得ている電気錠です。
商品の立ち位置的にもエントリーシステムの中では最上位機種です。オプションにドアホン、そしてシークレットスイッチと呼ばれるテンキータイプ用のパネルもあります。
リモコンキーは自動車のそれと似たような仕様で、ノータッチタイプはリモコンキーをポケットや鞄に入れたままドアの前に立つだけで解錠してくれます。タッチタイプは同じようにポケットなどにリモコンキーを入れた状態でドアのボタンに触れると、施錠・解錠できます。タッチではなく、リモコンキーそのものによる施錠・解錠も可能で、その名称が示す通り「遠隔で」施錠することがきます。
リモコンの電池が切れそうな場合は、LEDが点滅して知らせてくれる仕組みになっており、「いつ電池が切れるかわからない」という心配もありません。
万が一、サインを見逃して電池が切れてしまった場合にも、リモコンをリーダー部に接触させることで解錠できます(密着認証モード)。電池切れが心配という場合は、こうしたタイプを選ぶとより安心感を得られるでしょう。
システムキーはオプションも充実
システムキーには、オプションにドアホン、そしてシークレットスイッチと呼ばれるテンキータイプのパネルもあります。
オプションのドアホンも鍵と連動していますが、システムキーを導入するとコントロール・ユニットが室内に設置され、こちらからの施解錠も可能になるため、特に買い換える必要はないと感じるユーザーが多いようです。
シークレットスイッチは物理テンキーを伴わない暗証番号入力タイプのパネルで、テンキーと暗証番号での認証モードかと思いきや、非常用のオプションとなっています。要するに、リモコンキーが正常に動作していない時や、リモコンキーを家に忘れたままオートロック設定で外出してしまった際に、このシークレットスイッチを使用する、というわけです。
タッチキー
タッチキーはリモコンキーであることに変わりないが、タッチタイプしか選択肢がない、というシステムキーの機能限定版です。また電源式ではなく電池式なので、電力供給が停電などでストップしても心配ないあたりは心強いです。こちらのリモコンキーも電池が切れたときには密着認証モードを使用することができるようになっています。
ある意味、システムキー、タッチキーどちらもキーそのものはポケットなどに入れておくだけで良いので、その時点で既に便利、と感じる人もいるでしょう。タッチキーを選ぶ人の中には「施錠した、という確認にもなるのでいちいちボタンを押すタイプにした」という人もいます。電気錠の便利さに飲み込まれずに、しっかりと管理していきたい人にはこちらのほうが向いているのかもしれません。
各自がキーを選べるFamiLock
スマートフォン、リモコン、カードキー、タグキー、手動キーなど多彩なカギの中から選択して使用ができるリクシルの電気錠のことです。従来のキータイプに加えて、施解錠履歴確認ができる専用アプリ(”My Entrance”)も使うことができます。
FamiLock では従来のキータイプに加えて、施解錠履歴確認ができる専用アプリ(”My Entrance”)も使うことができるようになっています。 子供たちは家を出るときにちゃんと施錠したのか、といった確認もできますし、怪しい解錠情報があればすぐにメールで知らせてくれるように設定しておくことも可能です。
FamiLock では通信方式がBluetooth になり、日本のおサイフケータイに対応していないiOS 系端末もキーとして使用できるようになりました。しかもリモコンキーと同じ挙動ですので、おサイフケータイ端末のようにリーダーにかざす必要はなく、バッグやポケットに入れたままでドアハンドルにあるボタンをタッチするだけでいいのです。
リクシル電気錠に共通しているもの
リクシルの電気錠には、いくつかの共通ポイントがあり、それがリクシルブランドの特徴のひとつを作り上げていると言えます。どのタイプを選んでも以下の4つがついて来る、という機能になります。
(※変更の可能性がありますので都度、ご確認下さい。)
アナログキー
リクシルの電気錠は、特定の電気錠のように「シリンダーレス(鍵穴なし)」ではありません。
寧ろ、リクシル(あるいはトステム)にありがちな、上下2シリンダーを備えたプッシュプルタイプのドアハンドルで、この上下2つのシリンダーが電気的に制御されているというだけ、と考えることもできます。
よって、どのタイプの認証システムにもアナログキー、車で言うとメカニカルキー同等のものが付属してきます。シリンダーにはオプションがあるのかもしれませんが、画像でよく見かけるのは美和ロックのDN(PS)シリンダーの鍵です。ディンプルキーで、CP認証を受けているハイセキュリティシリンダーです。
自動施錠機能・かけ忘れ防止機能
オートロックはデフォルトでついている、というのが電子錠や電気錠にはありがちです。確かにオートロックは便利ですし、施錠忘れがないのは安心なのですが、同時に「締め出し」という事故が必ず付随してくるのが残念なポイントです。
そのせいもあってか、リクシルのドアはオートロック機能の有無をユーザーが選ぶようになっています。
また、鍵を開けたのにドアを開けなかった時は自動的に「かけ忘れ防止機能」が作動するようになっていて、ずっと鍵が開いたままにならないように工夫されています。
セキュリティサムターン
シリンダーキーで避けられないのがサムターンの存在です。
最近はサムターン回し対策のグッズが浸透していますが、デフォルトで対策されていると嬉しいですよね。美和ロックには防犯サムターンという、スイッチを押して回さないと空転するだけのサムターンがあるのですが、リクシルのドアにはつまみ部分だけ取り外し可能なタイプがついているようです。
取り外し可能なサムターンは大変強力な防犯アイテムではあるものの、つまみの部分だけ紛失しやすいという難点があるため、十分注意をしながら使用する必要があります。
不正解錠防止機能
これもサムターンに関わるものですが、リクシルのドアのサムターンは片方を解錠してから20秒以内にもう片方を解錠しないと施錠に戻ってしまう、という仕様になっています。これはピッキングなどの不正解錠を退けるためですが、正当な持ち主が鍵を開け閉めしている時も関係なくずっとこの機能がオンになっているため、手動でサムターンや鍵を回して解錠する際は注意しなくてはなりません。
リクシルのシステムキーや電気錠のメリット
電気錠にはオートロック機能を含め、さまざまなメリットがあります。ここからは、代表的なメリットを3つ紹介していきます。
鍵を紛失したときの対応が楽になる
これはリクシルの電気錠に限ったことではありませんが、仮にリモコンやカードをなくしてしまった場合も、登録データを変更するだけで済む、というのが主なメリットです。古いカードやリモコンは簡単に無効化でき、素早く対処できます。通常の鍵のように、防犯面から急いで鍵を交換する、といった対応に追われることもなくなりますし、コスト面でもだいぶ助かります。
鍵の遠隔操作ができる
これも電気錠全般に係ることですが、遠隔操作ができる、というのも大きなメリットでしょう。ユーザー次第ではありますが、家の入退室管理ができる、鍵のかけ忘れがあれば出かけてしまってからでも対処できる、というのは日中家を空ける人が多くなった現代では大変ありがたい機能でしょう。
そしてリクシル固有のメリットといえば、アナログキーがついてくるところ、でしょうか。
電気錠なのになぜアナログキーが必要になるのか?と思われるかもしれませんが、電気錠のリモコンはまだまだ他の電化製品などから出ている電波に邪魔をされたりしますので、動作が安定しているとは言い難いところがあります。
電池の交換を忘れていた、ということもあるかもしれませんし、不測の事態にアナログキーで対応できるのであればそれに越したことはありません。
デメリットにも目を向けよう
電気錠にはさまざまなメリットがある反面、使用時にはいくつか注意点もあります。ここからは、代表的なデメリットを3つ紹介していきます。
締め出しに合う可能性がある
最も気をつけなくてはいけないのが「締め出し」です。電気錠の多くにはオートロック機能が搭載されており、オートロック機能をオンにするかオフにするか、選択できるところがリクシルの電気錠の良いところでもありますが、いったんオンを選択してしまったらちょっとした外出でも必ず鍵を持って出る、というように心がけなくてはなりません。
特に多いのは、帰宅時に鍵が入ったカバンを玄関に置き、車に荷物を取りに行って締め出された、というパターンです。少しの油断から玄関のドアが閉まり、自宅に入れなくなってしまうことがあるため要注意です。何かあったときのために持ち歩くべきアナログキーは必ずリモコンなどとは別に持っておくなど、工夫が必要です。
停電の影響を受けてしまう
そして電気錠最大のデメリットが停電の影響を受けてしまう、という点でしょう。滅多にあることではありませんが、電源で動いているものですからやはり落雷や荒れた天候が多いシーズンになってくると、不安が募ってしまうかもしれません。
ドアやリモコン本体に必要な電池も、こまめに確認するなど、注意が必要です。定期的に電池交換を行う、アナログキーを準備しておくなどの対策を考えておくことが大切でしょう。
費用対効果がわかりにくい
そしてこれは機能的な難点ではありませんが、費用対効果がわかりにくい、という現実があります。電気錠は電気配線工事も必要になりますので、どうしても導入時のコストが高くなってしまいます。しかし、その割には寿命が7年と言われているなど、長いスパンで見てもお得なのかどうなのか明確になりづらいと言えます。特に、まだユーザー自身が健康なうちは主婦以外には電気錠のありがたみがわかりにくいかもしれません。
それでも気になるときは
残念ながら電気配線工事が必要な電気錠の設置に関しては、リフォーム専門業者や工務店などを頼っていただくしかないのですが、これを機に電子錠の検討を始めた、という場合はぜひ、当サイトの他コラムも参考にしてみて下さい。
※また、鍵猿では電子錠・電気錠の修理は基本的にできません。メーカー対応あるいは電子錠・電気錠の本体交換、新規取り付けによる対応となります。
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