自分でできる鍵穴の中で折れた鍵の取り出し方!対処法やNG行動を解説!
この記事でわかること
- 折れた鍵の取り出し方
- 鍵が折れた場合にやってはいけないNG行動
- 鍵屋に依頼したときの費用相場
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
自宅の玄関ドアを開けようとした際、鍵がポキッと折れてしまったらどうしますか?
本記事では、鍵穴内で鍵が折れたときの取り出し方、やってはいけないNG行為などについて解説します。
今すぐ鍵を取り出してほしいときは、期間限定1,000円オフクーポン配布中の鍵屋鍵猿にお任せください。
目次
鍵が鍵穴の中で折れる原因
鍵が折れるのには何らかの理由があり、大抵の場合、鍵穴の経年劣化あるいは汚れの蓄積、挿し込む鍵側の金属疲労などが原因です。
ここでは、鍵が鍵穴の中で折れる原因について解説します。
鍵(キー)の問題
鍵(キー)の強度が落ちると、どうしても折れやすくなってしまいます。
強度が落ちてしまう状況や、そもそも強度が低い種類の鍵もあるので、注意が必要です。
鍵(キー)が金属疲労を起こしている
鍵(キー)が折れる原因として、金属疲労の蓄積が挙げられます。
経年劣化によって細かい傷がある鍵の使用、無理やり鍵を回す、鍵をポケットに入れて持ち歩く、といった行為は金属疲労につながるのです。
また、鍵穴内は超硬金属など強固な素材で作られている分、純正キー(元々付属している鍵)には白銅や洋白といった柔らかい素材が用いられます。
一方、街の鍵屋さんなどで作製された合鍵は、真鍮でできていおり、比較的折れやすいです。
折れやすい鍵(キー)を使用している
美和ロックのURシリンダー(現在は廃盤)は、リバーシブルタイプの鍵です。
キーの挿し込む部分が左右対称になっており、両サイドにある溝の深い箇所が折れやすくなります。
純正キーではなく、合鍵(メーカーに発注したものは除く)の場合は、どうしても作成する際に小さなズレが生じてしまうので、回りづらいときに力を入れると折れやすいのです。
URシリンダー同様、鍵を挿し込む部分の両側がギザギザしているU9シリンダーも、他の鍵と比較すると折れやすい鍵になります。
鍵穴(シリンダー)の問題
キーに問題がなければ、シリンダー側に経年劣化や故障といった原因が考えられます。
スペアキー(予備の鍵)を使って回してみても具合が悪い場合、故障の原因はシリンダー側にある、と言えるでしょう。
シリンダー側の経年劣化
日本ロックセキュリティ協同組合によると、シリンダーの寿命は約10年と言われています。
キーはもちろん、シリンダーも長年使用していると経年劣化が起きるのです。
また、シリンダーは複雑な構造をしており、経年劣化で鍵穴内のピン(障害物)が摩耗すると、鍵が回りにくい、抜き挿しがしにくいといった症状が発生します。
シリンダー内に異物が付着している
シリンダーに異物が付着する原因はさまざまですが、風で運ばれてきたごみやほこりが溜まっている可能性や鍵に付着した汚れがシリンダー内に溜まる可能性が高いです。
異物が付着した状態だと挿し込みが通常よりも浅い状態になり、キーのギザギザ部分とシリンダー内のピンが合わなくなり、固い、あるいは引っかかりがある動きになります。
これを強引に回し続けると、鍵が折れてしまうことが少なくありません。
シリンダー内の潤滑剤が減っている
シリンダー内部には、あらかじめ潤滑剤が挿してありますが、使用年数とともに減ってしまい、鍵が回しづらくなってきます。
エアダスターでシリンダー内の異物を取り除き、鍵穴専用の潤滑剤を挿せば鍵が回しやすくなることがあります。
鍵に違和感がある状態で強引に回す
鍵は、少しでも違和感がある状態で使用し続けると、故障の原因になってしまいます。
特に、強度が弱い鍵の場合は、強引に回して折れてしまったという事例も少なくありません。
違和感の原因はさまざまですが、鍵と鍵穴のメンテナンスを行っても改善されないときは、鍵屋に依頼して状態を確認してもらいましょう。
折れた鍵をまず取りたい!自身でできる取り出し方
折れた鍵は、場合によって自分で取り出せることがあります。
ここでは、自分で折れた鍵を取り出す方法について解説します。
鍵穴から鍵の一部が出ている場合の取り方
鍵穴から鍵の一部が出ている状態だと、自力でも取り出せることがありますが、折れた鍵を鍵穴の奥に押し込んでしまわないように注意が必要です。
鍵穴から鍵の一部が出ている場合の取り方は、以下の通りになります。
ピンセットやペンチなどでつまみ出して抜く
ピンセットやペンチなどでつまみ、折れた鍵を引っ張り出してみましょう。
折れた鍵がさらにシリンダー内の奥に入ってしまったり、ピンセットの先端部分でシリンダー自体を破損したりしないよう、丁寧に扱う必要があります。
鍵穴専用潤滑剤を使用する
折れた鍵をつまんでも動かすことができないときは、鍵穴専用の潤滑剤を併用するのも効果的です。
鍵穴専用の潤滑剤であれば速乾性があり、ごみやほこりの付着を防ぐだけでなく、鍵を滑らかに動かすことができます。
鍵穴専用の潤滑剤は、ホームセンターやインターネットショップで購入可能です。
鍵穴内に詰まっているときは
鍵穴内に折れた鍵が詰まって外から見えない場合は、鍵穴から出ている場合より取り出しが困難になります。
自分で作業を行う際は、鍵穴内を傷つけないように注意しましょう。
鍵穴内に折れた鍵が詰まっているときの取り出し方は、以下の通りです。
ピンバイスで取り出す
ペンチなどで取り出せなかった場合は、ホームセンターなどで購入可能なピンバイス(小さな穴開け用の工具)を使用するのもひとつの方法です。
ピンバイスで折れた鍵を取り出す方法は、以下の通りになります。
①シリンダー内の折れた鍵にピンバイスを軽く当て、回します。
②ピンバイスが鍵に引っかかれば、ゆっくりと引っ張りながら、折れた鍵をペンチで取り出します。
鍵に穴を開ける際は、強く押し込んでしまうとシリンダーの奥にさらに入り込んでしまうため、注意しなければなりません。
シリンダーを分解する
DIYでの作業に慣れている人であれば、シリンダーの分解は自力でできるかもしれません。
ただし、「別の入口から自宅に入ることが可能」「ドアが開いている状態で鍵が折れた」といった状況でのみ可能です。
シリンダーの分解作業に必要な道具と手順は次の通りです。
用意するもの
- プラスドライバー・マイナスドライバー
- ペンチ
- 針金
作業手順
- プラスドライバーでドア側面にある金属板(フロントプレート)を外す。
- マイナスドライバーでシリンダーを留めている上下ピンを取り外す。※ピンを外す際はシリンダーが落ちないように固定しておきましょう!
- シリンダー、室内側のサムターンを外す。
- シリンダー裏のスナップリング(リング状の止め輪)をマイナスドライバーやペンチで取り外すと小さな穴が出てくるので、そこから針金を差し込んで折れた鍵を取り出す。
- 逆の手順でシリンダーを元に戻す。
鍵が折れた場合にやってはいけないNG行動
鍵が折れた場合、なんとかご自身で取り出そうと考える方が多いのではないでしょうか。
ここからは、 鍵が折れた場合にやってはいけないNG行動を紹介していきます。
折れた鍵を使用し続ける
合鍵の作製に費用や手間がかかるから、という理由で折れた鍵を接着剤でくっつけて使用し続ける方もおられます。
一度折れてしまった鍵は強度がなくなり、接着剤の継ぎ目の部分で再度折れてしまう可能性が非常に高いです。
折れた鍵がシリンダー内部に残ってしまうと、分解修理やシリンダー交換が必要になるので、余計に費用や手間がかかってしまいます。
接着剤で折れた鍵をくっつけて取り出す
接着剤を使用して、シリンダーの中で折れた鍵をくっつけて取り出すという抜き方です。
この方法はうまくいけば鍵を取り出せますが、シリンダー内部に接着剤が付着してしまうため、とても危険です。
シリンダー内部に接着剤が付着すると、異物混入時と同じようにピンが動かない、鍵の抜き挿しができない、といったトラブルが起きるかもしれません。
洗浄でシリンダー内部の接着剤を取り切れないため、シリンダー交換を行うケースも見受けられるので、折れた鍵を接着剤でくっつけて取り出すのはおすすめできない方法です。
針金などで折れた鍵を強引に取り出す
針金などを使って鍵をうまく引き出せることがあります。
しかし、無理やり掻き出して折れた鍵を取り出す行為は、シリンダー内部に傷が付き、交換しなければならないことがあるためやめましょう。
針金を使用するときは、シリンダー内部を傷つけないよう細心の注意を払う必要があります。
ディンプルシリンダーのように、ピンの本数や方向が多いと少し傷つけてしまっただけでも、鍵の抜き挿しや回すときに影響が出る可能性があります。
鍵折れした時にグルーガンで取り出す
グルーガン(グルーと呼ばれるスティック状の樹脂を熱で溶かし、接着させる道具)で、グルースティックと折れた鍵をくっつけて取り出す方法も、接着剤同様おすすめはできません。
グルーは冷えると固まる性質を持っており、ほんの数秒で固まり始めるため、速乾性の接着剤と同じような働きが期待できます。
もともとグルーガンは手芸や工作に適しており、金属など表面にざらつきの少ない素材は接着しにくいです。
溶けたグルーが鍵穴内に残ってしまう可能性も考慮して、グルーガンで鍵をくっつけて取り出すのはやめましょう。
食用油など鍵穴専用以外の潤滑剤を使用する
食用油やシリコンスプレーなどを使用して、滑りをよくしてから折れた鍵を取り出す方法は絶対にやめましょう。
一時的に滑りがよくなって折れた鍵が取り出せるかもしれませんが、鍵穴専用以外の潤滑剤は鍵穴内でほこりやごみと混ざって固まるため、故障の原因につながります。
結果的に鍵の抜き挿しがしにくい、鍵が回らない、といったをトラブルが起こり、シリンダーの交換が必要になる可能性が高いのです。
潤滑剤を使用する場合は、必ず鍵穴専用のものを使用しましょう。
玄関以外の鍵が折れた場合の対処法
車やバイク、自転車の鍵が折れてしまうと移動ができずに困ってしまいますよね。
ここでは、玄関以外の鍵が折れたときの対処法について解説します。
車・バイクの鍵が折れたとき
車やバイクの鍵が鍵穴の中で折れたときは、鍵穴から鍵の一部が出ていると、ピンセットやペンチで引き抜けることがあります。
しかし、鍵穴の中で折れてしまうと取り出すことが難しいため、急ぎの場合は出張専門の鍵屋、時間に余裕がある場合はディーラーや整備工場に連絡して新しい鍵を作成しましょう。
合鍵を作成する際、合鍵から合鍵を作成すると精度が落ちてしまうため、車やバイクを購入した際に渡される純正キーが必要になります。
合鍵しか手元にない場合は、購入したお店に純正キーを取り寄せてもらいましょう。
出先で鍵が折れたときは、JAFなどのロードサービスや任意保険に加入していると、鍵抜きやレッカーでの移動を依頼できる場合があります。
自転車の鍵が折れたとき
車やバイクの鍵同様に、自転車の鍵穴から鍵の一部が出ていれば、ペンチやピンセットで引き抜けるかもしれません。
鍵穴の中で折れてしまったときは、自転車の鍵自体それほど高価でないものが多いため、鍵を切断してから新しい鍵を取り付ける方法がおすすめです。
鍵抜きに時間をかけるより、壊す方が素早く費用を抑えられる方法と言えるでしょう。
ワイヤーロックは、ワイヤーカッターがあれば簡単に切断できます。
出先でワイヤーカッターがない場合は、ホームセンターで購入する、交番に自転車を持ち込む(防犯登録済みであることと、本人確認が必要)、といった方法で切断してもらうことが可能です。
また、自転車屋に持ち込むと、鍵の破壊から新しい鍵の取り付けまで対応してもらえます。
その他の鍵が折れたとき
物置・ロッカー・シャッター・勝手口などの鍵が折れてしまった場合はどうしましょうか。自力で折れた鍵を取り出せたら良いのですが、むりやり取り出そうとして鍵穴内を傷つけるのは避けたいところです。
鍵屋であれば、シリンダー分解を伴う鍵抜きもスピーディーかつ確実に行えます。
鍵の種類によっては、その場で合鍵を作製したり、新しいものに交換することもできます。
今後、鍵がシリンダー内で折れることを予防するには
鍵穴内で鍵が折れてしまうと対処が大変です。
できれば鍵が折れないように予防をしておくのが最善策と言えるでしょう。
ここからは、鍵が折れないようにするための予防法を紹介します。
一度折れた鍵は使用しない
一度折れた鍵は、たとえ接着剤などでくっつけて見た目が元通りになったとしても、鍵本体の強度が弱いため、また折れてしまう可能性が高いです。
鍵穴内に残って自力取り出せなくなる可能性も踏まえて、必ず別の鍵を使うようにしましょう。
合鍵を作製する場合は、メーカーの純正キーを取り寄せると、鍵折れのリスクが少なくなります。
定期的にメンテナンスをしておく
今すぐできる予防法は、掃除機やエアダスターを使って鍵穴内を定期的に掃除することです。
鍵穴にほこりやごみが溜まると、鍵の抜き挿しがしにくい、回りにくい、とった原因になります。
鍵穴だけではなく、鍵本体にも汚れが付着している場合も同様です。
やわらかい布や古い歯ブラシでやさしく汚れを落とし、錆びているときは、錆取り専用のクリームなどを使用しましょう。
ほこりやごみを取り除いた後は、鍵穴専用の潤滑剤を注入しておくと、鍵の滑りが良くなります。
鍵穴の詳しいメンテナンス方法については、以下の記事をご覧ください。
▼関連ページ違和感があれば早めに交換する
上記のメンテナンスを試しても改善しない場合、「鍵穴を分解して洗浄しないと取り除けない汚れがついている」「鍵穴の一部が破損している」「経年劣化で鍵穴内の部品が摩耗している」などの可能性が考えられます。
シリンダーの分解洗浄は知識や技術がないと難しいため、鍵屋に依頼することをおすすめします。
また、鍵交換はご自身でもできますが、購入した鍵の大きさを間違えたり、取り付けの過程を間違えて鍵が正しく動作しないリスクがある点に注意しましょう。
鍵の寿命が来る前に交換しておく
家を建ててから一度も鍵交換をしたことをない、というケースも少なくありません。
先述した通り、鍵の平均寿命は約10年と言われています。
例えば、1990年代後半に流行ったMIWA社のディスクシリンダー(※現在は廃盤)は、ピッキング被害が多発したため、交換が推奨されています。
このように、古い鍵を使用し続けていると、防犯面でも安心はできません。
現在は、ピッキングに強く使いやすい鍵が多数開発されていますので、鍵交換の際は防犯性もチェックしてみてください。
ピッキングに強い鍵については、以下の記事も併せてご確認ください。
▼関連ページディンプルキーとはどんな鍵?防犯性や交換・合鍵作成・開錠にかかる費用相場を解説!
ディンプルキーは防犯性能が高い鍵と言われますが、他の鍵との違いや特徴は何なのでしょうか?本記事では、 ... 続きを読む
自分では取り出せなかったら鍵屋に依頼しよう
「折れた鍵を自分で取り出す際に失敗するのは避けたい」
という場合には、プロである鍵屋に依頼するのが確実です。
ここでは、鍵屋にできること、鍵屋に依頼したときの費用相場、鍵屋に依頼するメリット・デメリットについて解説します。
鍵屋にできること
鍵屋によって対応できる範囲は異なりますが、一般的には、折れた鍵の鍵抜き・鍵開け・鍵の交換・修理・新しい鍵の取り付け・合鍵の作成などが可能です。
鍵屋は玄関ドアだけではなく、室内のドアや窓などの鍵、車やバイク、旅行ケースの鍵など、生活のなかで使用しているさまざまな物の鍵トラブルに対応することができます。
鍵が頻繁に折れる場合、鍵穴に不具合がある可能性が高いため、鍵穴を交換してしまった方が安心できます。
鍵屋に依頼したときの費用相場
鍵屋に依頼する場合、作業内容によって費用が異なります。
鍵屋に依頼したときの費用相場は、以下の通りです。
作業内容 | 費用(税込) |
鍵抜き | 約11,000~25,000円 |
鍵修理(鍵穴の分解・洗浄など) | 約8,800円 |
鍵開け | 約8,800~33,000円 |
鍵(シリンダー)交換 | 約21,000~36,000円(税込) |
鍵作成 | 約16,500~33,000円 |
鍵屋によっては、出張費や深夜料金などが作業費・部品代以外に加算される場合もあるので、注意しましょう。
「予想外に高額な費用がかかってしまった」
という事態を防ぐためにも、時間に余裕があれば、2~3社程度見積りを取りましょう。
鍵屋に依頼するメリット・デメリット
鍵屋に依頼するメリットは、自力で行うより確実に作業が終わる点です。
簡単な作業だと、約15~30分で終わるため、急いでいるときにも便利です。
自力での作業は失敗をしてしまうこともありますが、専門知識や経験が豊富なプロの場合は、安心して任せることができます。
デメリットは、ある程度の費用がかかってしまう点です。
かかる費用内容の例は、見積り代、作業費、部品代、出張費、キャンセル料などです。
見積もり代や出張費、キャンセル代に関しては無料の鍵屋もありますが、費用がかかるところもあるため、あらかじめ確認をとっておくほうがよいでしょう。
まず自分で取り出せるか試してみよう!難しければ鍵猿にご相談を!
本記事では、鍵が鍵穴の中で折れる原因や自分でできる鍵の取り出し方について解説しました。
強引に鍵を回したり、折れた鍵を使用し続けると、鍵穴内部で鍵が折れてしまうこともあるので、注意が必要です。
自力での対処が難しい場合は、最短即日対応、出張費用・見積り費用無料の鍵猿にご相談ください。
鍵猿ではさまざまな鍵折れの案件に駆けつけた経験豊富なスタッフが対応しますので、是非おまかせください。
▶ お急ぎの方 ◀
鍵の修理にかかる費用、
施工事例、対応エリアなど
について詳しく見る