エコジョーズのドレン排水について

エコジョーズのドレン排水について

エコジョーズ給湯器の本体

光熱費の中でも給湯にかかる費用の割合は約30%と高いため、なるべく節約したいポイントかと思います。

ガス代や水道代を安く抑えたいという方におすすめの給湯器は、省エネタイプのエコジョーズです。

エコジョーズは人気があり各自治体等も使用を推奨していますが、設置する際は一緒にドレン排水についても考えておかねばなりません。

エコジョーズは熱を再利用する工程で、ドレン水と呼ばれる結露水が発生しますので、これを正しい方法で排出する必要があります。

取り付け場所の条件によっては、このドレン排水がうまく処理できないため設置が難しいケースもあるのです。

ここではなぜドレン排水が発生するのか、どのように処理するのかなどを詳しくご紹介いたします。

壊れてしまったり古くて調子が悪くなったりしたガス給湯器をエコジョーズに交換したい、現在使っているエコジョーズが正しく設置されているか知りたい場合に、ご参考にしてください。

エコジョーズとは

エコジョーズの特徴

エコジョーズは省エネ&エコロジーな高効率タイプのガス給湯器です。

燃焼排ガスを再利用することで従来の給湯器よりも効率的にお湯を沸かせる仕組みとなっており、ガスや電気の消費量を減らすことで家計への負担を低減、更にCO2の排出量も少ないため自然環境にも配慮されています。

ガス代節約による家計の負担軽減目的やエコ意識の向上だけでなく、補助金制度の導入など各自治体が使用を推奨しているということからも、エコジョーズを取り付けたいと考えている方は年々増加傾向にあります。

エコジョーズのドレン排水とは?

エコジョーズでドレン排水が排出される仕組み

従来型の給湯器は熱効率が約80%で、燃焼後は約200℃の排熱が大気中に捨てられていました。

エコジョーズはこの排熱を回収して再利用し、通常のバーナーでの加熱と合わせて、2回に分けて水を温めています。

その結果、熱効率は約95%まで上昇、排熱温度は約50℃まで下がりましたが、排熱温度を下げる過程において水蒸気が発生します。

この水蒸気が凝縮して結露したものが、ドレン水です。

ドレン水は1分間に約60~100ml排出され、水道水の温度が低く結露が起きやすい冬場に最も量が増えます。

エコジョーズ使用時のドレン水の排出量は、給湯・追い焚き付き給湯器の標準的な使用状況において、1日あたり約500~1500mlです。

ドレン排水の処理が必要な理由

ドレン水はエコジョーズ内部ではpH3程度の酸性状態であり、そのまま流してしまうと人体や環境に害があります。

ですが、エコジョーズ本体には炭酸カルシウムを中和剤とした中和器が内蔵されており、ドレン水は中和器を通してpH7程度に中性化されてから排出されるため、実際に側溝や汚水として流しても人体や環境への影響はほとんどありません。

無害であればどこに流しても良いのではないかと考えてしまうかもしれませんが、お湯は入浴や家事などで毎日使うため、かなりの量のドレン排水が垂れ流しの状態になります。

適切に処理せずそのまま流していると、エコジョーズの機器周辺はいつも濡れた状態となり、見た目が悪いだけでなくコケやカビの発生原因にもなりかねません。

また、長期的な使用で中和器が劣化してしまうとドレン水が酸性に近い状態で排出される可能性があり、コンクリートを侵食することも懸念されます。

ひどくなると建物を腐食させてしまうケースもありますので、見た目を美しく保つだけでなく住宅を守るためにも、ドレン排水は正しく処理する必要があるのです。

ドレン排水の取り扱いについて

ドレン排水は生活・事業に起因する排水であり、下水道法第2条によって汚水と分類されていて、汚水系統の排水設備に正しく排出して処理する必要がありました。

汚水桝にドレン排水用の配管を接続するなど生活排水として排出することが原則として定められていて、排水管の接続が難しい住宅ではエコジョーズを設置したくても断念しなければならなかったのです。

現在は機器の多様化や品質の向上などを受け、国土交通省のガイドラインで雨水系統への排出が可能となったため、排水方法の選択肢が増えて設置しやすくなりました。

これまで既存の建物で新たにエコジョーズの設置が難しいとされてきた住宅でも、雨水系として排出できることにより、雨水桝や浸透桝、道路にある側溝などにも排水できるようになっています。

ドレン排水工事の種類

給湯器の交換は、基本的に場所を移動させず元と同じ位置に取り付けます。

そのため、ドレン排水の処理方法は元の給湯器の設置環境や周辺の状況に合わせて決めることがほとんどです。

どのような種類があるのか、戸建てと集合住宅に分けて詳しくご紹介します。

戸建ての場合

戸建てのドレン排水方法の図

戸建てに住んでおられる方では、元の給湯器が故障したタイミングで省エネタイプへの買い替えを検討されるケースが多いです。

従来型からエコジョーズなど省エネ型へ変更する場合は、新規でドレン排水用の配管工事が必要です。

ドレン排水の処理方法は設置状況に合わせて変えますが、戸建の場合は大きく分けて4種類から選択します。

費用はエコジョーズの設置場所の状況などによって変わり、簡単にできる方法を選ぶと費用も安く仕上がります。

水猿では設置環境と費用のバランス、依頼者様のご要望から最適な方法をご案内しますので、まずはお気軽にご相談ください。

戸建てのドレン排水処理①-雨水系統・側溝への排水

戸建てのドレン排水処理方法①側溝へ排水

給湯器の位置が側溝に面している、近くに側溝がある場合は、排水用の管を伸ばして側溝へドレン水を排水する方法をとります。

エコジョーズを置く場所が側溝に近いとドレン排水管は短くなりますが、距離がある場合は排水管を伸ばして設置する必要があります。

配管の長さによって部品代が変わる場合があるため、本体と側溝が近い状況が理想的でしょう。

戸建てのドレン排水処理②-雨水系統・雨どいに接続して排水

戸建てのドレン排水処理方法②雨どいに接続して排水

給湯器の設置位置付近に雨どいがある場合は、ドレン管を延長し雨水立て管へ接続してドレン水を排水します。

エコジョーズの本体下部から雨どいに向かって細い配管が繋がれる形状で、戸建てではよく採用される方式です。

戸建てのドレン排水処理③-雨水系統・雨水枡に接続して排水

戸建てのドレン排水処理方法③雨水枡に接続して排水

近くに雨水立管や汚水桝がない場合、条件が整っていれば簡易の雨水浸透桝を作成いたします。

雨水浸透桝を使ったドレン排水の処理は各自治体の判断によって変わるため、地域によっては使用できない可能性があるので注意が必要です。

戸建てのドレン排水処理④-汚水系統に接続して排水

戸建てのドレン排水処理方法④汚水系統に接続して排水

こちらは従来かつ基本のドレン排水方法で、ドレン用の排水管を汚水枡に接続するという方法です。

以前はこの方法を採る必要がありましたが、近年では雨水系統への処理がガイドラインに策定されており自治体によっては雨水系統への処理が認められています。

エコジョーズからドレン管を引き、先端が水につからないように吐水空間を設けて接続します。

臭気対策としてトラップも作成します。

集合住宅(マンション・アパート)の場合

集合住宅でエコジョーズを設置する場合、一戸建てに比べるとドレン排水処理の条件が悪くなってしまうことがあります。

以前に比べるとドレン排水処理方法の選択肢が増えているため設置が容易になりましたが、環境によっては工事が難しい場合がございます。

また、管理規約などによって現在設置されている給湯器と同等品への交換が決まっている場合はエコジョーズへ変更することができないため、まずは管理会社様やオーナー様にご確認をお願いいたします。

条件が整っていれば適切にドレン排水処理を行えますので、集合住宅でエコジョーズへの変更をご検討中であれば状況等の確認から施工、アフターフォローまで全て一括対応させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。

集合住宅のドレン排水処理①- PS設置

集合住宅のドレン排水処理方法①排水立て管に接続して排出

PSはパイプスペースやパイプシャフトの略で、玄関の横にある配管が入っているスペースです。

エコジョーズをPS内に設置する場合のドレン排水処理方法は、雨水側溝への排出と立て管への排出の2パターン。

雨水側溝の方法を選択する場合は、側溝のある方向へドレン排水の部品や材料を敷きながら設置してから、ドレン管を敷設した部材に向けて接続します。

立て管へ排出する場合は、雑排水立て管またはドレン排水専用の立て管に接続します。

集合住宅のドレン排水処理②-ベランダ・バルコニー設置

集合住宅のドレン排水処理方法②ベランダの側溝に排出

ベランダやバルコニーに給湯器が設置されている場合も、雨水側溝への排出か立て管への接続といった方法を採ります。

エコジョーズからドレン用の配管を雨水側溝に伸ばして排水する際は、敷設用の部材を使用します。

配管は地面に取り付けるか、条件によっては勾配をつけて外壁に沿わせるように設置します。

雑排水立て管またはドレン排水専用立て管が近い場合は、そちらにドレン排水管を接続します。

集合住宅のドレン排水処理③-ドレンアップ方式

集合住宅のドレン排水処理方法③ドレンアップ方式

ドレン水を給湯器内部のタンクに溜め、浴室内の排水経路から流す方法です。

雨水側溝や立て管がエコジョーズの周辺にないなどドレン排水の処理先が確保できない場合、ドレンアップ方式を採用します。

対応機種が限定されていますので、選定の際には通常タイプと間違えないように注意が必要です。

新築の集合住宅の場合は、3本の管が一体化したトリプルチューブと呼ばれる配管を浴室とエコジョーズの間に敷設します。

トリプルチューブの3本のうち2本は追い焚きの往き戻り管で、残りの1本であるドレン配管を活用して本体に溜まったドレン水を排出します。

集合住宅のドレン排水処理④-三方弁方式

集合住宅のドレン排水処理方法④三方弁式

すでに設置された給湯器を交換に伴いエコジョーズに変更する場合のドレンアップ方式は、三方弁切り替え方式となります。

三方弁は浴室内のふろ配管に設置し、お湯はりや追い焚きなどの動作が行われていない間に回路を切り替えてドレン水を排出します。

ふろ配管を経由して浴室の排水口にドレン水を排出し、排水後は配管を洗浄してから通常のふろ回路に切り替えられます。

ドレン配管の凍結について

配管の凍結は、寒冷地だけでなく首都圏を含む温暖な地域でもよくみられるトラブルです。

急な寒波の到来によって、水道管だけでなくドレン排水管も凍結する恐れがあります。

エラー番号290・291を確認

ドレン排水用の配管が凍結してしまうと、エラーが発生してエコジョーズが使用できなくなってしまいます。

リモコンの画面に290や291などのエラー番号が表示されていた場合は、ドレン排水管が凍結している可能性があるため適切に対処する必要があるのです。

ドレン配管の凍結は、自然解凍が最もおすすめ

ドレン排水管が凍結した時の最もおすすめの対処方法は、気温の上昇を待って自然解凍させることです。

無理に解凍させるよりも配管に負担がかからないため、ひび割れや破裂等のトラブルを回避できます。

お湯を使って解凍する場合

急ぎでお湯を使いたい場合は解凍作業を行います。

ドレン管の凍結している部分にタオルを巻き付け、40~50℃のぬるま湯をタオルの上からゆっくりかけます。

この時、配管を損傷させる可能性が高いため熱湯は使わないでください

ぬるま湯をかけてドレン配管の凍結が解消されたら、タオルを外して配管に付着した水分をふき取ります。

ドレン配管の凍結を予防するには

凍結の予防については、凍結防止用の保温材やヒーターをドレン配管に巻き付ける方法を採るのが一般的です。

保温材やヒーターを使用する場合は、必ずドレン配管専用の製品を使用してください。

ドレン管は少量の水が排水される細い管なので、水道管用のヒーターを使ってしまうと温度が上がり過ぎてエラーの発生や故障の原因になる可能性があります。

なお、本体内部には凍結防止用のヒーターが内蔵されていますので、凍結が予想される時期は電源を切らないでおきましょう。

ドレン排水処理で使用する部品について

ドレン排水の処理方法は現場や給湯器の設置状況に合わせて適切な方法を選択するため、接続方法によって必要な部品が異なります。

配管は基本的には塩ビ管が使用されます。

エコジョーズ給湯器の本体下部にある配管繋ぎ部位には、ステンレスフレキ管の使用が可能です。

硬いパイプや柔軟性のあるホースなどの管のほか、必要に応じてドレンパイプ用のソケットやアダプタ、専用の受口やトラップ、ドレン配管カップリングなども用います。

また、立て管にドレン排水管を接続する際は、コーキングで固めたり、ドレン排水用のシールパッキンなどを使用したりして接続部の隙間を埋める作業が必要です。

汚水や雑排水の系統に流す場合は、間接排水用の部材や臭気を防止するためのトラップを設けます。

自治体によっては浸透桝を使用したドレン排水処理方法を採用できますので、専用の部材を使って簡易的な雨水浸透桝を作成する場合もございます。

エコジョーズのドレン排水工事の流れ

まずはドレン排水処理方法を調査します

元々お使いの給湯器がエコジョーズだった場合、元と同じ方法でドレン排水管を作成いたします。

従来型からエコジョーズに変更する場合は、事前にドレン排水の処理が正しく行える現場であるかどうかを調査します。

ドレン排水が処理できない環境であれば、エコジョーズを設置することができません。マンションなど集合住宅では規約によって取り付けができない場合がございますので、管理会社様やオーナー様に事前確認をお願いいたします。

エコジョーズのドレン排水処理方法が決まったら、工事を行います

まずは給湯器本体の交換を行います。

古い給湯器を撤去してから新しい給湯器を設置し、給水管と給湯管とガス管、追い焚きの往き戻り配管、暖房端末用の配管などを本体に繋ぎ、リモコン用と電源用の配線も接続します。

汚水系統にドレン水を流す場合は、雨水桝に直接接続します。雨水として処理する場合は雨水桝や雨どいに配管を接続するか側溝に流れるように配管を作成します。

集合住宅ではドレンアップ方式や三方弁方式を用いたり、雨水側溝や立て管に排水を流し込めるよう配管を作成したりします。

ドレン排水管の作成が終わりましたら、リモコンの交換、試運転による動作確認、各配管の保護作業などを行い、問題がなければ工事完了となります。

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エコジョーズのドレン排水について、よくあるご質問

エコジョーズは、なぜドレンは排水が出るの?

エコジョーズは排熱を再利用して効率よくお湯を沸かすため、排熱の温度が従来の給湯器より低くなります。従来型の給湯器の排熱温度は約200℃でしたが、エコジョーズでは約50℃と低温です。蒸気が冷えて凝縮した結果、「ドレン排水」と呼ばれる酸性の結露水が発生します。

エコジョーズのドレン排水工事は、なぜ必要なの?

ドレン排水は下水道法によって汚水と分類されています。エコジョーズ機器内で中和されてから排出されるため害はありませんが、国土交通省からガイドラインが発出されており、汚水系統や雨水系統へ正しく排水して処理する必要があります。
関連情報:ドレン排水の処理が必要な理由

エコジョーズのドレン排水は、どれくらい出るの?

給湯と追い焚き対応のエコジョーズ給湯器の標準的な使用状況において、1分あたり約60~100ml、1日あたり500~1500mlのドレン排水が排出されます。結露が起きやすい冬場になると、排出量が増加します。

エコジョーズのドレン排水は、環境や人体に影響がありますか?

ドレン水はエコジョーズ機器内部で中和してから排出されるため、環境や人体への影響はほとんどありません。ドレン水には窒素化合物が溶け込んでいるため発生直後はpH3程度の酸性状態ですが、炭酸カルシウムを中和剤とした中和器を通すことでpH7程度まで中性化されます。

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