バンピングとは?その方法とピッキングとの違い・防犯性の高い鍵も紹介


目次
不正開錠の手段といえば、ピッキングがよく知られています。
自宅の防犯性を高めるために、ピッキングに強い鍵を知りたいという人は多いかもしれません。
ところが、不正開錠の方法としてバンピングという方法があることもご存じでしょうか。
この記事ではバンピングという開錠方法についての説明と、バンピングに強い鍵を紹介していきます。
バンピングとは不正開錠の一種
はじめに、バンピングと呼ばれる不正開錠の方法について説明します。
バンピングの方法
バンピングとは、バンプキーと呼ばれる工具を鍵穴に差し込み衝撃を加えることによって開錠する方法のことです。
バンピングは開錠された痕跡がほとんど残らないという特徴を持っていて、実際には故意に開錠されたものであっても鍵のかけ忘れではないかと錯覚する人が多いです。
ただ、バンピングが可能なのは鍵穴に対応しているバンプキーだけですので、それぞれのメーカーに対応したバンプキーが必要になります。
バンプキーを使用して空き巣などの犯罪を計画する場合、国内の一般住宅だけでも50種類以上もの鍵に対応させなければいけません。
そのような条件から、実際に多くの犯罪に使用されるケースは考えにくいといっていいでしょう。
しかし、あくまで一戸建て住宅など1軒1軒の鍵が異なる場合にいえることです。
例えばマンションやアパートなどであれば、1棟で同タイプの鍵を使用することがあります。その場合、対応するバンプキーがあれば1本のキーだけで複数の住居が不正開錠の被害にあうことも十分考えられるのです。
複数の店舗やオフィスが入るビルも同様のことがいえます。
バンピングはピッキングより簡単!?
不正開錠といえばピッキングがイメージされやすいです。
ピッキングとは、鍵穴をひっかくようにして開ける方法のことで、使用するのは専用のピッキングツールです。
ピッキングは空き巣の手口として使われることが多いですが、鍵を失くしたときに鍵屋が開ける方法でもあります。
ただ、鍵屋である錠前技師ですらピッキング防止法によって普段ピッキングツールを所持することは認められていません。
ピッキングは経験や勘を必要とする開錠方法です。それに比べるとバンピングは特にスキルは必要なく、鍵穴に対応できるバンプキーさえ手に入れば誰でも開けることができますが、その都度鍵穴に適したバンプキーが必要なため広く普及してはいません。
入手がしやすいのはピッキングツールの方で、不正開錠の手口としてはバンピングより多くなっています。
その他不正開錠の種類

不正開錠は、ピッキングとバンピングだけではありません。
他にも「サムターン回し」や「丁番落とし」といった方法で侵入することもあります。
サムターン回しとは、サムターンと呼ばれる室内側の鍵を直接回す方法のことです。
サムターン回しが可能なのは鍵の近くにドアスコープや郵便受けなどがある場合で、これらを破壊してそこから工具や手を内側に入れて鍵を回します。
丁番落としも破壊するという意味ではサムターン回しと変わりません。
直接ドアの丁番を切断する方法で開けます。
他にもバールなどを用いてドア枠を壊して開ける手口や、ドリルで鍵穴を破壊するなどの手口も見られます。
このような力技を使われたら侵入されたことは明らかです。ピッキングやバンピングのように不正開錠がわかりにくい手口とは異なり、被害に遭うとドアそのものの交換が必要になります。
場合によってはドア周辺の壁などにも被害が及ぶこともあるでしょう。
また長時間の留守中にドアを破壊されれば、二次被害が発生する可能性も心配されます。
ピッキングやバンピングに弱い鍵とは

では、どのような鍵がピッキングやバンピングに弱いのでしょうか。
バンピングで開けられやすいのは「ピンシリンダー」という鍵です。
ピンタンブラーという機構を内部に使った鍵で開けやすいタイプといえます。
このピンシリンダー以外のシリンダーキーであれば、バンピングで開けることは基本的に難しいでしょう。「ディスクシリンダー」はピッキングされやすいといわれていますが、それでもバンピングで開けられることはありません。
ピンシリンダーは、形状によって開錠の難易度が異なります。
例えば「単列ピンシリンダー」と呼ばれるシンプルな形状の鍵であれば簡単にピッキングされてしまいます。
ところが、同じピンシリンダーでも単列ピンシリンダー以外は不正開錠に強い傾向が見られます。
また、ピッキングされにくいといわれている「ディンプルキー」においてはピンシリンダーと構造が似ている為、ものによってはバンピングで開けられる可能性があります。
ピッキングに強くてもバンピングには弱いなど、どちらも安心できる鍵は少ないと考えていいでしょう。
ピッキングやバンピングに強い鍵とは?

では、ピッキングにもバンピングにも強い鍵とはどのようなものであるのか紹介していきます。
ディンプルキー
ピッキングやバンピングに強い鍵の一つが「ディンプルキー」です。ディンプルとはクボミのことで、ディンプルキーとは複数のクボミがある鍵のことをいいます。
ただし、ディンプルキーであれば、どれも不正開錠されないというわけではありません。中にはバンピングに弱いディンプルキーもあります。
一方でしっかり対策が取られている鍵も出ていますので、ディンプルキーを選ぶときはそのことを踏まえて防犯性の高いものを選ぶことが重要です。
ディンプルキーは破壊に強いというメリットもあります。
不正開錠を企む人の中には鍵そのものを破壊するという手段に出る人もいます。
鍵が破壊されて、そのまま室内に侵入される可能性が高まりますが、ディンプルキーは破壊しようとしても壊れにくいという特徴があり、侵入される心配は少ないといっていいでしょう。
暗証番号式の鍵
ピッキングやバンピングの被害に遭いやすい鍵は鍵穴があるということが共通しています。不正開錠をされない為には鍵穴のない鍵を選ぶと効果があります。その一つが暗証番号式の鍵です。
緊急用として鍵穴が設けられているものも見られますが通常は鍵穴がありません。少なくともピッキングやバンピングの被害を避けることはできます。
他にも鍵の紛失や盗難を防ぐことができるというメリットがあります。鍵があると、外出先で失くしてしまうということもあるでしょう。また、バッグと一緒に盗難に遭うという心配も出てきます。
しかし、暗証番号式ならそもそも持ち歩く鍵がないので心配無用です。自分や家族が覚えていれば開けることができるので誰かに知られることもほぼありません。
暗証番号の変更も簡単です。
定期的に変更しておけば防犯性をさらに高めることもできます。
通常の鍵に追加で、2つめの鍵として取り付ければワンドアツーロック対策となります。
たとえ鍵穴が破られることがあっても、暗証番号式の鍵でブロックすることができるため防犯性は一段と上がるでしょう。
ただ、電池切れに注意しなければならないというデメリットもあります。電池については定期的に交換するなどして気にかけた方がいいでしょう。
また、暗証番号をわかりやすいものにメモする、解読されやすい番号にするなどということは避けた方が無難です。
指紋認証式の鍵
指紋は同じものが存在しないため高い防犯性を発揮することができます。そのうえ暗証番号を覚える必要もありません。
自分の指紋で開錠すればいいので、暗証番号を第三者に知られて開けられるというリスクからも開放されます。
もちろん鍵を所持する面倒もなく、指紋だけで開錠できるため利便性が高いといえます。
ただ指紋認証式の鍵にもデメリットはあります。
登録した指紋以外では開けることができないということです。
例えば実家から親が訪れたとき、住人が何らかの都合で帰宅できない場合、あらかじめ鍵の受け渡しもできないし、暗証番号を教えて入ってもらうなんてこともできません。
それと指紋が上手く読み取れない場合もあります。
製品によっては、読み取れない場合の緊急用として鍵穴がついているものも出ていますが、そうなればピッキングやバンピングのリスクも高まることになるでしょう。
結果としてピッキングやバンピングの被害から完全に守られるということではなくなります。
確かに緊急に備えておく必要はありますが、その分犯罪のリスクも伴うことを念頭に置いた方が良いでしょう。
これらの点を踏まえて、製品選びの際はさまざまな視点でよく検討し、用途に合った選択をすることが大切です。
補助錠をつけるという方法も
できるだけ鍵を不正開錠されないようにするには、補助錠をつけるという方法もあります。「ワンドアツーロック」のことで、防犯性が高まるという理由から推奨されている方法です。
具体的には、玄関に設置されているメインの鍵の他に、もう一つ別の鍵を補助的につけます。こうすると鍵が2つになり、不正に開錠する時間を長引かせる効果が期待できます。
開錠に時間がかかれば人目につきやすくなり、空き巣を諦めさせる効果が見込めるでしょう。
補助錠の多くが工事する必要がないタイプです。意外と簡単につけることができるので手軽な防犯対策といえます。
しかし鍵によっては工事が必要になる場合もあるため、詳しくは業者に確認した方が安心です。
その場合、賃貸なら管理会社または貸主の確認が必要になります。借主の一存で決めることはできません。
防犯対策をきちんととることは大切ですが、後でトラブルになることのないよう事前に相談しておきましょう。
鍵の交換・取り付けは鍵屋へ!
防犯性を考えて鍵を交換する際はドライバーなどの工具を使って自分で行うことも可能ですが、鍵が規格に合っていなかったり、部品を破損してしまうことも少なくありません。
特に玄関のような防犯性を重視したい鍵を、自分で交換するのは避けた方が良いでしょう。
その点、鍵屋であればドアが損傷する心配もなく作業もスムーズです。鍵交換を検討するなら、見積もり無料の「鍵猿」にご相談ください。
