玄関ドアの鍵穴は掃除で修理しよう!回らない・抜けにくい原因とお手入れ方法を解説
この記事でわかること
- 鍵が回らない、抜けにくい原因
- 鍵穴の正しい掃除方法
- 鍵穴掃除でやってはいけない方法
- 鍵穴掃除をしても直らない場合の原因と対処方法
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
玄関ドアの鍵穴に子鍵を差し込むことはできるものの、回らない、固い、抜きにくいといったお悩みはありませんか?そんなトラブルが発生したら、どうすればいいのかわからず焦ってしまいますよね。
この記事では、鍵穴のお悩みにまず試して頂きたい掃除方法について説明していきます。正しい掃除方法だけでなく、やってはいけないことも詳しく解説します。
ただし、鍵穴に子鍵を入れても「回らない」、あるいは「抜けない」といった事態が起こってしまうと、掃除で解決しないこともあります。まったく事態が進展しないときは、落ち着いて鍵猿にご相談下さい。24時間対応可能なスタッフが急なトラブルにもすぐに駆けつけます。
目次
鍵が回らない、抜けにくい原因は?
鍵が回らない、または抜けにくい、という症状が出たとき、それが鍵の劣化や寿命のせいだと思う人は多くありません。我々もお客様から「原因を調べて欲しい」と依頼されることが多く、現場にお伺いして鍵の状態を拝見すると、長年の汚れや間違った潤滑剤の使用などが原因になっていたりします。
無論、経年劣化というものも考慮すべきで、錠前の寿命は10年ほどと言われていますから、10年以上使用している鍵は摩耗し、様々な汚れが固着していると考えても良いでしょう。
本当に埃やゴミが溜まってしまうことで鍵が回らなくなるの?と思う方もおられるでしょう。
実は、最近の防犯性能の高い鍵ほど、埃や塵に弱いのです。
防犯性能の高いシリンダーは構造が複雑ですので、些細な汚れの蓄積が影響を及ぼすこともあります。逆に、大変シンプルな構造の古い鍵は、防犯性能が時代に合っていないかわりと言っては何ですが、汚れもたまりにくく、蓄積してもあまり影響しないことが多いのです。
▼関連ページ ▼関連ページいずれにせよ、鍵のシリンダー内の部品は汚れや水分、塩分(海岸沿いにお住いの方は要注意です)などに弱いので、定期的に簡単な掃除をすることでトラブルを解決したり、予防できたりします。
鍵穴部分は毎日使うにも関わらず、定期的に掃除をすることがありません。
しかし掃除といっても複雑な作業は必要なく、いつもの掃除のついでに誰にでもできる簡単なものになっています。ぜひ実践してみて下さい。
一方で、掃除は試してみたけど改善しなかった、という場合はなるべく速やかに鍵屋にご相談下さい。無理に回したり、抜こうとしたりせず、鍵屋の到着を待つようにして下さい。シリンダー内部に傷がついたりしていなければ、修理で済むことも多いからです。
鍵穴の正しい掃除方法
鍵が回らない、抜けないといったトラブルに悩んでいるのであれば、まずは鍵穴の奥に溜まってしまった埃やゴミを取るために掃除機を使ってみて下さい。
掃除機の先端部分を鍵穴に当てて吸引するだけで細かなゴミを取り除くことができます。掃除機ではちゃんと埃などを除去できているのかわからない、と思われる方はエアダスターを使用してみて下さい(鍵穴から粉塵が出る可能性がありますので、マスクの着用をお勧めします)。エアダスターの後は掃除機できれいに埃などを吸い取っておきましょう。
これだけで子鍵が回せるようになったり、動きがマシになるようであれば鍵穴の不具合は汚れが原因かもしれません。
しっかり埃やゴミを吸引したら、鍵の回りを良くするためにも鍵穴専用の潤滑剤を利用して滑り対策を行っておくと安心です。この時、潤滑剤は注入するだけでなく、鍵を抜き差ししたり、回してみたりして馴染ませるのが大事です。
挿し込む子鍵の方に潤滑剤を吹いて、抜き差しするだけでも鍵穴の動きはよくなります。いつでも快適に鍵を開けられるように、定期的に正しい方法で掃除をすることを習慣づけてみてはいかがでしょうか。
鍵穴専用の潤滑剤は、各メーカーが自社製品にあった成分のものを出していますので、どれを使うか迷った際には、メーカー製のものを選ぶと無難ですが、KABA(ドルマカバ社)の鍵穴専用スプレーはクリーナーと潤滑剤を兼ねており、様々な鍵トラブルに対応してくれます。
国内最大大手のMIWA(美和ロック)も、純正の潤滑剤を出していますが、二種類あるのでシリンダータイプをよく見て購入して下さい。
鍵穴掃除でやってはいけないこと
鍵穴の掃除を自己流のやり方で実践してしまう方が増えています。間違った方法で闇雲に行ってしまうと新たなトラブルを発生させてしまう可能性があるので注意しなければいけません。
鍵穴の中にものを突っ込む
たとえば、埃やゴミを取り除く際に、爪楊枝やヘアピンなど細いものを鍵穴に差し込んで掻き出せばいいのでは?と思われるかもしれません。しかし、このような方法で掃除をしてしまうと埃やゴミをしっかりと取り除けないだけでなく、鍵穴に傷をつけてしまいます。
また、鍵穴の中で爪楊枝やヘアピンが折れて詰まってしまうこともあります。異物が鍵穴の奥に詰まってしまうと、鍵を挿し込むことができなくなるばかりか、最悪シリンダーという鍵穴の機構そのものを交換しなくてはならなくなります。
専用の潤滑剤(鍵穴専用スプレー)以外のものを注入する
専用の潤滑剤を使うのではなく、自宅にある食用油を流し込んでしまうことも、間違ったメンテナンス方法です。食用油は、腐食の原因になるほか、埃やゴミを今よりも強力に粘着させてしまう原因になります。
CRCなどは使わない
昨今では手軽に使用できるスプレータイプの潤滑剤がさまざまなメーカーから販売されており、以前よりもその商品数は増えています。
100円ショップなどで、リーズナブルな価格で購入できるものがあるだけでなく、ホームセンターやインターネットの通販サイトなどでも手軽に購入することが可能です。
しかし、そういった潤滑剤を鍵穴に使用するときは、事前に使用可能なものであるか、しっかりと確認しなければいけません。
金属製品などのトラブルに使用するシリコーンスプレーや有名なクレ5-56を鍵穴に使ってしまうと、思わぬトラブルに悩まされてしまうこともあるので、必ず鍵穴専用の商品を選ぶようにしましょう。
専用の潤滑剤であれば速乾性があるだけでなく粉末状になっており、シリンダー内で油膜を張って汚れを吸着したりすることがありません。
ただし、キースムーサーなど粉末を残すタイプは使いすぎると粉末が鍵穴に詰まって故障の原因になることがあります。
どうしようもないときは、パーツクリーナーで一度鍵穴の中の油分などを除去してしまうと良いでしょう。
▼関連ページ洗浄にはパーツクリーナー
万が一、鍵穴専用以外の潤滑剤を使用してしまった場合は、できるだけ早く洗浄することが大切です。
そのまま放置してしまうと鍵が差し込めなくなるなど困ったトラブルが発生してしまうこともあるので、まず鍵専用の潤滑剤を吹いて既に注入してしまった潤滑剤をシリンダー内から追い出して下さい。
揮発しない油のようなものがシリンダー内に残ると膜を張って埃などを吸着し、固まって鍵の動きが悪くなってしまいます。
もし、CRCスプレーなどを大量に吹いてしまった、または塗布してから長い時間が経過している場合は、パーツクリーナーを使用する方が良いかもしれません。
車やバイク用のブレーキクリーナーという名称でも販売されている油分を落とす洗浄剤です。鍵穴から注入するか、もし可能であればシリンダーを取り外してパーツクリーナーを吹きかけましょう。
汚れが流れ出たら雑巾などで綺麗に拭き取り、子鍵にも塗布して鍵穴に馴染ませ、汚れが鍵足についてこなくなればシリンダー内がだいぶ綺麗になったというサインです。
よく乾燥させてから鍵穴専用の潤滑剤を塗布します。
水分が鍵穴内に残っていたりすると、鍵穴専用潤滑剤が水分にひっついて固着するので注意して下さい。
正しい掃除方法を学ぼう
近頃、間違った掃除方法を実践してしまったことで高額な修理費用がかかったり、鍵穴ごと新しいものに交換しなければならないケースが増えています。必ず正しい方法でお手入れするようにしましょう。
洗浄してみたが改善しない、という方は鍵屋を呼んで詳しく診て貰いましょう。
玄関の鍵は定期的に掃除をして長持ちさせよう
鍵をスムーズに回したり抜いたりするには、定期的に鍵穴部分を掃除することが大切です。
鍵というものは、家族みんなが毎日使うものなのに、鍵穴の掃除をしたことがないという方が大半ではないでしょうか。
毎日鍵を入れたり抜いたりするだけで、少しずつ埃やゴミは蓄積されていきますので、掃除機で吸い取ったり、潤滑剤を注入するなど、定期的なメンテナンスは欠かせません。
毎日でなくとも半年に一回程度のペースで簡単なメンテナンスを行うことで、快適に鍵を使用し続けることができるので、試してみる価値は十分にあります。
※ハイセキュリティシリンダーの場合、もっと頻繁なケアが必要かもしれません。取扱説明書をよく読んでおきましょう。
鍵穴掃除をしても直らない場合の原因と対処方法
正しい掃除方法を試してみたのに鍵がスムーズに回らない、或いは抜けない、という場合は、埃やゴミが原因になっているのではなく、鍵そのものになんらかのトラブルが発生してしまっている可能性があります。
ここからは、正しい方法で丁寧に掃除しても直らない場合の原因と対処方法を確認していきましょう。
箱錠(ドア内の機構)の位置がズレている
埃やゴミが原因でないときには、箱錠(錠ケース)自体に問題がある可能性が高いです。
たとえば、箱錠と、デッドボルト・ラッチボルトの受け座(ストライク)の位置がズレていると鍵が回りにくくなります。
このような場合には、箱錠とストライクの位置を直さなければなりません。
まずは、正しく取り付け直すためにネジに合ったドライバーを用意し、ストライク側のネジを緩めましょう。
これはドアに固定されている箱錠を動かすよりもストライクを動かす方が楽だからです。ストライクのネジを緩め、位置を移動させる際には少しずつずらして調整していくと、効率良く、正しく設置することができてお勧めです。
子鍵やシリンダー内が摩耗している
長いあいだ使用していると、子鍵もシリンダーの内部も徐々に摩耗していきます。特にギザギザの山鍵は、素材が鉄より柔らかい銅合金(洋白)なので、使えば使うほど形が変形していきます。山鍵の凹凸にはシリンダー内のピンやディスクが噛み合うため、ここが変形してしまうと鍵が回しにくい、空回りするなどの症状が出ます。
子鍵が摩耗するように、シリンダーの内部部品も摩耗していきます。子鍵側ほどではないかもしれませんが、使用年数が長いほど摩耗の影響があります。
山鍵のなかでも美和ロックのディスクシリンダー錠は、子鍵の先端が閂を動かす「カム」という部品の代わりをしているため、この先端が変形しやすく、空回りするようになります。もし玄関の鍵が古いディスクシリンダー錠のままの場合は、子鍵の先端が削れてしまっていないか、常に注意する必要があります。
▼関連ページピンシリンダーやディスクシリンダー用の山鍵は、合鍵屋で複製することができる鍵ですが、合鍵の元となる原型がすでに摩耗した子鍵だとあまり意味がありません。形が変わってしまった子鍵を使い続けると、それはそれでシリンダーに悪影響を与えますし、回しにくいからといって無理に回していると、子鍵が折れたり、歪んでしまったりします。
鍵が差し込みにくい、回しにくい、空回りしがち、といった問題が出てきたときは、オリジナルキーと見比べて子鍵の形が大丈夫か、確認してみましょう。もし子鍵が変形してしまっているようであれば、違うオリジナルキーを使うか、メーカー純正の合鍵を取り寄せるのがベストです。
ただし、オリジナルキーが一本もなく、急いでいるときに鍵が回らないなどのトラブルがが起こったときは、鍵屋に相談して下さい。錠前技師であれば、鍵穴から合鍵を作製することができるので、オリジナルキーがなくても大丈夫です。
古いディスクシリンダー錠は、防犯性能が低く、鍵違い数も限度に達したため、メーカーが廃番にしている錠前です。今では合鍵作製以外の対応もメーカーが終了してしまっているため、例えばマンションの部屋の鍵とエントランスの鍵が一つの子鍵で開けられる「逆マスター」のシリンダーはもう対応して貰えない状態です。
メーカー純正の合鍵も、2030年に対応終了が発表されていますので、あと10年以内に純正の合鍵も作れなくなってしまうわけです。
防犯性を考慮して、もう一つ補助錠を使用している場合は良いのですが、もし玄関の鍵がディスクシリンダー錠のみである場合は、新しい合鍵よりもシリンダー交換をご検討下さい。
美和ロックにはディスクシリンダーの後継として同じ山鍵で、コストパフォーマンスの高いU9というロータリーディスクシリンダーがありますし、第三者による子鍵の複製が難しいディンプル錠もあります。また、美和ロックの錠前には多くの他社シリンダーが対応していますので、たくさんの候補から選ぶことができます。
シリンダー交換をお考えの際は、ぜひ鍵猿にご相談下さい。経験豊富なスタッフが現場の錠前を拝見し、お客様のご要望をお伺いして適切なシリンダーをご提案します。
鍵穴や箱錠が故障している
掃除をしてもトラブルが解消しない場合、鍵穴や鍵前が故障している可能性があります。鍵穴や箱錠の寿命は約10年と言われています。無論、使う頻度によって何年持つかは異なりますが、シリンダーだけでなくサムターンの方から回してみても動きが固いなど、錠ケース側の動作不良は故障のサインかもしれません。
一度、故障してしまうと、いくら丁寧に掃除をしても改善することはありませんので、できるだけ早く錠前を交換することをおすすめします。間違った方法で修理や交換を行ってしまうと、状態を悪化させてしまうこともあるので、自力で直すのではなく業者に交換を依頼した方が良いでしょう。
鍵屋に修理や鍵交換を依頼しよう
鍵穴(シリンダー)は自分で交換することができます。
ただ、シリンダーの取り付け方を理解し、それを実践するための技術力が必要になりますので、自力での交換は困難、と感じてしまう方もいるでしょう。
思わぬトラブルに悩まされることなく交換したい、という方は、信用できる鍵屋に依頼して下さい。
事前に見積を貰い、よく相談しよう
修理や交換を業者が行った後「こんなはずではなかった」と後悔することがないよう、必ず事前に見積もりをもらうようにしましょう。
鍵屋であれば、鍵穴だけでなく箱錠の交換もできるのが嬉しい点です。もし箱錠にも問題が生じているときは、どんな箱錠が使えて、どんなシリンダーを設置できるのか、よく相談してみましょう。 現在、鍵の種類はさまざまありますが、殆どの住宅の玄関に採用されるようになったのがディンプル錠です。
オススメはディンプルキー
ディンプルキーの表面をじっくりと確認してみると小さなくぼみがあることがわかると思いますが、このくぼみを英語でディンプルと言います。この鍵は、複雑な形状であるとともに、対応するシリンダーも複雑な構造を持つため、簡単に複製することができない防犯性の高い鍵です。このシリンダーの構造は簡単にピッキングできない仕組みになっており、一人暮らしの女性や高齢者世帯からも人気を集めています。誰でも長期間にわたり安心して使用することができる鍵と言えるでしょう。
新しい鍵に交換するときは、費用に目がいきがちですが、使いやすさや防犯性を重視して選ぶことで安全対策を講じるのも重要です。
鍵のことは鍵屋に相談
鍵トラブルの多くは、今回ご紹介したような簡単なメンテナンスで改善されます。しかし、中には改善しないものや、潤滑剤を入れたのに悪化した、というような自分ではいまいち原因のわからない不具合もあります。
鍵のトラブルは、最悪の場合「施錠できない」、「家に入りたいのに鍵が開かない」といった深刻な問題に繋がりかねません。鍵の動きがおかしい状態(回りにくい、開け閉めする際に力が要る、など)が続くようでしたら、すぐに鍵屋に相談して下さい。
特に潤滑剤を使用したのに症状が悪化したり、シリコンスプレーなどを入れてしまって鍵の動きが悪くなってきた場合は、自分でシリンダー分解などは試みずに、プロにお任せ下さい。鍵の構造をよく知らない方が分解すると、組み立て直すことができなくなったり、内部の微小な部品を紛失してしまったり、問題が更に大きくなりかねません。
鍵猿では、経験豊富な錠前技師が出張費無料でお伺いし(※21:00~7:59のあいだに作業を行う場合は、夜間早朝料金\5,500(税込)を別途頂戴しております)、現場で状態を確認してお困りごとの原因が何か、どのような対策がとれるかを丁寧にご説明いたします。もちろん費用のことも作業にとりかかる前に必ずご説明しますので、安心してご連絡下さい。
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