キーボックスが開かない!ダイヤル式の開け方・緊急時の対処法を紹介
この記事でわかること
・ダイヤル式のキーボックスが開かないときに自力で挑戦できること
・暗証番号を忘れないための予防策
・鍵屋に依頼するメリット
・信頼できる鍵屋の選び方
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
キーボックスとは、名前のとおりカギを保管する箱です。キーストック、キーセーフと呼ばれることもあります。
ダイヤル式の場合は設定した暗証番号どおりにダイヤルを合わせることで開けることができます。
ところが、大事な暗証番号を忘れてしまい、キーボックスを開けられなくなるトラブルも少なくありません。そこで、この記事ではダイヤル式キーボックスを開ける方法や対処法をいくつか紹介します。
なお、正しい暗証番号がわからなくなったキーボックスを傷つけたり、壊すことなしに開けるのは困難です。後に詳しく説明しますがキーボックスの暗証番号は4桁であることが多いため、総当たりするわけにもいきません。いち早く解錠しなくてはならないときは、鍵屋にご相談下さい。錠前技師には専門知識と長年培ってきた技術がありますので、4桁のダイヤル錠でも非破壊で解錠することができます。
目次
ダイヤル式のキーボックスの開け方
暗証番号を忘れてダイヤル式のキーボックスが開けられなくなったときは、いくつかの対処法があります。
ここでは、主な開け方を3つ取り上げ紹介しましょう。
順番に番号を試す
キーボックスが開かなくなったときのもっともシンプルな方法として、順番に番号を試してみる方法、いわゆる「総当たり」が挙げられます。ただし、この方法を実行するまえに、ダイヤルをむやみに動かさないで、少しずつ動かすという方法を試してみましょう。
ダイヤル式の錠前というものは、暗証番号に合った状態からダイヤルをずらすことで施錠します。しかし、このとき徹底的にずらすということはせず、1つか2つのダイヤルを少しずらしたくらいで放置している人も多いのです。ですので、暗証番号が思い出せない、と気づいたら、今セットしてあるダイヤルを少しずらして様子を見てみましょう。
ずらして様子を見る方法がだめなら、誕生日や電話番号の一部など、思い当たる番号を試していきましょう。家族や職場で共有している暗証番号であれば、皆が共通で知っていることをベースにした番号であることも多いです。まずそれらを当たり、全て試してみてから時間的な余裕があるのであれば、総当りを試すかどうか、検討してみても良いでしょう。
ダイヤル式のキーボックスの暗証番号は、基本的に3~4桁で、3桁であれば1,000通り、4桁であれば10,000通りを試すことになります。実際にやってみた人の検証によると、3桁では30分ほど、4桁では7時間ほどかかるそうです(「セキュリティ万全のカギを作ってみた!?」いいものマガジンウェブ参照)
キーボックスのダイヤル式ロックは4桁であることが多いため、この「総当たり」作業には膨大な時間がかかり、地道な作業をこなす根気が必要です。よほど時間と気持ちに余裕があるときでなければ、難しいでしょう。
引っ張りながらダイヤルを回す
ダイヤル式キーボックスの多くは、上部に「ツル」或いは「シャックル」と呼ばれるU字型の金具を備えています。キーボックスのダイヤル錠は、箱部分の蓋を開けるためについていることもあるのですが、中にはボックスの蓋とツルがダイヤルと連動しているものがあります。
要するに、南京錠に改良を加えたような形で、ツルが開けばその下部についている箱型の部分も開き、中に入っているものを取り出せる、というタイプです。縦型ダイヤルのものは種類がいくつかあり、手軽なサイズで南京錠のように使えるため人気があります。
この南京錠タイプのキーボックスは、設定した暗証番号に合わせたときツルが少しだけ緩むことがあります。このわずかな緩みを目印に、ダイヤルを合わせていく、裏ワザのような方法をご紹介します。
まずはダイヤルをすべて「0」にセットしましょう。ちなみに、工場出荷時の暗証番号は0000にセットされていますので、この番号を変更した記憶がない方は、まず0000に合わせて開くかどうか確認してください。
0000にセットしたらツルを上に引っ張りながら下1桁から合わせていきます。どこかで緩みなり異なる感触なりを覚える瞬間があれば、それが「当たり」の数字です。下1桁が判明したら、十の位、百の位、千の位と同じようにツルを引っ張りながらダイヤルを回していきましょう。
時間はかかるものの、やみくもに数字を1つずつ合わせていくよりは短く、効率よく作業ができます。ただし、南京錠でもそうであるように、このような仕様が対策されているタイプもあります。どんなに回してみてもヒントになる感触が得られない場合は、諦めましょう。
ツルと箱の開閉が連動していないタイプのキーボックスは、ダイヤル錠でボックスの蓋を施錠するようになっています。ツルはボックス内にあるツル用のツマミをスライドさせることで外せるようになっており、ダイヤルもボックスの真ん中近くにあるため、ツルを引っ張っても意味がない、というのが比較的簡単に判断できます。
ただ、ボックスの蓋は丈夫な金属製ですので、正しい番号に合ったとき、「カチャン」と閂が外れる音がします。正しいと思う暗証番号の近くを試しながら、閂がふと外れる音と感触を頼りにすると、少しは探す速度が上がるかもしれません。
金鋸を使ってツルを切断する・工具でツルを破壊する
効果が限定されたやり方ではあるものの、ツルを切断する、という方法があります。これは単にツルの開錠が必要な場合にのみ、有効な手です。
先述の通り、キーボックスには大まかに分けてツルの解錠と箱の開閉が連動しているものと、そうでないものがありますが、どちらの場合でもダイヤル錠が解錠されていないとツルを外せません。
セキュリティを重視したキーボックスのなかにはツルと箱本体どちらにも暗証番号を設定するタイプもあります。ですので、肝心な箱を開けるという点においては、ツルを「切断」するだけでは不十分なのです。
ただ、ドアノブなどに引っ掛けてあるタイプで、とにかくツルを切断したい、という場合は、なんとかして切断するか、ツルを壊すしかありません。金鋸やワイヤーカッターも使えるかもしれませんが、キーボックスのシャックルほどの直径のものになると、ボルトカッターがベストかもしれません。とはいえ、基本的にキーボックスは非常に頑丈です。そのため、南京錠同様、シャックル部分の切断は容易ではないと考えましょう。
使用できる工具
暗証番号はリセットできる?
暗証番号を忘れてしまったとき、思い出せないものをリセットして新しい番号を設定できたらいいのに……と思う方は少なくないと思います。たしかにデジタルの世界では、思い出せなくなったパスワードを再取得することより、新しいもので設定しなおす傾向があります。
しかし、可変式ダイヤル錠がついたキーボックスは、ダイヤル錠の暗証番号再設定は可能なものの、設定変更をするためには解錠状態にあるということが条件になっています。
特に下図のようにダイヤル錠の裏、端的に言うとボックスの蓋裏にリセットツマミがある場合はボックスを開けるしかないため、開けられないならリセットもできない、ということになります。
リセットボタンなどがボックスの外に設けられていたり、特定の箇所へ工具を差し込む、或いは南京錠のようにツルを回転させて押し込むタイプは、箱を開けられないままでも良いという意味で少しだけ救いがありますが、それでも設定を変更する際は暗証番号を合わせた状態で所定の操作をする必要があるため、結局のところ解錠には使えません。
ただ、先述したように時折、ユーザーが工場出荷時の暗証番号から全く変更していないこともあります。説明書を一読して設定変更するのはまたの機会にしよう、と放置したままで何も設定していないのに暗証番号を忘れてしまった、と思い込んでいる可能性もあるのです。
番号変更の設定をした覚えのない人は、まず工場出荷時の番号「0000」に合わせて開くかどうか、試してみて下さい。
キーボックスが開かなくなる事態を避けるための予防法
キーボックスは鍵などの大事なものを保管する場所です。開かなくなると困ってしまいます。開かなくなってから焦るより、そうならないように予防策を講じておくことが大切です。
ここでは、開かなくなる事態を避けるために有効な方法を2つ紹介します。
暗証番号をメモしておく
至極当然のことですがキーボックスを開けられなくなる主因のひとつは、暗証番号を忘れてしまう、ということにあります。
自分でしっかりと覚えたと思っていてもよく使っている間だけで、しばらく使わずにいると忘れてしまうこともあります。どうしても起こってしまう物忘れに対しては、どこか第三者が気軽に閲覧できない場所に暗証番号を書き残しておく、という対策しかありません。
自分だけが使っている手帳などに保管しておくと良いと思いますが、数字だけを書き残しておいた場合、後日見たときに「これは何の数字だろう」となってしまうこともあります。暗証番号をメモして残す場合は、保管する場所や書き方に十分注意しましょう。
最近では些細なことでもスマホで写真に撮って残す、という方法を選ぶ人も増えています。殆どのスマホでは特定の画像やアルバムに鍵をかけて第三者が見られないようにすることもできますので、デジダル技術を活用するのも良いかもしれません。
信頼できる人と暗証番号を共有する
キーボックスを使うのが自分だけでなく、家族や職場の同僚などほかにも使う人がいる場合は、暗証番号を共有しておく必要があります。気軽に連絡がとれる家族や同僚などに暗証番号の共有・保管を依頼しておくと、自分が忘れてしまったときはその人に確認すればよいということになります。
とはいえ、どちらも「相手が覚えているから」と考え、双方がうっかり忘れてしまうこともないとは言えません。また、当然ですが暗証番号は信頼できる人とのみ共有するようにし、安易に他人に教えないことが重要です。
どうしてもキーボックスが開かない時は鍵屋に依頼しよう
ダイヤル式のキーボックスは、セキュリティの観点から暗証番号を合わせる以外の方法では容易に開けられないようになっていますから、自力で試せることは限られていますし、開かないときは誰でも途方に暮れてしまうものです。
また、のんびりと対処法を試す時間がない状況というものも、十分に考えられます。そのような緊急時には、鍵の専門業者への依頼を検討すると良いでしょう。とくに出張専門の鍵屋であれば、連絡を受けた後すぐに現場に駆けつけてくれますし、技術を活かしたスムーズな開錠が可能です。
鍵屋に依頼するメリット
キーボックスが開かないときでも、できれば自分たちで解決したい、業者に頼むのは気が進まない、という人もいるでしょう。しかし実は、鍵屋に開錠を依頼するとさまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを2つ挙げて解説します。
速やかに問題を解決できる
もっとも大きなメリットは、スムーズにトラブルの解決が図れる点です。
先に述べた自分でできる開錠方法は、いずれも時間と手間、もしくはコストがかかります。しかも、すぐにキーボックスを開ける必要があるなど、緊急性が高いときには向いていません。また、金鋸やボルトカッターでツルを切断する方法は怪我をする危険性もあります。
基本的に鍵屋は連絡があれば速やかに現場に向かいます。キーボックスの開錠であれば、豊富な知識や経験をもとにすぐに対応が可能です。自分でどうにかしようとして時間をいたずらに過ごしてしまうくらいなら、なるべく早く鍵の専門業者に依頼したほうが良いでしょう。
安心して任せられる
キーボックスに関する知識がない素人が無理やり開錠しようとすると、鍵自体が壊れる可能性があります。場合によっては、なかに収納しているものまで傷つく恐れもあるでしょう。
特にキーボックスのロック部分は、壊れてしまうと修理ができず、交換になってしまいます。部品が見つからなければキーボックスは買い換えなくてはなりません。素人がむやみにいじらないほうが良いのはこのためです。
錠前技師であれば豊富な知識と経験があるので、ダイヤル錠をスムーズに解錠し、何も壊すことなく済ませることができます。どうやって開ければいいかわからない場合はもちろん、キーボックス自体や中身をなるべく傷つけたくないときも、安心して任せられます。
鍵屋を選ぶ際のポイント
鍵開けサービスを提供している専門業者は非常に多く存在します。ただ、残念なことになかには法外な料金を請求するといった悪質な業者がいる可能性も否定できません。最近は特にライフレスキュー関連のサービスで高額請求などのため不当な契約を結ばされた、と消費者センターに駆け込む人も多いと聞きます。
このような背景があると、キーボックスの鍵開けを頼もうと思っても、何を基準として業者を選べばいいかよくわからない人も多いでしょう。そこで、この記事では、鍵の専門業者を選ぶ主なポイントを4つ紹介します。
わかりやすい料金体系かどうか
同じ鍵開けのサービスであっても、業者によって料金は大きく異なります。
通常、業者の公式サイトには料金表が掲載されているものの、料金体系が複雑でわかりづらいことも多いです。また、掲載されている料金は基本的に目安や最低料金であり、実際にかかる費用は異なることが殆どです。
作業費だけ見れば相場より安くても、見積もり料金や出張費用が高額な設定で、結果として非常に高い料金を請求されてしまうこともあるでしょう。そのため、慌てて業者を選ぶのではなく、分かりやすい料金体系かどうかを確かめておくことが大切です。
作業前に見積りして明確な料金を提示し、追加料金は発生しない、と明言してくれる業者であれば、安心してお任せできるでしょう。ただし、電話やメールによる概算見積もりでは、正確な料金はでません。現場に来て見積りしてもらうのが確実です。とはいえ、業者によっては現場見積りで出張費を請求されることもありますから、事前に電話で出張費の有無や金額について確認しておくと良いでしょう。
速やかに対応してもらえるか
鍵屋によって対応できる日時は異なります。早朝や夜間は対応していない業者もあれば、連休中はずっと休業している業者もあるでしょう。
もし、朝早くにキーボックスが開かないことがわかり、すぐにも開ける必要がある場合、早朝対応していない業者に依頼しても意味がありません。営業時間については、業者の公式サイトなどを見ればすぐにわかります。見積もりなどを依頼する前に、営業時間について確認しておきましょう。
なかには、24時間365日対応可能で、深夜や正月でも駆け付けてくれる業者もあります。そのようなところであれば、緊急時に頼れるため心強いでしょう。ただし、年中無休対応している鍵屋の多くが「深夜早朝料金」というシステムを導入していますので、その時間帯に対応して貰うときはそこそこの出費を覚悟せねばなりません。
専門性の高いスタッフが在籍しているか
鍵の専門業者を謳っていても、技術には大きな差があるのが実情です。訪問してきたスタッフの技術力が低ければ、結局キーボックスが開かなかったり、作業が完了するまでに時間がかかったりすることもあり得ます。
そのため、業者を選ぶときは、実績豊富で技術力の高いスタッフが揃っているかどうかを確認することも重要です。事前に公式サイトで確認し、これまでの施工実績などを参考にすると良いでしょう。口コミも、100%信頼できるわけではないものの、参考にはなります。
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鍵の専門業者を選ぶ際は、アフターサービスが充実しているか、保証はあるかなども重要なポイントです。トラブルにすぐ対応してもらっても、その後に不具合が発生する可能性はゼロではありません。その場合、きちんとしたアフターサービスや保証がある業者であれば、無償で対応してもらえます。アフターサービスの有無や保証の内容は、業者の公式サイトに掲載されていることが多いです。頼む前にそこまで確認しておきましょう。自社の技術力に自信がある業者ほど、アフターサービスも充実している傾向があります。保証が充実している業者であれば、より安心して依頼できるでしょう。
キーボックスの鍵開けはプロにお任せください
キーボックスが開かないとき、数字を1つ1つ試すなど自分で対処することも可能です。とはいえ、どうしても開かない場合などは無理をせず、ぜひ鍵屋の鍵猿にお任せください。鍵猿ではあらゆる鍵トラブルに年中無休で対応しており、豊富な実績があるスタッフが速やかに対処します。作業後に不明瞭な追加料金が発生することもありませんので、是非お気軽にご相談ください。
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