空き巣の手口とは?侵入経路から被害後の対応まで鍵屋が解説
この記事でわかること
- 空き巣が実際に使う主な侵入手段と、手口別の発生割合
- 空き巣に狙われやすい家・狙われにくい家の特徴
- 玄関・窓・勝手口の鍵でできる具体的な防犯対策
- 空き巣被害に遭ってしまったときの対応手順
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
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「空き巣はどんな手口で家に入ってくるのか」「自分の家は狙われやすいのか」——防犯を意識したとき、まず気になるのはこのあたりではないでしょうか。
空き巣の侵入手段は、実はピッキングのような特殊な技術よりも、鍵の閉め忘れといった日常のちょっとした隙を突いたものが大半を占めています。つまり、手口と狙われやすい条件を知っておくだけで、防げる被害は少なくありません。
この記事では、警察庁の統計データをもとに、空き巣の主な侵入手段、狙われやすい家・狙われにくい家の特徴、鍵でできる対策、そして万が一被害に遭ってしまったときの対応までを、鍵のプロの視点で解説します。
空き巣とは
空き巣とは、住人の留守中に住宅へ侵入して金品を盗む窃盗犯のことです。
警察庁の統計では、住宅を対象とした侵入盗は『住宅対象侵入窃盗』と分類されており、そのなかで「空き巣・忍込み・居空き」の3つに分類されています。
忍込みは夜間の就寝中に、居空きは住人が在宅している隙に侵入するもので、空き巣はそのなかで最も多くを占める手口です。住宅で発生した侵入窃盗のうち、およそ6割が空き巣によるものとされています。
「手口」というキーワードでこの記事にたどり着いた方の多くは、空き巣がどうやって家に入ってくるのかを知りたいのではないでしょうか。この記事では、警察庁の統計データをもとに、空き巣の侵入手段から狙われやすい家の特徴、鍵でできる対策、そして万が一被害に遭った場合の対応までを通して解説します。
空き巣の主な侵入手段
「空き巣の手口」と聞いて多くの人がイメージするのは、ピッキングや鍵破りといった技術的な侵入方法ではないでしょうか。しかし実態は少し異なります。
警察庁が公表している「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅への侵入窃盗で最も多い手段は、鍵のかかっていない窓や玄関からそのまま入る「無締り」で、全体の約半数を占めています。手の込んだ技術よりも、ちょっとした隙を突かれるケースが圧倒的に多いのが現実です。認知件数の多い順に見ていきましょう。
| 侵入手段 | 令和6年の認知件数 |
|---|---|
| 無締り | 7,455件 |
| ガラス破り | 5,006件 |
| 合かぎ | 931件 |
| 特殊開錠用具関係 | 36件 |
| その他の施錠開け | 308件 |
| ドア錠破り | 372件 |
| 戸外し | 113件 |
| その他 | 438件 |
| 不明 | 1,206件 |
| 総数 | 15,865件 |
無締り

鍵のかかっていない玄関や窓からそのまま侵入する手段です。住宅への侵入窃盗のうち約47%を占め、侵入手段のなかで最も多くなっています。
「ちょっとそこまで」という短時間の外出や、ゴミ出しのあいだ、換気のために開けたままにしていた窓が狙われるケースが少なくありません。お金をかけずに今日から防げる対策である一方、最も多い被害原因でもあるのが無締まりです。
ごみを出すときや近所に出かけるときなど「数分なら大丈夫だろう」という感覚で鍵をかけずに家を離れることはないでしょうか。そのような油断をしたときこそ、空き巣に狙われやすいのです。
共同住宅にはオートロックの玄関が備えられたところも多く、「うちにはオートロックがあるから大丈夫」「マンションの敷地の外には出ないのだから鍵を掛けなくて良いだろう」という油断が空き巣に狙われる状況を作り出してしまうこともあります。
ガラス破り

窓ガラスを割って解錠し侵入する手口で、無締まりに次いで多く、全体の約3割を占めています。
工具でガラスを叩き割る方法のほか、ガラスの一部に小さな穴を開けてクレセント錠に手を伸ばす「こじ破り」が代表的です。庭木や塀で死角になりやすい掃き出し窓は特に狙われやすいため、一戸建てでは窓まわりの対策が欠かせません。

警視庁が公表している「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅を対象にした空き巣認知件数の中でもガラス破り(3,891件)が二番目に多く、全体の約35.5%を占めています。
ガラス破りといっても種類はいくつかありますので、ここでは「こじ破り」「打ち破り」「焼き破り」について解説します。
こじ破り
こじ破りは窓ガラスとサッシの間にドライバーを差し込み、錠前周辺のガラスを破壊する手口です。別名「三角割り」「三点割り」とも呼ばれ、打ち破りに比べて大きな音が出にくいという特徴があります。
打ち破り
打ち破りはハンマーやバールなどを使ってガラスに強い衝撃を与え、破壊する手口です。ガラスを破壊した際に大きな音が出ますが、技術を必要とせず短時間で侵入されてしまいます。
焼き破り
焼き破りとはガスバーナーやライターで錠前周辺のガラスを焼き、加熱した部分を冷却してガラスを割る方法です。ガラスを加熱した部分と加熱していない部分の温度差(熱衝撃)により割れてしまいます。
焼き破りは大きな力を必要とせずに割ることが可能で、大きな音が出ないため注意が必要です。
▼関連ページ合鍵による侵入
合鍵を不正に作成・入手して侵入するケースです。玄関周辺に隠してある合鍵を使用する方法は昔からありますが、最近は子鍵(オリジナルキー)に刻印された鍵番号がわかれば、純正の合鍵を作れてしまうため、子鍵を他人に見せる・写真をSNSに載せるといった行為がリスクになります。
特に賃貸住宅や中古住宅では、前の入居者や関係者が合鍵を持っている可能性も否定できません。入居時に鍵そのものを交換しておくことが、合鍵リスクへの確実な対策になります。
ドア錠破り等その他の手口
ピッキングやサムターン回しといった、錠前そのものを攻略する手口もあります。かつてはこれらによる被害が多く見られましたが、防犯性能の高い錠前の普及により、現在ではこうした侵入手段は全体の1割未満まで減少しています。
とはいえ、古い錠前をそのまま使い続けている住宅では依然としてリスクが残ります。後述するディンプルキーへの交換などで対策できます。
ピッキング

ピッキングは鍵の中のピンなどを正しい鍵を用いずに揃えて解錠してしまう手口です。もともとは鍵屋の鍵開け技術で、今でもピッキング用の道具は鍵師や開錠に係る業務に就いている人しか持ち歩くことができません。
ピッキング防止に対応していない鍵は研究され尽くしていて、ものの1分程度で解錠されることもあります。
▼関連ページサムターン回し

室内側から玄関ドアを施錠するためのツマミのことです。外から帰ったとき、玄関の鍵をかける際に回すツマミといえばわかりやすいかもしれません。室内側から解錠するときもこのサムターンを回します。
サムターン回しとは、室外から特殊な工具を用いてツマミ部分を回す手口のことです。これも未だに鍵屋が使用している技術です。
玄関のサムターン回しの具体的な方法としては、ドアスコープを取り外してそこから特殊な工具を入れるなどがありますが、侵入窃盗の場合、ドアのガラス部分を割り、そこから手や道具を使ってサムターンを回す、という方法が多いです。
▼関連ページ下がり蜘蛛

下がり蜘蛛は建物の屋上からロープを垂らし、壁を伝ってベランダや窓から侵入する手口です。
屋上への出入りが容易な場合は施錠管理を徹底する必要があります。
空き巣がターゲットの家を選ぶまで
空き巣犯は、見つけた家に手当たり次第侵入するわけではありません。事前に周辺を歩いて観察し、「入りやすい家か」「逃げやすいか」を確認してから動くケースが多いとされています。その過程で残る痕跡や行動パターンを知っておくことが、被害を未然に防ぐ手がかりになります。
下見で確認するポイント
空き巣犯が下見で見ているのは、主に住人の生活パターンや侵入・逃走経路の有無、その家の防犯意識などです。
日中に何度も同じ道を歩くその地域の住民ではない不審な人物や、住宅の周囲をゆっくり見て回るような行動は、下見のサインである可能性があります。県外ナンバーの車やレンタカーが同じところを周回していることもあります。
一度だけでは判断が難しいものの、同じ人物を繰り返し見かける場合は注意が必要です。
▼関連ページ空き巣の前兆とされる行動
インターホンを鳴らして留守を確認する、郵便受けや表札の周辺に不審なマーキング(印)がつけられている、といった行動が前兆として知られています。
マーキングは、留守がちな時間帯や住人の家族構成などを犯人同士で共有する目印であったり、メモ代わり残されている暗号のようなもので、シールや小さな書き込みの形で残されることがあります。「最近、見慣れない印がある」「誰かに見られている気がする」といった違和感があれば、早めに鍵や防犯設備を見直すきっかけにしてください。
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空き巣に狙われやすい家の特徴

侵入手段と同様、空き巣犯が「どんな家を選ぶか」にも一定のパターンがあります。自分の家が該当していないか、確認しながら読んでみてください。
留守が分かりやすい家
- 毎日同じ時間に電気が消える
- 郵便物や新聞が溜まっている
- 雨の日に洗濯物が出しっぱなしになっている
こうした状況は、留守であることを周囲に知らせてしまっています。
生活リズムが規則的すぎると、下見の段階で在宅・不在のパターンを把握されてしまうリスクもあります。長期間家を空けるときは、新聞を止める、タイマー式の照明を使うといった工夫が有効です。
死角が多い家
高い塀や生垣に囲まれている、駐車場や庭が建物の陰になっているなど、外から見えにくい構造の家は、侵入作業を人目にさらすリスクが低いため狙われやすくなります。
「プライバシーを守るための高い塀」が、かえって空き巣にとって好都合な作業空間になってしまうことがあります。防犯の観点では、敷地の見通しの良さが大きなアドバンテージになります。
防犯意識が低そうな家
補助錠がない、古い錠前のまま、センサーライトや防犯カメラが見当たらない。こうした家は、侵入にかかる時間が短いと判断されます。
空き巣犯が最も嫌うのは「時間がかかること」と「人目につくこと」です。逆に言えば、ひと目で「対策されている家」とわかる状態にしておくだけで、ターゲットから外れる可能性が高まります。
平屋・マンション1階
平屋はすべての部屋が1階にあるため、家中の窓が侵入経路になり得ます。平屋が危険と評される理由はこのポイントに尽きます。2階建て以上であれば手の届きにくい窓も、平屋では地上からほぼ全ての窓にアクセスできてしまうため、窓まわりの対策を特に意識する必要があります。補助錠や防犯フィルムを、人目につきにくい裏手の窓から優先的に施しておくと安心です。
マンションなど集合住宅の1階は、地上から窓やベランダに手が届くことが多く、直接アクセスがしやすいうえに逃走経路を確保しやすいのと、ベランダや庭など隠れる場所があるということが大きな理由です。
最近は窓シャッターが取り付けられている賃貸マンションなどをよく見かけますが、窓は厳重に対策しておいた方が良いでしょう。
空き巣に狙われにくい家

空き巣犯が避けるのは、「見つかるリスクが高い家」と「侵入に時間がかかる家」です。裏を返せば、この2点を意識するだけで狙われにくい家となり、ターゲットから外れやすくなります。
人目につきやすい
近隣との挨拶が日常的にある、道路から玄関や窓が見通せる。こうした環境は空き巣犯にとって大きなリスクになります。
地域のつながりや見通しの良い外構は、防犯設備に劣らない抑止力を持つことがあります。ご近所同士で声をかけ合える関係そのものが、防犯機能を果たしているといえます。
防犯設備が見える
センサーライトや防犯カメラは、実際に作動することはもちろん、「設置されている」と外から見てわかることが抑止につながります。
下見の段階で「ここは面倒そうだ」と思わせれば、それだけで標的から外れる可能性が高まります。玄関まわりや死角になりやすい場所への設置が効果的です。
侵入に時間がかかる
空き巣犯の多くは、侵入に5分以上かかると犯行を諦めるといわれています。
補助錠の追加で鍵を2つにする、防犯ガラスへ交換する、ピッキングに強いディンプルキーへ変更するといった対策は、この「時間」を稼ぐための有効な手段です。具体的な方法は次のセクションで解説します。
▼関連ページ鍵で防げる空き巣
ここまで見てきたように、空き巣犯が犯行を諦める最大の要因は「時間がかかること」です。防犯カメラやセンサーライトも有効ですが、侵入口そのものを物理的に強化することが対策の基本になります。玄関・窓・勝手口、それぞれのポイントを見ていきましょう。
玄関の防犯対策
玄関は、錠前の防犯性能を高めることが最も効果的です。ピッキングやサムターン回しへの耐性が高いディンプルキーへの交換や、補助錠の追加が代表的な対策になります。
「鍵が2つある家」というだけで侵入にかかる時間が大幅に増えるため、ワンドア・ツーロックは抑止力として非常に有効です。古いディスクシリンダー錠やピンシリンダー錠を使っている場合は、交換を検討してみましょう。

防犯性の高い鍵に交換するとピッキングやサムターン回しといった不正解錠に強くなるほか、鍵の複製が難しいためオリジナルキーそのものが犯行に使われない限り、玄関からの侵入は難しくなります。
また、サムターン回し対策が施された錠前だけでなく、サムターン回し対策用のアイテムも豊富にありますので、それらを後付けしても良いでしょう。
ただし、住まいが賃貸物件だと鍵の交換を自分の勝手な判断で行うことはできません。通常、鍵を交換したい場合は大家さんの許可が必須です。防犯上で必要性を感じたときは、あらかじめ大家さんもしくは管理会社に相談しておく必要があります。サムターンガードなども取り付けて良いかどうか、念の為確認を取ってから取り付けるようにしましょう。
▼関連ページ窓の防犯対策
掃き出し窓のクレセント錠は、あくまで風で窓が開かないようにするための部品であり、防犯性能はほとんど期待できません。鍵付きクレセント錠への交換、補助錠の追加、防犯フィルムの貼付、防犯ガラスへの交換が有効な対策になります。

特に道路や隣家から見えにくい位置にある窓は、ガラス破りの標的になりやすいため、優先的に対策しておきたい箇所です。
▼関連ページ勝手口の防犯対策
勝手口は、玄関に比べて防犯性能の低い錠前が使われていることが多く、見落とされがちな侵入経路のひとつです。
普段あまり使わない勝手口こそ、補助錠を追加して施錠を徹底しておきたい場所です。使用頻度が低い場合は、内側から確実に施錠する習慣をつけるだけでも効果があります。
鍵まわりの対策は、補助錠の取り付けのようにDIYで対応できるものから、錠前交換のように専門業者への依頼が必要なものまでさまざまです。どこから手をつければいいか迷ったときは、現地を見ながら住まいに合った提案ができる鍵屋への相談が確実です。
▼関連ページ ▼関連ページ合鍵を家の外に隠さない

玄関近くに合鍵の隠し場所を作っている、という人は意外と多いのではないでしょうか。
玄関マットの下や郵便受けの中など、集合住宅でも戸建てでも合鍵の隠し場所はいくつかあるものです。
先述した通り表出入口から侵入する空き巣は「合鍵」を施錠開けの手段として用いています。中には複製したものもあるかもしれませんが、空き巣の殆どはよく下見をしています。合鍵の隠し場所がわかってしまった家などは狙われても不思議はないと言えるでしょう。
安全に合鍵の受け渡しを行う方法として、最近人気があるのがキーボックスを使用する方法です。箱付きの南京錠のようなものと考えて頂くと良いかと思いますが、玄関のドアノブにツルをロックしたり、壁に取付けたりできる箱で、暗証番号認証用のボタンやダイヤルがついています。
暗証番号を知る人だけが箱を開けて合鍵を取り出せるため、鍵を紛失しやすい小さな子供がいる家庭などで便利だと評判になっています。暗証番号などの管理が必要にはなりますが、キーボックスを使用すれば郵便受けの中に隠すよりも遥かに安全な方法で合鍵を渡すことができます。
空き巣被害に遭ったら
帰宅したら室内が荒らされていた、鍵は閉まっていたのに何かがおかしい。そんな状況に気づいたとき、まず大切なのは「一人で室内に入らないこと」です。犯人がまだ室内に潜んでいる可能性があります。
被害に気づいたら、速やかに警察へ通報してください。現場の状況は証拠になるため、警察が到着するまで室内のものにはできるだけ触れないようにしましょう。落ち着いて行動するためにも、玄関先など安全な場所で待つのが賢明です。
被害届の提出後は、侵入経路となった鍵や錠前の修理・交換が必要になります。壊された錠前の交換はもちろん、同じ手口で再び被害に遭わないための防犯強化も合わせて検討してください。なお、加入している火災保険の内容によっては、空き巣被害による鍵の交換費用が補償の対象になるケースもあります。
空き巣被害に遭ったあとの具体的な対応手順については、別記事で詳しく解説しています。
▼関連ページ鍵で空き巣対策をするなら鍵猿にお任せください
ここまで見てきたとおり、空き巣対策の基本は「侵入に時間をかけさせること」、そしてその要となるのが鍵です。
鍵猿では、ピッキングや合鍵に強いディンプルキーへの交換、玄関の補助錠取り付け、勝手口や窓まわりの防犯強化まで、住まいの状況に合わせた対策をご提案しています。「どこから対策すればいいかわからない」という段階からのご相談も歓迎です。
空き巣被害に遭ってしまった後の緊急の鍵交換にも対応しています。現地のスタッフが状況を確認したうえでお見積もりをご提示しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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