勝手口の鍵を交換して防犯対策!かかる費用や注意すべき点は?
この記事でわかること
- 勝手口の防犯対策
- 勝手口の鍵を強化する方法
- 勝手口の鍵交換にかかる費用
- 勝手口の鍵交換の注意点
記事監修者
「すごわざ鍵開け達人」として関西・関東のテレビに出演。鍵職人としてのキャリアは12年、現在はエキスパート集団を束ねるマネージャー。親切丁寧な防犯アドバイスにも定評がある。
勝手口は人目につきにくく、空き巣に狙われやすい場所だと言われています。
そのため、空き巣にそこを格好の入口だと思われないよう、何らかの防犯対策を講じることが重要です。防犯性を高めるための手段として、勝手口の鍵を交換したいと考える人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では勝手口の防犯対策や鍵交換にかかる費用、注意点について解説します。
勝手口というものは、その家の住人以外は使わないことが多いため、昔からあまり防犯性といったものは重視されてきませんでした。しかし現在は様々なドア破りの手法があり、古い鍵やドアノブはすぐに開けられてしまいます。この機会にに鍵屋に相談してみて下さい。
目次
勝手口の防犯でとり得る3つの選択肢
勝手口の防犯対策として行えるものは大きく分けて3つあります。まずは、
- 鍵の防犯性能を上げること、
- 窓に防犯対策を講じること、そして
- 空き巣や不審者を勝手口に近づけないこと
です。
鍵の防犯性能を高める
1つ目の選択肢は、鍵の防犯性能を高めるというものです。
空き巣対策として玄関の鍵を防犯性能の高いものにしている家は多くみられます。しかし、いくら玄関の鍵の防犯性能を高めても、勝手口の鍵の防犯性能が低いままでは、弱点を突かれて空き巣の侵入を許してしまう可能性があります。
簡単に開けられるような鍵は、付いていても防犯手段としてはあまり意味を成しません。勝手口の鍵がピッキングされやすいようなものである場合は、すぐにでもピッキングされにくい鍵に交換することが望ましいでしょう。
空き巣は人目につくことを何よりも嫌いますので、勝手口からの侵入に時間がかかるようであれば、諦めるケースが多いのです。
窓に防犯対策を施す
2つ目の選択肢は、窓に防犯対策を施すことです。勝手口には窓が付いているタイプが多くみられます。この場合、鍵の防犯性能が高くても、窓を割って空き巣に侵入されてしまう可能性があります。
特に、何の防犯対策もされていない無防備な窓は要注意です。場合によっては鍵を開けるよりも、窓を破って入ったほうが時間もかからず容易なのです。
空き巣の侵入を防ぐためには、鍵だけではなく窓ガラスを割られないようにすることが重要です。
窓ガラスが簡単に割れなければ、侵入を諦めさせることができるでしょう。
ガラスの中で強度が高いというと、強化ガラスを考える方も多いと思いますが、強化ガラスは防犯向きではありません。寧ろ、割れても飛び散らないので空き巣には都合のいいガラスになってしまいます。
網入りガラスも元々は防災用のガラスですので、防犯には向きません。防犯のためにガラスを入れ替えるのであれば、やはり防犯ガラスが必要です。
防犯ガラスは、特殊フィルムを中央に挟んだ合わせガラスで、ISO16963-1及び(財)都市防犯研究センターによる実験結果などを基に、板ガラス協会によって定義されています。
ガラスが全く割れないということではなく、ガラスが割れたとしても中にある特殊フィルムの力で完全に破壊されず、空き巣にとっては「時間のかかるガラス」になります。
防犯ガラスは経済的な負担が大きすぎる、という場合は防犯シートを貼る、という手もあります。
CP認定されている防犯シートであれば、5分間以上の打撃などに耐えることができますし、叩き割ろうとすると大きな音を出すので空き巣を撃退するにはもってこいの性能を有しています。
▼関連ページ接近させない工夫をする
3つ目の選択肢は、勝手口に接近させない工夫をすることです。勝手口そのものに近付けさせなければ、空き巣が侵入する心配もありません。
したがって、空き巣を寄せ付けない工夫を行うことも、勝手口の防犯を高めるうえで有効な手段となります。特に、高い壁に囲まれていたり奥まった位置にあったりするなど、勝手口が人目につきにくい場合は空き巣に狙われやすい傾向にあります。
とはいえ、勝手口の位置を変えることはできませんから、玉砂利あるいは防犯砂利を敷くなどして簡単に近寄れないようにする、というのも一案です。
特に防犯砂利は踏むとかなり大きな音が出ます。足音がしやすい状況をつくることで、空き巣を効果的に遠ざけられます。
また、防犯砂利を敷いていることがわかれば、その段階で侵入を諦める空き巣もいるでしょう。見た目での抑止効果も期待できることが防犯砂利のメリットです。
それ以外にも、センサーライトを活用するという方法もあります。勝手口付近にセンサーライトを取り付けることで、接近した人物を明るく照らせます。
侵入者の不意を突くことができるのと同時に、侵入者の存在を周りに知らせることが可能です。
目立つことを嫌う空き巣は、その場から立ち去ることになるでしょう。
あわせて、防犯カメラを設置しておくと空き巣対策の効果をより高めることができます。空き巣は侵入の証拠を残すことを嫌うため、防犯カメラの存在に気付くなり侵入を諦めることがあります。
ただ、防犯カメラは設置にコストがかさみやすいことが難点です。コスト面が気になる場合は、ダミーを設置しておくというのも良いでしょう。
▼関連ページ勝手口の鍵を強化する4つの方法
先述の通り、勝手口の防犯性を高めるためには鍵の防犯性能を強化することが重要です。
勝手口の鍵を強化するための4つの方法について見ていきましょう。
防犯性能の高い鍵に交換する
1つ目は防犯性能の高い鍵に交換することです。勝手口には簡単な鍵が付いているケースも多く、特に昔から変えられていないディスクシリンダーやピンシリンダー錠がよく見受けられます。
ディスクシリンダーは子鍵の両側がギザギザで、鍵穴は「く」のような縦穴であるのが特徴です。ピンシリンダーも縦穴ですが、こちらは形状はまっすぐに近く、子鍵も片側にしかギザギザがありません。
今ではディスクシリンダーは廃番となっており、ピンシリンダーも新しいものはアンチピッキングピンなどを備えてリニューアルされていますが、古いもののままですと防犯性能が低いままです。
特に古いものはどちらもピッキングに弱く、ディスクシリンダーは構造上バンピングでの解錠は不可能ですが、ピンシリンダーは簡単に解錠されてしまいます。
バンピングとは
バンプキーと呼ばれる特殊加工された子鍵を鍵穴に差し込み、衝撃を与えることで開錠する不正解錠方法のひとつ。ピンシリンダーと呼ばれる、ピンの配列がタンブラー(障害物)となっているシリンダーをターゲットにしたもので、構造的にディスクシリンダーには全く効かない。逆に、同じピンシリンダー系であるディンプル錠の殆どが影響を受けると言われている。現在はメーカー各社にて対策がなされている。
不正解錠を防ぐためには、鍵違いの数が多い複雑な構造の鍵に交換すると効果的です。
鍵違い数とは
カタログなどでは理論鍵違い数と表記されているもので、鍵が開くパターンの数を表す。鍵違い数が1000万だと、1000万通りの子鍵を作成でき、これらが被ることはない。鍵違い数が多いほど精密で複雑な構造のシリンダーということになり、防犯性能が高いということになる。
ハイセキュリティシリンダーとして有名なカバスタープラスは2兆2千億通りの理論鍵違い数を謳っており、ピッキングでの解錠はほぼ不可能と言われている。
インテグラル錠のようなキー・イン・ノブタイプのドアノブを使用している場合でも、通常のシリンダー錠と同じように最新のピンシリンダーや、ディスクシリンダーの後継品であるロータリーディスクシリンダー(美和ロックのU9)のような製品を選ぶと良いでしょう。
また、表面に大小のくぼみがたくさん彫られたキーを使うディンプル錠はピンシリンダーを更に複雑にしたもので、防犯性能大変が高く、登録制のものも多いため第三者による合鍵作成も難しく、おすすめです。
鍵の数を増やす
2つ目は鍵の数を増やすことです。
空き巣は鍵を開けるのに時間がかかると、侵入を諦めてその場を立ち去る可能性が高い、という性質を利用して、物理的に鍵の数を増やすとその分、開錠に時間がかかり、空き巣を諦めさせることができる、というわけです。
また、こうしておけば、窓ガラスを部分的に割られたときも、空き巣が手を入れてすべての鍵を開けることは困難になるでしょう。
鍵を開けるための手間が多くなれば、それだけ空き巣も諦める可能性が高くなります。複数の鍵があればバールなどでこじ開けた場合も1箇所だけではそう簡単に開かないでしょう。
破られにくくするカバーを設置する
3つ目は扉を破られにくくするためにカバーを設置することです。
勝手口の扉は玄関ドアと比べると薄いつくりになっています。そのため、鍵のピッキングだけではなく、バールなどで無理矢理こじ開けられるケースも少なくありません。
このようなバールなどでのこじ開けの対策としては、ドアカバープレートを設置することが有効です。
こじ開けはデッドボルトやラッチボルトの位置を狙ってバールをドアとドア枠の隙間に入れるのですが、ドアカバープレートはデッドボルトの位置を隠すだけでなく、バールの攻撃から守ります。
また、窓ガラスを割り、内側からサムターンを回して侵入されることへの対策も必要です。外から手を入れてもサムターンを回せないように、カバーを付けておくと良いでしょう。
ドアチェーン/ドアガードを併用する
4つ目はドアチェーンを併用することです。
玄関ドアで多く見かけるドアチェーンやドアガードですが、勝手口にも取り付けることができます。ただし、ドアチェーンは空き巣対策というよりも、どちらかというと押し入りへの対策といえます。
勝手口の鍵を不用意に開けてしまうと、無理に自宅内へ押し入られてしまうおそれがあります。とはいえ、ドアチェーンを設置しても、切られたり外されたりする可能性があります。
ワンドア・ツーロックの補助錠としての効果は薄いことを念頭に置く必要があるでしょう。
勝手口の鍵交換にかかる費用は?
勝手口の鍵を交換する際に、気になるのが費用でしょう。
古い鍵を新しい鍵に交換する場合はDIYで取り替えることも可能ですので、自分で行う場合と業者に依頼する場合とでかかる費用には大きな差が出ます。
自分で鍵交換をする場合は、他にドライバーなど基本的なツールを購入する必要はないという前提なら、鍵セットの購入代金を負担するだけで済みます。鍵の種類によっても費用はだいぶ異なりますが、おおむね1万円~2万5,000円程度が目安です。
一方、業者に依頼すると別途作業費が必要になります。業者によって料金設定は異なりますが、おおむね1万円~1万5,000円程度が作業料の目安です。これとは別に、シリンダー、錠前などの部品代が必要になります。
勝手口の鍵交換で注意すべき点とは?
勝手口の鍵交換をする場合、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、注意したいのが扉の変形です。玄関ドアと比較して勝手口の扉は薄く、その分、ゆがみやすい傾向にあります。自分で部品を購入して誤った取り付け方をすると、扉が変形してしまうおそれがあるため気を付けましょう。
また、鍵をDIYで交換する際には、部品を扉の内部に落とさないように注意が必要です。部品は慎重に扱うようにしましょう。
正確にサイズを測り、適したサイズの錠前を選ぶことが重要です。 ただし、正しいサイズの錠前を選べたとしても、取り付けたあとの調整がうまくいかなければ、しっかりと施錠ができません。
この場合、せっかく鍵を交換してもセキュリティが甘い状態になってしまいます。自宅の安全を守るためにも、鍵は適切に取り付けることが重要になります。
自分での作業に不安がある場合は、最初からプロに任せると安心です。鍵を複数にすることを検討していたり、DIYが難しかったりする場合は、無理せず業者への依頼を検討しましょう。
▼関連ページ防犯のための鍵交換なら鍵屋鍵猿に依頼しよう
勝手口の鍵を交換しても、サイズが合っていなかったり取り付け後の調整がうまくいかなかったりした場合、かえって防犯性能が下がってしまう可能性があります。
防犯のために鍵交換をするのであれば、無理せず専門業者に依頼することがおすすめです。鍵交換を検討している場合は、豊富なノウハウと技術を持つ鍵屋鍵猿にぜひご相談ください。
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