給湯器の寿命・耐用年数は何年?壊れる前兆やサインと替えどきの目安

- ノーリツとリンナイが公表している10年が、何を数えた年数なのか
- 施工実績に載せている給湯器が、実際には何年使われていたか
- 10年を過ぎた給湯器を替える前に見ておくこと
- 直せるか交換になるかの分かれ目になる、部品の保有年数
- 持ち家と賃貸で、給湯器の交換を誰が決めて誰に言うのか
給湯器の寿命を調べると、まず10年という数字が出てきます。ところが、その10年が何を数えた年数なのかまでは、あまり知られていません。
10年は、ノーリツとリンナイが設計上の標準使用期間として公表している年数です。その日が来たら壊れるという年数ではありません。いっぽうで、実際に交換されている給湯器が何年使われていたかは、また別の数字です。
この記事では、公表されている10年が何の年数なのかを説明します。あわせて、施工実績に載せた給湯器が実際に何年使われていたかを並べます。そのうえで、自分の機器が製造から何年たっているかを確かめる方法をまとめました。10年を過ぎた給湯器を替える前に見ておくことと、持ち家と賃貸で誰が決めて誰に言うのかも並べています。
この記事は、ガス給湯器についてまとめています。灯油を使う給湯器をお使いの場合は、灯油を使う給湯器のページをご覧ください。
目次
給湯器の寿命とされる10年は何の年数なのか
給湯器の寿命として出てくる10年は、ノーリツとリンナイが設計上の標準使用期間として公表している期間です。壊れる年でも、使えなくなる年でもありません。
ただし、その期間を過ぎたあとも同じ状態が続くわけではありません。ノーリツは、設計標準使用期間を過ぎると、経年劣化により事故が発生するおそれがあるとしています。
ここでは、この10年が何を数えた年数で、何とは別のもので、どういう条件を前提にしているのかを順に見ていきます。そのうえで、自分の機器が製造から何年たっているかを確かめる場所まで説明します。
ノーリツとリンナイは設計上の標準使用期間を製造から10年と公表している
ノーリツは、使用頻度や使用環境などで異なるとしたうえで、標準的な使用条件のもとで使用した場合の設計上の標準使用期間は、家庭用で製造から10年としています。
リンナイも、ガス給湯器の点検・取替えの目安は10年だと書いています。家庭用製品は製造後10年を目安に点検をすすめるとしており、ガス給湯器の設計上の標準使用期間は10年だと記載しています。
ここで見落としやすいのが、年数の起点です。どちらも製造からの年数であって、買った日からでも、使い始めた日からでもありません。
給湯器は、作られてから店や工事店を通って設置されます。取り付けた月と製造の月が同じとはかぎらないので、使い始めてから数えた年数と、製造から数えた年数はずれることがあります。10年という期間を自分の機器に当てはめるときは、製造の側から数えてください。
設計上の標準使用期間は無償の修理期間とは別に決められている
設計上の標準使用期間は、無料で修理を受けられる期間ではありません。ノーリツは、設計標準使用期間について、無償の修理期間とは異なるものだと書いています。
ノーリツによると、設計標準使用期間は、製品を長期で使用すると経年劣化が生じるため、安全上支障なく使用できる期間として定められたものです。そしてその期間を過ぎると、経年劣化により事故が発生するおそれがあるとしています。
期間の決め方にも土台があります。ノーリツは、設計標準使用期間の設定にあたっては、できる限り統一した考え方で設定されることが望まれることから、それぞれの製品の標準的な使用条件はJIS(日本工業規格)で制定されていると説明しています。
つまり10年は、その場の見込みで置かれた数字ではなく、共通の使用条件の上で設定された期間です。無償で直してもらえる期間と混ざりやすいので、別のものとして分けておいてください。
使い方や置き場所が標準と違うと10年より早く傷むことがある
10年は、標準的な使用条件で使った場合の期間です。条件が違えば、同じようにはいきません。
ノーリツは、使用頻度、使用環境、設置場所が標準的な使用条件と異なる場合や、業務用など本来の目的以外の方法で使用された場合は、記載の設計標準使用期間よりも短い期間で経年劣化が起きる可能性があるとしています。
たとえば、家族の人数が多くお湯を使う回数が多い家と、使う回数が少ない家では、同じ年数でも機器の使われ方が違います。潮風の当たる場所や、雪が吹き込む場所に置かれている機器もあります。
条件がよければ10年より長くもつ、とはノーリツの案内に書かれていません。書かれているのは、短くなる可能性があることだけです。10年を、そこまでは安心という線としてではなく、条件しだいで手前に動く期間として見てください。
製造から何年たったかは本体の銘板で確かめる
10年が製造からの年数なら、自分の機器が製造から何年たっているかを知らないと当てはめられません。
ノーリツは、設置している製品の品名(型式)と製造年月は、製品本体の銘板で確認するよう案内しています。銘板は、機器に貼られている表示です。
銘板の場所も、ノーリツが案内しています。給湯器は機器正面(フロントパネル)に銘板があり、小型給湯器は機器右側側面にあるとしています。写真は一例だとも書かれているので、形や貼られ方は機種によって変わります。
ただし、ノーリツは一部の機種については記載方法が異なる場合があるとも書いています。案内されている場所に見当たらないこともあります。そのときは無理に探さず、点検や交換を頼むときに一緒に確かめてもらってください。
製造年月が読み取れれば、そこから何年たったかを数えられます。この年数が、この先の章で出てくる年数と自分の機器を比べる物差しになります。銘板には品名(型式)も一緒に書かれているので、連絡するときは合わせて控えておくと話が早く進みます。
施工実績に載せている給湯器は何年使われていたのか
ここからは、実際に交換された給湯器の年数を見ます。公表されている10年と、現場で替わっている年数は同じではありません。
施工実績のページには、交換した給湯器を何年使っていたかを書いたものがあります。2017年9月から2024年4月までに公開した中で、使っていた年数が数字で書かれているものは57件です。それぞれの中身は、施工実績の一覧から開いて読めます。
この57件を、年数の幅と、年数の帯の2つの見方で並べます。
交換した給湯器の使用年数は10年から30年まで開きがある
いちばん短いものは10年、いちばん長いものは30年でした。真ん中は14年です(57件)。
いちばん短い10年は、ノーリツとリンナイが公表している設計上の標準使用期間と同じ年数です。いっぽうで、同じ57件の中に30年まで開きがあります。交換された年は、ひとつの年に集まっていません。
真ん中の14年は、公表されている10年より後ろにあります。10年が来たその年に替わっているわけではなく、そこからしばらく使われてから交換されているものが多い、ということです。
幅が広いのは、給湯器がある年にいっせいに止まるものではないからです。同じ年数でも、お湯を使う回数や置かれている場所で傷み方が変わります。
ここで気をつけたいのは、この年数が寿命そのものではないことです。交換したときにその機器が何年使われていたかであって、あと何年使えるかを示した数字ではありません。交換の時期は、機器の状態だけでなく、住んでいる人の都合でも動きます。ここに並んだ年数は、交換した時点の記録であって、次に替わる機器がこの幅に収まるという約束ではありません。
12年から15年で交換した給湯器が57件の中でいちばん多い
年数を帯に分けると、どこに集まっているかがはっきりします。
57件を帯に分けると、いちばん多いのは12年から15年の帯です。棒の高さを見ると、この帯だけが大きく突き出ています。10年から11年の帯は少なく、16年から19年の帯と20年以上の帯も多くありません。
つまり、交換は10年を過ぎてすぐではなく、12年から15年のあたりに多くなっています。そこを過ぎても、20年以上使われていたものがあります。
帯で見ると、公表されている10年と、実際に交換されている時期とのあいだに開きがあることが分かります。10年を過ぎたらすぐに動いているわけではなく、そこから何年か使ったうえで替えている家が多い、ということです。
自分の機器が製造から何年たっているかが分かっていれば、この帯のどこにいるかを見られます。12年から15年に入っているなら、交換を考え始めている家が多い年数です。まだ10年から11年なら、その先で替えているものが多い、ということになります。ただし、これは替わった時期であって、いつ替えるべきかを決めた年数ではありません。
20年以上使われていた給湯器もあるが使い続けてよい合図ではない
20年以上使われていた給湯器も、この57件の中にあります。長く使えている機器が現にある、ということです。
ただし、これは長く使ってよいという意味ではありません。ノーリツは、長期間機器を使用することで経年劣化が進み、重大な事故につながるおそれがあるとしています。設計標準使用期間を過ぎると、経年劣化により事故が発生するおそれがあるとも書いています。
長く使えていた機器があることと、いま使っている機器をこのまま使ってよいことは別の話です。20年以上になっているなら、いつ替えるかを決める段に入っていると考えて、この先の章で挙げることを確かめてください。
年数が長い機器ほど、点検を頼んだときに直すための部品が残っていないことも出てきます。部品がどれだけの期間そろえられているかは、このあとの章でまとめています。直す道と替える道の両方を同時に確かめておくと、お湯が止まってから慌てずに済みます。
寿命が近づいた給湯器にはどんな変化が出るのか

年数だけでは決められないので、機器に出る変化も一緒に見ます。変化は大きく2つに分けると、次にすることが決まります。1つ目は、音やにおいのように、その場で使うのをやめたほうがよい変化です。2つ目は、お湯の温度や量のように、点検を頼んで見てもらう変化です。
どちらに当たるかで、連絡の急ぎ方が変わります。変化の一つひとつの見分け方は、サインだけをまとめた記事があります。
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ここでは、その分け方と、それぞれのときにすることを順に説明します。
音やにおいの変化に気づいたら使うのをやめて連絡する
給湯器から今までと違う音がしたり、においがしたりしたときは、使うのをやめて連絡してください。様子を見ながら使い続けてよい変化ではありません。
においのほうから説明します。給湯器からにおいがするときは、機器の劣化や内部の汚れのほか、ガスが燃え切っていないことも考えられます。排気がうまく流れず、排気のにおいがこもっていることもあります。年数がたった機器では、部品が傷んでここに当たることがあります。
においに気づいたときは、給湯器の使用を止めて、速やかに専門の業者へ相談してください。使いながら様子を見ると、原因が進みます。
ガスのにおいがしているときは、その前にすることがあります。火気は使わないでください。換気扇や電灯などの電気のスイッチは、入れるときも切るときも小さな火花が出るので、手を触れないでください。窓や戸を大きく開け、ガス栓やメーターガス栓を閉めて、すぐにご契約のガス会社へ連絡してください。連絡するときは、名前と住所、近くの目標になるもの、その場の状況を伝えます。
音のほうも同じで、今までと違う音が出ているときは、いったん使用を止めます。取扱説明書に載っている音かどうかを確かめ、分からなければ点検を頼んでください。使い始めて年数がたっているほど、音は部品の傷みから出ていることがあります。
お湯の温度や量が安定しないときと水漏れがあるときは点検を頼む
お湯の温度が安定しない、量が少ない、水がにじんでいる。こうした変化は、音やにおいほど急いで手を離す話ではありませんが、放っておくと進みます。点検を頼んで見てもらう側の変化です。
温度が安定しないときは、まずリモコンの設定を確かめます。設定が合っているのにぬるかったり熱かったりするなら、機器の側を見てもらいます。量が少ないときも、蛇口の側なのか機器の側なのかを分けて見てもらってください。
水漏れは、にじんでいる場所によって見るところが変わります。配管の継ぎ目なのか、本体の下からなのかで、そのあとの話が変わります。
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音の変化も、鳴り方によって見るところが変わります。使っていないときに鳴るのか、お湯を出したときに鳴るのかで、確かめる場所が変わります。
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年数がたった機器では、こうした変化がいくつか重なって出ることがあります。1つずつ様子を見るより、まとめて点検を頼むほうが早く済みます。
10年を過ぎた給湯器は替える前に何を見ておくのか
10年を過ぎた給湯器で、替える前に見ておくのは次の2つです。1つ目はリモコンの表示、2つ目は点検の申し込みです。
1つ目は自分の目で見られます。2つ目は、自分では見えないところを見てもらう段です。どちらも、機器を止めたり分解したりせずにできることで、本体のふたを開けたり配管に触れたりする必要はありません。順に説明します。
リモコンに88や888が出ていないかを見る
まず、台所や浴室のリモコンに数字が出ていないかを見ます。
リンナイは、使用期間が10年相当になると、ランプの点滅や、リモコン等に「88」または「888」を表示してお知らせすると案内しています。故障の番号ではなく、点検の時期が来たことを知らせる表示です。
ただし、すべての機器に出るわけではありません。リンナイは、点検通知と点検お知らせ機能の対象製品は、ガス給湯器(一部)と食器洗い乾燥機のみだと書いています。ガス給湯器でも、対象になっていない機種があるということです。
ノーリツも、2009年以降の製造品より、順次「点検お知らせ機能」を搭載しているとしています。
表示が出ていないからといって、まだ年数がたっていないという意味にはなりません。出ない機種もあるので、年数は銘板の製造年月から数えたものを使ってください。
異常が見られなくても10年が過ぎたら点検を申し込む
リモコンに表示が出ていなくても、10年が過ぎたら点検を申し込めます。
リンナイは、異常は見られないが、製品の使用から10年が経過したら、という区切りを挙げて点検をすすめています。ノーリツも、法令で定められた点検の対象にならない製品に、長期使用製品安全点検制度に準ずるあんしん点検を推奨しているとしており、この点検は一般社団法人日本ガス機器工業会が促進している制度だと書いています。パロマも、あんしん点検のお知らせを出しています。
ここで押さえておきたいのは、ガス給湯器が、法律で点検を受けることになっている製品ではないという点です。経済産業省の長期使用製品安全点検制度は、所有者自身による保守が難しい設置型の製品を特定保守製品と定めています。2021年8月1日に消費生活用製品安全法施行令が改正され、屋内式ガス瞬間湯沸器は対象品目から削除されました。
つまり、案内されているあんしん点検は、義務ではなく任意の点検です。申し込み先は、お使いの機器のメーカーになります。
寿命が近い給湯器は直せるのかそれとも交換になるのか

直せるかどうかは、部品があるかどうかから見ます。どれだけ丁寧に使っていても、修理に使う部品が無くなれば直せません。
パロマは、修理に要する部品の保有期間を過ぎた場合、修理ができないことがあるとしています。年数がたった機器ほど、ここに当たることが増えます。
ここでは、部品が残っている期間の数え方から見ます。そのあとに、点検で修理が必要と分かったときにすることと、取り替えをすすめられる年数を並べます。
修理に使う部品はノーリツが生産打ち切り後の保有年数を公表している
修理に使う部品は、いつまでも置かれているわけではありません。ノーリツは、補修用性能部品の保有年数を公表しています。
ノーリツによると、BL認定品(ベターリビング認定品)の給湯機器は10年、BL認定品ではないガス給湯器は7年です。補修用性能部品とは、製品の性能を維持するための部品だとしています。
気をつけたいのは、この年数の起点です。買った日からでも、製造の日からでもありません。ノーリツは、商品の生産打ち切り後の修理用部品について、経済産業省の行政指導により定めていると書いています。生産が打ち切られてから数えます。
そのため、同じ機種が長く作られていれば、設置してから年数がたっていても部品が残っていることがあります。逆に、設置して間もなくその機種の生産が終わっていれば、年数のわりに部品が無くなるのが早いこともあります。
ノーリツは、使用年数が長い場合は、修理用部品がなく対応できない場合があるとしています。年数がたった機器ほど、直すという選択肢そのものが残っていないことがある、ということです。
点検で修理が必要と分かったときは直るまで使用を止める
点検を受けて修理が必要と分かったときは、直るまで使うのをやめます。
パロマは、点検結果により修理が必要になった場合は、修理完了するなど安全が確認されるまでの間は、機器の使用を原則として中止するとしています。点検を受けたのだから大丈夫だろう、という扱いにはなっていません。
パロマは、あんしん点検について、点検実施時期の機器の安全を確認するものであり、継続的な性能維持や故障予防を保証するものではないとも書いています。異常が無かった場合も、そのあとずっと安全が約束されるわけではない、ということです。
点検で修理が必要と分かったときに、直すか替えるかの分かれ目が出てきます。部品が残っていれば直せますが、残っていなければ取り替えになります。
10年以上使った機種はノーリツが取り替えをすすめている
ノーリツは、製品を10年以上使用している場合は、取り替えをおすすめすると書いています。10年以上使っている機種であれば、取り替えることで省エネ性も上がるとしています。
これは、修理ができるかどうかとは別の話です。部品が残っていて直せる場合でも、年数がたっていれば取り替えをすすめる、という案内になっています。
直すか替えるかを決めるときは、点検を頼んだ先に、直す場合と取り替える場合の両方を聞いてください。部品が残っているか、直したあとどのくらい使えるかは、機器ごとに違います。
交換を考える段になったら、頼む先と費用の見当をつけます。
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どちらにするかは、機器の状態と、そのあと何年使うつもりかで変わります。点検の結果を聞いてから決めても間に合います。
持ち家と賃貸では給湯器の交換を誰が決めて誰に言うのか

住まいの形で変わるのは、年数ではありません。変わるのは、交換を決める人と、先に伝える相手です。
戸建てや分譲マンションなら、決めるのは住んでいる人自身です。賃貸なら、決めるのは建物の持ち主で、住んでいる人は先に伝える側になります。ここを取り違えると、話が進まなかったり、あとで戻ったりします。
設計上の標準使用期間も、施工実績に出ている年数も、住まいの形では変わりません。変わるのは連絡の順番だけです。
戸建てや分譲マンションでは自分で決めて自分で交換を頼む
戸建てと分譲マンションは、どちらも持ち家です。給湯器は住んでいる人のものなので、直すか替えるかを自分で決めて、自分で頼みます。
頼むときは、本体の銘板に書かれている品名(型式)と製造年月をまとめておきます。リモコンに出ている表示と、いつからどんな状態かも書き出しておくと、話が早く進みます。88や888が出ているなら、それも伝えてください。
マンションでは、工事の前に管理組合や管理会社への届け出が要るかどうかを、こちらで確かめています。お住まいの建物の決まりに当てて確かめてから、日取りを決めています。決まりは建物ごとに違うので、お申し込みのときに建物の名前と階数をお伝えいただけると、そのぶん早く進みます。
見積もりを取るときは、いまと同じ働きの機器に替えるのか、それとも機能を変えるのかを先に決めます。決めておくと、やり取りが1回で済みます。設置してある場所の写真を撮っておくと、電話やメールで伝える手間も短くなります。
交換の日は、水とお湯を止める時間が出ます。その時間は蛇口からお湯が使えなくなるので、家族が家にいる日や、お湯を使わない時間帯に合わせて日取りを決めてください。
賃貸では先に管理会社か大家に伝える
賃貸では、給湯器は建物の持ち主のものです。住んでいる人が自分で業者を呼んで交換を決めるのではなく、先に管理会社か大家へ伝えます。
伝えるときは、いつからどんな状態かを具体的に言います。お湯が出ない日があるのか、温度が安定しないのか、音やにおいがするのか。使っている年数が分かっていれば、それも合わせて伝えてください。
賃貸でも、給湯器の状態を見るところは持ち家と同じです。リモコンに出ている表示、音やにおいの変化、お湯の温度や量は、そのまま伝える材料になります。
連絡したあとは、管理会社や大家から業者を手配してもらう形になることが多く、住んでいる人が業者を選ぶ場面は少なくなります。急いでいるときは、お湯が使えていないことと、いつから使えていないのかを先に伝えてください。
先に連絡せずに交換を頼んでしまうと、あとで話がこじれることがあります。費用を誰が負担するかは、契約の中身や状況によって変わります。まずは連絡して、指示を受けてから動いてください。
お湯が出なくなってから連絡するときは、先に確かめておくことがあります。
給湯器からお湯が出ないのはなぜ?水は出るときに確かめる場所と順番
水は出るのにお湯だけ出ないときは、家じゅうで出ないのか1か所だけかで確かめる場所が変わります。ガスコ ... 続きを読む
確かめたことをそのまま伝えれば、管理会社や大家も状況をつかみやすくなります。連絡の前に分かっていることを書き出しておいてください。
給湯器を長く使うために自分でできることは何か
自分でやってよいのは、本体の外側までです。ふたを開けたり、内部に触れたりする作業には資格と道具が要ります。
そのうえで、できることは次の2つです。1つ目は、給気口と排気口のまわりに物を置かないこと。2つ目は、お湯を止めてから温度を変えることです。どちらも道具は要りません。
この2つで寿命が延びると言い切れるわけではありませんが、機器に余計な負担をかけないためにできることです。
給気口と排気口のまわりに物を置かない
ガス給湯器は、空気を取り入れて燃やし、その排気を外へ出しています。給気口は燃やすための空気を取り入れるところ、排気口は燃えたあとの排気を出すところです。
ここが塞がれると、燃焼と排気がうまくいかなくなります。段ボール、物置、自転車、伸びた植木などが前に置かれていないかを見てください。洗濯物を機器の前に干していることもあります。
冬に囲いをかけたり、雪よけの板を立てかけたりするときも、給気口と排気口を塞がないようにしてください。寒い時期だけ物が増えて、そのまま置きっぱなしになることがあります。
外側のほこりや落ち葉は、手で払える範囲だけにします。ふたを開けて中を掃除する必要はありません。
お湯を止めてから温度を変える
リモコンの温度設定を変えるときは、お湯を止めてからにしてください。お湯を出したまま設定温度を変えると、機器に負担がかかります。
シャワーを使っているときにぬるいと感じて、出したまま温度を上げることがあります。この操作を毎日繰り返すより、いったん止めてから変えるほうが、機器にとっては楽です。
温度の設定そのものに、これが正しいという数字はありません。使う人に合った温度で構いません。ただし、高い温度で使い続けるほど、機器にかかる負担は大きくなります。
お湯を止めてから温度を変えるだけなら、道具も費用も要りません。毎日の使い方の中で続けられることです。
よくある質問
給湯器の寿命はメーカーによって違いますか?
ノーリツとリンナイは、どちらも設計上の標準使用期間を10年と公表しています。家庭用で製造からの10年だという点も同じです。
パロマも、製品ごとに標準的な使用条件で安全上支障なく使用することができる期間として、設計上の標準使用期間を設定しているとしています。
ノーリツとリンナイのあいだでは、公表されている年数に差はありません。同じ10年でも、実際に何年使われるかは、使い方と置き場所によって変わります。
点検のお知らせが出ない給湯器もありますか?
あります。リンナイは、点検通知と点検お知らせ機能の対象製品は、ガス給湯器(一部)と食器洗い乾燥機のみだとしています。ガス給湯器でも、対象になっていない機種があります。
ノーリツは、2009年以降の製造品より、順次「点検お知らせ機能」を搭載しているとしています。それより前に作られた機器では、表示が出ないことがあります。
表示が出ないことは、まだ年数がたっていないという意味ではありません。製造年月を銘板で確かめて、そこから数えてください。
10年を過ぎたらすぐに交換しないといけませんか?
10年を過ぎたその日に交換しなければならない、というわけではありません。施工実績に載せた給湯器も、10年に届いたところで替わったものから、20年以上使われたものまで幅があります。
ただし、ノーリツは製品を10年以上使用している場合は取り替えをおすすめすると書いています。10年を過ぎたら、いつ替えるかを決める段に入ったと考えて、点検を申し込んでください。
点検の結果を聞いてから、直すか替えるかを決めても間に合います。
給湯器の点検は法律で決められているのですか?
ガス給湯器は、法律で点検を受けることが決められている製品ではありません。
経済産業省の長期使用製品安全点検制度は、所有者自身による保守が難しい設置型の製品を特定保守製品と定めています。2021年8月1日に消費生活用製品安全法施行令が改正され、屋内式ガス瞬間湯沸器は対象品目から削除されました。
ノーリツもリンナイもパロマも案内しているあんしん点検は、義務ではなく任意の点検です。申し込むかどうかは、持ち主が決めます。
まとめ
給湯器の寿命として出てくる10年は、ノーリツとリンナイが設計上の標準使用期間として公表している期間で、起点は製造です。買った日でも、使い始めた日でもありません。無償の修理期間とも別に決められています。使用頻度や設置場所が標準と違えば、それより短い期間で経年劣化が起きる可能性があるとノーリツは書いています。自分の機器が製造から何年たっているかは、本体の銘板に書かれている製造年月で確かめられます。
施工実績に載せた給湯器のうち、使っていた年数が書かれている57件では、いちばん短いものが10年、真ん中が14年、いちばん長いものが30年です。12年から15年のあたりがいちばん多く、20年以上使われていたものもあります。ただし、これは交換したときに何年使われていたかであって、あと何年使えるかを示した数字ではありません。
10年を過ぎた給湯器では、リモコンに88や888が出ていないかを見て、表示が出ていなくても点検を申し込めます。ガス給湯器は法律で点検が決められている製品ではないので、案内されているのは任意の点検です。直せるかどうかは部品が残っているかで分かれ、ノーリツは生産打ち切り後の保有年数を公表しています。
音やにおいの変化に気づいたときは、使うのをやめて連絡してください。温度や量が安定しないときと水漏れがあるときは、点検を頼みます。賃貸にお住まいなら、業者を呼ぶ前に管理会社か大家へ伝えてください。お湯が使えなくなってから慌てるより、年数が分かっている今のうちに、次にどうするかを決めておくほうが動きやすくなります。
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